雪の軌跡・リメイク   作:玻璃

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今話は旧9話~10話半ばのリメイクです。
現状約1.5話分で1話のリメイクになっていますが、1話だけの時もそれ以上のリメイクにもなり得るので一応明記しておきます。

それと、旧作では描写していなかった要素が付け加えられています。ご注意。

では、どうぞ。


旅立つ義父と初めての依頼

 カシウスがエレボニア帝国に旅立つ朝がやってきた。悪夢を見て早朝にたたき起こされたアルシェムは最悪な気分で寝汗をぬぐっていた。アルシェムが見た悪夢は、魔獣にエステルが殺されるという悪夢である。それも、かつてツァイスで見たことのある魔獣ではあるが、ロレント周辺ではあまり見ない魔獣にだ。それが本当に起こるかどうかは別にして、動かなければならない、とアルシェムは強く感じた。アルシェムの見る悪夢は大概当たってしまうのである。

 それはさておき、アルシェムは本日の朝食当番であるヨシュアの料理を食べ、自室で準備を整えてカシウスを見送るべく準備を進める。背に四分の一に分解した棒術具を仕込み、導力銃のメンテナンスもしっかり終えて腰に荷物入れとしてポーチを巻いて完了である。先日は持っていなかったが、アルシェムのポーチの中には一般人の持っていないものが2つ入っていた。1つは先日メルダースに見せてほしいと懇願された『くるくる舞うお人形さんNo.9』である。もう1つは紺色に塗られた直方体の機械。その機械の前面には透明のカバーが被せられており、その中には七色の小さなボタンが取り付けられている。

 準備を終えたアルシェムは階下に降り、エステル達と合流してロレントの空港へと向かった。空港には既にシェラザードが待機しており、カシウスの見送りに来たと推測された。シェラザードがカシウスの出発を知ったのは早朝であり、カシウスから仕事を引き継がれていたからだ。

 空港に緑色の定期船《リンデ号》が滑り込んできた。カシウスの乗る定期船であり、カシウスはこれに乗って一端王都グランセルを目指すのである。本来ならば逆回りの定期船《セシリア号》に乗る方が早いのだが、どうやら寄るところがあるようだった。それを見てカシウスはエステルに声を掛ける。

「さて……そろそろ時間だ。エステル、あまり無茶をするんじゃないぞ?」

「もう、耳タコだってば。父さんも無理しちゃだめよ? トシなんだから」

 父の言葉にそう返すエステル。何気に失礼な発言ではあるが、エステルから見ればただの不良中年。その評価もある意味間違いではないのである。カシウス・ブライト(45)、娘の言葉に傷ついたひと時である。

 カシウスは若干へこみながらも娘にこう返し、ついでに弟子のシェラザードにも声を掛けた。

「フン、まだまだ若いもんには負けられんさ。シェラザードも、急な仕事を押し付けてすまんな」

「いえ、気にしないで下さい。先生の代わりが務まるか心配ですけど」

 シェラザードは敬愛するカシウスから仕事を任されたことがうれしいのか頬を上気させてそう答えた。因みに、今のところカシウスにしか頼めなかった仕事はなかったようだ。もしもカシウスでなければできない仕事があったとしたら徹夜してでもその依頼をこなしただろう。シェラザードではカシウスの代わりにはなれないのだ。

 しかし、カシウスはそのことをおくびにも出さずにシェラザードにこう告げた。

「謙遜するな。ついでに悪いが、何かあったら3人を頼むぞ」

「フフ、任せて下さい。決して甘やかさずに厳しく見守りますから」

「分かってるじゃないか」

 そう言って2人でにやりと嗤い合う。あまりにも悪い笑みをしているのでエステルはそれを見て不平を漏らした。

「何よそれ……」

 恐らく見守られるのはエステルだけであるが、アルシェムは曖昧に笑っておいた。ヨシュアは遊撃士として動くのは問題ない。アルシェムも同様である。ある意味で似たような経験を持つヨシュア達は正遊撃士にしてもそん色ない働きが出来るのだ。ただし、エステルには経験が足りないためにシェラザードに見守られる羽目になるのだろうが。

