やはり俺の福引旅行はまちがっている。   作:EPIPHANEIA

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俺ガイル二次小説第12話です。

1日目の完結編となります。

宜しかったら、是非閲覧お願い申し上げます。

いつも閲覧して下さる皆様、感想を下さる皆様、お気にいり登録された皆様に評価して下さった皆様、ありがとうございます。


第12話

~ホテル内~

 

沙希「借りてきたよ、スペアキー。」

 

沙希は501の部屋のスペアキーをフロントから借りてきた。八幡が宿泊しているのだが、それはサイコロによる部屋決めをしたもので、本来は沙希が宿泊するはずだった。チェックインの時に書いた登録がそのままだった為、沙希が借りてくる事が出来たのだ。

 

お○ヌ「本当にすみません。お手数をおかけして。」

 

小町「いいんですよ。むしろ、おにいちゃんも全く反応ないから、本当にいるのかなって思ってますから。」

 

いろは「本当ですよ。携帯がなっているのに出ないし、部屋の電話にも出ないし。ここまでしつこく電話したら、流石に出るはずなんですけどね。居留守使っているとかじゃなければ。」

 

タ○モ「もうこの部屋以外考えられないのよね……。貴女達の部屋を探させてもらっても、手掛りが何1つなかったし。」

 

シ○「そうでござるな……。ここらで先生の手掛りがあるはずでござる。」

 

美○「本当に貴女達の機転には助かったわ。下手したら、強硬的な手段を使うつもりだったから。」

 

陽乃「いやいや、たまたま思い出しただけですよ。私達、部屋をシャッフルしただけで、書いた時の登録はそのままだったなーって。」

 

結衣「(強硬的な手段って…………何をするつもりだったんだろう…………?)」ガクブル

 

美○の言葉に震える結衣。それとは対称的に陽乃は平然と対応していた。

 

沙希「それじゃ、開けるよ。」ピッ ガチャ

 

そして、沙希がスペアキーで501の部屋を開けて、一同は一斉に部屋の中へと入った。

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『えっ!?』

 

しかし、彼女達がそこに寝ていると思っていた八幡の姿が、何処にもなかった。

 

いろは「ど、どういう事ですか!?どうして、先輩の姿が何処にも……!?」

 

お○ヌ「あっ!これ見てください!」

 

彼女達が八幡の姿を探している時、○ヌが床に落ちていたものを発見する。

 

めぐり「ビー玉……?」

 

留美「何これ?八幡、こんなもの持っていたの?小町さん。」

 

小町「う、ううん。おにいちゃんがこんなもの持っていたの、見た事ないよ。」

 

美○「……いいえ、これはウチのヤドロクの持ち物よ。」ゴゴゴ……

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『えっ……!?』ビクッ

 

そのビー玉らしき物を見つけた時、美○からただならぬ気配を感じ、彼女達全員(雪ノ下姉妹や沙希ですら)が恐怖で震える。

 

美○「……ねぇ、貴女のおにいちゃんって、結構目付きが悪いかしら?」

 

小町「えっ、ええ。そうですね。その目が特徴みたいなものですから……。」

 

タ○モ「なにか分かったの、美○さん?」

 

美○「……さっき、フロントで私達の事をチラッと見ていた目付きの悪い双子らしき2人組を、微かに見かけたのよ……。」

 

シ○「えっ!?そのどちらかが先生なのでござるか!?」

 

美○「……おそらくね。ここにいたこの子のおにいちゃんに変し……ううん、変装して彼を巻き込んで、すすきのに行ったに違いないわ……。」

 

陽乃「えっ!?すすきの……!?」

 

お○ヌ「そ、それじゃ、横○さんは……!」

 

美○「こうしちゃいられないわ!行くわよ!!」

 

小町「あっ、ちょっ、ちょっと!!」

 

美○「ご協力感謝するわ!後日、貴女達にお礼をするから!!」タッタッタッ……

 

お○ヌ「あ、ありがとうございました~!!」タッタッタッ……

 

