やはり俺の青春ラブコメは続いていき、間違う   作:遊哉

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いろは回です
自信はないけど、甘くしたつもりです
それではどうぞ


4 3人とも本気で演技するのは間違っている(いろは編)

夫婦

それは法律で定められた婚姻の規定にのっとり

結婚した男性と女性の総称である。

 

では結婚とは何か。

それは人生の墓場である。

そんなことはないと言う人はきっといるだろう。では、なぜこんな言葉が流行しているのかを問いたい。結局、結婚に対して、何らかの不満がある人間は少なからずいる。というか、言葉が流行するレベルではいるだろうおこづかいが少ない、自分の自由時間が少ない

きっと挙げていけば、きりはないだろう。

 

結論

そんな怖い結婚生活など、演技でもしたくない。

 

しかし、仕送りの運命は現在、小町の胸先三寸

小町の機嫌を損ねたら…即減額だろう

 

「でもね、お兄ちゃん安心して!もし小町的にポイント高い演技できたら増額もありえるよ」

 

つまり…俺のやる気次第で仕送りの額が決まるのだろう…

 

「しょうがねぇな…で、どうすればいいんだ?」

 

「お兄ちゃんに台本はないからね、アドリブでお願い」

 

「小町ちゃん、それは演技ではありませんよ…」

 

「大丈夫!相手のお願いをやっていけば基本的にオーケーだよ」

 

「はぁ…分かった。無理難題はやめろよ、できる範囲でな…」

 

「だいじょーぶ!きっとできる範囲だから」

 

まぁ、脚本を握ってるのはあの3人だ

俺はそれに合わせればいいだけ、あの3人は何か話し合っている…不穏だ

「じゃあお兄ちゃん、準備が出来次第、モニタールームから声かけるから。適当にモデルルーム内でくつろいでていいよ」

 

「了解」

 

すると荷物をまとめている雪ノ下さんがいた

あれ、帰るのか?

この手の話題は大好物だろうに…

するとその視線に気づいたのか……雪ノ下さんは話しかけてきた。

 

「ごめんねぇ…比企谷君…とっても見ていきたいんだけど、用事があってね…」

 

「じゃあ、なんでここに?」

 

「ここ、雪ノ下グループが経営してるマンションなの、ちょっと見に来ただけ…」

 

「小町が…妹が我儘いってすみません」

 

「いいのよ、雪乃ちゃんも見られたくないだろうし、比企谷君も頑張ってね」

 

「うす…」

 

そういうと、そそくさどっかにいってしまった

本当にちょっと見に来ただけなんだな…

 

さっそくモデルルーム内に入る

3LDKか、さすが雪ノ下グループのマンションであるが

こんな変なお願いを通した雪ノ下グループの今後の方が気になる…

 

「おにいちゃーん!聞こえる?聞こえたら返事して~」

 

「おう、聞こえてるぞ」

 

「もう始めるよ、最初の演技は休日の旦那さんの役だから、アドリブ演技頑張ってね」

 

休日の旦那さん?まぁ俺ならこの時間まで寝てるまであるんだが、とりあえずそこらにある本でも読んでリビングにいたりするのが定石とみて、間違いないだろう…

文庫本サイズの本をとり、カーペットの上に胡坐で座る

すると、玄関の開く音がした。3人の内の誰かだろう…

 

「二人とも準備オーケーですか?それではスタート!」

 

 

 

「八幡さーん!」

 

全身の毛が立つ感じがした。

この声は

 

「なんで名前呼びなんだよ…一色」

 

最初の妻役は一色らしい

 

ブーーーーーーー

不正解の時に流れそうな効果音が流れる

 

「お兄ちゃん、減額です」

 

「ちょ…俺がなにした」

 

「お兄ちゃんの妻役の設定なんだから一色はないよね…ちゃんと名前で呼んであげてね」

 

つい、寒気がして、素に帰ってしまったんです。だって八幡って呼ぶの小町とか戸塚とか戸塚とか、後おかんとおとんしかいないんだよ。一色をみると、頬を膨らましてる。

「八幡さーん、ひどいです…」

 

