fate/Apocrypha EX 名古屋聖杯乱舞 作:天崎
とある亜種聖杯戦争においてサーヴァントと一人の魔術師が勝利した。
彼らは聖杯に更なる聖杯の器を願った。
その結果として六つの亜種聖杯戦争が開かれた。
彼らはそれによって顕現した亜種聖杯を日本の龍脈各所に設置した。
龍脈を利用し、六つの亜種聖杯の魔力を一つの聖杯に集中させようとしていたのだ。
亜種聖杯では根源に到達する事は出来ない。
ならば、紛い物を複数集め、魔力を一つに集中する事でオリジナルの出力に届かせようとしたのだ。
目論見は成功し、後は根源への孔を開くだけだった。
富士山頂に聖杯を設置し、孔を開く儀式を進めていたその時だった。
「なんじゃ?あの光は?」
二つの光がぶつかり合いながら落ちてきていた。
幾度かぶつかった後に片方は盛大に爆発した。
そして、もう片方は今正に魔力を開放しようとしている聖杯に突っ込んできていた。
臨界直前の聖杯と謎の光が衝突し、膨大な魔力が暴発した。
儀式は失敗した上に反動で各地に設置していた亜種聖杯が砕け散ったのだ。
更に魔力が暴発し、奇妙な力場を作り上げつつあった。
サーヴァントと魔術師は一旦儀式を諦めると名古屋城まで退避するのだった。
「我々はインベーダーダヨ」
光の落下地点からはそんな声が響いたという。
密かに進められていた計画は破綻した。
儀式の失敗により魔術協会に聖杯の魔力は感付かれた。
根源への接続は失敗したとはいえオリジナルに迫る魔力を溜め込んだ聖杯は健在である。
聖杯を巡り、今名古屋にて戦いが始まる。
◆◆◆◆◆
「いやいやいやいやいや、確かに唆したけどさぁ!失敗すると確信してたけどさぁ!何なのよ、この失敗は!予想外にも程があるよ!」
何処とも知れない空間で少女は盛大に笑い声を上げていた。
仰向けに寝転がって、バタバタと足を振って、心の底から笑みを浮かべている。
「それにしても、宇宙から飛来したっぽい何かも気になるけど。これで、あの聖杯の事もバレちゃったけど信長ちゃんとミハ君はどうするんだろうねぇ?」
楽しそうに、本当に愉しそうに少女は独り言を紡いでいく。
◆◆◆◆◆
「それで、信長様。どうするんですか?」
「どうするも何も次の機会を狙うだけじゃろ?」
「そうですけど。それより、聖杯を狙う魔術師どもはどうするって話ですよ」
「それこそ、聖杯の魔力とキャスター二人が魔改造したこの城があれば大丈夫じゃ」
「そうですかぁ?どうやら、あの一件のせいで聖杯が勝手にマスターを生み出していってるみたいですけど」
「何じゃと!?」
名古屋城にアーチャー___織田信長の叫び声が響く。
それに合わせるかの様に背後に二人の男が出現する。
両者ともにサーヴァントである。
二人はそれぞれ白と黒の陰陽師服を着込んでいた。
「どうかしましたかの、殿よ」
「何か問題でも発生したかい?」
「丁度良いとこに来た!!結界の強化を今すぐにするのじゃ!!」
「「御意」」
命を受けて二人のキャスターはすぐに姿を消す。
信長は落ち着きを取り戻すと魔術師の方に向き直った。
「幾らサーヴァントが現れようとワシが蹴散らすから問題などあるわけが無かろう」
「本当ですかねぇ……………」
魔術師はねっとりとした声で言いながらもその目は信長を信頼しているかの様だった。
◆◆◆◆◆
「わ、私のドゥ・スタリオンがぁぁぁぁぁぁぁ!!あの化け猫今度あったら覚えていなさいよ!!たかが宇宙スピード違反でやり過ぎですよ!!」
時は少し遡り、二つの光の内、爆発した方からはこんな叫び声と共に落下していく人影が見えるのだった。
◆◆◆◆◆
「う~酷い目にあった……………宇宙スピード違反を注意したくらいで戦闘になるか普通?それで、此処は何処なのよ」
墜落した宇宙船から転がり落ちたナマモノ、ネコアルクは周囲を見渡しながら呟く。
しばらく意識が無かったゆえに現状を一切把握していないのだ。
自身の両手の甲と喉元に現れている紋章にすら気付かずに。
とりあえず近くにいる三つの人影に声を掛けるのだった。
「あの~それでおたくらはどちら様で?」
「俺達か?たぶん、お前のサーヴァントだ」
「って、兄貴ぃ!?」
「ん?どっかであったか?」
見覚えのある顔に驚くネコアルク。
その男は青髪にローブを纏った杖を持った男だった
「おや、目覚めたかね?」
「エレキ、ヒラメキ、発明王!?」
「そう、褒めなくてもいい」
