八幡の武偵生活   作:NowHunt

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サブタイトルの対義語『身構えているときには死神は来ないものだ、ハサウェイ』


NT振りの映画館でのガンダムだったけど、面白かったですねーと数ヵ月前の感想を言ってみる
難点があるとすれば、夜戦がちょっと見にくかったかな?と思ったくらい。しかし、一般人目線でのMSの恐ろしさやビーム兵器の熱が飛び散る細かい描写などUCからかなり映像表現が進化しているなと感じた映像作品でした

それはそうと、閃光のハサウェイは逆シャアの続編だし、身内で盛り上がる作品だろうなぁと思っていたら、まるで意味が分からない方向で話題になって「俺は何を見せられているんだ?」となりましたね
いやマジで、閃光のハサウェイでこんなにもガンダムの新規ファンを獲得できるとは誰が予想できただろうか……?







面倒な事態を避けようと思っていればいるほど、より面倒な事態は訪れるものだ

「さてと、そんなこんなで俺らは香港へやってきたわけだが……!」

「誰に話しかけているのですか?」

「気にすんな」

 

 

 人生初海外! 香港到着! いささかテンション上がっているのは置いといてくれ。モンゴル? あれはろくに観光できなかったし、今回が実質初めての海外だ。異論は認める。

 

 道中は諸々カットだ。面倒だからね! いやしかし、人生初めての海外かぁ。藍幇絡みで色々とアレな部分はあるけど、何だかんだでわりと楽しみである。うん? よくよく考えれば、イ・ウーで海外にいたことはあるような……いや、あれは海外ではなく海中か。ワンチャン、どっかのタイミングで領海内にいたかも。どうかな。

 

 飛行機内は俺とレキは隣り合わせで寝ていたらいつの間にか着いていた。

 

 今回の飛行機の旅で思い知ったのは、武偵って飛行機乗るときの手続きがくっそ面倒だったということだ。拳銃の種類やら刀剣類やら銃弾の種類と数やらをかなり細かく記入しなければいけないんだわ。だから、説明しにくい武器――――ワイヤー銃やら材木座お手製武偵弾やらは置いてきた。あれらは説明しにくすぎる。ヴァイス……棍棒は持ち出せたけど。

 

 

「……あれ、今12月なの?」

「今さら!?」

 

 空港に降りて日付を確認すると、もう12月だった。いつの間にこんなに時間が経っていたのかと思わず呟くと、近くにいた神崎がツッコミをする。やっぱりツッコミ役がいると安定するな。何がって俺の精神が。

 

「時間感覚完全に失せていたわ」

「まぁ、比企谷は長い間任務行っていたしな」

「お前も退学して色々あったみたいだけども。そういや、遠山、お前武偵止めるの?」

「いや、もう止めないよ」

「ほーん。まぁ、俺も任務で一般校で生活して分かったけど、武偵が一般人に戻るのはムリだな。何もしないあの時間……あれはあれで精神的にキツい」

 

 遠山と雑談しつつボーッと歩く。

 

「にしても、香港ってわりと暖かいな」

「そうねー。20℃くらいあるんじゃないかしら」

 

 遠山と神崎と会話を横目に訊く。確かに日本に比べて気温は高い。いい感じの気候だ。悪くない。

 

 にしても、神崎は元々がイギリス出身だし、周りを気にせずのんびりしているが、遠山は慣れない海外なのか若干挙動不審だ。ちなみに俺も。ちょっと緊張している。理子はひたすら空港内を走り回っている。コイツは神崎同様これといって心配はいらない。ただ、個人的に一番ヤバいのが――――

 

「た、大変だよキンちゃん、看板が全部中国だよ。周りがみんな外国人だよ」

 

 星伽さんがもうマジでアタフタしている。箱入り娘だもんな、遠山以上に慣れていなさそうだ。ずっとキョロキョロしているし、遠山たちのあとをノロノロと歩いている。気持ちは分かるけど、大丈夫なの、これ? うちの生徒会長だよね?

