やはり俺の青春ラブコメは続いていき、間違う   作:遊哉

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しまった…
一話の予定がこんなことに……
すみません、今回も駄文でよろしければどうぞ


9 最初に仕掛けるのはやはり一色いろはである 前編

目が覚めると、誰かが俺の上に乗っている

夢か?

幽霊でも出たか?

「あ、先輩、やっと起きた!」

じゃなく一色だった

しかし……

「重たい」

この言葉の後に

体にかかる重さが増えたのは気のせいですよね……一色さん

「せんぱーい、よく聞こえなかったなぁ…もう一度言ってもらえますか?」

「すみません、一色さんは羽毛のごとく軽いです…」

「そうですか、そうですか、ならよかったです」

「話は済んだな、二度寝するから下りてくれ」

「ちょっと! 話を終わらせないでください」

「なんだよ、というかどうやって入ってきた」

「小町ちゃんから鍵お借りしました」

小町よ、お前が欲しいというから作ったのに

その使い道はひどい……

「とりあえず、そんなことは置いといて…」

「うん?」

「先輩! プール行きましょう!」

「断る」

「それを断ります」

「ふざけんな、なんでこんなくそ暑い日に」

「暑いからこそですよ」

「大体、水着は実家だ」

「大丈夫です、抜かりはありません、小町ちゃんに持ってきてもらいました」

さっきから小町が便利屋みたいなことになってる……

「行きましょうよ、先輩」

一色が泣き始めた、あざとい

「嘘泣きやめろ」

「てへ、ばれちゃいました? これやれば大抵大丈夫なのにな」

「俺はその大抵の外にいるんでな」

「むぅ、しつこいですね、なら……」

「ならって……うぎぎ」

またも体重を乗せてきた

「ふっふっふ、どうだどうだ、いろはちゃんの水着姿が見たいと言え~」

「趣旨変わってるじゃねーか」

「早く言わない先輩なんてこうだ、うりうり」

「ちょ、この…お前」

一色は俺が動けないことをいいことに布団の上から

くすぐりはじめた

この野郎……

俺は体に力をためて、いっきに起き上がった

所詮、女の子だ、本気を出せばどうということはない

すると

「うわわわ」

一色がその反動で後ろに倒れそうになってしまっていた

「おい!」

慌てて、助けようとするも助けられず

俺は一色を押し倒したような図になってしまった

だけならよかったが……

 

 

俺は一色の胸に手をおいていた……

これがラッキースケベってやつですか……南無三

一色は顔を赤らめているが、実際のところ

「……先輩…」

「はい」

「プールどうします?」

「行きます」

目は笑ってはいなかった、ですよね

 

「着いた~」

「帰りたい」

というわけでそのあと、着替えて電車に揺られること1時間

俺たちはプールに到着していた

「もう、こんなかわいい後輩の水着が見れるのに

帰りたいとか言うなんて」

「いや、自分で言うのおかしいだろ」

「はーい、では行きましょう先輩」

俺たちは券売り場に並んでいる

やたらカップル多いけど、これ気のせいか?

すると、俺たちの番が回ってきた

「大人2人 この割引お願いします」

「はい、カップル割りですね、2人割引で合計5000円になります」

はい?

券売りのお姉さんは今なんていったの?

「はい、お願いします」

いや、一色さん

何を言っているの?

「はい、ではこちらが入園券になりますので、なくさないように

お願いいたしますね」

「では行きましょう、先輩」

「いや、ちょっと待って……」

「早く~、私泳ぎたいんです」

「お前、カップル割りって……」

「安くなるんだし、いいじゃないですか、

こんなかわいい後輩と恋人気分が味わえるんですよ、よかったですね先輩」

「いや、だからそれお前が言うのか?」

「はいはい、着替えたら更衣室の外の近くに集合です、分かりましたね」

「おい、まだ話は終わって……行っちまった……」

一色は反論を認めず、女子の更衣室に入ってしまった

仕方ない、俺も行くか

 

 

俺はすぐに着替え終わったので

更衣室の近くで待っている

しかし、遅いな、大分時間たってる気がする

干上がりそうなんだが……

すると

 

「せんぱーい、お待たせしました」

「おう、やっと…」

一色はオレンジのビキニに水色のパレオをつけていて

手には水玉のトートバッグが見える

「どうですか、どうですか、いろはちゃんの水着に見とれちゃいましたか?」

「ば…ばかじゃねーの、ほら行くぞ」

「あ、待ってくださいよ、せめて感想くださいよ」

「感想って言われてもな……まぁ、似合ってんじゃねーの、あんまあざとくなくシンプルでいい」

「あ…ありがとうございます……ど…どうしたんですか、素直ですね」

「まぁ、せっかくの後輩の水着なんだろ」

「何なんですか、なんですか、そうやって私のポイント荒稼ぎして

私からの告白を待ってるんですか、残念だけど、私告白してほしいんで

そういうの無理です」

「おい、俺はお前に何回フラれればいいんだ……」

まぁ、もう慣れたからいいや

それより荷物を置こう、こういうのは場所取りも重要だ

「あ、待ってください」

「今度は何?」

「今、私たちカップルじゃないですか」

「そうだな、設定上」

「む、そういうことは言わなくていいんです」

「で、それがどうかしたか」

「はい」

一色は手を出してきた

「何、握手?」

「手ですよ! 手!」

「手がどうかしたのか?」

「手をつないでくださいよ。恋人のフリしないと大変ですよ」

「いや、お前そんな恥ずかしいこと…」

「むぅ、往生際の悪い」

そういうと、一色は俺の腕に腕をからませてきた

「おい、これは違うだろ」

「先輩が早く手をつながないのが悪いんです、さぁ行きましょう」

仕方ない、どうせ離れないんだから好きにさせておこう

俺の精神衛生上よろしくはないが…

 

