やはり俺の福引旅行はまちがっている。 作:EPIPHANEIA
そして、最後には『ある人』がまさかの登場です。
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~札幌・某ホテル~
陽乃「へぇー、なかなかいい感じじゃない。」
雪乃「そうね。流石、4つ星ホテルと言ったところかしら。」
新千歳空港からバスに乗って1時間、俺達はとあるホテルに到着し、バスから降りてホテルを見た(社長令嬢であり県議会議員の娘達である)雪ノ下姉妹の感想は、平然としたものだった。
八幡・結衣・いろは・小町・めぐり・沙希・留美『………………』
しかし、しがない庶民の俺達は、ホテルを見て茫然としていた。マジでこんな所に俺達が宿泊するのかと思うくらい。
八幡「あ、あのー……。奈呼さん。」
奈呼「いかがなさいましたか?比企谷様。」
八幡「道、間違えてないですよね?俺達が本当にここに宿泊するんですか?」
奈呼「ええ。お間違いありません。こちらのホテルが比企谷様と雪ノ下様達が宿泊されるホテルです。」
小町「本当ですか!?すごーい!!こんな凄いホテルに小町達が泊まるなんて、夢にも思わなかったですよ!」
璃夢「喜んでくれて何よりです。他の皆様も気に入って頂きました?」
留美「う、うん。嬉しい事は嬉しいけど……。」
めぐり「逆に信じられないって気持ちの方が強いですよ~。本当に私達がここに泊まるって思うと。」
結衣「まさか、こんな大きいホテルにあたし達が泊まるなんて……。」
沙希「そうだね。後にも先にも、今回だけかもね。」
いろは「なんか、一生分の運を使い果たしちゃった感じですね。ここまで来ると……。」
俺達が今回の旅行で宿泊するホテル、その大きさに雪ノ下姉妹を除いた俺達は圧倒されるか信じられないと言った気持ちでいっぱいだった。
札幌の市内から車で約30分ぐらいの郊外にある海が近いホテルで、何とプールや温泉、エステやフィットネスなど、とにかく庶民には贅沢過ぎる位の施設が揃っていた。
結婚式の会場でも当然使われており、二次会で使われるような和洋中の高級レストランやスカイラウンジバー等もあり、一介の学生の身分では、とても敷居の高すぎるホテルだったのだ。
璃夢「ではでは、フロント迄ご案内致しますねー!」
璃夢さんと奈呼さんの案内のもと、俺達は受付をする為にホテルのフロントへと向かった。
~ホテル・フロント~
八幡「うわっ……。マジかよ……。」
ホテルに入ってその光景を見た第一声が、それだった。
フロントの広さも当然の事ながら、隣には大きなプールまで見える。しかも、3月の肌寒い時期にも関わらず、そこで海パンやら水着やらに着替えて遊んでいる人達の姿も見える。
陽乃「おそらく、この時期だと温水プールね。ここって、確か一年中プールの営業やってるから。」
そういう事か。陽乃さんの言う通り、そうでもなければ寒中水泳なんてやるバカなんていないだろう。
そんなプールを見ながら、俺達はフロントの受付へとたどり着く。
「いらっしゃいませ。当ホテルへようこそ。」
受付の女性が落ち着いた微笑みで、俺達に応対する。
八幡「4名で予約した比企谷です。」
陽乃「雪ノ下です。5名で予約しました。」
「比企谷様と雪ノ下様ですね。お待ちしておりました。お手数ですが、こちらにご記入の程、お願い致します。」
そうして、俺のグループと陽乃さんのグループは、それぞれ名前を記入して、受付に渡した。
「はい。お受け賜りました。では、雪ノ下様からお部屋の鍵をお渡し致します。」
陽乃さん達のグループの部屋数は、501~503の3部屋。501に川崎(シングルの部屋らしい)、502には雪ノ下と陽乃さん、503に由比ヶ浜と一色という組み合わせだった。
「続きまして、比企谷様のお部屋の鍵をお渡し致します。504に城廻様と比企谷小町様、505に比企谷八幡様と鶴見様で、宜しいでしょうか?」
