ゴダイは自分の姿に驚いた。
一週間前、突如現れた光の巨人に自分がなり、今、ゴルザと対峙してる。
ゴダイは理解が追いつかないまま、ゴルザに向かって構える。
ティガはゴルザに向かって走り、下から顎を殴る。
ゴルザは一瞬怯むが腕を大きく振り上げ、ティガの首を殴る。
殴られながらもティガはゴルザの首をつかみ脇に挟んで、腹部に膝蹴りを放つ。
何発か膝蹴りを繰り返すと、ゴルザは額から超音波光線を放ち、地面に打つ。
その衝撃でティガはゴルザの首を離してしまい、そこをゴルザは突進する。
ゴルザの突進を食らいティガは吹き飛ばされ、地面に転がる。
ゴルザは再び、額にエネルギーを溜め、超音波光線を打つ。
それを見て、ティガは横に避け様と動こうとしたが、あることに気づき、攻撃をよけず、腕を交差させ、防御する。
「ディア!?」
超音波光線をモロに食らったティガはその場に膝を着き、苦しそうに肩で息をする。
そんなチャンスをゴルザは見逃そうとせず、ティガに駆け寄り足蹴にする。
転がり仰向けに倒れこんだティガに馬乗りになると、腕を何度もティガに振り下ろす。
何とかして、ティガは抜け出そうとするが、ゴルザの重さで抜け出せずにいる。
避難所では多くのプラネテューヌの国民が外の様子を中継で見ていた。
「どうして、あの巨人さんは、さっきの攻撃を避けなかったのですか……?」
怪我人の治療に当たっていた看護師のコンパが中継を見ながらいう。
「避けなかったんじゃなく、避けれなかったのよ」
コンパの隣に立ったアイエフはそう言う。
「アイちゃん、それはどう言う………」
「あの時、あの攻撃を避けてたらあの怪獣の攻撃は避難所を直撃していたわ」
アイエフの言葉にコンパは気づく。
「あの巨人はこの避難所にいる国民を守るために、あえてあの攻撃を食らったのよ」
ティガやられる光景に国民は目を伏せ、絶望する。
「…………あれの何処が危険な存在よ」
アイエフは拳を握り締め言う。
「あんなになるまで必死に私たちを、国民を守ろうとする巨人が………何が敵よ!」
アイエフはそう叫び、避難所の扉を開け、外に出る。
「アイちゃん!」
「コンパ!避難所の人たちをお願い!」
コンパの返事を聞かず、アイエフは外に出る。
シャーロックにすばやく乗り込むと、最寄のビルの地下駐車場に入り、シークレットトンネルに入って、GPC本部へと向かう。
本部に着くと、本部内は慌しくなっており、職員が廊下を行ったり来たりしてる。
「どう言うこと!?援軍に行っちゃいけないって!」
アイエフはすぐに総監室に向かうと、ネプテューヌの怒鳴り声が聞こえた。
「理由は説明した通りです、ネプテューヌさん」
部屋からはイストワールの声も聞こえる。
それを聞いてアイエフはすぐにイストワールに尋ねた。
「イストワール様!今のは一体………」
「アイエフさん………言葉の通りです。あの巨人の援軍に行ってはなりません」
「何故です!?」
「理由はこれです」
そう言ってイストワールが見せてきたのは、一枚のデータ表だった。
「とある火山の活動データです。これを見る限り火山のエネルギーの動きがかなり活発になっているのがわかります。ですが、これだけ活発なのに火山は噴火する兆候は見えず、現在は火山の活動は穏やか。これは仮説ですが、あの怪獣はこの一週間、火山地帯に潜伏し、火山のエネルギーを吸収していた可能性があります。GPCの簡易計測の結果、あの怪獣は一週間前より力が二倍近くまで上がってます」
「なら、なおさら助けに行かないと!」
「わからないんですか!一週間前、四女神が力を合わせても倒せなかったのに、力が二倍にもなってるアレに勝てると思いますか!」
イストワールに言われ、ネプテューヌは俯く。
「だからって………あの巨人を見捨てることなんて………」
そのとき、中継から警告音が鳴り響く。
ティガのカラータイマーが点滅し、限界が近い音を示していた。
「やっぱり見捨てられない!私、行く!」
ネプテューヌは女神化し、ティガの元へと行こうとする。
だが、それをアイエフは止めた。
「アイちゃん、離して!」
「だめよ、ねぷ子。たった一人であいつに勝てるわけないでしょ」
「でも……!」
「この中継は国民も見てるのよ。やられてる女神を見たら、シェアがどうなるかわかるでしょ」
アイエフの言い分に、言い返せず、ネプテューヌはまた黙る。
「だから、私が行くわ」
「アイちゃん……何を!」
「この間開発した新機体………完成してるわよね。それで私が出撃する」
「そんな無茶よ!第一、まだ試運転もしてないのに!」
