「ディエ!」
ティガは走り出し、ゴルザに向かって拳をぶつける。
先程まで女神の攻撃に全く怯んでいなかったゴルザは後ろに後退しながらも、ティガに反撃する。
ティガはゴルザの攻撃を防ぎつつ、蹴りをゴルザの横から当てる。
「………凄い」
その戦いにネプテューヌは思わずそう呟いた。
「私たちがいくら攻撃しても、顔色一つ変えなかった奴が……」
「一体……アレは何者なのでしょう………?」
ブランとベールもその戦いを見つめ、呆然としていた。
「ともかくこれはチャンスよ」
そんな中、ノワールは一人ある事を思った。
「ノワール、チャンスって?」
「決まってるでしょ。今のうちに力を溜めるのよ。どちらが勝っても、あのどちらかを倒せるだけの力を!」
そのことにネプテューヌは思わず驚いた。
「ちょっと待ってノワール!あの巨人も倒すって言うの!?」
「当たり前でしょ!今こそ、あの巨人はあの生物と戦ってるけど、私たちの味方って保証はどこにもないわ!」
「ノワールの言う通りだぜ。もし、あの巨人があの力をプラネテューヌ、いや、ゲイムギョウ界に向けられてみろ。どうなるかは分かるだろ」
「用心に越したことはないっと言う訳ですわね」
ブランとベールもノワールの意見に賛成らしく、武器を構える。
だが、ネプテューヌだけはどうしてもティガを敵に見れなかった。
自分達を守る様に立ちはだかり、ゴルザに立ち向かう、あの勇姿が、まるでこの世界を導く神にも思えた。
「ディア!」
ティガはジャンプし、空中で回転飛び蹴りをゴルザの額目掛け、放つ。
ゴルザはそのまま倒れ、地面に横たわる。
ティガはこれで終わらせようと、両腕を腰の位置まで引き前方で交差させた後、左右に大きく広げてエネルギーを集約させる。
だが、腕をL字にし、そのエネルギーを溜めた一撃、ゼペリオン光線を放とうとした瞬間、上空から引き裂く様な高い声が響き、ティガを攻撃する。
「ディエ!?」
そのため、溜めていたエネルギーは散り散りになり、ゼぺリオン光線は不発に終わる。
現れたのは超古代龍メルバだった。
メルバのマッハ6を誇るスピードにティガは翻弄され、そこをゴルザが追撃する。
二体の怪獣相手に太刀打ちの出来なくなったティアが防戦一方となり、攻撃に耐える。
すると、胸元の水晶、カラータイマーが点滅を始め、辺りに警告音の様な音が響く。
ゴルザが腕を大きく振り上げ、ティガの頭部を攻撃する。
ティガは横に転がりながら、地面に倒れる。
なんとか立ち上がろうとするも、頭部に攻撃を食らったため、ティガはうまく立ち上がれず、ふらつく。
そして、ゴルザが額にエネルギーを溜め、超音波光線を放とうとする。
「はあああああああ!!」
すると、ネプテューヌが動き、ゴルザに攻撃をする。
ゴルザは目にネプテューヌの攻撃を食らい、超音波光線は狙いを大きく外れ、空に向かって放たれる。
「ネプテューヌ!貴女何を……!?」
「ノワール。確かに貴女の言う通り、あの巨人が味方である保証は何処にもないわ」
でもねっと言い、そこで言葉を区切り、ネプテューヌはノワールたちの方を振り向く。
「信じて見たいの。あの巨人を」
ネプテューヌの言葉に、皆が唖然とする。
「………そうですね。ネプテューヌの言葉、信じますわ」
「私も良いぜ。それに、二対一ってのはどうも好かねぇんでな」
「たっくもー……どうなっても知らないわよ!」
ベールとブラン、ノワールもネプテューヌの言葉に賛同し、武器を構える。
「そこの巨人!あの怪獣は私たちが相手をするわ!貴方は、あの龍を!」
ネプテューヌがティガにそう呼び掛けると、ティガあネプテューヌを見て、頷く。
ティガは、メルバの方を見て、構える。
メルバは自慢の翼を広げ、空高く飛ぶ。
どうやら、上空からの攻撃を仕掛ける様だ。
ティガは拳を握り腕を額の前で交差する。
「デェア!」
力を込め、腕を大きく下に振り下ろす。
