やはり俺の福引旅行はまちがっている。   作:EPIPHANEIA

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俺ガイル二次小説第22話です。



箸休め回ぐらい自重しようと思ったのに、『やりたいことをやってやれ』という悪魔の囁きを聞いた結果、この始末………………。

今回はキャラ崩壊がマジで半端ないです。(自分でも書いてて、『やっちまった』と思ってるぐらいです(汗))

それでも良ければ、是非閲覧お願い申し上げます


第22話

~2日目の夕方・ホテル~(八幡side)

 

ピッ ガチャ

 

八幡「はあ………………。」バタッ

 

2日目の観光が終わりホテルに戻ってきた俺は、力尽きるかようにベッドに倒れこんだ。

 

八幡「今日もマジで疲れたな…………。こんなんで、後2日もつのかよ…………。」

 

ベッドに倒れこむと同時に、今日の出来事と旅行のこれからに対する思いをぼやいてしまう。

本当に朝からここに着くまで、いろいろありすぎだったよな……。

 

起きたら留美が隣で寝てたり、戻ろうとしたら他のメンツに見つかって一騒動、北海道大学での雪ノ下の迷子騒動、昼はラーメン屋で一悶着、さっぽろ羊ヶ丘展望台では留美の幼馴染に会って…………。

 

よくよく考えてみると、この旅行、昨日からずっと騒動ばっかりじゃねぇのか?しかも、昨日の士○さんやイ○ヤ達、今日の智○達やあのカップル等とか、本来出逢いそうにない人達と出逢う事が多すぎるような気がする…………。(旅行に来たからと言われたらそれまでだが。)

 

そして、昨日の夜の折本、今日の昼の留美。2人とも俺にキスをしてきた事も、俺にとっての大事件だ。しかも、留美は俺に告白のような事もしてきた。………………『本物』という言葉を使って。留美の想いは、間違いなく『本物』だという事は分かる。あんなポロポロ泣いてまで告白したのだから。

 

それに、折本がキスしてきた事も、ずっと考えてる…………『私のファーストキス、比企谷にあげちゃった♪』って、わざわざ言ったぐらいだし、中学の時の初恋の相手が、まさか俺の事を…………?

 

そして、雪ノ下と川崎の2人も、2人きりになった時、学校の時と比べて明らかに違和感を感じる。特別な事をしたわけでもないのに、何でだろうか…………?

 

八幡「…………あっーーーーー!!わかんねぇ!!!!」

 

いろいろ考えているうちに頭の中が少し混乱し、頭を抱えながらそんな風に叫んだ。

 

八幡「…………とりあえず、寝るか…………。いろいろ考えても分かんねぇんだったら、寝て頭の中をスッキリさせねぇと…………。」

 

自分の中の問題を後回しにしようと思い、このまま疲れを取るために寝ようとした時だった。

 

プルルルルル プルルルルル

 

八幡「…………あん?」

 

部屋の電話の音が鳴り響く。…………これ、昨日の夕方にもあったよな…………。

 

ガチャ

 

八幡「…………はいよ。」

 

いろは『あっ、先輩!可愛い後輩のいろはちゃんが』

 

ガチャ

 

八幡「…………さて、寝るか。」

 

プルルルルル プルルルルル ガチャ

 

八幡「何だよ!?一色!」

 

いろは『それは、こっちのセリフですよ!!何で電話切っちゃうんですか!?せっかく、夕食の時間になったから、お誘いの電話をしたのにーー!!』

 

八幡「…………シャワー浴びてから行くから。少し待ってろ。」

 

いろは『なっ!?何ですか、その返し方!?…………はっ!遂に先輩も覚悟を決めたという訳なんですね!?そうなんですね!?でもお互いの両親の紹介や合意が無いのに無理です!もう少し段階を踏んでから言ってくださいごめんなさい。』

 

八幡「…………何で行こうとしたのに、フラれてんだよ。悪ふざけの電話なら、切って寝るぞ。」

 

いろは『もー、冗談に決まってるじゃないですか。それに、そんな事言っていいんですか、先輩?小町ちゃーん、留美ちゃーん…………。』

 

八幡「分かってるから、断ったらそう来るのも!!だから、待ってろって!!」

 

