緋弾のアリア――碧き守護者――   作:メルチェ

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初めまして、メルチェと申します。小説投稿は初めてなので、誤字脱字、文才などいろいろ問題はあると思いますが、温かく見守ってください。不定期更新なのであれですが、よろしい句お願いします。
ではこちらから本編ですっ。


第一章  日常という名の事件発生
1、硝煙とともに


「ここで、いいんだよな」

 

 

手元のグーグル先生が表示してくださった地図を見ながら表札を確認する。どうやらここで間違いないようだ。

ん? 俺か? 俺は桜田陸(さくらだりく)。目の前の学校に通う事になったもうすぐ17歳の男子だ。

 

 

 

俺の目の前にあるのは『東京武偵高』。東京湾に浮かぶ人工浮島(メガフロート)の上に立てられたこの高校は少し普通ではない。

―――『武偵』とは『武装探偵』の略称である。近年凶悪化してきた犯罪に対抗するため新設された国家資格。この資格を持つモノは武装を許可され、逮捕権を有する。つまり警察に準ずる権限を持つ。ただ、武偵は金などの報酬をもらって働くため、どちらかというと便利屋の面が強い。

海外にいた俺は急に連絡をよこした父さんの言いつけ通りまた(・・)通う事になった。

 

 

今は4月のはじめ。今日がこの学校の始業式と言うこともあり、8時をとっくにすぎたこの時間帯には人がいない。俺は転校生扱いになるので1度校長室によった方がいいのだが……残念だ。この時間では間に合わないっ。と言うことで、

 

 

 

「直接体育館に乗り込もう! ―――ッ」

 

 

 

武器は常に携帯しているし、貴重品も持っている。名札がないのは仕方がない。さあ行きますか。

そう思い1歩を踏み出したところでキィーン……と頭の中にノイズが走る。この感覚は。

ノイズが強くなる方角に全速力で走った。

 

 

「なんじゃこりゃ……」

  

 

俺が多分ノイズの発生現場だろうところにつくと、ぽっかりと大穴が空いた体育倉庫が。まるで大砲でも撃ち込んだかのような穴だ。中をこっそりうかがうと、何だろう。何かピンク色の長いものが見える。あれは髪だな、多分女子生徒の。その髪の毛は中に置かれている跳び箱の隙間から覗いている。と言うことは、あの子がすごい勢いでドアをぶち破り跳び箱の中に着地。武偵高なら扉だって防弾製のハズ。それに穴を開けられるほどの速度って言ったらそれこそ上空から墜落するような激突コースだ。

さっきかすかに聞こえた爆発音から、事件が起きたと考えるのが普通だろう。中の女の子は大丈夫なんだろうか。

 

 

「大丈夫?」

「「え!?」」

 

 

心配になって確認しにいった跳び箱の中にいたのは、1組の男女。男の上に少女がまたがって、そのセーラ服のブラウス、が……

 

 

「失礼しましたー」

「「待て待て待て! 誤解だ(よ)!」」

 

 

一体どこら辺が誤解なんでしょう。

うら若き男女が狭い場所で身を隠し、少女のブラウスは首元まであがっている。しかも馬乗り。どう見ても真っ最中だろ、これは。 

 

 

 

「「その思考が誤解なんだって(なのよ)!」」

「あーそうなの?」

 

 

よくハモってんな。意外と仲良しなのか?

まあ、事件性があるのは分かっていたのでからかうのはここまでにしておいて。

 

「お前ら伏せろ!」

 

 

 

――――ガガガガガガガガガンッ!

 

 

 

少女の方の頭を中に押さえ込み、俺も防弾製の壁際による。

移動の際に少し見えた限りだと、あれはIMI社のUZIで間違いなさそうだな。全部で30。どう捌こうか

 

 

「うっ! まだいたのね!」

「『いた』って何が!」

「あのヘンな2輪! 『武偵殺し』のオモチャよ!」

 

  

バリバリバリバリ!