「おい、演技外の時はその呼び方やめろ、寒気する」

 

「ひどいです~これはもう減額倍にするしか」

 

「すみませんでした、次はミスらないよう努力させていただきます」

 

「とりあえず最初から始めましょうか。いろはさんすみません」

 

「大丈夫だよ、小町ちゃん!もう再開しても大丈夫かな?」

 

「はーい、それでは気を取り直してスタート!」

 

 

 

 

「八幡さーん」

一色が廊下からリビングへ姿を見せた

はぁ、名前呼びかぁ

小学校の頃、女子を名前呼びして泣かれた過去があるんだよなぁ…

演技だ、そうこれは演技

自分に言い聞かせろ、これは演技、演技!

 

「おう、どうした?いろは」

 

そう呼ぶと、一色は顔をあからめて「あう…」と言っている

大丈夫ですか?演技中ですよ…

 

「八幡さん!」

 

「はい、なんでしょう!」

 

思わず敬語である…

 

「えーと、その、あの~」

 

グタグダじゃねーか…「いろいろ飛んだ…」って聞こえるんですけど

 

「よ…」

 

「よ?」

 

「呼んでみた…だけ…です」

 

これを計算してやっているのなら、一色いろはは相当あざとさのレベルが上がっている

むしろカンスト値まで来てるんじゃね。

 

「だって、私たち新婚じゃないですか?」

 

初めて知ったぞ、その設定

 

まぁ、合わせるかしかないだろう

「そうだな」

 

「だから名前呼び恥ずかしいんですよ~」

 

 

そう言ってめちゃくちゃ近寄ってきた、近いんですけど

 

「おい、近いから離れろ」

 

「別にいいじゃないですか…結婚してるんだし、夫婦ですよ、夫婦」

 

そういうと、俺の胡坐の上に座り始めた

 

「おい、わざわざそこに座らなくても」

 

「ど…動揺してるんですか、八幡さんもまだまだうぶですね、付き合ってる頃からよくやってたじゃないですか」

 

「さぁな、覚えてない」

 

「そんなこと言って~まぁ良いですけど…早くいつものやってくださいよ」

 

「いつもの?」

 

「えー、あれですよ、あれ」

 

「主語を入れろ、主語を」

 

 

「いつもここに座るとあすなろ抱きしてくれるじゃないですか」

 

 

小町はできることしかないと言っていたんですけど

 

「お前、そんな恥ずかしいことできるわけないだろ」

 

「むぅ…早く早く~~」

 

俺の膝の上の足をバタバタさせている

 

いや、だからかわいいのやめろって」

 

「へっ…」

 

あれ、今の出てた?

一色は黙っているというか、顔が真っ赤である

 

「何なんですか、口説いてるんですか、ものすごくうれしいですけど、こういう状況じゃないときに言って欲しいので、やっぱり無理です!」

 

「久々にフラれたな…」

 

「ちょ…話題変えようとして、私をほめたって駄目ですよ!早くほら早く!」

 

「分かったよ…」

 

減額はされたくないし、仕方ない…

覚悟を決めて一色を抱きしめる

 

「あっ」

「これでいいか?いろは」

 

「ほぇ~八幡さんあったかいです…」

 

ものすごいまぬけ声が出ているが、大丈夫か?

 

「で、いつまで続けんの、これ…」

 

「私の気が済むまでです…」

 

おいおい、まじか

しかもこれ見られてんだよな…恥ずかしいんだけど…

 

【モニタールームSIDE】

 

「むぅぅぅぅぅぅ…」

 

「…………」

 

「くっ…うらやましい」

 

周りは大分うらやましがってる…

うーん、いろはさんのあすなろ抱きは私も想定外だった…いろはさんも攻めるなぁ

これは完全にこの2人に喧嘩を売っている。

うーん、気まずいなぁ…結衣さんは完全に拗ねてる。

雪乃さんはまずい、この部屋の温度が下がってるのかと錯覚するくらい冷ややかな笑顔でいる。平塚先生はあと、これを2回味わうのか、帰らせたほうがいいかも…

お兄ちゃん、事情を知らないとはいえ…ご愁傷さま…

 