 

 とはいえ、遠山たちバスカービル+レキはこれから藍幇に向けての会議などがある。無関係である俺がそこに参加するわけにはいかない。その辺りの分別はしっかりと付けないと。これ以上下手に動くともっと目立つだろうし。

 

「んじゃ、俺はここで。お前らしっかりやれよ。何なら藍幇潰してくれて構わねぇぞ。むしろ靴を舐めてまで頼むまである」

 

 空港の出口でちょうど別れそうな雰囲気だったので、俺はそれだけ告げる。

 

「そっか。八幡は別行動よね。オッケー、スリや迷子に気を付けなさいよ」

「またあとでだな。比企谷もある意味藍幇たちに狙われているだろうから、注意しておけよ」

「ハチハチ~、何かあったら連絡してね~。すぐ駆けつけるよっ」

「で、では比企谷さん。お、お気を付けて!」

 

 遠山神崎理子星伽さん――あれま一緒くたにしちゃった――の挨拶を受けてからレキに向き直る。最初にツッコミを入れてから黙ったままだ。いつもの無表情だから何を思っているのか伝わってこないんだけど。え、なに怖い。何か喋って?

 

「なんかないの、お前は。俺に一言」

「特には。…………死なないでくださいね?」

「不穏な一言残すな」

 

 俺は外国人として香港を観光するだけだからな。そんな恐ろしいことは起こらない。はずだ、きっと。メイビー。

 

 

 ――――そして、遠山たちと別れてからどうするか考える。何を隠そうノープランだからな。海外でそれはヤバいと思うが、何にも分からないし、しゃーないしゃーない。

 

 にしても……なんというか、久しぶりのぼっち行動な気がする。ここ最近は隣に誰かいたような。まさか小さいときから常日頃独りだった俺がこのようなことを思うとは……俺のぼっち度がだいぶ下がったな。

 

「……おっ」

 

 とりあえず携帯の電波は繋がったので、ひとまず安心だ。もしものために予備ももう一台用意したが、それも繋がった。これで最悪どうにかなる。予備は安物のガラケーだが、GPSは使えるし、まぁ香港にいる間はどうにかなるだろう。

 

 さてと、携帯の接続を確認してから出口まで来たけど、一旦戻って空港で昼食にしようか、それともさっさと移動してそこで決めようか……後者かな。宿もまだ決めてないので、荷物は多い。宿を決めてから荷物を置いて観光を始めよう。

 

「やっぱ宿くらいはアイツらと同じで良かったかな。どうやって探そうか……」

 

 目下、今のところの不安事項をポツリと呟く。

 

 京都のときもだったが、いささかこの辺り適当すぎだろ、俺……。

 

 やっぱ師団関係なく同じ学校なんだから、遠山たちと別に同じ宿で泊まっても問題ねーよなぁ。多分神崎が用意したホテル辺りだろうから俺も世話になれば良かったか。こちとら頼りになるの香港のガイドブックだけだからな。駆け込みで宿探すのムリあるか……? 最悪適当に路頭で一晩過ごせばいいか。別に死にはしねーし。まぁ、宿が見付からなかったら、レキか理子辺りに連絡するか。どこか良い感じのホテルとか教えてくれるだろ。

 

 と、楽観的なことを考えながら歩く。最初は適当に荷物を持ちつつ歩き回ることにしよう。で、それっぽい宿見付けたら空いてるか訊ねてみるか。毎度のことながら行き当たりばったりだな。

 

 

 

 

 

 遠山たちに遅れて俺もようやく空港から出発し、しばらく街中を歩く。香港って漢字の通り港町なんだなぁ。船多い。日本のように島国みたいだし、フェリーもやたら多そうだ。あまり離れていないからか値段もわりとお手頃価格で島と島を渡れるらしい。海版のバスのような感じか?

 

 加えて……おぉ、ビルも東京並に建っている。ていうか、局所で見れば東京よりもビル群がぎっしり並んでいるかもしれない。路地裏やらも地理感覚のない俺だとかなりややこしそうだし、一度迷ったらGPSないと元の道に戻れなさそうだ。

 

 まぁ、最悪俺は空を飛べるしどうにかなるか? なんか自分で言っていて頭おかしくなるというか……大分俺も人間止めてきたような……。や、うん。人目がつくのはあれだし、できる限り大通りを歩こう。

 

「……そういや、なんかどっかにディ○ニーあるらしいな。香港にも」

 

 興味はあるけど、それだけで1日潰れそうだからまたの機会に。今回はレキは傭兵として動くからおいそれと誘えないのもある。せっかく恋人……的な存在もできたのに独りで行くのは味気ない。それに今行かなくても千葉にもあるからいつでも行けるし! あれ東京じゃなくて千葉にあるからな。ったく、東京の奴らは千葉にあるもんを東京のだと主張しすぎだ。これ以上増えたら訴えるぞ。誰に?