 

 

少女がその小さい手で2丁の拳銃を器用に操り、銃撃戦を展開していく。

うまい。

この手の小ささで2丁拳銃を扱えるとは軽くSランクだろう。反動が大きな45口径のコルト・ガバメントでも手がぶれてないし。

 

 

それにしてもあのUZI。『武偵殺し』のオモチャだったか。

少女の口調からして狙われていたのは男子の方。こんな小さい子が推定170くらいの男を助けたのか。

 

 

 

俺も少女にならい、銃撃戦に参加する。腕を真横に広げて左手の手首から先だけを外に出す。そのまま標的の方は見ずに発砲。感触では最前列の7台をつぶしたってとこかな。

 

 

え? どうやって当ててるのかって?  それは企業秘密です♪

というのは冗談で、ただ見なくても俺の場合は当たるってだけ。頑張ればみんなできるようになる。

 

 

 

残りは23台。とりあえずは弾倉(マジガン)を再装塡する時間がほしいな。

 

 

 

 

「馬乗りお嬢さん! あいつら引き離せるか?」

「今やってる! それとその呼び方やめなさい!!」

 

 

 

 

ずぎゅん! 

 

 

うおっ。名前が分からないから見たままのあだ名をつけただけなのに撃たれたぞ!? しかも初対面。何この少女恐ろしい。

この甲高いアニメ声……どこかで聞いた様な気がするんだけど。どこだったっけ?

頭の片隅でそんな事を考えながら俺も追加で5台撃破し、3台タイヤの前をつぶす。少女(めんどくさいから馬嬢で)は牽制しながらも2台壊したようだ。いったん銃撃がやんでUZIたちが遠ざかる。並木の後ろで体勢を立て直す感じか。こちらもあと少しで弾切れを起こすところだったのでこのタイミングはありがたい。

 

 

 

「あ、アンタ、な、何してんのよ……!」

 

 

そういえば弾倉(マジガン)買わなきゃないんだった。ポケットの中に5発と元から入ってるのをあわせて7発。ギリギリか。

 

 

 

「頑張ったご褒美に、今だけお姫様にしてあげよう」

 

 

 

さっきから1発も撃ってない男の方も武偵だろう。銃は持ってるはずだから案外大丈夫かもな。

 

 

 

「姫はその席で。銃なんか振り回すのは男だけでいいだろう?」

 

 

これは俺も参加しろって意味でいいんだよな? それでいかなかったら、男として否定されることになる、と。それだけはちょっとな……

 

 

「――――ちょっとそこの青髪! アンタ何でさっきから無視なのよ!? この状況をおかしいと思いなさいよ!」

「……だってそういう関係なんだろ? まあちょっとあれだなとは思うけど俺は気にしないから続けて」

「ちッがーーーーうッ!!」

 

 

 

なんか甲高い声で叫ばれたと思ったらまさかの俺だった。

こんな物騒な時にそれだけイチャラブできれば十分だろ。趣味がどうなの? と思わなくもないがそれは個人の自由だし。海外ではよくある光景だ。別に気にしねぇよ。それに上から下まで全部真っ赤にしながら言われてもいまいち説得力はない。

 

 

 

それより今はUZI(あのオモチャ)をどうするかが先決だな。残りが16台。遠山(名札を見て名前が分かった)武偵もよく分からないがいきなり協力してくれるようなので遠慮なく使わせてもらおう。

 

 

 

「遠山武偵。UZI(あのオモチャ)を今から撃破する。自分を狙ってきた方を自己責任で倒す。合図は3カウントだ」

「OK。そういえばキミの名前を知らないな」

「俺の名前は、」

 

 

 

ズガガガガガガガン!!

 

 

 

俺の自己紹介を妨げるように再び轟音が鳴る。しかしここは死角だ。いくら撃ったところで全て無駄弾になる。ご愁傷様。

向こうが攻撃を再開したのでこちらも反撃と行こうじゃないか。

 

 

「アンタたちまさか出るつもり!? 危ないわ!」

「アリアが撃たれるよりいいさ」

 

 

今更だが遠山武偵のこのキザなセリフは何なんだ? 元からこんな性格なのか……?