いろは『はーい。お待ちしてますよ、先輩♪』ガチャ プープー

 

ガチャ

 

八幡「はぁ…………。今日もこのまま終わらなそうだな…………。」

 

そんな事をぼやいた後、俺は眠気覚ましのシャワーを浴びて、アイツらと合流し、夕食を食べる為に会場へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

―――――バイキング会場―――――

 

ワイワイガヤガヤ

 

八幡「…………ん?何だ、あの人だかりは?」

 

俺達が夕食の会場に行くと、凄く異様な光景が見受けられた。

 

小町「何か、あの場所だけ凄く人がいますね。何やってるんだろ?」

 

今日の夕食も、昨日同様北海道の海の幸や山の幸を揃えたバイキング。しかし、昨日と明らかに違うのは、それに目をくれず多くの人達が『1ヶ所』だけに、その場に集まっている事だった。

 

陽乃「何かイベントでもやってるのかな?ちょっと行ってみない?」

 

陽乃さんの言葉に、俺達はその場所へと向かってみる。俺は人混みは好きじゃないから遠慮しようしたんだが、小町と留美に手を繋がれて、連れてかれた。

 

「―――――さあさあ、皆様!!本日限定の特別ディナーイベント、『北海道豪快カレー』の大試食会を開催しておりまーす!!皆様ー!!本日限定のイベントですから、この機会を是非お見逃しなくーー!!」

 

アナウンスをしている男のイケボな声が、会場に鳴り響く。そんなイベントやってたのか…………。

 

「この『北海道豪快カレー』、北海道の大自然が育んだ野菜やお肉や海の幸が全部入った、その名の通り豪快なカレーとなっておりまーす!!当社の新作カレーの試食会、本日限定でしか食べられませんから、是非ともご賞味くださーい!!」

 

…………何かお○松さんやコー○ギ○スのス○クっぽい声だよな。櫻○孝宏っぽい声でそんな事言われると、ちょっと興味が出てくるかも。

 

「そして、本日はなんと!お忙しいスケジュールの合間を縫いまして、当社の社長が皆様に食べてもらいたいと腕を振るいに北海道にやって参りました!社長自らが皆様にカレーをお配りしています!!」

 

結衣「へー、ちょっと食べてみようかなー。みんなはどうするの?」

 

小町「小町も食べてみたいですね!すっごく興味がありますよ!」

 

いろは「私も食べたいです!」

 

めぐり「私も食べてみようかな~。」

 

留美「…………私も食べてみたい。」

 

由比ヶ浜をはじめ、何人かが興味を示し始める。確かに食べてみたくなってきたかもしれない。

 

雪乃「…………私も少し食べてみようかしら。」

 

沙希「アタシもちょっと興味が出てきたね。」

 

陽乃「よーし、決まりね。みんなでカレーを食べにいこー!」

 

八幡「えっ?あ、あの、俺の意見は…………。」

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『はい?』

 

俺の発言に対して、他のメンツは『おめぇの意見、ねーから』みたいな顔をしながら、俺を見ていた。

 

…………何となくは分かってましたよ。確かに興味があるし、食べてみたいとも思ってますよ。だけど、意見ぐらい言わせてくれよ…………(泣)

 

俺達はカレーを配っている所へと近づいた。そして、俺達の目に映った物は―――――

 

社長「ベ~ルベルベル!本日はワニが皆様にカレーをお配りしてますよ~だ!!さあさあ、皆様!どうぞ召し上がれ~!ほら、バイト君もアナウンスしてないで、早く皆様に配りなさいよ~!」

 

バイト君「しゃ、社長!!俺がバイトっていうのは、内緒だって言ったじゃないですか!?バレたら、何言われるか分からないんですから!!」

 

―――――明らかに人間ではない2人組の『変な奴等』――――『社長』と呼ばれたワニの着ぐるみを着たような奴と、『バイト君』と呼ばれた頭の右側に曲がった角が3本生えた、櫻○孝宏っぽい声の宇宙人の着ぐるみを着たような奴がいたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

八幡・雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『……………………』(゜ロ゜)(゜〇゜)(°Д°)

 

あの………………俺達、『北海道』っていう名前の異世界に来たって訳じゃないよな………………?