雪乃・結衣・いろは・めぐり・沙希・小町・留美『………………』

 

そうして、美○達は彼女達から離れて去っていった。その姿を、1人を除いた彼女達は呆然と見送る。

 

陽乃「…………」

 

その除いた1人である陽乃は、険しい表情で何かを考えていた。

 

めぐり「ど、どうしたんですか?はるさん。そんな顔して……。」

 

陽乃「ねぇ、みんなに聞きたい事があるんだけど。」

 

雪乃「えっ?何よ?姉さん?」

 

いつもとは違う表情を見せる姉に、内心戸惑いながら、雪乃は問いかける。

 

陽乃「すすきのって、どういう所かって知ってる?」

 

陽乃は彼女達に問い掛け、すすきのに関する話を語りはじめたのであった…………。

 

 

 

 

 

 

 

~すすきの・ラーメン屋~(八幡side)

 

俺は晩御飯を食べに来たという奈呼さんと璃夢さんのいきつけのラーメン屋にいた。ついでに『もう1人』も。

 

八幡「本当にありがとうございます。俺のお願いを聞いてくれて。」

 

奈呼「ええ、勿論ですよ。誰にも言いませんから。」

 

璃夢「だから、大丈夫ですよ。ラーメン奢ってくれなくても、言うつもりないのに。」

 

八幡「いいえ。そうでもしなきゃ、俺の気が済まないんです。だから、ここは奢らせてください。」

 

俺が奈呼さんと璃夢さんに『お願い』した事、それは

 

かおり「ねえ、比企谷。私も来ちゃったんだけど、いいの?」

 

八幡「ああ。さっきので分かっただろ?女の子が夜1人でこんな所出歩くなって。俺がホテルまで送ってやるから。」

 

俺の隣にいる『もう1人』―――折本と出会った事をアイツらに口外しない事だった。

 

幸い、奈呼さんも璃夢さんも快く応じてくれたが、それでは俺の気が収まらないので、横○から貰ったお金でラーメンを奢る事にしたのだ。横○も『これで美味いものでも食べてこい』って言ってたしな。

 

そして、折本も1人にさせるには危険なので、一緒にラーメン屋に来たという訳だ。

 

かおり「ところで、比企谷。この人達ってガイドさんなの?」

 

八幡「はっ?どうしてお前が知ってるんだよ?」

 

かおり「だって、昼間に見たもん。雪ノ下さんや由比ヶ浜さん達と一緒に歩いてたの。」

 

八幡「……へっ!?」

 

マジかよ……!?コイツ、雪ノ下や由比ヶ浜が来てる事まで、知ってたのか!?

 

かおり「他には一色ちゃん、それと留美ちゃんだっけ?あの子達も見たよ。他にも何人かいたけどね。もしかして、比企谷もあの子達と一緒に来たのかなって思ってんだけど。」

 

いろはすとルミルミも見てるのかよ……。だったら、隠しても無駄か……。

 

八幡「……まあ、お前の言う通りだ。それで、この人達は俺達の案内をしてくれているバスガイドの奈呼さんと璃夢さんだ。」

 

かおり「へぇ~。そう言えば、自己紹介してなかったね。私、折本かおりです。比企谷と同中なんですよ。」

 

奈呼「そうなんですね。私は能登谷奈呼と言います。八幡さん達のバスガイドを担当させて頂いてます。」

 

璃夢「同じく八幡君のバスガイドを担当している能登谷璃夢です!宜しくお願いしますね、折本様。」

 

かおり「『かおり』でいいですよ。何か比企谷の事も『八幡』って呼んでるみたいだし。そう言えば、どうして比企谷達も北海道に来てるの?私みたいに家族旅行だったら、雪ノ下さん達も来てるはず無いし。」

 

八幡「……分かったよ。隠しても無駄だろうから、話すよ。」

 

そうして、俺は折本に今回の旅行の経緯を話した。俺が福引で4名様ご招待の3泊4日の北海道旅行ツアーを当てた事、その旅行に留美と小町達の卒業記念旅行として来た事、その旅行に雪ノ下達も付いてきた事、それらを全て、折本に説明した。(但し、折本が知っているメンツ以外の名前は伏せたが。)