「あの巨人は…………命を懸けて戦ってる。なら、私も命を懸けてアイツを助けるのよ!それに、あいつがやられたらその道、私たちもやられるわ」
アイエフはそう言い、総監室を後にする。
カラータイマー鳴り出し、ティガはゴルザに押され始める。
腕の力は弱まり、ゴルザを押しのける力がなくなる。
ゴルザはトドメを誘うと、額にエネルギーを溜め、より強力な超音波光線を放とうとした。
だが、その時一発の光線がゴルザに命中し、ゴルザが痛みに声を上げる。
ティガはその隙を逃さず、ゴルザを巴投げし、立ち上がる。
そして、黄色い戦闘機が飛んでいることに気づいた。
「中々の威力と飛行性能ね。さすがは新機体」
その機体の名前はガッツウイング1号。
従来の戦闘機に代わるGUTSの主力メカである。
ニードルと呼ばれるレーザー兵器を搭載し、それ以外に、ナパーム弾、ミサイル(ヒート)、ブラスター、アルミジャマー、高周波ジェネレーター、消火弾、狭角ミサイル、水中機雷、三連装空対地機関砲ポッド、レーザー、液体窒素ビーム、液体窒素弾、スーパーウェーブ透視装置、探照灯、牽引ワイヤー、中和弾、徹甲弾などの武器を豊富に装備しており、最高速度はマッハ5.5。
完全空中停止や垂直離着陸も可能とする戦闘機だ。
パイロットであるアイエフは機体の高性能さに驚き、感心しながらゴルザに狙いをつけ、ニードルを撃つ。
ゴルザは悲鳴を上げ、ガッツウイング1号に超音波光線の狙いを定める。
「はああああああああああ!!」
すると横から女神化したネプテューヌが攻撃を仕掛ける。
「アイちゃん一人に戦わせるわけないでしょ。倒せなくてもサポートぐらいはさせたもらうわ」
剣を構えネプテューヌは笑う。
ティガはティガは拳を握り腕を額の前で交差する。
「デェア!」
力を込め、腕を大きく下に振り下ろす。
すると、今度は全体が赤と銀を主体とした体色になる。
そして、先程とは比較にならない威力でゴルザを殴り、回転蹴りを一回、二回、三回と腹部に放つ。
「アイちゃん!つぶれてる目を狙って!」
「了解!」
アイエフの撃ったレーザーはゴルザの潰れた目に直撃する。
「クロスコンビネーション!」
そして、ネプテューヌの必殺技が再び潰れた目に当たり、ゴルザは痛みにもがく。
ティガは両腕を左右から上にあげ、胸の前に高密度に集めた超高熱の光エネルギー粒子を光球にする。
光球、デラシウム光流をボールを投げるようにしてゴルザに撃つ。
デラシウム光流が直撃したゴルザは大きな悲鳴を上げ、そして、消滅した。
ゴルザの最後を見届けたネプテューヌはティガの方を向く。
「一度ならず二度も救ってくれたわね。………ありがとう」
ティガ、ネプテューヌを見つめ、ガッツウイングから見下ろしてくるアイエフを見て、そして、上空へと飛び上がった。
「敵を倒したら去っていく。まるで正義のヒーローね」
「案外そうかもね」
通信機でネプテューヌと会話しながら、アイエフはゴダイのことを思い出す。
(そうだ!あいつ、ちゃんと脱出できたわよね!?)
不安になりながら、辺りを見渡す。
すると近くの半壊しかけたビルの屋上に、人の姿を見つける。
それはゴダイだった。
ゴダイは手を振り、アイエフに自分がここにいるとアピールしていた。
「あいつ………無事だったのね。よかった…………」
アイエフはゴダイが無事だったことに安堵し、そのままガッツウイング1号でゴダイを回収した。
ゴルザを倒した翌日、アイエフは総監室に来ていた。
そして、ネプテューヌに一枚の書類を渡す。
「これが一週間、ゴダイのGUTS研修を見た上での結果よ」
「ありがとう、アイちゃん」
書類を眺め、ネプテューヌはにやりと笑う。
「やっぱこうなる感じはしてたんだよね~」
「あなたの勘とやらに賭けてみるのもいいって思っただけよ」
「というわけで、アンタは今日から正式にGUTSの一員よ」
「まさか、本当になれるとは思わなかったですよ」
研修用に着ていた制服を返し、ゴダイはそう言う。
「これがGUTS隊員の装備一式よ」
GUTSアタッシュを手渡し、次に紙袋を一つ出す。
「そして、こっちが私から」
ゴダイは疑問を浮かべながら紙袋の中から何かを取り出す。
それはアイエフの着ているコートと同じデザインの赤いコートだった。
「これからは、私のパートナーになるんだから、それ相応の格好してもらうわよ。あと」
「敬語もなし。名前も呼び捨てでいいわ」
「…………わかったよ、アイエフ」
「よろしい、じゃ、早速任務に行くわよ。プラネテューヌの西の森で謎の遺跡が発見されて、それの調査よ」
「了解」
ゴダイはコートを羽織り、アイエフと共に、任務へと向かった。