ゴダイはアイエフの言葉に頷き、椅子に座って取調べを受けた。
嘘発見器などを使い、アイエフの質問に一つ一つ答えていく。
取調べの結果、ゴダイの記憶喪失が本当のことであると判明した。
「どうやら、記憶喪失は本当のようね」
「これで俺の疑いは晴れたのか?というより、俺は一体何を疑われてるんだ?」
「昨夜、貴方を見つけた海岸で、謎の発光体が墜落したって通報があったの。でも、海岸になにも異変はなく、代わりに貴方がいた。何も関係がないって思う方が無理があるわ」
アイエフの言葉に、ゴダイは納得した。
「それで俺はどうなるんだ?」
「現段階だと、まだ疑いがあるってだけだから、特にないわ。まぁ監視とかは付くと思うけど」
アイエフがそう言うと、急に取調室の扉が開く。
「やっほー!アイちゃん!」
入ってきたのはネプテューヌだった。
「ねぷ子、あんた何しに来たのよ」
「何って言われても、私一応GPCの総監だし」
「総監?」
ゴダイがそう呟く中、ネプテューヌはゴダイに近づき、手を差し出す。
「君が例の記憶喪失君だね!私、ネプテューヌ!プラネテューヌの女神で、GPCの総監だよ!」
「ど、どうも、ゴダイです」
ゴダイは握手に応じ、アイエフに尋ねる。
「あの……こんな小さい子が総監なんですか?」
「そうよ。折角だからGPCの説明も兼ねて説明するわ」
ゲイムギョウ界平和連合GPC。
正式名称はGamegyoukai Peaceable Consortiumで、略してGPCと言う。
ゲイムギョウ界は、四つの国に分かれており、プラネテューヌ、ラステイション、ルウィー、リーンボックスの四つの国は長年の間、シェアと呼ばれる国力の源であり、女神の力の源を互いに競い合い、時には女神同士による戦いで奪い合ってきた。
そんな中、現プラネテューヌの女神、ネプテューヌは武力によるシェアの奪い合いを禁ずる友好条約を三つの国に持ちかけ、条約を結ばせた。
そして、各国の軍は解体となり、代わりにGPCが創設された。
GPCの目的はゲイムギョウ界で多発する怪現象や自然災害から国民を守るためで、決して戦争などの戦いが目的ではない。
GPC創設はネプテューヌの提案であったことと、ネプテューヌが友好条約を持ちかけたということから、ネプテューヌがGPCの初代総監となり、プラネテューヌにGPC本部が置かれてる。
「以上がGPCとねぷ子がGPCの総監である理由よ」
「なるほど」
ゴダイはアイエフの説明を聞き、興味深そうにする。
それを見たネプテューヌはあることを思いつく。
「ねぇねぇ、ゴダイ君。これからどうするの?」
「え?……いや、どうするって言われても……」
ゴダイは頭を掻きながら力なく笑う。
「だったらさ、GPCに入らない?」
「ちょ、ちょっと!ねぷ子、あんた何言ってるの!」
アイエフは椅子から立ち上がり、ネプテューヌに詰め寄る。
「まぁ、いいじゃんいいじゃん。それに、あのチームも人手が足りなかったし」
「チームってまさか、GUTSに所属させるの!?」
「GUTS?」
「GUTSってのはね」
GPCにある特別捜査チーム、Gamegyoukai Unlimited Task Squadとはゲイムギョウ界で無制限に仕事をするチームを意味し、その頭文字を取り、GUTSと呼ばれている。
GUTSのメンバーはネプテューヌ自身がGPCの中から選んだ選りすぐりのメンバーで構成されており、アイエフもGUTSの一員である。
「へー、アイエフさんってすごいんだ」
「ま、まあね………ってそうじゃなくて!」
褒められ少し嬉しそうにするアイエフだったが、すぐに話を戻す。
「GUTSに入れるなんて反対よ!もしゴダイの身に何があったらどうするのよ!?」
「まぁまぁ、GUTSは仕事からあっちこっち行くし、記憶を取り戻す手がかりが見つかるかもよ。それにさ………」
ネプテューヌはゴダイを見てからアイエフの方を見る。
「ゴダイ君なら大丈夫だと思うんだ」
根拠のないネプテューヌの言葉。
それを聞いたアイエフは、ネプテューヌに呆れてため息を吐く。
「分かったわよ。GPCに入れるのに反対はしないわ。でも、GUTSは別よ。どうしてもゴダイをGUTSに入れるって言うなら、今日から一週間研修って形で私が審査する。その一週間の働きぶりを見て、GUTSに入れるか判断するわ。いいわね?」
「いいよ。それで。じゃあ、ゴダイ君、頑張ってね~」
ネプテューヌはゴダイに手を振りながら部屋を出て行く。
「ま、というわけで、今日から一週間、GUTS入隊のための研修を受けてもらうから」
「は、はい」
「あと、私は仕事に私情は持ち込まない主義だから、判断は公平にするからね」
ゴダイはよくわからないまま、一週間GUTSでの研修が始まった。