二人の提督が異世界に着任したようですよ? 作:戦闘狂の道化師
急に4000メートルに放り出された二人の提督の行動は早かった。
「大鳳、艦載機を二機だしてくれ。一機は亜夜の方に頼む」
「了解です」
「睦月はこっちおいで?」
「は~い♪」
二人はすぐに自分の秘書艦の手をつかみ引き寄せ抱き抱えると大鳳に艦載機を出させた。新夜と亜夜が、大鳳が出した艦載機の足を掴みぶら下がって改めて周囲を見渡してみると女の子二人と男の子一人そして猫が一匹が落ちているが見えた。よく見ると薄い水の幕が何枚も途中にあり落下速度がゆっくりと遅くなっていきどうなるのかと上空から眺めていると三人と一匹は下にある湖に落ちていった。
「落ちた奴らが心配だ。大鳳、あの湖のすぐ側を低空で飛ぶように妖精さんに伝えてくれ。ついでに睦月達にも今から降下するとも」
「了解しました」
大鳳が返事をしてから10秒ほどたつとが足を掴んでいた飛行機が降下を始め二人の提督の脚が地面に脚がつきそうなほど地面すれすれを飛び、二人はそのタイミングで手を離し飛び降りるのと同じタイミングで湖に落ちていっていた三人と一匹が湖からあがってた。
「し、信じられないわ!問答無用で引きずり込んたあげく、空に放り出すなんて!」
「右に同じだ、クソッタレ。場合によっては即ゲームオーバーだぜコレ。まだ石の中に呼び出された方がまだ親切だ」
「...........。いえ、石の中に呼び出されたら動けないでしょう?」
「俺は問題ない」
落ちた三人が普通に話しているので怪我などは無いのだと思い新夜は背負っていた鞄からスナイパーライフルを取りだし点検を、亜夜はサイドポーチの中に入れてある爆発物の点検を始めた。その間に大鳳は艦装の装甲甲板を装備し艦載機を着艦させたり、睦月は銃の手入れをする新夜を近くで眺めていた。
暫く手入れをしていると....
「そろそろいいかしら?そこの軍人さん達?」
後ろからスカートを履いた女の子が話しかけていた。
「あぁ、構わない」
新夜はそう言うと手早くライフルを鞄に戻し亜夜もポーチを閉め三人の方を向いた。大鳳達も二人を何かあったら庇えるようにすぐ側に立っていた。
「あなた方は誰なのかしら?」
「私は日本帝国海軍、横須賀鎮守府 提督 海堂 新夜だ。こっちは私の秘書艦の大鳳だ」
「よろしくお願いします」
「私は同じく 日本帝国海軍 横須賀鎮守府 提督 海堂 亜夜。そこの愚兄の妹です♪。こっちは私の秘書艦の睦月」
「よろしく~」
新夜達が自己紹介を終えると三人の反応は大きく二つに別れた。女の子二人は新夜達の素性を自分達が聞いていながらもどうでもいい良さそうに聞いていて、金髪の男子の方は大鳳と睦月の名前に反応した。
「大鳳?....睦月....両方とも旧日本軍の戦艦の名前だ....お前達は旧日本軍に何か関係はあるのか?」
金髪の男子がそう新夜達に聞くと空気が少し張り詰めた。新夜は少し考えた。一応艦娘の事は一般人には秘密にされている事案で何故なら元は艦でも今は女の子になっているため知られてしまえば、女の子に戦ってもらってる軟弱者だ等の批判が見えることが目に見えて分かっているからだ。更に睦月のような駆逐艦は見た目が幼稚園児や小学生の様なので余計にそう批判したがるやつらには良い攻撃材料を与えるだけだからだ。横を見ると同じく亜夜も腕を組んで考えていた。それから亜夜は眼で全ては新夜に任せると伝えると腕組みを解いた。それから新夜は少し考え出した結論は....
「すまないが答える事は出来ない」
黙秘をする事だった。
「へぇ~......何故?」
男子が品定めをするような眼で新夜を睨む。
「すまないがそれは軍の最優先機密事項に引っ掛かるからだ」
「答えないなら無理矢理聞き出しても良いんだぜ?」
男子はそう言うと拳を構えそれを見た大鳳が新夜を庇うために前に出て男子にクロスボウを構える。
「なら、私達はそれ相応の対処をしなくてはならなくなるんだが?」
「じゃあ聞くがどう対処をするんだ?」
「そうだな....ここら一帯を爆薬でお前らを巻き込みながら吹き飛ばして証拠も俺達も消し飛ばす」
新夜がそう言うと男子は笑い出した。
「ヤハハ、それは無理だろう。第一お前達の荷物にそんな大量の爆薬を持てるような物はないからな。唯一入りそうなあんたの鞄はライフル銃が入っていたから入るわけないしな」
男子がそう言うと今度は新夜が鼻で笑いながら
「そうだろうな、普通はそう思うだろう。だからこちらは可能だと言う証拠を見せよう....亜夜」
「なにかしら?」
「一番小さいのを森に向かって投げろ」
新夜そう言うと亜夜はサイドポーチからビー玉サイズの物を一つ取りだし森に向かって投げた。すると......