「よし、荷物はこの辺に置いとけばいいだろ」

「先輩~早く早く~」

一色は待ちくたびれたのか、俺の腕を左右に振り回し抗議する

一色さん、あざとい…

「お前なぁ、そういうのは彼氏にやれよ」

「はい、彼氏にやってますけど」

……そういえば、いまそういう設定だったな

「だからってお前……」

「はいはい、早く泳ぎに行きましょうよ、先輩!」

「はいよ」

最初に一色が選んだのは

普通の大きいプールだった……まぁ定石だな

「先輩、一つ聞いていいですか?」

「何?」

「その浮き輪いつ借りたんですか?」

「お前が着替えてる間」

「先輩、泳げないんですか?」

「いや、そういうわけではないが、プールは基本的にこれがないとだめだろう、泳ぐのがめんどくさい」

「はぁ、先輩らしいですね」

そう言うと一色は先にプールに入ってしまった

「気持ちいい~、先輩も早く早く!」

俺も一色を追いかけて

プールの中に入る、おお! 冷たくて気持ちいいな

「さぁ、行きましょう、先輩」

 

 

「先輩~」

「あ?」

「聞いてます?」

「聞いてる聞いてる」

俺は浮き輪に乗っかって流れていた

はぁ、極楽だ

「むぅ、こうなったら…」

「極楽、極……うわっ」

俺は気づいたら浮き輪から落とされていた

「先輩のくせに私を無視するからこうなるんです」

そう言って頬を膨らませている……あざとい

「お前、鼻に水が入ったらどうする気だ」

「知りません~先輩なんてこうだこうだ」

そう言うと、水をかけてきた

「てめ、お返しだ」

「きゃ、やりましたね、いろはちゃんも本気で行きますよ」

「ほう、本気ね、やってみろよ」

この後、めちゃめちゃ水を掛け合って遊んでいた

しかし、予期せぬ決着がついてしまった

 

「なかなかやりますね、きゃあ!」

一色は何かに驚いて急に抱き着いてきた

「おま……どうした」

「先輩~虫! 虫がいます~」

「は?」

基本的に浮いてないか、そういうの…

見てみると、死んでいる蠅だろうか、浮いている

「はぁ、死んでるから安心しろよ」

「そういう問題じゃ……」

一色は自分が現在どういう状況か気づいたらしい

「あわわわわ……」

一色は慌てて離れる、しかし

「わわ、虫!」

また俺にくっつく

「あわわわ……」

顔が真っ赤である……

ちなみにこれを3回繰り返していた、アホか

俺も恥ずかしいんだけど

 

「先輩のせいですからね」

「なんでだ……」

「あ! 先輩これ乗りましょうよ」

一色が指をさしたのは

 

カップルスライダー

という看板が貼ってあるウォータースライダーだった

 

「おい、これはちょっと…」

「はい、行きますよ」

そう言うと、一色は腕を絡めて歩き始めた

「おい、拒否権」

「そんなもの私の彼氏にはありません」

それはそれでどうなんだ…

 

 

「それでは、次のカップルの方お願いします」

どうやら一つの浮き輪に2人が入る仕組みらしい

というか意外に高いな、これ

「先輩、い…行きましょう」

「お前、声震えてるが…」

「これは武者震いです」

一体、何に武者震いしてるんだ、お前…

浮き輪に俺が座ると

一色は対面で俺の胡坐の中に座った…

おい、これ超恥ずかしい……

「せ…せんぱい…なんですか、ビビッてるんですか」

「お前、もう呂律がまわってないぞ……もしかしてお前……怖いのか?」

「な…何言ってるんですか、こ…怖くなんかないですよ」

「お前なぁ、怖いなら無理すんなよ…」

「彼氏さん、彼女さんももっと抱き着いてください、そうじゃないと危ないですよ」

従業員に言われ、俺は一色を抱きしめる

ちちちちち……近い

一色の息づかいが体にかかる……

一色は怖いのか、恥ずかしいのか

顔を赤くしながら俺の胸でうずくまっている……

「では、どうぞ」

従業員さんに言われて、浮き輪を進める

そして、浮き輪は水にのり加速した

「うぉ」

意外にスピードでるな、これ

浮き輪は水の流れに乗り、どんどんスピードを上げて

落下していく

「先輩、先輩~」

「どうした?」

「怖い怖い怖いですっ~」

「そんなに怖いならちゃんと捕まってろ」

「はい!」

すると、一色は俺の首に手を回して

がっちりホールドをした

いや、これ俺の命が怖くなるやつ……

というか、一色のこれはいつものあざといやつか

それとも……

 

ドバーーン

そんなことを考えていたら、もう下に降りていたらしい

「あー楽しかった」

「嘘つけ、お前怖がってたろ」

「そ…そんなことないです、別に怖くなんてありません、もう一度OKなくらいです」

「俺はもう勘弁だ」

違う意味できつい、俺の精神に多大なるダメージがある

「まぁ、先輩がもういいならいいですけどね、そうだ! 先輩!」

「ん?」

「もうお昼ですね、お腹すいてませんか?」

「まぁ、そうだな、適当に買って済ませるか」

 

 

「いえ、私、お弁当作ってきました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




書いてる最中に無性に
ブラックコーヒー飲みたくなりました
何でしょう?病気かな……

というわけで
来週は後編です、お楽しみに

では恒例の謝辞を
いつも読んでいただいてありがとうございます
これからも応援よろしくおねがいします

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