 

変な奴等を見た俺達は、思わず目が点になりながら、開いた口が塞がらなかった。

 

ってか、いろいろツッコミどころ満載過ぎるだろ!!まず、何で『テレビ○日の日曜朝7時30分』に出てきそうなアイツら、普通に実在してるんだよ!?しかも、ワニのようなの奴は社長に…………そういえば、なってたような気がするな。

 

しかも、あの櫻○声の宇宙人のようなの奴、バイトで雇ったのかよ!?アイツ、人間の女の人と駆け落ち結婚して、旅館で働いていたんじゃなかったのか!?

 

いろは「ゆ、結衣先輩。あのワニみたいなの、アタシ昔見たことあるような気がするんですけど…………。」

 

結衣「………いろはちゃん。あたしも、見たことあるような気がするよ…………。」

 

…………昔の日曜朝をしっかり見てたんだな、由比ヶ浜に一色。俺も昔見たことあるよ。最近でも、見たことあるような気がするが。

 

留美「…………ワニは知らないけど、あの宇宙人みたいな人、見たことあるような気がする…………。」

 

小町「る、留美ちゃん、あの宇宙人みたいな人、知ってるの……?」

 

留美「うん。確かジェラなんちゃらとかいってたような…………。」

 

留美も日曜朝、ちゃんと見てたんだな…………。プリキュアのついでに見てたけど、本当に面白かった。

 

変な奴等が登場して、戸惑っている俺達。しかし、周りの反応は―――――

 

「へー、旨いじゃん、このカレー。」

 

「美味しい!!何これ!?こんなカレー、食べた事ない!!」

 

「うっまー!!やばすぎっしょ、このカレー!!パネェーわー!!」

 

「おじちゃんたち、おいしいよ!ありがとー!」

 

いかにも、俺達の反応が普通じゃないと言うかの如く、あの変な奴等の事を気にせずに、普通にカレーを食べていた。しかも、戸部っぽい口調の奴やアイツらにお礼を言う子供までいるし…………。

 

「ママー、このおいしいカレー、あのへんなおじちゃんたちがつくったんでしょー?」

 

「シッ!変って言うんじゃありません!」

 

…………ホテルでいつも鉢合せするママアレ親子、貴女達まで普通に食べてるんですか……?お嬢ちゃんの言っている『へんなおじちゃん』は正解ですよ、お母さん。

 

『北海道豪快カレー』――――その言葉の意味が、アイツらを見たせいで理解出来た。確かにアイツらの片割れのバイト君の方、『豪快』な方に出てたからな…………。(正確に言えば、社長の方も『映画』でチョイ役で出てた気がするが。)やがて、社長がマイクを手にして発言する。

 

社長「さて、皆さん!今日は我が社の新メニュー、『北海道豪快カレー』の試食会に集まって頂きまして、本当にありがとうございま~す!!お礼に、皆さんに対して感謝の気持ちを込めまして、ワニのショータイムが始まりま~す!」

 

バイト君「よっ!社長、お待ちしていました!皆様、盛大な拍手をお願いします!!」

 

パチパチパチ…………

 

八幡「………………はっ?」

 

あ、あれ…………?物凄く嫌な予感がするんですけど………………。

 

そして、その予感はすぐ的中する事になった。

 

社長「♪究極のカレー 北海道直送 ワニの考えた 豪快なカレー♪

 

『でもでも、命名したのは、ワニではなくバイト君なんですよーだ』

 

♪あら、ネタバーレしちゃーって どうすんだよ♪」

 

「い、いやああああああああ!!!!な、何!?何なの、この歌!?」

 

「み、耳がああああああ!!あ、頭が痛いいいいいいい!!」

 

「や、やめろおおおおおお!!!!」

 

ワニの歌を聴いた周囲の人達が、耳や頭を抱えて苦しみだした。

 

八幡「う…………うわあああああああああ!!」

 

小町「お、おにいちゃん、助けて…………やあああああああああ!!」

 

留美「は、八幡!ああああああああああ!!」

 

俺達も当然、耳を塞ごうとしたが、社長の音痴な歌が聴こえて、苦しみだす。

 

「うわあああああああああああん!!ママー!!」

 