 そこまでアルシェムの思考が行ったところで、《リンデ号》離陸のアナウンスが鳴った。それを聞いてカシウスが《リンデ号》に乗り込む。ヨシュアとエステルはカシウスを見て見送りの言葉を発した。

「父さん、行ってらっしゃい。こっちのことは心配いらないから」

「仕事が終わったら遊んでないで早く帰ってきてよね。……待ってるから」

 因みに、カシウスは依頼でちょくちょくブライト家を開けることが多かったが、遊んで帰ってきたことは一度もない。特に、アルシェムがブライト家に来てからは依頼が終わると即刻ブライト家に戻ってきていたくらいである。

 カシウスは苦笑しながらエステル達に告げた。

「人聞きの悪いことを言うな。だがまあ……なるべく早く帰って来るさ。元気でな、3人とも」

 カシウスがそう言った瞬間、空気を呼んでいたのか《リンデ号》がようやく離陸した。ボース方向へと船首を向け、雲の彼方に消えていく。

 それを見送っていたエステルは不意に寂しそうな顔をした。いつものことではあるが、やはり不安もあるのだろう。もしかしたら動物的なカンが働いていてカシウスの身に何か起こるのかもしれないと察しているのかもしれない。

 その様子を見ていたシェラザードはエステルに声を掛けた。落ち込む妹分に声を掛けるのは姉貴分の役目である。

「寂しそうな顔しなさんな。どうせすぐに戻っていらっしゃるわよ。何の調査か知らないけど、先生だったらあっと言う間だわ」

「さ、寂しくなんかないってば! いつものことだし。何言ってんの!?」

 エステルは慌てたようにシェラザードに抗弁する。それでも不安は消えないようでエステルの顔から物憂げな色が完全に消えることはなかった。そんなエステルを見てシェラザードは苦笑して応える。恐らくは遊撃士としてちゃんと生きていけるかでも悩んでいるのだろう、とシェラザードは判断したからだ。

「はいはい、そういうことにしといてあげるわ。それじゃ、あたしは仕事だけど……困ったことがあったら遠慮なく頼りなさいよ?」

「うん、でも最初のうちは自分達の力で頑張ってみるよ。どこまでやれるか試してみたいしね」

「フフ、ナマ言っちゃって。…ま、2人が付いてれば心配ないか。3人とも頑張りなさいよ」

 そう言ってシェラザードはひらりと手を振り、その場から速足で歩き去っていった。エステル達はそれを見送ってから遊撃士協会へと向かった。いつまでもウジウジしていればカシウスに顔向けできないとエステルは思ったからである。

 遊撃士協会に辿り着き、早速カシウスの代理として動き始めようとアイナに伝えると、アイナは複雑な顔をしてエステル達に告げた。

「申し訳ないんだけど……実は、今人手不足でね……誰か1人はこの依頼から外れて欲しいの」

 それを聞いたエステル達の反応は三者三様だった。エステルは顔をしかめ、ヨシュアは何事かを考え込み、アルシェムは思わず眼を半眼にしてアイナを見た。アイナはアルシェムの反応にたじろいだが、この決定は覆せない、とでもいうようにアルシェムを見た。すると、アルシェムが小さく溜息を吐いてこう言った。

「じゃー、アイナさん。この中で分けるとしたらどー分けます?」

「そうねえ……やっぱり、片方をコンビにするならエステルとヨシュアが適任かしら」

「でしょーねー……分かりました、小さな依頼からちまちまやっていきます」

 その言葉を聞いた時、ヨシュアの顔に僅かに安堵が浮かんだのをアルシェムは見逃さなかった。ヨシュアはまだアルシェムを警戒している節がある。それで別行動になって安心しているのだろう、とアルシェムは勝手に判断した。実際はエステルと一緒で良かったヒャッハー、とヨシュアは思っているのだが。

