もし…幸平創真と薙切えりなが昔あっていたら…
元十傑の子と知っていたら…
薙切の父薊がまともだったら…
そういったIFの話です。

原作読んで書いてみたくなったので頭の部分の短編ですが書いてみました。
続けるかどうかはわかりませんので…続きを書いてくれる方いたらお願いします。


1 / 1
再会

創 真「ここが遠月学園か……」

 

 

 俺は目の前に広がるこの巨大な学校『遠月茶寮學園』の編入試験にきていた。この遠月学園は日本屈指の料理学校……卒業到達率十パーセント以下の超エリート校だ。

 先日、俺は親父からこの学園でお前に足りないものを見つけて来いと言われ実家の料理屋『ゆきひら』を追い出された。親父が学んだというこの学園には、何があるというのだろう。今まで親父との料理勝負に勝てなかった足りないものがここにあるのだろうか?

 そのことを考えながら学園の門をくぐる。

 

 門をくぐり事務所? で聞いた試験会場を目指し歩いていく。途中、今日の編入試験が目的であろう様々な制服を着た学生が付き人を従えている。この学園にいるということは、これからのライバルということになるが……親父を超えるために共に競い合うやつはいるのだろうか?

 

 

 

 

 

     ~     

 

 

 

 

 

 試験会場に着き、編入試験を受ける学生も続々と集まってきている。どんな試験が待ち受けているのかワクワクしてくる。周りのやつらの顔も自信が満ち溢れている。

絶対合格する、そういった雰囲気を醸し出している。親父との料理対決を幼少のころから励んできた俺にとっては競い合う相手が強ければ強いほど燃えてくる。

 

スタスタスタ……バン!

 

 見たことのあるような女の子が

 

 

えりな「本日の編入試験を一任されました。薙切えりなと申します」

 

モブ1「あれって……」

 

モブ2「あぁ……間違いない」

 

 

 試験官である昔の顔なじみが名乗りを上げると、周りの学生がざわめき出した。その雑音をものともせず秘書から試験内容を確認している。確認途中に、秘書の試験予定を打ち消し試験内容を変更し卵を使った料理をお題として出してきた。

 付け加えて

 

 

えりな「希望者には今から一分だけ受験の取りやめを許します」

 

 

 その言葉を聞いて周りにいた受験生は逃げだした。その中から一人捕まえ理由を聞くと、『神の舌』を持つ彼女に不合格の烙印を押されるとこれからの料理人人生が終わってしまうからだといって去っていった。俺はため息をつきながら、強敵がいるのに挑戦しない受験生にがっかりした。

 

 試験官であるえりなは自分が発した言葉に受験生みんな逃げたと勘違いしていたのだろう。秘書の子とこれから自身の新作料理を試したいと言い二人でじゃれついている。

 

 

創 真「おーい。お取込みの所すまんが卵料理なら何でもいいのか?」

 

 

 俺が試験内容の確認を取ると、まだ受験生がいることにやっと気づいたのか驚いている。

 

 

えりな「……卵を使った……ってもしかして城一郎さんの所の……」

 

創 真「あぁよく覚えてたな。三年くらい前にあったきりだったのにな。お前がいるならこの学園で学ぶのは有意義になりそうだな」

 

えりな「まさか……あなたがここに来るんなんて……」

 

創 真「ん……何か言ったか? まぁいいや。で卵を使った料理なら何でもいいのか? えりな」

 

秘書子「離れろ! なんだ貴様は! この方をどなたと心得るっ!」

 

 

 秘書の子が俺とえりなの間に入り一喝してきた。その後説教みたいに話が長くなりそうなので周りを見ていると包丁目がいき

 

 

創 真「ほほーこれは業物ですな~」

 

秘書子「話を聞け! この方は今年の進級試験主席生徒にして遠月十傑評議会の一人薙切えりな様だ!」

 

創 真「知ってるよ。っていうか一年で十傑に入ったのか? えりな」

 

えりな「えぇ……まだ十席だけど……」

 

創 真「すげぇじゃん! 一年で十席入りってお前の親父さんみたいだなぁ」

 

秘書子「まさか……えりな様本当に知り合いなんですか?」

 

えりな「まだ遠月に入る前にお爺様とお父様に連れられて彼の実家に言ったことがあるの……」

 

 

 えりなの言葉を聞き秘書の子が紙の束から一枚抜き出してみている。多分俺の情報を確認しているのだろう。

 

 

秘書子「……食事処ゆきひら……聞いたことのない名前ですが料亭か何かですか?」

 

創 真「いや……そんなたいそうなものじゃないぞ。俺んちは下町の料理屋だ」

 

 

秘書の子はその言葉を聞き、えりなに確認を取るように視線を向けた。

 

 

えりな「そのとおりよ。だけど……」

 

創 真「なぁそれはいいけど、試験開始していいか?」

 

えりな「そ……そうね。始めてちょうだい」

 

 

 了承を得たので調理に取り掛かる。せっかく久しぶりに会ったのだ。びっくりさせるような料理を作ってみるか……

 

 

 

 

     ~

 

 

 

 

創 真「おまちどぉ」

 

 

 調理が終わりえりなの前に料理を出す。

 

 

えりな「えっと……創真君これはいったい何?」

 

創 真「ふりかけごはん!」

 

秘書子「ふざけないでください! こんなもの審査する必要ありません。えりな様行きましょう」

 

 

 秘書の子が怒り出し、えりなに退出を願い出る。

 しかし

 