 

かおり「何それ!?留美ちゃんや妹さん達の卒業記念旅行に、雪ノ下さん達も付いてきたって事!?超ウケる!」

 

八幡「いや、ウケねーよ。むしろ、アイツらが騒ぎすぎて、俺が参っちまうよ。」

 

かおり「でも、それアリかも。なんか楽しそうだし。あっ、奈呼さんと璃夢さんに聞きたい事があるんですけど、いいですか?」

 

奈呼「は、はい。何ですか、かおりさん?」

 

かおり「私をナンパしてきた連中がいたじゃないですか。アイツらが言っていた『ナンパを断った女達』って、奈呼さんと璃夢さんの事ですか?」

 

八幡「へっ……?」

 

突然、何言ってるんだよ……?と思いつつ、奈呼さんと璃夢さんを見ると、奈呼さんは気まずそうな顔、璃夢さんは怒った顔をしていた。

 

奈呼「えっ、ええ……。そうなんです。あの人達、地元でも有名な女癖の悪い人達でして……。」

 

璃夢「でも、本当に女の子の敵ですよ、アイツら!!女の子を舐めているとしか思えないですもん!だから以前、私と姉様で懲らしめてやったんです!」

 

かおり「えー!そうなんですね!アイツらが奈呼さんと璃夢さんにやられるなんて、マジウケるんですけど!」

 

マジかよ……!あんなガタイのいい連中とケンカして勝ったのかよ、この人達……!人は見かけによらないって聞くけど、奈呼さんと璃夢さんがそんな風に見えねぇんだけど……。

 

仮の話だけど、川崎や雪ノ下姉妹とケンカしても勝てるんじゃねぇのか?2人とも、あの3人と比べて小柄なのに……。(因みに川崎は空手、雪ノ下姉妹は合気道をやっていると聞いた事がある。)

 

璃夢「でも、まだナンパしてたなんて思ってなかったですよ!私達に『もうしません!』って言ってたのに!」

 

かおり「おそらく、私が地元の人間じゃないからだったと思いますよ。地元の女の子達にも警戒されているんですよね?」

 

奈呼「ええ。本当に申し訳ありません。せっかくの北海道旅行なのに、不快な思いをさせてしまって……。」

 

かおり「謝る必要ないですよ。むしろ、奈呼さんと璃夢さんには助けてもらいましたから、感謝しています。それに比企谷もね。」

 

八幡「へっ、俺?」

 

かおり「だって、そうじゃん。比企谷とあの横○って人がいなかったら、今頃どうなってたか分からないもん。ありがとね、比企谷。」

 

八幡「おっ、おう……。」

 

笑顔で感謝の言葉を言う折本に、俺は顔を頬を赤くしながら背ける。気を取り直して、水を飲んでいる時だった。

 

璃夢「そう言えば、さっき答えてくれませんでしたけど、八幡君とかおりちゃんって恋人同士なんですか?」

 

八幡「ブフッ!ゲホッ!ゲホッ!!」

 

しかし、璃夢さんの発言に、俺は飲んでいた水を吐き出したり、気管に詰まらせてしまう。水飲んでいる時にそんな事言わないでくださいよ、マジで!むせるに決まってるじゃないッスか!!

 

かおり「何むせてんの、比企谷!ウケる!」

 

八幡「いや、ウケねーから!璃夢さん、違いますよ!アイツらを何とかする為に、偽物の恋人を演じていただけですから!」

 

璃夢「あっ、そうだったんですね。」

 

かおり「でも、あの時の比企谷だったら、恋人になってもそれあるかなって思ったよ!まるで王子様みたいだったし!」

 

八幡「いや、それは言い過ぎだろ!」

 

そんな事アイツらに聞かれたら、雪ノ下や由比ヶ浜や一色辺りに何言われるかわかんねえぞ……。『王子谷君』だの『キモイ』だの『無理です、ごめんなさい』だの言われるのがオチだろ……。