「じゃあ、早速エステル達には依頼の内容を説明するわね。アルシェムはそこの掲示板の内容を見て動き始めてくれるかしら?」

「分かりました」

 アルシェムはエステル達になされている説明を聞きながら掲示板を見た。そこには子供の字で書かれたとみられる依頼があった。依頼内容は、光る石の捜索。依頼人はカレルという人物のようだった。

 アルシェムは説明の邪魔をしないようにそっと遊撃士協会から出て依頼人の待つ《メルダース工房》の裏へと向かった。そこには1人の少年が所在なさげに立っていた。アルシェムは少年に近づいて声を掛ける。

「初めまして、カレル君……でいーかな?」

「お、おう」

 少年――カレルは戸惑ったようにうなずいた。恐らく、アルシェムのように若い風貌をしている遊撃士が来るとは思ってもみなかったからだろう。カレルは戸惑いながら依頼について詳しく話してくれた。何でも、文字通りキラキラ光る石を探してほしいとのこと。無くしたのはリノン総合商店とメルダース工房の間。そして、何度か探したものの見付からないために依頼したのだとか。アルシェムはその情報を自分の中で咀嚼してからこう告げた。

「……成程、じゃー、普通に見つかる場所にはないね……うん、探してくるからその間これでも見て時間を潰しててくれる? おねーさんがキッチリ見つけて来るから」

「あ、うん……」

 アルシェムはカレルに『くるくる舞うお人形さんNo.9』を渡して駆け出した。見るのは荷物の隙間やその下である。自然と注目するのは地面となっていた。そして、一瞬の煌めきがアルシェムの眼を射た。

「いったー……って、もしかして、アレかな?」

 アルシェムは注意深くその場所――排水溝を覗き込んだ。すると、確かに光る何物かが落ちている。ロレントでの排水溝は、直下に水が流れていることを意味しない。排水溝の真下は地下水路である。そう、先日遊撃士の認定試験で潜ったばかりのあの地下水路だ。アルシェムは七耀教会の裏手に回り、地下水路に潜った。

 地下水路には、先日狩ったばかりなので多少は減っていたものの、相変わらず魔獣が闊歩していた。アルシェムは溜息を吐きつつ導力銃で魔獣を狩り、またどうしてもアーツを使わなければ倒せない魔獣――特に、先日の塵の魔獣――は自身の持つもう1つのオーブメントで対処していた。そのオーブメントであれば、アルシェムも火属性のアーツを扱うことが出来る。逆に言うのならば、そのオーブメントを使う以外にアルシェムに火属性アーツを扱うすべはないのだ。

 アルシェムの持つ、遊撃士協会等で支給されている一般的な戦術オーブメントはかなり特殊なのである。具体的に言えば、嵌められるクオーツの属性が限られたスロットが3つもある。そのせいでどちらかと言えば攻撃阻害系のアーツや補助系のアーツに秀でたオーブメントとなっているのである。一通りの回復系アーツと地属性の行動補助系アーツ、それと時属性および幻属性の行動補助系・行動阻害系アーツ。それとそれに付随する地属性・時属性・水属性の攻撃系アーツのみがアルシェムの使えるアーツである。

 対して、アルシェムが独自に作り上げ、星杯騎士団でも正式採用されつつある戦術オーブメント《LAYLA》は全ての属性のアーツが使える代わりに各属性につき1つのアーツしか使うことが出来ない。たとえば、地属性アーツならば地面を割って行動を阻害し、水属性アーツならば氷の壁が敵を押しつぶす。火属性アーツならば敵だけを燃やす攻撃となり、風属性アーツならば自分から半径一アージュ(1メートル)以内を除き任意の距離まで周囲に竜巻を起こす。時属性アーツならば敵の動きを数秒間止め、空属性アーツならば任意の点に敵を固定する。そして、幻属性のアーツは幻影で分身を作る、という効果がある。

