はい、第6話です。題名で何となく想像できると思います。
「次はAAですッ」とかいってたヤツどこのどいつだ。全然違うじゃないか。東京湾にコンクリ……じゃなかった、沈めるよ!
と言うことで、本編どうぞ。
「死ねぇええい!」
「リア充リアルに爆破ぁ!」
バラバラバラ!
バキュンバキュン!
パァン! パァン!
「おい、陸! なんだこの状況!?」
「殺されかけてる!」
「だから何で!?」
「知るか!」
現在逃走中。何で? 襲われてるからだよ! 信長の三段銃並みに効率のいいチームワークでな!
近くにSIGやトカレフ、中間にアストラM901、モーゼルM702などのマシンピストル、棟の屋上からは狙撃科のやつらが狙いを定めている。
この前から殺気がすごいと思ったらこいつらか。学校中に広がってるから特定しにくかったんだよな……。
「陸に攻撃はいいとして、何で俺も巻き添え?!」
「アリアといるからじゃん?」
「好きで一緒にいるワケじゃねえ!」
「とりあえずつくまで我慢しろ」
「勘弁してくれ……!」
とにかくキンジがうるさいので、銃弾を凪ぎ払ったり、撃ち返すついでに銃弾ではたきおとしたりしながら目的地に向かった。
「戻って来てしまった……」
俺たちがやって来たのは強襲科―――通称『明日なき学科』。この学科の卒業生の死亡率が3パーセント弱あることに由来する。任務の遂行中、もしくは訓練中に死亡しているのだ。武偵の暗部とも言われているが、犯人の逮捕率が高いのもこの学科だ。そういう部分では花形と言えるだろう。
「死にさらっぶ!?」
「くたばれんばぁ!?」
「キンジ、何の訓練する?」
右肘を真後ろに下げ、そのまま一回りしてソバットをお見舞いする。
今日は蚊が一杯いるなぁ。2匹ぐらい潰しちゃったよ。
「えげつな……」
「何か言った?」
「いえ、何も」
発砲や剣戟の音が響く専用施設に足を踏み入れる。まずは蘭豹先生を探さないと。
「おーうキンジぃ! お前は絶対に帰ってくると信じてたぞ! さあここで1秒でも早く死んでくれ!」
「まだ死んでなかったか夏海。お前こそ俺よりコンマ1秒でも早く死ね」
「キンジぃー! やっと死にに帰ってきたか! お前みたいな間抜けはすぐに死ねるぞ! 武偵ってのはマヌケから死んでいくもんなんだからな」
「じゃあ何でお前が生き残ってんだよ三上」
基本的にパーティーを組んで(アリアのように単独行動の方が珍しい)任務にあたる強襲科では仲間に対してすごく人懐っこくなる。
元強襲科のキンジもその例には漏れないようで入った瞬間同級生に囲まれていた。情報通りの人望の厚さだな。
一方俺の方は……
「きゃあぁぁ、桜さまだ!」
「超絶イケメン!!」
「専門強襲科にしたんですか!?」
「彼女いますか!?」
「拳銃ぶちかます女子ってどうですか?」
周りを女子で囲まれていた。ちなみに男子からは射殺しそうなほどの殺気を込めた視線が向けられている。この女子群を引き離さない限りここまでの二の舞だ。かといって質問全部に答えてたら朝がくる。ここはひっくるめて。
「強い女性は好きだけど、ケガしないようにね?」
「「ぶはっ!!」」
ばたばた、と俺の近くにいた女子から倒れていく。……え、なにこれ。集団感染か何か? 男子からの視線弱まらないし。ホント何これ。
遠くの方で
「キンジ、蘭豹先生の番号って知ってる?」
「は? 蘭豹? 知ってるけど」
「ちょっとおs「あんたが『静嵐』さんですかぁ?!」
蘭豹先生を電話で呼び出そうと思って番号を聞いていたのに途中で遮られました、はい。ここの男子生徒って人の話を邪魔するのが好きなの?