 

あと、折本。今の発言、中学の時みたいにマジで勘違いするからやめろ。

 

そんな話をしていると、注文されたラーメンが出来たので、俺達は食べる事にした。さっきまで喋っていたのが、嘘みたいに一言も喋らないで食べていた。折本ですら、何も喋らないで食べていたぐらいだ。

 

本当に美味かった。そりゃそうだ。地元の人である奈呼さんと璃夢さんが常連になっているぐらいだからな。食べ終わってから、店主の親父さんとも話していたが、凄い気前のいい親父さんで、折本も『おじさん、超面白いんだけど!マジウケる!』とか言ってたぐらいだからな。

 

~数十分後~

 

八幡「ご馳走さまでした。また機会があったら来ますよ。」

 

親父「うむ!また来るのだぞ!特にそこの娘な!」

 

かおり「うん!おじさん、ありがとー!マジウケるし!」

 

奈呼「いつもご馳走さまです。」

 

璃夢「また来るね、おじさん!」

 

親父「お前らはこんな所に来る暇あったら、早く男の1人でも見つけろ!仕事やここ通いばっかだと、嫁の貰い手がいなくなってしまうぞ!」

 

璃夢「もう!余計なお世話だよ、おじさん!」

 

奈呼「ハハハ……。相変わらず、私達には手厳しいですね……。」

 

親父の言葉に奈呼さんは苦笑いし、璃夢さんは頬をぷくーとさせて怒っている。

 

大丈夫です、親父さん。万が一の時には、俺がその貰い手になりますから。むしろ、その台詞は千葉のアラサー独神に言ってやってください。

 

そうして、俺達はラーメン屋を離れて、折本が宿泊しているホテルまで足を運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

~折本家が宿泊しているホテルの正門前~

 

八幡「それじゃ、ここでいいな?」

 

かおり「うん。ありがとね、比企谷。奈呼さんと璃夢さんもありがとうございます。」

 

璃夢「どういたしまして。またお会いできるといいですね、かおりちゃん。」

 

奈呼「礼には及びませんよ。こちらこそ、かおりさんにご迷惑おかけして……。」

 

かおり「大丈夫ですよ。ところで、比企谷達って3泊4日って言ってたよね?」

 

八幡「ああ。それがどうかしたのか?」

 

かおり「ううん、何でも……。ねぇ、比企谷、最後にお礼がしたいんだけど。」

 

八幡「あん?お礼?何のだよ?」

 

かおり「いろいろだよ。私を助けてくれたり、偽の恋人を演じてくれたり、ラーメン奢ってくれたり、ホテルまで送ってくれたりの。」

 

そう言いながら、俺に近づいてくる折本。そして――――

 

……チュッ

 

八幡「……………………っ?」

 

奈呼・璃夢『………………へっ?』

 

――――何が起こったか、真面目に分からなく、頭の中が真っ白になってしまう。しかし、確かな事実は1つ。

 

―――――俺の唇と折本の唇が重なりあっていたのだ―――――

 

かおり「エヘヘ……比企谷にあげちゃった、私のファーストキス♪それありかな♪」

 

顔を赤くしながらも、凄く嬉しそうな表情をする折本。

 

かおり「それじゃーね、比企谷!今日は本当にありがとー!」タッタッタッタ……

 

お礼を言いつつ、折本はホテルの中へと入っていった。

 

八幡・奈呼・璃夢『……………………』

 

俺は勿論、奈呼さんと璃夢さんも、暫く茫然自失となっていた。

 

八幡「…………っ!あっ…………あああっ…………!」

 

ようやく復活した俺は、状況を理解したと同時に、情けない声を出しながら、顔がみるみると真っ赤になっていくような感覚に陥る。

 

だって考えてみろよ。いくら過去にフラれたとはいえ、初恋の相手とキスだぜ!?しかも俺も相手も初めてのキスだぜ!?テンパるなっていう方が無理だろ!!