 それはさておき、アルシェムは光る石――実際には砕けたクオーツの欠片である――を回収し、地下水路から脱出した。ここまででは、アルシェムが遊撃士協会から出てからまだ30分と経っていない。それゆえに、だろうか。地下水路から出て来たアルシェムは七耀教会の角でエステル達と鉢合わせた。

「あ、アル。もしかして今依頼の途中?」

「うん、まー。エステル達は今から移動?」

「うん。今からティオの家に行って魔獣退治よ。お互い頑張りましょ?」

「そーだね、エステル達も街道に出るなら油断しないよーにね?」

 アルシェムはエステル達に手を振って別れ、『くるくる舞うお人形さんNo.9』で遊んで待っているはずのカレルのところへと向かった。七耀教会からメルダース工房まではさほど時間がかからない。それでも速足でアルシェムは急いだ。眼前にカレルを見つけると、アルシェムは砕けたクオーツの欠片を差し出しながらカレルに話しかけた。

「お待たせ。これかな? 光る石って」

「ああ、これだよ。オレの綺麗な石……」

 そう言ってカレルは砕けたクオーツの欠片をアルシェムの手から取り、空にかざす。確かにキラキラと煌めいていて綺麗ではある。ただし、もしもそれを持ったまま街道に出ることがあるのならばとても危険なため、アルシェムは一応一言注意だけは入れておくことにした。

「それ、砕けたクオーツの欠片なんだけど……街道で出しちゃだめだよ?」

「これ、クオーツの欠片なのか? あの、オーブメントとかに入ってる?」

「そーだよ。もう割れてるからクオーツとしては使い物にはならないけど……」

 すると、カレルは目を輝かせてその石に見入った。七耀石の煌めきは魔獣だけでなく人間をも魅了するものなのだろうか。アルシェムは、昔どこかで誰かが、この星に存在するすべての生き物が、空に輝く七色の光を望み、その願いを聞き届けた空の女神が光を降らせたからこそ、今オーブメントやアーツといった形でその恩恵を受けられるのだという寓話を語っていたのを聞いたことがあった気がした。

 それはともかく、アルシェムはクオーツの欠片に見入るカレルに向けて苦笑しながらこう告げた。

「興味があるならメルダース工房の中にいっぱいあるよ」

「……うーん、行ってみたいけど……実は時間がないんだ」

「そっか……あ、そーだ。その人形ね、中に七耀石入ってるんだ」

 アルシェムがカレルにそう言うや否や、カレルは『くるくる舞うお人形さんNo.9』を凝視した。どちらかというとクオーツよりもオーブメント細工の方に興味があるようだ。感嘆の眼で見つめるカレルに向けてアルシェムはこう伝える。

「もし欲しかったらあげるよ? 趣味で作っただけだし」

「良いのか!?」

 ガバッと勢いよくアルシェムを見返すカレル。正直驚いて後ずさりそうだったのだが、それを何とかこらえて首肯する。するとカレルは今にも踊り出しそうになりながらも礼を述べ、謝礼にとドリルミートボールという料理を手渡してくれた。アルシェムはそれを受け取って別れを告げ、遊撃士協会へと向かった。

 遊撃士協会の中では、アイナがコーヒーを飲みながら一息吐いていた。どうやら仕事が一段落したところらしい。ん、と伸びをして首を鳴らしたアイナは入ってきたアルシェムを見て驚き半分、羞恥心もう半分で彼女を出迎えた。

「あら、お帰りなさい。どうかしたの? 何かわからないことでもあった?」

「や、掲示板の光る石の捜索っていう依頼を終わらせてきましたってゆー報告に?」

「やるじゃない。じゃあ、報告して頂戴」

 アイナはカウンターの下から依頼用紙を取り出してそう告げた。アルシェムは依頼中にあったことを余さずアイナに報告した。アイナはその要点だけを聞き取り、用紙に記していく。そうして依頼は完遂したことになり、報酬が手渡された。