「き、聞いちゃいけません!!いやあああああああ!!」

 

あのママアレ母娘まで泣きながら苦しんでる…………!苦しんでる俺の視界に入ってきたものは

 

バイト君「よっ、社長!日本一の美声ですねー!!紅○やレ○大、間違いなく出れますよー!!」

 

ヒゲダンスをしながら歌ってる社長、それをヨイショしているバイト君の姿だった。その光景を見て、『俺の中の何か』がプツンと切れる。そして、俺は――――

 

八幡「――――――やめろ、テメェ!!このワニ野郎!!」ドカッ‼

 

――――無意識のうちに奴等をとめようと、社長に突撃していったのであった。

 

 

 

 

 

社長「♪オレは恋するヤツ…………って、何だね、チミは!?」

 

俺の突撃に、社長はたじろいて歌うのをやめる。

 

八幡「うるせえ!!いいから、その迷惑な歌を歌うんじゃねえ!!」バキッ‼

 

社長「アイター!!男に殴られても、気持ちよくないもんねー!!お返しにガブリしてやるー!!」

 

八幡「っ!!」

 

社長が俺に噛みつこうとする。しかし、次の瞬間―――――

 

雪乃「ハッ!!」ガシッ

 

クルッ

 

社長「アイダー!!」

 

陽乃「もいっちょ、おまけ!!」バキッ!!

 

社長「アギャーーー!!」

 

―――――俺と社長の間に、雪ノ下が割り込み社長を投げ飛ばす。更には陽乃さんが、社長の鳩尾に正拳突きを放つ。

 

…………これが、話に聞いていた、雪ノ下姉妹の習っているという合気道か。なんか貴重なものを見れたな…………って、アイツ相手に通用したのかよ!?

 

バイト君「き、君達!?一体何の真似だ!?何故、社長を…………!」

 

いろは「行きますよ、結衣先輩!」

 

結衣「う、うん!せーの!!」ガシッ

 

バイト君「な、何をするんだ!?君達!」

 

バイト君が俺達をとめようとしたところ、由比ヶ浜と一色がバイト君を取り押さえる。えっ!?マジで!?お前ら、何処にそんなパワーを隠してたの!?

 

いろは「今だよ、小町ちゃん、留美ちゃん!」

 

バイト君「や、やめろ!俺の耳を…………あっ。」

 

小町「あっ、いろはさんや結衣さんの言う通りでした!」

 

留美「この人、耳栓してた。どうりで、あの音痴な歌が効かなかったんだね。」

 

小町と留美がバイト君の耳の中にあった耳栓を取り出す。留美、正確に言えば、ソイツ『人間』じゃないから。ってか、お前らも無茶すんじゃねぇよ!

 

社長「おのれ~!ワニの歌の邪魔をするなら、ガブリキスしてやる~!手始めに…………あっ、そこのお仲間だと思われる、大人しそうな子からだ~!」

 

めぐり「えっ?えっ?わ、私~!?」

 

社長が城廻先輩を見つけて、襲いかかろうとしていた。

 

八幡「お、おい、やめろ……」

 

沙希「比企谷、動かないで!!」

 

八幡「っ!?」

 

俺は社長をまた取り押さえようとした時、川崎の声が聞こえて制止する。そして、

 

沙希「ハァッ!!」

 

ドカッ‼

 

社長「ウギャーーーーーー!!!!」

 

沙希「悪いけど、本気で飛び蹴り使わせてもらったよ。アンタ、結構タフそうだからね。」

 

川崎が社長の顔を目掛けて、空手で習ったと思われる飛び蹴りを喰らわせた。因みに飛び蹴りの時、黒のレースが見えたのは、俺だけの秘密だ。

 

バイト君「しゃ、社長!ここは退きましょう!」

 

社長「チ、チミ達は一体何者なんだー!?」

 

八幡「通りすがりの千葉県民だ!!覚えと…………かなくてもいいから、とっとと出てけ!」

 

社長「う~!お前達の顔、覚えておくぞー!では、サラダバー!」ドドド

 

バイト君「しゃ、社長ー!!待ってくださーい!」タッタッタッ…………

 

こうして、俺達はあの変な奴等を追っ払った。だから、覚えとかなくていいから…………。

 