おっと。これは気になるが今は優先順位が違うな。

 

 

「行くぞ。3、2、1!!」 

 

 

 

宣言通り3カウントで2人同時に体育倉庫の外に躍り出る。目の前には前列の間から銃口がのぞくように2列に並んだUZI。順当に行けば8台ずつだな。7発あれば十分。と、思ったのに。遠山武偵の方は7台。俺の方に9台。さらには……おいおい。人間平等が一番だぜ?

一斉に火を噴く9台のUZIの弾を全て自分の銃弾で(・・・・・・)はじき返す。銃弾はビリヤードの様に連鎖して連なっていき―――後に残ったのは目の前の9台分と左右の(・・・)6台分のガラクタ。俺はたった7発で2倍近くを倒したのであった。これは見ないで撃つよりもむずかしい。普通では絶対にできないことだが計算と長年の勘を培ってきた俺にはできるのだ。

隣の遠山武偵も何かとできるヤツみたいだ。銃口の中に銃弾を入れていたヤツは初めて見た。もしかして父さんが言っていたのはこいつのことだったのか?

 

 

―――俺は父さんに言われて父さんの親友の息子が通っていると言うここに来た。しかし名前や顔などは教えられていない。自分で見つけ出してこいと、言われただけだ。いくつかもらったヒントを当てはめて見るとこいつはぴったりくる。ただネクラなんだと思っていたが、跳び箱から馬嬢を抱えて出てきたあたりから雰囲気が鋭くなった。その前に何かの変化があったのか。いきなり協力的になったり雰囲気が変わったのは何かをしてスイッチが入ったから……? そうなると何かの遺伝系の可能性が強い。

これでだいたい候補は絞れた。キーワードは『遺伝、身体能力の飛躍』。そういえばこんな内容の実験をアメリカでやっているとか。名前は確か――

 

 

 

「ちょっとアンタ、私の話聞いてるの!?」

 

 

 

浮くからだ 聞こえてくるのは アニメ声

 

おっと。ガラにもなく自分の世界で考え事をしてしまったようだ。

いつの間にか体が持ち上げられている。馬嬢すごいな。こんなチビでいろいろ小さいのに徒手格闘も一流か。

周りに注意を配っていなかったため、つい、仕掛けられた背負い投げにカウンターを返していた。本当に無意識のうちに。

腕を掴まれているため体をひねって、馬嬢の肘を可動域の外まで持って行く。人間誰しもが動かないところまで無理矢理動かされたら抵抗するために力を弱める。今回も例外ではない。予想通り関節を守るため手の力を緩めた隙を狙って腕を引き抜き、馬嬢を巻き込むようにしながら空中でバク転。着地と同時に馬乗りでマウントポジションを取る。

 

 

「な、なんでっ!?」

「あ、ごめん。いまどく」

 

 

やらかした。女のそれもこんな小さい子に返す技じゃなかった。全体重ではないがマウントをとってしまったから重かっただろう。

なぜ自分が押さえ込まれたのか分からずまだ困惑している馬嬢に手を貸して立たせてやる。目の前にたたれると本当に小さい。140㎝いってるぐらいか? 頭1つ分は違うな。ここでなぜか目線が下にいき、名札が視界に入る。

 

 

 

「神崎・H・アリア……?」

「何よ」

「え?」

「私の名前に何か文句でもあるの!?」

 

 

 

腰に手を当てて、あるはずもない胸を突き出す。

『私の名前』? え、ってことは

 

 

 

「アリア!?」

「そうよ?」

「おー。すごい久しぶりだな」

「は?」

「え。覚えてないのか? 桜田陸だよ」

「え!? 陸!? ウソ!?」 

「本当」

「久しぶりね!」

 

 

 

俺が名乗るとアリアは幽霊でもみたかのような驚き具合を見せた。最後に会ったのは確か3年前だったな。アリアはまだ驚きが抜けないようだが、再会を喜ぶように2人でハグをする。遠山武偵がぽかーんとした顔で俺たちを凝視している。そういえば日本ではこういう事(ハグ)をする習慣がないと聞いたことがある。