「よく頑張ったわね、少し休む?」

「いえ、手配魔獣が出てるみたいなんで気分転換に狩ってきます」

 アルシェムはそう言って遊撃士協会から出た。後には、それ気分転換じゃないわよ……と呆然と呟くアイナだけが残される。そんなこともいざ知らず、アルシェムは手配魔獣のいるミルヒ街道へと足を運んだ。

 ミルヒ街道にアルシェムが侵入して数十分後、そこには煌めくセピスがそこかしこに転がっていた。それを発生させたのは言うまでもなく導力銃を両手に構えて走るアルシェムである。一段落ついたところでアルシェムは紺色のオーブメントを駆動させた。といっても、一般的な戦術オーブメントとは違って明確にこのアーツを使用するという意識を持っていたわけではない。アルシェムがしたことと言えば、金色のボタンを押しただけ。それだけで散らばるセピスはアルシェムの手元へと収束した。そして、再び雑魚魔獣を狩り始める。ミルヒ街道にいる魔獣如き、アルシェムの敵ではないのだ。

 この場に出る手配魔獣でも、アルシェムの相手にはならない。ミルヒ街道を中ほどまで進んだアルシェムは手配魔獣と接敵してそう思った。

 掲示板によると、その手配魔獣の名はパインプラントというらしい。パインプラントという魔獣はロレントでは珍しいものではないが、基本的にはミルヒ街道には出ないのである。それゆえ、見慣れない魔獣がいる、という報告が住民によってなされたのだろう。基本的にエリーズ街道の奥にある森《ミストヴァルト》に出現する魔獣は、こうして手配魔獣とされた。

 パインプラントの攻撃方法については、ただ1つのことを除いて特段気を付けることはない。気を付けるべきことがあるとすれば、それは――

「最後は自爆、なんだよねー……危ない危ない」

 そう嘯きつつアルシェムはパインプラントから十分に離れたうえで不破・弾丸というクラフトを使い、パインプラントを狩り終えた。このクラフトは実に30発もの銃弾を一気に対象に叩き込む対魔獣専用クラフトである。人間に叩き込んだらミンチになるため、基本的には対人使用はしていない。

 周辺を確認し、街道灯の異常を見つけつつも手配魔獣が残っていないことを確認したアルシェムは駆け足でロレント市街へと戻ろうとした。すると、わき道から男性が歩いてくる。アルシェムはその男性に見覚えがあったために声を掛けに行った。

「お久し振りです、おじさん」

「おお、アルシェム。丁度良かった、君も夕食を食べていかないかね?」

 お茶目に笑った男性は、パーゼル農園の主フランツ・パーゼルである。何故街道に出て来ていたのか事情を聴くと、辛うじて採れた野菜の出荷に出向くついでにエステル達を一晩預かると遊撃士協会に伝えるためだそうだ。アルシェムはその場で護衛を買って出た。

「遊撃士もつけずに出るのは危険です。さっきまでこっち、手配魔獣出てたんですから……全く。ロレントまでは護衛しますよ」

「ありがとう。……ああ、ついでに帰りも送ってくれないかね? そうすれば手間も省けるし」

「……えーと、お世話になります?」

 アルシェムとフランツは連れ立ってロレントへと向かった。途中の魔獣は襲い掛かって来ない限りは無視である。フランツの歩幅に合わせていたため、ロレントに帰り着いたのはおやつ時。

 そこでようやくアルシェムは気が付いた。昼食を取っていないということに。自覚してしまえば後に起こることは1つしかない。即ち、お腹が鳴ったのである。

「……アルシェム?」

「え、あ、えーっと……空耳、じゃないですかね?」

 フランツは挙動不審になるアルシェムを詰問し、昼食を取っていないことを知るとアルシェムを強引に居酒屋アーベントに押し込んだ。アルシェムはフランツと給仕をしてくれていたエステルの友人エリッサに見張られながら昼食をとる羽目になったのであった。




付け加えられた要素は「夢」。
どちらかというと巫女的な要素にはなりますが、まあこれ以上のネタバレは(多分)終盤あたりで明かすことになるかと。

では、また。
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