陽乃「…………全く、随分無茶をしたね、比企谷君。」

 

八幡「…………すんません、俺も無意識のうちにアイツらに突っ込みましたから。ってか、陽乃さん達も無茶しすぎッスよ。でも、助けてくれてありがとうございます。雪ノ下や川崎達もサンキューな。」

 

雪乃「べ、別に、私もあの人達が迷惑だと思ったから。」///

 

沙希「ア、アタシも城廻先輩を守ろうと思って。」///

 

陽乃「またまた~。比企谷君にいいところを見せようって思って、頑張ったんでしょ。私もだけど♪」

 

雪乃・沙希『姉さん(陽乃さん)!!』///

 

八幡「ま、まあ、とりあえず気を取り直して、晩飯でも…………。」

 

俺が騒ぎも収まったところで、晩飯を食べようと言おうとした時だった。

 

パチパチパチ………………

 

「スッゴーい、あの子達!!」

 

「あの音痴な歌を止めてくれて、ありがとー!!」

 

「ただの馬鹿騒ぎしているハーレム軍団じゃなかったんだな!見直したぞー!!」

 

「千葉県民、パネェーわー!!ヤバすぎっしょ!!」

 

八幡・雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『……………………………あっ。』

 

アイツらを追い出した俺達は、他の観光客やホテルの従業員の人達から、スタンディングオベーションのような拍手喝采や称賛の嵐を浴びる。

 

あの、皆さん…………。逆に恥ずかしいんですけど。皆さんが苦しんでるから、当たり前の事をしただけッスから。あまりにも目立ち過ぎて、穴に入りたいぐらいです。

 

あと俺達、バカ騒ぎしてるのは認めますけど、ハーレム作った覚え無いですから。勘違いしちゃうからやめてほしいッス。それから、戸部みたいな口調の人は、その口調やめたほうがいいです。

 

「ほら、もう大丈夫だからね。あのお兄ちゃんとお姉ちゃん達が、おじちゃん達追い出してくれたから。」

 

「ひっぐ……えっぐ…………ありがとー…………へんなおにーちゃんとへんなおねーちゃんたち…………」

 

…………お礼を言ってくれるのはありがたいし凄く嬉しいよ、お嬢ちゃん。だけど、俺達をアイツらと同じ『変な奴等』のカテゴリーに入れるのは、やめてほしいな…………。お兄ちゃん、お嬢ちゃんみたいに泣いちゃうからね。

 

黄「やるじゃん、あの子達。アンタより勇気あるんじゃないの?」モグモグ

 

緑「ちょ、ちょっと!あの子達より僕のほうが勇気がないの!?」モグモグ

 

銀「凄かったッスねー、あの子達!もしかしたら『俺達の後輩』の資質があるかもしれませんよ、皆さん!」モグモグ

 

鳥『ウーン、ソレハナイカナ!』

 

青「だろうな。何人か除いては、明らかに素人の動きだ。」モグモグ

 

桃「でも、いいではありませんか。あの方々の勇気、素晴らしいと私は思います。」モグモグ

 

赤「…………ヘッ、まさかアイツら相手に、あんなに派手にいく奴等がいたとはな。まあいいさ、これで静かにカレーが食える。」モグモグ

 

…………おい、そこで呑気にカレーを食ってやがるカラフルな6人組と田村ゆ○り声の鳥…………明らかに『その道の本職』だろうが、アンタら。カレー食ってねぇで、アンタらが止めてくれよ、アイツら………………。それに俺達『アンタらの後輩』の資質なんてないからな、銀の人。

 

………………って、ちょっと待った!!あの社長やバイト君だけじゃなくて、アンタらも実在してたのかよ!?真面目に一緒に記念撮影してほしいんだけど!!