 

えりな「創真君……ただのふりかけごはんなの?」

 

創 真「いや……食事処ゆきひら裏メニューその8『化ける』ふりかけごはんだ。いいからご飯にかけて食べてみなって」

 

 

 そういうとえりなはふりかけを入れた容器から温かい白ご飯の上にかけ始めた。

 

 

えりな「卵の下になにか……えっ」

 

秘書子「何……これ白ご飯の上で何か広がていく」

 

えりな「さっきまでの卵そぼろと見た目が全然違う……どんな味がするの?」

 

創 真「おあがりよ!」

 

 

 俺がそういうとえりなは一口箸で摘まみ口の中に運んでいく。

 

 

えりな「ん……」

 

 

 何か噛みしめるように味わっていたが、驚いた表情でこちらを見てきた。

 

 

創 真「二口目もどうぞ」

 

えりな「わかってるわ」

 

 

 二口目を味わいながら答えを導き出す。

 

 

えりな「煮凝りね……」

 

創 真「正解! これは手羽先の煮凝りと卵のそぼろのふりかけだ」

 

えりな「たしかに合格ラインのおいしさではあるのだけど……あなたならもっと違う料理ができるんじゃないの? なんで審査にこれを出したの?」

 

創 真「久しぶりに会ったんだけど、どうせえりなが食べてきたものは高級料理ばかりだろ? 高級料理ばかりがおいしいものではないということを味わってほしかったんだ」

 

えりな「おいしいものは、どんなものでもおいしい……あなたがむかし言った言葉ね。いいわ幸平創真合格!」

 

創 真「おそまつ!」

 

 

 

 

 

     ~     

 

 

 

 

 

≪えりな視点≫

 

 試験会場を去っていく彼を見送りながら、再度彼がつくったふりかけごはんに手を伸ばす。

 

 

緋沙子「えりな様。それ……そんなにおいしいものなんですか?」

 

えりな「緋沙子も食べてみたらわかるわ」

 

 

 半信半疑の緋沙子にふりかけごはんを勧める。

 

 

緋沙子「……では……一口いただきます」

 

えりな「どうぞ……っていっても私が作ったわけじゃないけど」

 

緋沙子「パクッ……なにこれ! あったかいご飯にふわふわな卵そぼろ。そこに濃厚なスープが溶け出してくる!」

 

えりな「そう……甘みのある卵そぼろに出汁のきいたスープが絡み合って味を引き出しているの」

 

緋沙子「こんな簡単そうな料理なのに……」

 

えりな「そこなのよ。彼の作る料理は最初驚かされるけど、食べてみるとおいしい料理になってるのよ。彼の技量なら普通に高級料理でもおいしくできるはずなのに、今回高級料理を食べなれている私を驚かすためにわざとこれを出したんでしょうね」

 

緋沙子「えりな様。やけに彼の評価高いですね」

 

えりな「初めて彼の家で食べた時の衝撃はすごかったからね。それでも彼の父である城一郎さんにはまだ及んでないみたいだけど……」

 

緋沙子「あの……その城一郎って方すごい人なんですか? えりな様その方のこと話すとき、敬っているような気がするのですが……」

 

えりな「えぇ尊敬している方ですわ。なにせあのお父様でさえ一目置く方ですから」

 

緋沙子「えりな様のお父様って……元十傑一席になられたお方ですけど……それほどなんですか?」

 

えりな「緋沙子、あなた堂島銀シェフは知っているでしょう?」

 

緋沙子「はい、確か遠月学園で史上最高の評価を受けたOBの方で、えりな様のお父様でさえ堂島シェフがいた時は最高で三席どまりだったくらいの人物ですよね」

 

えりな「そう……その堂島シェフと肩を並べ競い合ったのが、元第二席才場城一郎さん……先ほどの創真君の父君となります」

 

緋沙子「そのような方が……でも……第二席にいらっしゃったのに下町の定食屋になんでいるんですか?」

 

えりな「それはわからないけど……その元第二席から指導を受け、時には勝負を挑み続けたのが創真君です」

 

緋沙子「なるほど……」

 

えりな「彼が遠月に入ればこの学園に新しい風を起こしてくれるでしょうね……」

 

 

 私はそう緋沙子に話しかけた。

 

 

 それが本当のことになるのかわかるのはまたこれからの話……。

 




続きを書いてくださる方募集!

設定として考えたのは今回の話の設定以外では

・昔、えりながゆきひらに行った後、アリスもゆきひらに来店して知り合いに
・極星寮OBつながりで原作より早めに出会っていた葉山
・極星寮入寮の際、合格後親父の使っていた303号室を希望する創真
・創真を追って極星寮に入寮するえりなと秘書子
・合宿で堂島シェフと創真の城一郎愚痴大会
・合宿でえりな・アリス・リョウ・アキラを追加した花札トランプ大会
・秋の選抜にえりな参戦+ABの2グループにCグループ追加で3グループ制に
・スタジエールでえりな+創真
・月饗祭で創真・恵・アキラ・アリス・リョウが一つのチームで参戦
・月饗祭のえりな出店していた店に城一郎・薊が共に来店
・いつの間にか二人の父によって婚約させられていた創真とえりな

と考えてみたものの今、違う作品を執筆中なんで書かれる方がいたら見てみたいなぁ
自分とはまた違った見方があるから楽しめそうですし…

注意)えりな視点以外で秘書子と書いてますが創真は秘書の名前をまだ知らないので秘書子となっています。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。