雪乃・結衣・いろは・沙希・陽乃『………………えっ?』
八幡「あっ、はい。そうです。」
受付の女性の確認に答えて、俺達が鍵を受け取ろうとした瞬間
結衣・いろは・沙希『ちょっと待ったーーーーーーーーーーーーーー!!』
いきなり、由比ヶ浜・一色・川崎の3人が大声で叫び、俺達の動きを止めた。
八幡「な、何だよ、お前ら!?いきなり大声で叫びやがって。ビックリしたじゃねぇか。他の人達も見てるんだから、やめろよ。」
振り向くと、大声で叫んだ由比ヶ浜達が、顔を真っ赤にさせながら口をパクパクさせて、俺と留美を睨みつけていた。
結衣「ビ、ビックリしたのはこっちだよ!何で、ヒッキーと留美ちゃんが一緒の部屋になるんだし!?」
八幡「別にいいじゃねぇか、ホテルの部屋くらい。ってゆーか、雪ノ下はなんで携帯取り出してんだよ?」
雪乃「あら、目の前に今日犯罪者になる男がいるのに、それを見逃す訳にはいかないでしょう。善良な一市民として。」
陽乃「そうだね~。流石にこれは、いかがなものかなぁ~。」
雪ノ下姉妹は笑顔ではあるものの、由比ヶ浜達同様、完全にお怒りモードと化している。
めぐり「はるさん、違うんですよ。相部屋をジャンケンで決めた結果なんです。」
いろは「ジャ、ジャンケンの結果なんですか!?」
沙希「本当なの?小町。」
小町「そうなんですよ。小町もめぐりさんもおにいちゃんと相部屋を狙ってたんですけど、留美ちゃんとジャンケンして負けちゃったんです。」
留美「めぐりさんと小町さんの言う通り、公正なジャンケンの結果、私が勝ったの。だから、悪く思わないでね、飛び入り参加のお姉さん達。」ドヤァ
結衣「な、何で留美ちゃん、そんなどや顔してるんだし!!ヒッキー、キモい!超キモい!!」
八幡「何で俺がディスられなくちゃいけないんだよ?だからいいじゃねぇか。元々、別のグループなんだし。」
いろは「と、とにかくダメです!!留美ちゃん、それなら私が部屋を変わってあげるから!」
沙希「一色?どさくさに紛れて、アンタは何ほざいてるんだい?」
陽乃「留美ちゃん、もっと自分を大切にしなさい。なんなら、お姉さんが部屋を変わっても……。」
雪乃「姉さんもどさくさに紛れて、何ふざけた事を言ってるのよ!?」
あの、周りの視線が物凄く痛いので、そろそろ騒ぐのはやめて頂けませんかね?お嬢様方。受付の人も凄い苦笑いして、ドン引きしてるし。
璃夢「皆様、それならこれで決めるのはどうでしょう!?」
その時、璃夢さんがある小さなものを手にしながら、騒いでいる俺達に声をかける。
八幡「サ、サイコロ?」
奈呼「ええ。これで皆様の部屋を決めるんです。別に予約をされた方々ですけど、大丈夫ですよね?」
「は、はい。見たところ、皆様お知り合いみたいですから、こちらは一向に構いませんが……。」
奈呼さんが受付の人に確認をとって、受付の人がそれを了承する。おそらく、受付の人も早く決めてほしいと思っているのだろう。
八幡「ちなみに、どうやって決めるんですか?」
璃夢「簡単です。皆様このサイコロを1回ずつ振って、1~5が出たら、その下1桁の部屋で決定。6が出たらもう1回っていう感じで、いかがでしょうか?」
奈呼「補足しますと、1回目で1が1人、2~5が2人以下でしたら、その部屋で決定になります。それ以上になった場合は、2回目の出目が多い人がその部屋、出目の少ない人は埋まっていない部屋で決定になります。それで異存はないでしょうか?」
成程な。公正さを出す為にも、全員が1回ずつ振るという訳だ。しかし、他のメンツが了承するかどうか……。
留美「……別に構わないよ。」
意外な事に、一番反対すると思っていた留美が賛同してきた。これには、陽乃さんですら驚いている。
八幡「えっ?留美、いいのか?」