遮ったリーダー格っぽい男子は多分1年生。と言うか全員1年か。3年生はほとんど任務でいないし、2年はだいたいキンジのところに集まっている。
上下関係が厳しい武偵高しにしてはずいぶん礼儀知らずなヤツらだ。まあ普段からアリアと生活している身に比べればたいしたことないけど。
「もしもし、蘭豹先生ですか? 2年の桜田です。今強襲科につきました」
『そうか。もうすぐつくで』
「「おい、無視して電話かけんな!」」
キンジから携帯を借りてかけることにした。
そっちの都合で怒られても。こっちの用の方が先約だからさ。
「それで? 君たちは俺になんの用があるの」
「すまし顔むかつく!」
「イケメンむかつく!」
「「ぶっつぶす!!」」
……君たち人と会話する気あるの? 今の16歳ってみんなこれなの? 1歳しか違わないのにまさかのジェネレーションギャップ。
皆さん同じように中指を立てながら口々に叫ぶ。集団でしゃべってるからもうなに言ってるのか理解できない。アリアじゃないんだからせめて会話は成立させようか。
「なんや騒がしいな、お前ら」
「蘭豹先生。初めまして」
「おう。お前が『静嵐』の桜田やな?」
もうどうしようこいつら、とか思ってる時にタイミング良く先生が現れた。普通にでかい。多分俺よりもでかい。そしてさらにその身長よりもでかい日本刀を肩に引っかけている。こっちもでかい。俺、蘭豹先生見てでかいしか言ってないな。
「見てだいたいの状況はわかったわ。殺し合いかぁ?」
「いえ、武偵辞めたくないんで9条違反はしませんよ」
「「この、キザ野郎ー!!」」
「黙ろうか」
「「……」」
軽く睨んで黙らせる。このぐらいの殺気で余裕なくしてるようじゃ、俺どころか上勝ちなんて夢のまた夢だね。
先生も強襲科だけあって考えが物騒だ。まあでも。
「『武偵』として殺していいんだったら遠慮しませんけど」
「……ほおぅ。自分なかなかおもろいなぁ」
目にかかった前髪を掻き上げて先生を見る。さすが高評価な学校の教師。それなりに耐性があるね。今、俺は殺気の範囲を1年だけにして濃くした。他のところには一切広めてないからこれに気づけるのは相当な猛者だね。2年の何人かと、先生。後は上の階からこちらを見ている女の子。その子に手を振って視線を前に戻した。
「黒桜さまもかっこいい……」
「「ぶはっ」」
「救護科ぅー!!」
女子も危ないなぁ、とか絶対思ってないから。俺はそんなこと断じて思っていない。ただすこーし、救護科忙しそうだなーって思っただけだから。
「っ、おもしれぇじゃねえか! やってみろよ!!」
「先生、あいつ潰していいんですか」
「好きにしろや。一回根性たたきなおさなあかん、おもっとたし」
「分かりました」
周りにいた関係ない生徒たちが壁際によっていく。壁際によっているのはキンジたち2年生だけ。先生は適当なところであぐらをかいて酒を出し始めた。武偵高の教師、本当にまともなのがいねえな。ってかそのでかい瓶どっから出した。
「
「なに言ってるかよくわかんないけど!」
「「ぜってぇナメてるよな!?」」
やっぱりこの学校バカだな。単純な英語なのに分からないとか。そもそも英語自体分かってるのか? バカなのは知ってたけど。こんなに分かりやすい挑発に乗っちゃダメでしょ。
「「おらぁぁぁ!!」」
「自分の位置知らせてどうするの」
それぞれ大なり小なりの剣をもって襲いかかってくる。こいつらのランクがどれだけか知らないけど所詮アマチュア。一度も外で仕事をしたことがないひよっこに
剣の峰や柄で痛覚を刺激して強制的に麻痺させる。次に左足を伸ばして時計回りに一回転。上に飛んで回避しようとしたやつらは剣幅で肩を押してすでに倒れたヤツの上に折り重なるように転ばせる。
ババババン!!
バラバラバラ!!