 

八幡「あ、あの…………」

 

ガシッ

 

雪乃「ほら、行くわよ、比企谷君!」

 

八幡「ちょ、ちょっと、雪ノ下!?」

 

結衣「いいから、早く立ち去るし!!あたし達も恥ずかしいんだから!!」

 

八幡「ちょっと待って、由比ヶ浜!あの人達と、あの人達と~~!!」

 

雪ノ下と由比ヶ浜に捕まった俺の叫びも空しく、そうした騒動の後、俺達はその会場を出ていって、別の場所で晩飯を食べることになった。

 

俺もあの場で晩飯を食べるのは恥ずかしかったから、それはいいとしよう。だけど、あの『カラフルな6人組の人達』と記念写真撮りたかったな…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これで、旅行の2日目が終わりになるかと思った。しかし―――

 

めぐり「ひ、比企谷君、いる~?」

 

―――――晩飯の後、俺の部屋にやってきたこの人と一緒に『あんな事』になるとは、部屋の開けた時の俺は、思いもしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――おまけ・第20話―――――

 

~同時刻・函館のとある旅館~(折本かおりside)

 

かおり「ハハハハハハハハハハ!!!!千佳、何それ!?超ウケるんですけど!!その家族と3人組、見てみたかった!!」

 

千佳『笑い事じゃないわよ、かおり!!帰ってきたら、今日のバイト代わったお礼、絶対にしてもらうからね!!』

 

かおり「分かってるって、ちゃんと北海道のお土産買ってくるから。とりあえず、また後でね。晩御飯の時間だから。」

 

ピッ

 

函館に到着した私と両親は、お昼に少し観光をした後、旅館でゆっくりとしていた。父さんも2日酔いがようやく抜けたと思ったらまた飲んでるし、ウケるw

 

だけど、旅館に着いて1つ気になる事があるんだ。それはね―――――

 

?「―――――こちらにいらしたのですか?折本様。お母様がお探しでしたよ。」

 

かおり「あっ、女将さん。すいません、わざわざ探してくれたんですか?」

 

?「ええ。それが、私の勤めですから。」

 

――――この女将さんの事。見た目、私より年齢が少し年上っぽいのに、この旅館の女の従業員をまとめてる女将をやってるんだって。凄いよね。

 

かおり「…………ところで、女将さんに1つ聞きたい事があるんですけど、いいですか?」

 

?「はい、何でしょう?」

 

でも、それだけじゃないの。この人、何処と無く『あの人達』の面影があるような気がしたんだ。

 

かおり「女将さんって、姉妹とかいるんですか?」

 

?「………………いいえ、私に姉妹はいませんけど。どうして、そのようなお話を?」

 

かおり「私、昨日札幌で、女将さんに似ている姉妹の人達と出会ったんですよ。確か、バスガイドをやってる姉妹なんですけど。」

 

『あの人達』―――――『奈呼さんと璃夢さん』に何処と無く似ているような気がして、何となく尋ねてみた。

 

?「………………!そうですか…………。」

 

ん?何か一瞬、表情が変わったような気がするけど、気のせいかな?

 

かおり「あ、でも気にしないでいいですよ。多分、他人の空似だと思いますから。そういえば、女将さんの名前を聞いてもいいですか?」

 

澪羅「…………澪羅(れら)。七崎澪羅(ななさきれら)と申します。以後お見知りおきを、折本様。」

 

かおり「私は折本かおりっていいます。かおりって呼んでください、澪羅さん。」

 

澪羅「かしこまりました、かおり様。ところで、ご両親がご夕食の場所でお待ちなのですが…………。」

 

かおり「あっ、そうだった!今行きます。それから、私の『お願い』も聞いてくれて、ありがとうございます。」

 

澪羅「ええ、明日は3連休の最後ですので、特に問題はありませんでしたから。」

 

こうして、私は澪羅さんと別れて、両親が待っている夕食の場所へと向かった。

 

かおり「澪羅さんの事も気になるけど、まずは『作戦の第1段階』成功ってとこかな?」

 

向かってる途中、昨日ラーメン屋でアイツが言ってた『ウケる事』を思い出す。あの時から『この作戦』を思い付いたんだ。

 

かおり「明日が待ち遠しいな~♪函館に着いたら、ずっと私のターンになるから♪」

 

アイツ―――――比企谷の明日からの函館入りをワクワクしつつつ、私の旅行の2日目は、昨日と違い平和に終わった。

 

かおり「覚悟してよね、比企谷。絶対、私の彼氏になってもらうから♪」




以上、第22話でした。



…………はい、いろんな意味で完全にやらかしちゃいましたね…………。


では、また次回!

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