留美「うん。どうせ多数決でそうなるのが見えてるし。それだったら、最初から賛成した方が良いと思ったから。」
陽乃「……流石、最年少で参加しているだけの事はあるね。昔の雪乃ちゃんみたい。」
陽乃さんが留美の事を関心を持ったみたいだ。「昔の雪乃」と言っているように、確かに留美の数年後には雪ノ下に負けないくらいの美少女に成長している可能性は高い。それにしても、魔王に目をつけられるなんて、ルミルミも大変な目に遭うぞ……。
留美「お姉さん達はどうなの?」
陽乃「勿論、私も賛成だよ。改めて自己紹介するけど、雪乃ちゃんのお姉ちゃんの雪ノ下陽乃よ。宜しくね、留美ちゃん。」
留美「……鶴見留美。宜しく、陽乃さん。」
雪乃「……鶴見さんが賛成するなら、私達も賛同するしかないでしょう。」
沙希「……そうだね。恨みっこ無しで出来るなら、それで構わないよ。」
結衣「まさか、留美ちゃんがそんな事を言うとは、思わなかったけどね。」
いろは「でも、良いじゃないですか。それで行きましょうよ。受付の人も奈呼さんも璃夢さんも、構わないって言ってるんですから。」
留美「めぐりさんと小町さんも参加するんでしょ?」
小町「えっ!?良いの、留美ちゃん!?」
めぐり「私達、ジャンケンで負けちゃったのに……?」
留美「うん。全員でやらなくちゃ公平じゃないから。勿論、八幡もね。」
八幡「お、おう。分かった。」
そうして、俺達はサイコロを振って、宿泊する部屋を決めたのであった。
そして、意外な事に、俺達の部屋は一発で決まったのであった。
~部屋決めの結果~
501
八幡「……まさか、俺以外誰も1が出ないとは思わなかったな。」
八幡がトップバッターでサイコロを振り、その結果は1だった。
八幡以外のメンバーが、全員1以外を出してしまった為、必然的に八幡が501の部屋に決定したのだった。
八幡「まぁいいか。1人部屋のほうが何かと落ち着くしな。」
八幡はベッドに寝転がりながら、思わず呟く。
八幡「それにしても、偶然とはいえ、よく他の部屋のメンツも上手く振り分けられたよな……。ある意味、今回のメンツじゃベストなんじゃないかって思うくらい……。」
502
沙希「……まさか、アンタと一緒になるとは思わなかったよ、由比ヶ浜。」
結衣「えっ、あたしと一緒じゃ嫌なの、沙希!?」
502の部屋は、結衣と沙希のクラスメイトペアになった。沙希の言葉に、結衣は不安げな表情になる。
沙希「違うよ。むしろ、その逆。由比ヶ浜で良かったって意味。」
結衣「へっ?良かった?」
沙希「そうだよ。アタシが今回のメンツで気軽に話せそうなの、アンタか比企谷か小町ぐらいだからね。他のメンツだったら、少し気不味い雰囲気になってたかもね。」
結衣「……」
沙希「ん?どうしたの?」
結衣「……学校では無口な沙希が、こんなに喋ってくれるなんて思わなかった。それに、沙希があたしの事をそんな風に思ってくれるなんて……。」
沙希「ゆ、由比ヶ浜……?」
結衣「嬉しいよー!沙希ー!!」ギュッ
沙希「ちょっ!いきなり抱きつくな!」
結衣「これからルームメイト同士、宜しくね!あっ、でもヒッキーの事は話は別だからね。負けないよ、沙希!!」
沙希「あっ、ああ……。お手柔らかに頼むよ……。アタシも負けるつもりはないけどね……。」
503
留美「……八幡、一番最初なのに、1人だけ1を出すなんてあり得ない。どんだけ、ぼっちになるのが好きなの?」
小町「まぁまぁ、留美ちゃん。それが、ゴミぃちゃんクオリティでしょ。」
503の部屋になったのは、小町と留美の最年少ペア。
八幡が1人部屋を引いて、ぷくーと頬を膨らましながら不満を愚痴る留美を、小町が宥めていた。
小町「でも、小町は留美ちゃんとペアになれて、良かったよ。留美ちゃんにおにいちゃん以外の人達と仲良くしてもらいたいって、小町思ってたから。」
留美「えっ?そうなの?」