斜め上から銃弾が雨あられのように降り注ぐ。攻撃も決まらない、人数も減っていくとなれば焦るのも無理はない。数にものいわせて銃撃戦に持ち込めば勝てると思ってるんだろうか。まあチームワークやタイミングは悪くない。
ガン、ガン、ガン、ガン。
ジャケットの中に手を交差させるように突っ込んで抜きざまに放つ。俺のてから離れた計20本のナイフが銃口に突き刺さった。
「撃ったら腕が飛ぶよ」
「っこの……!」
「終了や、ガキども!!」
最後の1人になったリーダー格の男子が自棄気味にナイフを掴んで飛びかかる。それを剣ではたき落とし、蹴り飛ばしたところで
ッドォォン!!
ゴングの代わりにM500の号砲が鳴り響く。デザートイーグルと同じく50口径のこの銃は9㎜弾の銃と違い発砲音がばかでかいのだ。貫通性も破壊力も高いのだがその分腕にくる反動も大きい。それにびくともしないというのはさすがと言うかなんというか……。
「この勝負は桜田の勝ちや!」
「何でだよ! まだおわってねぇだろ!!」
リーダ格の男子が蘭豹に突っかかる。そうやって目先の感情ばっかり優先させてるから大事なことにも気づけない。そういうバカなヤツが強襲科なんてやってると簡単に死ぬよ?
「何も分からんくせにいきまいとるから桜田に遊ばれるんやで?」
「え?」
「入試でAやBをとったからいうて調子にのっとったヤツらは気づかんかったかもしれんが―――桜田は元の位置から一歩も動いてないで?」
その通り。俺は一歩も動いていない。強いて言えば軸足にしてた右足は動かしてすらいない。そのことに男子生徒は驚いた様に目を見開いて、その場に膝をつく。さあ問題はここから立ち上がる努力をするかどうか。たたきのめした張本人が言うのもなんだけどこういうプライドが高いヤツは潰れやすい。だが、潰れないで持ち直せば強くなる事はできる。
「2年も見とったら分かると思うが、調子のってるヤツは潰されるで! なんたってこいつ
『ADCT』やからな!」
「「「『アドクト?』」」」
―――『
「要はあれやあれ。生徒兼教師や」
「「教師ぃ!?」」
「ちなみにこいつ最年少で……いくつからやっけ?」
「14です」
「やばいぞ! 『静嵐』が教師とか! しかも最年少!!」「ここやばくね?」「緑松、蘭豹、綴、南郷……」「武偵高三大危険地帯のうち教務科がトップに躍り出た……!」「ここに犯罪者集めれば終わりだろ」「つーことは、俺ら用無し?」「やべぇ!」
なぜか自分たちの存在意義について語り出す始末。俺、教務科と同じ枠組みなの? え、やなんだけど。しかも、武偵の巣窟に犯罪者はこないから。強襲科の皆さんの存在意義ちゃんとあるから安心してもらって大丈夫ですけど。
「こいつとりあえず全部できるからいろんな専門科目で見れるで」
「「マジか!?」」
「だいたい強襲科にいることが多いから気軽にきてもらえれば。それと指導はするけどあくまで生徒だから。よろしく」
「「よ、よろしくおねがいしまーす……!!」」
2年だけではなくさっき襲いかかっていた1年生も居住まいを正している。一応学生武偵で登録されてるんだけどな、俺。
「先生、3年生はもう来ないんですか?」
「普通ならよっぽどヒマなヤツやないとこないやろけど……お前がいると知れば飛んでくるんちゃう?
「そうですか」
それは何とも光栄な話だ。是非とも一見しておきたいね。これは個人的な感想だけど、ただそれだけじゃない。日本でも『ADCT』の導入を本格的に始めるようで、優秀な人材をリストにしておいてほしいって
「『ADCT』の桜田陸です。改めまして、よろしく」
後日、陸に関する調査が殺到しすぎて面倒くさくなった探偵科と情報科の生徒が、合同で陸の情報を校内新聞でばらまいたとかいないとか。ただ東京武偵高校
予告を無視ったメルチェです。いやあ、予告はするものじゃないですね。もうしません(コラ)
というのは冗談で……次こそはAAです!本当です。…本当ですよ!?