 

奈呼「あ、あわわわわわ…………!」

 

璃夢「キ、キス…………!八幡君とかおりちゃんが…………!」

 

そして、俺同様に復活した奈呼さんと璃夢さんもまた、口を両手で覆っていたり両手を頬に当てながら、顔を真っ赤にしていた。

 

その後、俺は奈呼さんと璃夢さんに『一生のお願いです!今夜のアイツの事は、マジで誰にもオフレコでお願いします!!』と土下座してお願いしていたのであった。

 

奈呼さんは『えっ、ええ。かおりさんの事は私達の胸の中に留めておきます。約束しますよ。』、璃夢さんは『も、勿論ですよ。他の人には内緒にしておきます。だから、土下座しないでくださいよ。』と約束してくれたのであった。

 

やっぱり、今夜は『いろんな意味で最悪な夜』だった――――しかし、それはまだ終わりを告げていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

~ホテル内~

 

璃夢「それじゃ、八幡君。また明日!」

 

奈呼「おやすみなさい、八幡さん。」

 

八幡「ええ、おやすみなさい。こちらこそ、送ってくれてありがとうございました。」

 

あれから、奈呼さんの車で泊まってるホテルまで送ってもらった。本当にあの人達には、感謝してもしきれないぐらいだよな……。仕事終わったのに、こんなに良くしてもらえるなんて……。マジで天使を超えて女神様だよ……。

 

八幡「はぁ……流石に疲れたな……。この旅行、いろいろありすぎだろ……初日から……。」

 

俺は溜息をつきながらエレベーターに乗り、今日1日を振り替える。朝から晩まで、本当にいろんな事がありすぎた。こんなんで、あと3日もつのかと思うくらい。

 

八幡「まあ、もう深夜だし、これ以上は何も起こらねぇだろ……。」

 

アイツらにも寝るって言ってたし、アイツらもきっと寝てるだろう……。俺も部屋に戻ったら、速攻で寝よう……。

 

ピッ ガチャ

 

もう、今日は驚く事なんて起こらない―――そんな安心しきった思いで、エレベーターが5階に到着し、泊まっている501の部屋の扉が開いた瞬間だった。

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『――――お帰りなさい、比企谷君(ヒッキー)(先輩)(比企谷)(おにいちゃん)(八幡)。』

 

八幡「ドワォ!!」ブルッ

 

ぜ、前言撤回……!驚きました!!

 

八幡「ビ、ビ、ビ、ビ、ビックリしただろうが!何でお前ら、俺の部屋の中にいるんだよ!?マジで寒気がしたのだけれど!!」

 

雪乃「あら?そんな事を貴方が言える立場?夜遊び谷君。それに、最後の口調は私の真似かしら?全然笑えないのだけれど。」

 

留美「そうだよ、八幡。私達には『もう寝る』とか言っておいて、どこに行ってたの?」

 

八幡「いっ、いや、それは……。」

 

結衣「先に言っておくけど、全部白状するまで今夜は寝れないと思っていた方がいいよ、ヒッキー。」

 

小町「結衣さんの言う通りだよ、ゴミぃちゃん。小町達に嘘ついてまで、夜遊びに行った罪は重いんだからね。」

 

八幡「コ、コンビニ行ってたんだよ!!こっから歩いて10分ぐらいの所にあって……!」

 

めぐり「へぇ~、コンビニで3時間も入り浸ってたんだ~。…………やっぱり君は不真面目で最低だね。」

 

沙希「アタシ達、そこも行ったんだよ。もしかしたらアンタがいないかと思ってね。」

 

八幡「…………えっ?マジで?」

 

いろは「もー、先輩ったら、なんで正直に言ってくれないんですかー?(おい、そんなデマほざいて風俗に行くとはいい度胸だな、コラ。)」

 

陽乃「そんな嘘ついてまで、風俗店の多いすすきのに行った経緯や感想、全部吐いてもらうまで寝かさないからね?」

 