すると、全身が青紫と銀の体色に、スカイタイプになり、驚異的な速さで上空のメルバを追う。
今のティガはマッハ7の速度で飛行し、メルバとの距離をどんどん縮める。
ティガはメルバの上空に迫り、そのまま強烈な蹴りをメルバに叩き込む。
メルバは頭上からの攻撃を防御する間もなく食らい、落下する。
ティガは地上に落ちたメルバを見つめ、両腕を胸の前で交差させる。
瞬時に左右に伸ばしてから上にあげてエネルギーを集約し、両手を左腰に置くようにする。
そして、手裏剣を投げるように放つ。
ランバルト光弾。
速さに特化した必殺技だ。
メルバはランバルト光弾をモロに喰らい、そして、消滅した。
一方ネプテューヌたちはゴルザ相手に善戦していた。
先程は不意を突かれ攻撃を食らってしまったが、ゴルザのスピードはメルバを比べると早くはない。
その為、ネプテューヌ達は回避に専念し、隙を見て攻撃を繰り返していた。
いくら攻撃が効かない程硬いとは言え、こう何度も攻撃を食らっていれば堪ったもんじゃない。
「皆、行くわよ!」
ネプテューヌの声を合図に全員が武器を掲げる。
「レイシーズダンス!」
「テンツェリントロンペ!」
「レイニーラトナビュア!」
「クロスコンビネーション!」
四女神の必殺技が当時に、ゴルザの目に向かって放たれる。
ゴルザは片目を潰され、悲鳴を上げる。
そして、そのまま地面を掘り、そのまま地中深くへと潜って行った。
ゴルザが地中に潜ると同時に、ティガもメルバを倒し終えていた。
辺りに沈黙が流れる。
ノワールとブラン、ベールはティガの事を警戒し、武器を強く握り締める。
「貴方のお陰で助かったわ」
そんな中、ネプテューヌは一歩前に出て、ティガの前に立つ。
「プラネテューヌの女神として、貴方に感謝します。プラネテューヌを救ってもらい、ありがとう」
すると、ティガは言葉を理解したのか頷く。
「ディア!」
そして、腕を広げ、そのまま上空へと飛んで行った。
ゴルザを撃退し、メルバを撃破した後、ネプテューヌたちを迎えたのは溢れんばかりの歓声だった。
誰もが四女神を褒め称え、生を喜び合った。
そんな中、ネプテューヌ達は、浮かばない表情をしていた。
実際、怪獣を倒せたのはティガだけ。
自分たちはゴルザを撃退しかできなかった。
だが、国民たちを無駄に不安にさせてはならない為、ネプテューヌは笑顔で国民に安全を宣言した。
式典の後は友好条約を結んだことに寄る歓迎のパーティーを行う予定だったが、あの後ではそれを行う気も起きず、日を改めてパーティーは行うことになり、その日はお開きになった。
その日の夜。
プラネテューヌの警備局諜報部に所属するアイエフは一人バイクを走らせていた。
自宅に戻り、寝ようとした時、通信が入り、海岸に謎の発光体が墜落したとの情報を受けた。
アイエフは眠たいのを堪えて、海岸までバイクを走らせる。
夜の海岸は静かで、神秘的な雰囲気もあれば、何処か不気味な雰囲気もあった。
辺りを見渡し、アイエフは通信用のデバイスにして生物反応や放射能感知等の機能を持つ高性能小型パソコン、PDIを取り出し、本部に通信を入れる。
「こちらアイエフ。海岸に到着。謎の発光体と思しきものは見当たりません」
『こちら本部。通信了解』
「念の為、海岸周辺を見廻ってから帰投する」
『本部了解』
通信を終了し、PDIを仕舞って、海岸を見廻る。
海岸の終わりの岩場に差し掛かり、何も異変は無かったのでアイエフは帰ろうとした時、背後で何かの声を聞いた。
岩場を背に、腰のホルスターに収めた銃、ハイパーガンを抜く。
タクティカルライトを手に、ゆっくりと移動し、そして、ライトのスイッチを入れると同時に、ハイパーガンを構える。
そして、そこにはうつ伏せに倒れる青年がいた。
「ちょっと!貴方大丈夫!?」
アイエフはその青年に近づき、助け起こす。
青年はゆっくりと目を開け、アイエフを見つめ、そして、また気を失った。