小町「そうだよ。余計なおせっかいかもしれないけど、小町は留美ちゃんにも今回の旅行を楽しんでほしいって思ってるよ。その為にはめぐりさんだけじゃなくて、雪乃さんや結衣さん達とも仲良くなってほしいなって。」
留美「…………。」
小町「勿論、留美ちゃんが『みんなと楽しみたい』って思わなくちゃ意味ないからね。無理やり楽しませようとしても逆効果なのは、おにいちゃん見て分かってるから。」
留美「……八幡もこの旅行、楽しみたいのかな?」
小町「ありゃ。ここでおにいちゃんの名前が出ちゃうの。でも、おにいちゃんも楽しみたいって言ってた気がするよ。」
留美「……それだったら、私も仲良く出来るように頑張る。八幡や小町さん、他のみんなと楽しみたいから。」
小町「うん、分かったよ。小町もサポートするからね。(まだ、おにいちゃんに依存してるところはあるけど、良い傾向かな?)」
留美「うん。宜しくね、小町さん。」ニコッ
小町「(か、可愛い~~~~~!!)」ズキューン
留美「でも、みんなと仲良くなる事と八幡の事は話は別。ついでに八幡の事も小町さんにサポートしてもらおうかな。」ニヤリ
小町「(でも、その直後に黒い笑みだよ~!さっきの可愛い笑みが台無しだよ~!留美ちゃ~ん!!)」
504
めぐり「嬉しいですよ~。はるさんと一緒の部屋になれるなんて。」
陽乃「私も嬉しいよ、めぐり。」
504の部屋には、陽乃とめぐりの最年長ペアになった。
元生徒会の先輩と後輩の関係であるこの2人、陽乃はめぐりに一目置いてある事もあり、結構可愛がっていた。
陽乃「ねぇ、めぐり。」
めぐり「はい?どうしました?」
陽乃「比企谷君の事、狙ってるんでしょ?今回の旅行をきっかけにして。」
めぐり「えっ……!?は、はるさん……!!」
陽乃の問いかけに対して、瞬き間に顔を真っ赤にするめぐり。
陽乃「やっぱりそうなんだ。だったら、私達恋敵になるね。」
めぐり「えっ!?は、はるさんもまさか……!?」
陽乃「そうだよ。私も比企谷君の事、好きなんだ。本当の初恋って言っても良いぐらいね。」
めぐり「えええ!?」
陽乃の初恋発言に、めぐりは驚きを隠せなかった。
陽乃「最初は雪乃ちゃんとくっ付けようって思ってたんだけど、比企谷君と話したり交流していくうちに、それがだんだん無くなってきちゃってね。あんな魅力的な人、他にいないんじゃないかな。」
めぐり「…………」
陽乃「だから今回の旅行の話を聞いて決めたんだ。比企谷君の恋人になるって。だから、めぐり達の旅行に飛び入り参加したんだよ。」
めぐり「そ、そうだったんですか……。」
陽乃「それに、めぐりも含めて今回の参加した女の子全員、比企谷君の事が好きみたいね。」
めぐり「えええ!?全員って……留美ちゃんや小町ちゃんも!?」
陽乃「おそらくね。私らしくも無いけど、全員集めて勝負したくなっちゃったんだ。だから、雪乃ちゃんとガハマちゃん、いろはちゃんと沙希ちゃんも誘ったのよ。」
めぐり「…………」
陽乃「私、負けないからね。めぐり。必ず比企谷君の恋人になってみせるから。」
めぐり「わ……私だって、負けません!」
陽乃の宣言に、めぐりもまた、決意表明をしたかのように陽乃に宣言する。
めぐり「……はるさんの事は尊敬しています。でも、比企谷君の事を譲るつもりはありません!私が比企谷君の恋人になってみせます!」
陽乃「……オッケー。流石、私が一目置いている城廻めぐりね。言っておくけど、負けても恨みっこ無しだからね。」
めぐり「はい。はるさんが相手なら。」
陽乃「あっ、でも相手は私だけじゃ無いからね。雪乃ちゃん達もいるから。」
めぐり「うっ、そうでした……。」
505
いろは「うー……先輩のバカ。何でよりによって、1人部屋になっちゃうんですか。せっかく、先輩と一緒の部屋になるチャンスだったのに……。」
雪乃「いつまでも愚痴るのはやめなさい、一色さん。恨みっこ無しの約束でしょう。」