 

 30分ほど歩いていたら、慣れない土地ということもありちょっと疲れたので邪魔にならないよう立ち止まる。水を飲みながら休憩を挟む。

 

「って、今にして思えば、ネットでホテル予約入れとけば良かったな……。ミスった」

 

 今からでも遅くはないか? こんなにビルもあるんだし、ホテルや宿とかもかなりあるだろう。日本だってカプセルホテルとかあるし。当日でも予約取れるところもあるだろう。近場で……できれば日本語、せめて英語が通じるスタッフがいるところで……値段は割高でもこの際構わない。

 

「……ん」

 

 ヒットした。ここから10分ほど歩いたところにいい感じの条件のホテルを見付けた。開業してから100年はあるらしい老舗のようなホテルらしい。スタッフに日本人はいないものの何人かは日本語が話せるらしい。カタコトだろうと俺からしたらありがたい。値段は……高級とまではいかないだろうけど、そこそこする。まぁ、旅行でケチケチ言わないんで。

 

 やっぱ海外って言語の壁があるから苦手なんだよなぁ。英語なら様々な場所で繰り広げられる日常会話――は難しくても最低限の情報のやり取りはできると思う。しかし、中国語となると、ぶっちゃけ挨拶か麻雀の用語くらいしか分からない。立直とかな。ガイドブックはあれど、正直心許ない。

 

 もう来ても大丈夫ということらしいので、チェックインだけして荷物を置いておこう。

 

 地図と睨めっこしつつ目的地のホテルへと足を進める。多少迷ったが、無事到着した。なんか…………めっちゃ高い。めっちゃビルじゃん。うわ、スゴい。ここ全部ホテルなのか……。なんて戦慄しながらロビーへ入る。なんか庶民感漂わせすぎだが、俺ここにいて大丈夫? 場違い感半端なくない?

 

 なんかオドオドしてしまう。うわ、ロビーも綺麗。高級感溢れている。ロビーでキョロキョロしているけど、これ不審者と間違われても仕方ないな。やだ、香港で警察にご厄介になる。日本の武偵法って海外でも適用されるのか怖いんだけど。

 

「あ、えーっと、予約した比企谷ですけど……って違う違う。日本語で話してどうすんだ」

 

 フロントにいる女性の従業員に話しかけるけど、めちゃくちゃ日本語を使ってしまった。くっ、これはなかなかに恥ずかしい。日本語が使える従業員がいるらしいが、この人じゃないかもしれないからまずは中国語で……ガイドブックをと。

 

 そう思ってカバンから取り出そうとしたら。

 

「お待ちしておりました。比企谷八幡様ですね。お部屋はこちらになります」

「…………うん?」

 

 とても流暢な日本語で返された。それこそホントに日本人かと勘違いしてしまうかもしれない。しかし、このスタッフはパッと見は中国系の人だ…………え、あれ? なんだこの違和感……?

 

「申し遅れました。ホームページに記載していた日本語が話せるスタッフは私のことです。他にも数名いますが、私がここのスタッフで一番上手に話せるかと」

「あ、そうでしたか。よろしくお願いします」

 

 思わず頭を下げる。いやもう海外で言葉が通じるとか感動しちゃうわ。しかもこんなに遜色ないレベルで話せるとは思いもしなかった。頼りがいがありすぎ…………あれ? この女性スタッフどこかで見覚えがあるような……?