ライオン頭の大男が高笑いを上げる。
その隣でメイド服で狐尾を生やした少女が飛び跳ねる。
「おはようだワン!」
「おたく、あたしとキャラ被って無い?」
「巫女だと言ったな、あれは嘘だ!!」
「あーうん。勘違いだったみたい」
状況を確認して頭を抱えるネコアルク。
さっぱり現状を把握出来ていなかった。
「どうやら混乱しているみたいだね」
「まぁこのメンツじゃ混乱もするだろうさ。俺的にはコレがマスターだと言うのが首を傾げるが」
「あの~さっきからの話からしてあたし聖杯戦争に巻き込まれてマスターになった感じ?」
「おう、そうだぜ。しかも俺ら全員のな」
「何故に?」
「それは此方が聞きたいくらいだ」
「細かいことは気にするなワン!!」
現状を完全に理解するのはもう少し先の話になりそうであった。
◆◆◆◆◆
二組のマスターが向き合っていた。
片方は褐色の弓を構えた男と赤い服を着た黒髪のツインテールの少女。
もう片方は赤い長髪に角と竜尾を生やした女性と赤いコートに金髪のツインテールの少女。
金髪の少女はこの場では一番幼さを感じさせる外見だった。
「まさか最初に出会うマスターがあんただったとはね」
「私も驚きよ、
「気持ち悪いからその呼び方やめてくれない?あんたを姉妹だと認めた事は無いのだけれども」
二人の少女は瓜二つの外見であった。
とはいえ、外見から推測される年齢は離れていた。
黒髪の少女は大学生、金髪の少女は中学生のイメージを感じさせる姿だった。
黒髪の少女は上品な雰囲気を感じさせながらも何処か冷たい物を感じさせる。
金髪の少女は年相応な雰囲気を感じさせながら内に何かを秘めている様に思わせる。
互いのサーヴァントは一先ずは主同士の会話に口を挟まずに待機している。
「そもそもあんたはお父様の汚点に近いわけで”家”としても存在は認めても一族にカウントする気は無いのよ」
「その扱いをどうにかしてもらう為に私は聖杯戦争に参加してるのよ」
「どういうこと?」
「聖杯を手土産にすれば流石に財産相続権の一部くらいは貰えるわよね?」
「……………あんた、まさか本当にそんな事の為に参戦したわけ?」
「結構本気なのよ?だって、私はそろそろ立場的にヤバいし後ろ盾の一つくらいは欲しいのよ」
「それはあんたが好き勝手やったからでしょうが!!」
「私の苦労を知らないのに決めつけないでくれる?」
「話し合いで解決は無理そうね」
「当たり前でしょう?これは聖杯戦争なのだから」
「こんなもの聖杯戦争もどきよ。本来の形から離れすぎてるし」
「けど、現時点の私達には関係無いこと」
「そうね」
それを合図に互いに構え始める。
黒髪の少女は宝石を構え、金髪の少女は拳銃を構える。
それに合わせる様に男は弓を構えて何時でも放てるようにする。
「準備はいいぜ、マスター」
「えぇ、予定外の戦闘だけど貴方の実力を見るにはちょうど良さそうね」
対して赤髪の女性も槍を構える。
だが、その槍は何処となく形が変だった。
とはいえ、槍としてはキチンと機能するだけの刃はあった。
「準備は出来たのかしら?」
「待たせたわね。お待ちかねの戦闘よ」
「ふふっ、久々に愉しむとしましょうか」
妖艶に笑いながら槍の切っ先をアーチャーに向ける。
それが戦闘開始の合図となった。
アーチャーが矢を放ち、黒髪の少女が指先からガンドを放ち、赤髪の女性が槍で矢を弾きながら進み、金髪の少女が引き金を引く。
聖杯戦争としても歪な戦いの始まりを告げる合図とも言えた。
それを遠くで眺める幾人ものマスターも戦争の始まりと認識し、動き始める。
マスター達が狙うは織田信長の手中にある聖杯。
ある者は物見遊山に、ある者は愉快を求め、ある者は純粋に聖杯を求め、様々な思惑を元に名古屋に集結する。
混迷を極めた盤面を覗き愉しむ者すら巻き込んだ戦争が開幕した。
一部のノリで分かると思いますがギャグ寄りな面もあります
ギャグ優先で設定に合わない部分があるかもしれませんがご了承ください
役者は出揃っていないのでまだ未登場な面々もいます
型月既存キャラもapoマテ参考にしつつオリ設定混ぜて参戦予定です
サーヴァントは既存組とオリ鯖が入り乱れます
既存にオリ要素入った物もいます
それでは、不定期投稿になると思いますがよろしくお願いします
マテリアル的な物を活動報告に上げる予定ですので設定関連の質問はそちらで
感想も待ってます!