【モデルルームSIDE】

 

「八幡さ~ん」

 

「どうした?」

 

「今日の晩御飯、どうしますか?」

 

「そうだな、なんでもいいぞ」

 

「そういうの一番困るんですけど…」

 

「お前の作る料理ならたぶんなんでも上手なんじゃねーの?由比ヶ浜レベルじゃあるまいし」

 

「あうぅぅ…そのセリフはずるいですよぉ、でも女の子の名前を出すのはNGですよ!」

 

そういうと、抱いていた左腕をつねりだした

 

「痛いからやめろって」

 

「嫌です~先に私の逆鱗に触れたのは八幡さんなんですから~」

 

つねるのをやめようとしない

別に痛くはないんだが、むずかゆい…

 

「やめろって」

 

「あっ」

 

つねられていた左腕を動かして一色の腕を払いのける

抱いていた腕が1本になってしまった

 

「むぅぅぅぅ」

 

え?なんでげきおこなの?

 

「どうした?」

 

「八幡さん、両腕で抱くのやめちゃった。まだ良いって言ってないのに…」

 

そう言うと、泣きそうになってしまった

 

「悪かったよ…機嫌なおしてくれよ…」

 

「グスッ…じゃあ、離した腕で頭撫でてください…」

 

仕方ないので、一色の頭に手をのせる

うわ、こいつ頭サラサラだな…

いかんいかん、撫でて、一色の機嫌とらないと俺の仕送りが。

 

「ふへへ、気持ちいいです…」

 

嬉しそうに目を細めている

とりあえず機嫌治ったか?

 

「八幡さん、私のこと好きですか?」

 

「あぁ、しゅきだよ…」

 

噛んでしまった…恥ずかしい…

今度は右腕をつねり始めた、痛いから、結構痛いから…

 

「八幡さん、私のこと好きですか?」

 

「大好きだから、離せ…」

 

「あわわわわっ」

もうゆでだこみたいに真っ赤っかである…

 

「うーーーっ」

 

そして、なんかうなっている、変な小動物みたいだ。

すると、一色の顔がこっちを向いた

一色は自分の顔を俺の首元におしつけてきた

 

「うーーっ……私も私も…先輩のことが…」

 

近い近い…やばい!

このままだと…おい、これ演技だよな…

一色の顔がどんどん迫ってきている…

 

「「すとっーーーーーーーぷ!!!!」」

 

一色も驚いて、俺から離れた…

びっくりした…

あのままだったらと思うと、いやいや、一色のことだ、たぶん直前で

「演技ですよーーキスできると思いましたか?」

とか言い出しそうだよな。一色の方を見ると

 

「やっちゃった…」

 

と言いながら顔を手で押さえている

ちなみに顔は真っ赤でした…

 

「一色さん?そこまでやって良いという規定ではなかったはずよ」

 

「そうだよ、いろはちゃんずるいよ!」

 

雪ノ下と由比ヶ浜の声だ、たぶんモニタールームからだろう

 

「いろはさん…とりあえず終わりでオーケーですか?」

 

「はい!もう本当に大丈夫です…」

 

「では、いろはさんとの演技はこれで終わり、お兄ちゃんお疲れ」

 

「おう」

 

これあと、2人続くのか…疲れるな

 

「先輩!」

 

「うぉ!どうした?いきなり大声出すなよ」

 

「どうでした?私の理想の家庭というか、その、えーと…」

 

一色が悶えている、たぶん、感想が聞きたいのだろう…

 

「よかったよ…お前の夫になる人は幸せだな」

 

そう言うと

 

「はい!ありがとうございます!先輩!」

 

あざとくない素の笑顔を俺に向けてくれた。




はい、いろは回終わりです

俺なりに甘くしたつもりですが、まだまだ甘くできるはず…
俺の執筆力がふがいないせいで…すまない…

次は誰かは告知はしませんよ
お楽しみに…

というわけで
今回も読んでいただいてありがとうございました
感想お待ちしてますが、辛辣コメントは泣いちゃいます…(´;ω;`)

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