 

「――――?」

 

 どこだっけ? 俺に外国人の知り合いなんて武偵やイ・ウーのメンバーを除けばいないはずだ。どこかですれ違った? それも日本で? それこそあり得ないというか、そんなの俺が記憶しているはずがない。

 

 人間観察は得意な方だけど、いちいちすれ違った人物を記憶するとかムリだ。むしろ人の顔を覚えるのは苦手まである。インデックスじゃないのだから完全記憶なんて存在しない。

 

「……気のせいか」

 

 誰に伝えるわけでもなく呟く。そう結論付ける。

 

 そして、エレベーターに乗り部屋に案内され、諸々の細かい説明をしてくれてから女性スタッフは綺麗なお辞儀をして退出する。やっぱりどこかで見た覚えあるんだけど……思い出せねぇ。

 

 まぁいいか。既視感があるだけだし、今ここで頭を捻っても思い出せないならどれだけ考えてもムリだ。さて、改めて部屋を確認しよう。

 

 部屋の大きさはそこそこだろうが、内装は至るところが煌びやかであり、ベッドもふかふかで気持ちいい。階層も22階とのことで、景色の眺めも素晴らしい。ていうか、こんな高い場所に泊まれるのか……日本円に換算したら1万円いってないんだが、こんな部屋に泊まっていいのだろうか……。いやーお得だな。

 

「さてっと……」

 

 夜の7時にはホテルで夕食が出るそうなので、それまで何をしようかと思案する。荷物を置いてもっかい街の観光に行くとしよう。

 

 今俺がいる場所は九龍地区というやたら名前がカッコいいとこらしい。香港はざっと分類すると、中国本土側の九龍と南に浮かぶ香港島に分かれているみたいだ。フェリーとかで行き来は可能……あ、トンネルもあるんだな。海中トンネルみたいな感じか? 青函トンネルみたいな。

 

 ここら近辺の観光地も色々とあるみたいたが、まずは腹ごしらえだ。それになんかスポットを調べてみると、どうやら夜にあるイベントとかが多い。だったら、適用に街を見て回るくらいが丁度いいか。何かあった際のために少しでも土地勘を養っておこう。

 

 

 

 

 

 

 ――――それから、数時間が経った。

 

 とりあえず今日泊まるホテルを中心にひたすら歩き回っていると、日も暮れ始め、そろそろ夜になる時間帯になる。暗くなる前に退散しよう。さすがに暗くなったらこちらと機動性が落ちるというもの。もし襲われたりでもしたら、逃走も困難になる。いや、誰に襲われるんだって話だな。

 

 途中それっぽい飯屋に入り、字が読めなかったので麺の漢字がある料理を頼んだらジャージャー麺みたいな料理だった。ラーメンじゃなかった……。中国の漢字と日本の漢字は色々と違いがあって分からない。とはいえ、本場の味はとても美味しかった。四川料理は辛いと知っていたから、避けたがやはり事前に色々と調べておくべきだったか。反省。

 

「ん?」

 

 ホテルに戻ろうと、歩いていたらふと携帯の着信音が鳴る。……神崎か。何か問題が発生したか?

 

「もしもし」

『あ、八幡! 良かった繋がった……あのね、八幡。大変なの!』

 

 切羽詰まった神崎の声。

 

「どうした?」

『キンジに連絡が全然繋がらないの! どうしよう! ていうか、キンジの携帯が闇市で見付かったの! これじゃ連絡取れないし、キンジがどこにいるのか分かんない……』

 

 スリにやられて帰ってこれないのね。

 

「迷子ってことか。携帯盗られたってことは多分財布もだろうな。遠山は確かデカい旅行用のカバンに金の大部分は入れていたはずだから、そこまでのダメージじゃないが……金ないとタクシーにも乗れないか」

 

 我が身にも降りかかりそうな問題だから笑ってはいられない。にしても、このビル群の街でか。方向感覚が分からなくなる田舎よりかはマシと考えるべきか。まぁ、この港町というのが幸いなところだ。

 

「とりあえず一晩程度じゃまず死なない。誰かに襲われてなければの場合だが、この気候だから凍死とかの心配はない。つーか、アイツが襲われて死ぬとは思えん。日も暮れるし、本格的な捜索は明日からのがいい。お前らも俺もここでは土地勘ないんだ。下手すりゃミイラ取りがミイラになるだけだ」

『でも……でも! 八幡飛べるんだよね! 飛んで探せないの!?』

 

 飛ぶ……飛ぶね?