ドカン‼
と一際大きな爆発音が鳴り響きそこから半径10m程のクレーターが出来ていた。
「亜夜。一番大きいのを出しておけ」
みんなが驚いている間に新夜は亜夜そう指示すると亜夜は今度はソフトボールサイズの爆弾を取り出した。それを見た新夜は男子との交渉に戻る。
「さて、一番小さいのであの威力だ。ついでに言うと今亜夜が持っている大きいのは私達四人以外の人を感知するだけで爆発する代物だ。地面にぶつかっても爆発する。仮に君が爆発する前に私達四人を倒せたとしても君は....いや、君達は逃げ切れるかな?」
新夜が言っているのは実はハッタリでさすがに亜夜もそんな危険物を安全装置も着けずに持ち歩くはずもなく勿論、今亜夜が持っているのも安全装置がかかったままである。だが人間あんな小さな物がここまで大きく爆破する事に驚いた後ではそんなすぐには冷静な判断が出来るはずもなく、男子は両手を上げた。
「日本帝国軍人の覚悟には畏れ入った。気になるがあんた達が自分から喋ってくれる時を待つことにするよ」
「すまないな。ここがどこか分かり喋っても問題ないことが分かれば話すことにしょう。え~っと....すまないな、武器の点検で君達の名前を聞いてなかった。教えてくれないか?」
新夜がそう言うと....
「そうか、俺は逆廻 十六夜だ。粗野で凶悪で快楽主義者と三拍子揃った駄目人間像だから用法用量を守った上で適切な態度で接してくれ提督に提督妹」
「そうか十六夜のような奴が知り合いにいるから接し方には問題ないだろう。そっちの二人は?」
新夜がそう言うと二人の女の子の肩がビクッ!と震えた。
「私は久遠 飛鳥よ。以後よろしくお願いするわ」
「春日部 耀。以下同文」
「そうか、ありがとう。逆廻 十六夜に久遠 飛鳥。最後に春日部 耀か....。私達を怖がっているようだが大鳳達に付いて私が話すまで無理に聞き出してこない限り危害は加えるつもりは無いよ。何時までの付き合いになるかはわからないが取り合えずよろしく頼む」
新夜がそう言って亜夜達と頭を下げると十六夜は少し考えた後に同じように頭を下げた。
「さて、自己紹介が終わったからそろそろ......そこにいる奴出てこい。さもないとお前がいる場所を爆破するぞ‼。亜夜、10秒数えても出てこない場合は吹き飛ばせ」
そう言われた亜夜が頷くと十六夜が、
「なんだ。あんた達もわかっていたのか....そっちの奴らも気づいていたようだが」
「まぁね」
「風上に立たれたら嫌でもわかる」
「........へえ?面白いなお前」
軽薄そうに、笑う十六夜の目は笑ってはいなかった。三人は理不尽に招集され更には十六夜のせいでもあるのだが新夜達に脅された怒りを全て呼び出した奴にぶつけよう思っているからだ。
「や、やだなあ皆さま方。そんなに狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んでしまいますよ?ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」
十六夜達に睨まれ新夜達からは爆破予告までされた黒ウサギと名乗る少女が草むらから出てきたがみんなの答えは....
「断る」
「却下」
「お断りします」
「狼が怖いのならそれすら狩る人間はさぞ怖いだろう。早く説明を始めてくれ」
「そうですね。早く説明をお願いします」
「まぁ貴女を弄って良いならまだ説明しなくても良いけど?」
「その耳どーなってるの~?」
「四人以外とりつきシマもないですね♪あっ、睦月さんは後でさわらせてあげます。楽しみにしていていてくださいね♪」
黒ウサギがそうバンザーイとしながら言うと睦月はやった~と喜んでいた。が、新夜と亜夜は着けていたホルスターからリボルバーを取りだし躊躇わずに黒ウサギの顔の横スレスレを銃弾が通るように発砲した。 発砲された弾は黒ウサギの髪を撫でて後ろの木に着弾した。
「ひゃい!?何で黒ウサギは攻撃されたのですか!?」
「お前、おどけたフリして俺達を値踏みしただろう?。それが気にくわなかったのでな。上の連中との腹芸に慣れている俺達にはバレバレだぞ」
亜夜も新夜の隣で頷いている。
「値踏みをされたのは気にくわないが....君への罰は彼女達が与えてくれるだろうから俺達からの罰はこれだけにしておこう」
新夜の言葉に黒ウサギが首を傾げているとコッソリと後ろに忍び寄っていた耀が黒ウサギのウサ耳を根っこから鷲掴み、
「えい」
「フギャ!」
力いっぱい引っ張った。
「ちょ、ちょっとお待ちを!触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で黒ウサギの素敵耳を引き抜きにかかるとは、どういう了見ですか!?」
「好奇心の為せる業」
「自由にも程があります!」
「へえ?このウサ耳は本物なのか?」
今度は十六夜が右から掴んで引っ張る。
「..........。じゃあ私も」
「それじゃあ、睦月も引っ張って見るにゃし~」
今度は飛鳥と睦月が左から。左右に力いっぱい引っ張られた黒ウサギは、声にならない悲鳴をあげ、その絶叫は近隣に木霊した。
「良いのですか?提督、あのような扱いをして....?」
「構わない。むしろこうしておいた方が上手く扱おうとは考えないだろうからな」
「あのくらいちょうどいい罰よ」
大鳳に新夜と亜夜はそう言うと抜いていた銃に弾丸を込め直したり自分達は何を持っているかなどの現状整理を始めた。