 

 

 

「アリア、しばらく会わないうちにいろいろ変わったみたいだが。髪の毛意外にも瞳の色が変わっているのはなんで?」

「いろいろ事情があってね。今はこれが自然の色なの。そう言う陸こそずいぶん抑えめな色になったわね」

「まあね。あの髪の毛は日本では目立つと聞いたから」

 

 

 

 

向こうでは金髪だったから、今の少し濃いめの青い髪はアリアにとって違和感なんだろう。俺にとってもアリアのこのピンク色の髪はなんか変な感じがする。

 

 

 

「1つ聞いていいかな?」

「なんだ、遠山武偵」

「2人は恋人なのかな?」

「こ、こ、こい、恋人なんて!」

 

 

 

あー、やめてくれ。アリアにその手の恋愛話を持ち込むと―――

 

 

 

ずぎゅんずぎゅん!

 

 

 

―――相棒(ガバ)が出るんだよ。

 

 

 

 

「恋人じゃないわよっ。強隈の次は名誉毀損とか救いようのないバカね!」

 

 

 

ガンッ、ガンッ!

アリアが足を踏みならすたび、防弾製のハズの体育倉庫の床が破片となって飛び散る。

アリアは恥ずかしい思いをすると相棒(ガバ)を振り回して周りのモノを破壊するクセがある。俺も最初の頃は地雷を踏みまくって大変な目にあった。遠山武偵も少し引き気味に逃げる準備を始めて、それから顔が赤く……?

遠山武偵の視線を追うとアリアのスカートにたどり着く。俺もそれにそって視線を落とすと……スカートがだんだん下がってるぞ!

どうやらここに突っ込んだときの爆風でホックがとれたらしい。アリアは怒り心頭と言った感じでまだそのことに気づいていないんだ。やばい。これこそやばい。このまま気づかずに下まで落ちたら、風穴地獄決定だ。

 

 

『べ・ル・ト』

 

 

武偵なら通じるであろうウィンキングで素早く伝える。この窮地を乗り越えるには共闘しなくてはっ。男2人の意志は通じ合った!

投げられたベルトをキャッチしてアリアの腰に巻き付ける。男性用のは緩いのかちゃんと止まっていなかったので俺のネクタイをスカートとベルトの間に挟んでストッパーを作る。

 

 

 

「な、っっ!?」

 

 

 

俺の行為を見てから、自分の腰元を見て、やっと自分の状況を理解したらしい。少し落ち着いていた赤面をさらに真っ赤にさせて、じゃきっ、キンジの方に向けて二刀流を発動した。やばい。久しぶりすぎて地雷踏み抜いた! このままだと遠山武偵即死でアリアが9条違反だ。強猥で死刑にしたら武偵界を揺るがす大問題だぞ。

戦車の様に走っていくアリアの前に割り込み愛刀の黒紫、柊でその刀と切り結ぶ。

 

 

 

「何で! 邪魔するのよ! 陸!」

「落ち付けって!」

「こいつの風通しを良くするの! 邪魔するって言うんなら……」

「言うなら?」

「――アンタにも風穴開けてやる!」

 

 

 

ずぎゅぎゅん!

 

 

俺に向けて銃弾が2発飛んでくる。

はは……顔面直撃コース……銃の方を警戒してなかったら避けられなかったわ……。たらり、一筋冷や汗がこめかみを伝う。逃げなきゃ()られる!

 

 

 

「逃げるぞ!」

「賛成!!」

「こら! 逃げるな! 待てー!!」

 

 

 

 

出会いと再会は硝煙の臭いとともにやってくる。

これが後に『(エネイブル)』と呼ばれる男・遠山キンジと、『緋弾のアリア』として世界に恐れられる鬼武偵・神崎・H・アリアと、『静嵐(せいらん)』として全世界に名を馳せながら後に『聖藍』と呼ばれる武偵・桜田陸の出会いと再会であった。

 

 

 

 




どうだったでしょうか。


アリアと陸の関係は次回で明らかにしたいと思います。


次回もお楽しみに!!



少し修正しました。
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