 

「ムチャ言うな。こんなビルだらけの状態で飛んで人1人見付けるとかムリゲーもいいとこだぞ。遠山ならどっかでも上手くやって日銭くらい稼いでくる。そしたらタクシーにでも乗って戻ってくるだろ」

『うぅ……そ、そうだけどぉ…………』

 

 神崎、相当メンタルやられてるな。電話越しでも分かるほど弱っている。今回は特に実質的なリーダーとして気張っていたみたいだがら余計にか。

 

「なんか分かったらまた連絡する。ひとまず神崎、お前は休め。寝て体回復させとけ」

 

 それだけ言ってから通話を切る。

 

 遠山が大変なのは理解した。ただ、神崎に言った通りミイラ取りがミイラになるわけにもいかない。スリには気を付けて帰らないといけない。なるべく人とぶつからないように。今日は超能力使いにくい日だが、センサーを全開にして周りの人の動きに気を配ろう。

 

 

「……っと」

 

 無事帰ってこれた。ホテルの入り口で安堵する。もうあと数分すればもう夜の街に早変わりする。いくら街灯やビルの灯りで動けるとはいえ、今から遠山の捜索は厳しい。遠山が無事に戻れるのを祈るばかりだ。

 

 ホテルのフロントに入る。数時間前に見た通り、かなり豪華絢爛なフロントだ。あまりこのような場所を通る経験はないので、ちょっと気分が高揚しつつエレベーターに乗ろうとしたところ――――

 

「比企谷様、少々よろしいでしょうか?」

 

 先ほど案内してくれた女性スタッフに呼び止められた。

 

「何ですか?」

「あそこのブースに比企谷様に会いたいという人物が座っております。よろしければ移動をお願いします」

 

 そうスタッフに指された場所は高級そうなソファーとテーブルが数組並んでいた一角だ。そこにスタッフの言葉通り誰かが座っているのが確認できる。

 

 一瞬遠山かと考えたけど、すぐに違うと判断する。若干遠目にも関わらず、その人物の背丈は遠山と似ていないのが判別できたからだ。何と表現すればいいのか、どことなく弱々しい雰囲気を見受けられる。これは日々どこかで命の危険に晒されている武偵とは違う一般人の空気だ。

 

 スタッフに感謝の会釈をしてからその人物へと近付く。

 

 

 今いる居場所、自身の交友関係、現在置かれている状況、あの背丈から感じる雰囲気――――様々な要素を考慮した上で推測すると、自ずと俺を待っている人物は誰か見えてくる。

 

「お久しぶり……と言うほど時間は経っていないですね、比企谷さん」

 

 

 民族衣裳ではなくキチッとしたスーツを着こなしている――――諸葛の目の前にドカッと大きな態度を取りつつも座る。面倒、といった空気を隠さないように。

 

「こうも藍幇に捕捉されるのが早いとかやってられねぇわ」

 

 よりにもよって諸葛かとため息をつきたくなる。藍幇のお偉いさんが直々に俺に会いに来てくれるとはな。猛妹じゃなくて良かったと思うべきか判断に困るところだ。まだ話が通じる諸葛で良いんだろうけど、納得はできないな、うん。

 

 …………って、あ。そうだ思い出した。あのホテルの日本語話せる女性スタッフ、あの人あれだわ、前に猛妹と再開したとき日本のホテルにいた俺とレキを案内した人。あぁー、なんかスッキリした。歯の奥につっかえていたものが取れたような感覚。

 

 諸葛と向き合いながら、これからどのような話が展開されるのかを思案降る。……その前に言いたいことがある。

 

 

 

 

 

 ていうかね、この引きそろそろ飽きたんだけど?

 

 

 

 

 

 

 

 

 




投稿ペースはこれからかなり落ちると思われます。それもね、香港行ったことないからマジで分からない!いやね、今まで書いてきた京都や神戸、東京に千葉は1回は行ったことあるから何となくはフィーリングで分かるんだよね。あくまで最低限のレベルなんだけど

ただ海外に行った経験は修学旅行で数年前にグアムに行ったくらいで……検索履歴が香港関連で埋まるくらい。モンゴルも適当だったしね、仕方ないね




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