「今、引っ張り上げますから」
ゴダイはアイエフの腕をもう一本の手で掴み、少年とアイエフを引っ張り上げる。
「ゴダイ……どうしてここにいるの?貴方には後方の担当を頼んだはずよ」
「地下シェルターに来たお祖父さんからアイエフさんがこのビルに逃げ遅れた子供を助けに行ったって聞いて、飛んで来たんです。何があったらと思って」
そう言うと、ゴダイは少年の方を見る。
「君、大丈夫かい?」
「う、ううん……足が……痛いよぉ……」
「そっか。あと少し。もう少しだけ我慢だ。避難所に着いたらすぐにお医者さんに見せて上げるから、今はもう少しだけ我慢してくれ?できるかい?」
ゴダイは少年から目を離さず、優しい目で見つめる。
「……うん、我慢する」
「よし!それでこそ、男の子だ!」
「話は済んだわね。さぁ、行くわよ」
アイエフが少年をしっかりと背負い、立ち上がる。
するとゴダイは急に険しい表情になり、アイエフを少年事突き飛ばす。
それと同時に、先程アイエフが立っていた位置に青白い光線が当たる。
光線はゴルザの超音波光線で、ゴルザの攻撃はビルを縦に切り裂く様に破壊される。
アイエフはゴダイに突き飛ばされたことで光線に当たらずに、済んだが、今の攻撃でアイエフと少年はゴダイと離れる羽目になった。
距離は遠く、助走無しのジャンプでは届かない。
「アイエフさん!その子をお願いします!」
「ちょ、ゴダイ!アンタはどうすんのよ!」
「俺は違うルートから脱出します!アイエフさんはその子を早く避難所に!ビルを出たすぐそこにシャーロックを止めてありますから!」
アイエフは唇を噛みしめ、立ち上がる。
「いい!?無事に戻ってきなさいよ!死んだりしたら許さないんだから!」
アイエフはそう言い残し、階段を降りて行く。
「俺も早く、避難しないと」
だが、ゴダイは背後にある崩落した床を見つめ、その一階下のフロアに降りる。
そして、そのまま廊下を走り、ある物を見付ける。
「あった!非常階段だ!」
ゴダイは目当ての物を見付け、思わず顔がほころびる。
そして、非常階段の扉を開け、外に出た。
そこには地獄の様な光景があった。
復興間近だった町はまた壊され、建物には火の手が上がり、まだ避難をしている人達の悲鳴と怪獣の叫び声が聞こえる。
「なんだよ……これが……あのプラネテューヌの光景だって言うのかよ……」
そこから見た光景にゴダイは思わず絶句した。
綺麗で賑わっていた町の面影は何処にも見当たらず、悲鳴と火と煙の匂いしかそこにはなかった。
ゴダイは非常階段を降りるよりも、ゴルザの方を見た。
「なんでだよ……一体……お前達は何がしたいんだよ!」
ゴダイの叫び誰にも届かず、その辺りに響いた。
『光になるのです』
その時、ゴダイの頭に何かの声が聞こえた。
「え?」
『ゴダイよ、光になるのです』
「誰だ?俺の頭の中に話し掛けて来るのは!?」
『怪獣を倒し、世界を救う方法はただ一つ。ゴダイよ、光になり、ウルトラマンティガとなるのです』
「なんなんだ!?光になるってなんなんだ!ティガってなんだ!」
ゴダイは辺り一帯に叫び、尋ねる。
その時、ゴダイは自分の胸元で何かが光っていることに気付いた。
それは、病院に運び込まれた日、自分が来ていた服の内ポケットに入っていた物だった。
持ち手が大理石の様なデザインでその上に、水晶で作ったような装飾品が付いた物。
「これは………」
『そのスパークレンスこそが、ゴダイを光に変え、ウルトラマンティガにするもの』
「だから光になるってなんだ!?俺が光りになるってのは!?ティガってなんなんだ!?」
とうとう声がゴダイの頭の中で聞こえず、再び人々の悲鳴と、怪獣の叫び声が聞こえる。
ゴダイは手にしたスパークレンスを見つめる。
「これで……ティガって言うのになれば、あの怪獣を倒せるのか?」
スパークレンスを握りしめ、ゴダイは決意する。
スパークレンスを高く掲げる。
すると、水晶が開き、中のレンズが発光する。
眩い光がゴダイを包む。
その時、ゴダイは気付いた。
いつの間にか、ビルの非常階段ではなく、ゴルザの前に立ていたことに。
そして、ゴルザと背が変わっていないことに。
ゆっくり自分の手を持ち上げ、その手の大きさを見て、近くのビルのガラスに映った自分の姿を見て、気付いた。
赤・青紫・銀の体色に、胸元に嵌め込まれた水晶
そして、乳白色に輝く目。
一週間前、メルバをと倒し、プラネテューヌを危機から一度救った巨人の戦士。
ウルトラマンティガになっていることに!
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では、次回もお楽しみに!