八幡「なっ!?何で知っているんですか!?すすきのに行ったって!?」

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『覚悟しなさいよ(してよね)(してくださいね)(しなよ)、比企谷君(ヒッキー)(先輩)(比企谷)(ゴミィちゃん)(八幡)?』

 

こうして、俺はようやく訪れようとした休息の時が一転、最後の最後で地獄に叩き落とされるのであった。

 

俺は正座をしながら、横○とすすきのに行った経緯、そこで奈呼さんと璃夢さんと偶然出会って、ラーメンを食べに行ったという事を、アイツらに白状したのであった。(折本との事に関しては、一切喋らなかったが。)

 

奈呼さんと璃夢さんにも話を聞く為、八幡裁判は最終的な判決を降されないままお開きとなったのだが、どうやらまた罰を受ける事が決定しているとの事だった。

 

そして、俺にとっての『いろんな意味で最悪な夜』、いろんな騒動や事件が起こり過ぎた旅行1日目は、ようやく終わりを迎えたのであった。

 

もし、この旅行の今までの成り行きを知っている人(もしくは神様)がいるとしたら、俺はこう問い掛けたい。

 

『……俺、何か悪い事でもしましたか……?(泣)』と。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――おまけ・第10話――――

 

~同時刻・すすきの~

 

さて、ここからは『お約束』の時間となる。

 

「また来てねー!!お兄さーん!!」

 

横○「おう!おねーさん、またなー!!」

 

八幡達と別れた横○は、目的のお店に無事入店し、『自分の最大の目的』を果たした。

 

横○「いやー、あのおねーさん、最高だったなー。美○さんやお○ヌちゃん達より綺麗だし、本番や前座も上手かったし……。」

 

目的を果たした横○は、まるで天国に登ったような気分であった。その前には、文字通り『天国』を体験したのであったが。

 

横○「よーし!この調子で次にいってみよーかー!!」

 

そして、この有頂天の気分のまま、次の店に行こうとした。しかし

 

「――――アンタに、次があると思ってんのかしら?」

 

横○「……………………えっ?」

 

後ろから突然、聞き覚えのある声が聴こえたので、おそるおそる後ろを振り向く。

 

横○「ゲッ!!」

 

シ○「先生……見下げ果てたでござるよ……!拙者達というものがありながら、他の女子と情事など……!」

 

タ○モ「ホンットサイテーね……。人間の男でも、アンタは悪くないかなって思ってたのに……。」

 

お○ヌ「横○さん……不潔ですね……。見損ないました……。」

 

横○「あっ……あっあっあっ…………!」

 

まるで、中の人が同じ某サ○ヤ人の如く、言葉を失う横○。そして、美○が告げる。

 

美○「さて、横○クン。何か遺言はあるかしら?お義父様やお義母様をはじめ、これまで関わってきた人達に対して。」

 

横○「カ、カンニンや……。これは男の本能なんや……。」

 

美○「うんうん、遺言はそれで良いって事ね?」

 

横○「い、いやーーーーー!!赦してくださーーーーい!!!!美○さーーーーん!!!!」

 

美○「…………赦すわけないでしょうがーーーー!!!!このクソ亭主ーーーー!!!!」

 

横○「ぎゃあああああああああああああ…………!!!!!!」

 

こうして、八幡が悲劇(喜劇?)的な目に遭っている同じ時、横○もまた、八幡より更なる悲劇(喜劇?)的な目に遭っていた。

 

最後に、横○の後日談。

 

~翌日・札幌市内の病院~

 

シ○ウ「アンタ……何が遭ったんだ?そんな全身包帯だらけのミイラみたいになって……。」

 

横○「そ……そういう兄ちゃんこそ……身体中包帯だらけやないか……。俺よりは軽いみたいやけど……。」

 

横○は隣のベッドにいた八幡と同年代の少年と、仲良く入院していたのであった。




以上、第12話でした。

かおりん、やらかしちゃいましたねw

次回から2日目の話になりますが、私事で忙しくなり、今月中は最後の投稿となります。

次回は来月以降になりますので、宜しくお願い申し上げます。

では、また次回お会いしましょう。

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