必然的に505の部屋になったのは、雪乃といろはの先輩後輩ペアだった。
八幡への不満を愚痴るいろはを、雪乃が諫めている。
いろは「でも、雪ノ下先輩で良かったですよ。部屋のペアになったの。」
雪乃「あら、それは意外ね。私、一色さんにライバル視されてると思ってるんだけど?」
いろは「確かに先輩の事では、結衣先輩も含めて最大のライバルだと思っています。でも、それと同時に雪ノ下先輩と結衣先輩の事、尊敬していますから。」
雪乃「そ、そう。」
いろはの言葉に、雪乃は思わず顔を赤くしながら背ける。
いろは「それにしても、雪ノ下先輩とはるさん先輩、こんな凄いホテルに来ても平然としていましたよね。私なんて、驚くしか出来なかったのに。」
雪乃「別に慣れてるつもりはないわ。ただ、幼い頃から家族旅行か何かで、こういうホテルに宿泊する機会があっただけだから。」
いろは「……それが慣れてるって言うんですよー。私なんて、雪ノ下先輩やはるさん先輩と違って、庶民なんですから、こういうホテルに泊まる機会なんて無いですもん。」
雪乃の言葉に、ぷくーと頬を膨らますいろは。
雪乃「(あら、可愛い。由比ヶ浜さんとはまた違ったベクトルの可愛さね。比企谷君だったら、『あざとい』って言いそうだけど。)」
いろは「……雪ノ下先輩、何か失礼な事、考えてませんでした?」
雪乃をジト目で見るいろは。
雪乃「そ、そんな事無いわよ。一色さんも比企谷君に毒されて、そんな目をしちゃいけないわ。」
いろは「だ、誰が先輩に毒されてるんですか!?あんな死んだ魚の目と一緒にされるなんて心外です!雪ノ下先輩こそ先輩に毒されて、私に考えを読まれないでくださいよ!」
雪乃「だ、誰が毒されてるですって!?あんな男と一緒にされるなんて、侮辱以外の何物でも無いわ!訴訟も辞さないわよ!」
いろは「…………」
雪乃「…………」
一触即発の状態で睨みあう2人。しかし
雪乃「……フフフ。」
いろは「……アハハ。」
暫くしたら、2人で笑いあう。
いろは「……でも、そんな人を好きになっちゃったんですよね、私達。」
雪乃「……そうね。しかも私達だけじゃなくて、比企谷君を除いた今回の旅行の参加者全員っていう事になるけどね。」
いろは「そうですね。でも、覚悟してくださいよ、雪ノ下先輩。最後に勝つのは、私ですから!」
雪乃「あら、私が負けず嫌いなの知っての宣言?いいわよ。私だってそのつもりで来ているから。」
501
八幡「……なんか、隣の部屋から雪ノ下達の部屋まで、攻撃的な気配がするんだけど……。気のせいだよな……。」
――――おまけ 第2話――――
~同時刻・新千歳空港(折本かおりside)~
かおり「いやー、来ちゃったね。北海道。」
私は家族と一緒に北海道に旅行に来た。まさか、こんな年になって、家族旅行なんてウケるんだけど。
折本母「そうね。どういう予定か覚えているの?かおり。」
かおり「当たり前じゃん。今日と明日の昼までは札幌、明日の昼から明後日は函館でしょ?父さん。」
折本父「そうだ。3連休で駆け足になるけどな。悪いな、かおり。」
かおり「別にいいよ。たまには私も家族サービスしてあげないとね、母さん。」
折本母「何言ってるの、かおりったら。家族サービスするのはお父さんでしょ。」
かおり「そう言えば、そうだった。ウケるw」
折本父「まあ、なんだ。今からレンタカー借りてくるから、母さんと待ってなさい、かおり。」
かおり「分かったよ、父さん。」
なんだかんだ言っても、父さんと母さんと北海道に来る事を、私は楽しみにしていた。
これから先、どんな楽しみがあるんだろう。
まさか、ここで知り合いとかに会うなんて無いよね?
もし会ったら、マジウケるんだけどwww
……はい、まさかの折本さん登場でした(苦笑)
彼女は果たして、八幡と8人のヒロインと出会えるのでしょうか?
では、また次回!