八幡の武偵生活   作:NowHunt

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遅くなりました。やったよ、課題テスト英語平均超えたよ

今回で夏休み最後です




第23話

・・・・・・今日は夏休み最終日。

 

一言言わせてもらうが、

 

「2ヶ月、足ーりなーい」

 

俺は床をゴロゴロする。

 

ガチャとドアが開いた音がした。そこには遠山がまるで、残念な人を見るような目で、

 

「比企谷、何やってるんだ?」

 

と、尋ねてきた。

 

「そんなの決まってるだろ。現実逃避だよ。はぁ~、夏休み短いー」

 

「文句言うな。・・・俺だってそりゃ嫌だよ。でも、諦めろ」

 

そうため息をつく。すると、急に思い出したように、

 

「あ、そうだ、比企谷。そういえばさっきお前の携帯震えてたぞ」

 

はっ、どうせ広告とかだろ。良くて小町からだな。

 

「あーうん。わかったー」

 

俺は気の抜けた返事をする。

 

 

夏休み最終日。特に何もなかった。訓練、課題、だらだらの繰り返し。

 

誕生日は誰にも教えてない。だから、当日は小町から一言メッセージが来ただけ。

 

 

 

 

 

 

どうでもいい話は置いといて、自分の部屋に入り、携帯を確認する。そこには不在着信が1件あった。

 

 

 

 

レキ

 

 

 

 

 

 

うっわー、嫌な予感がメッチャするんですけど。レキが用事ってなんだ、何かレキの部屋に忘れ物したか?いや、それでも報告が遅いよな~。

 

とりあえず連絡してみるか。

 

 

 

 

『もしもし』

 

「あー俺だ。比企谷だ。どうかしたか?」

 

『八幡さん。すいませんが、今日の夕方から予定空いていますか?」

 

え、なに。デートのお誘い?

 

「大丈夫だが・・・」

 

『ありがとうございます。でしたら、4時に狙撃科の屋上に来てください。お願いします』

 

すいません、嘘です。

 

『八幡さん?』

 

「あ、ああ。わかった。またな」

 

そう言って電話を切る。

 

レキの声ってマ○のア○ジンの声に似ているよね。あ、中の人が・・・・・・ゲフンゲフン。

 

 

 

 

しかしまぁ、レキと2人きりか。最近その機会が増えているけど、もう慣れた。

 

しかしまあ、レキって客観的に見ても可愛いと思う。こう言うとなんだけど、俺の好みだ。どこかの金髪ぶりっ子みたいにうるさくないしな。物静かなところが・・・・・・

 

 

 

 

って俺は何を考えている。煩悩退散、煩悩退散。心頭滅却。

 

 

 

・・・・・・よし、落ち着いた。念のために装備を整えておくか、前に殺られそうな時あったし。備えしといて損はない。

 

えーっと、ファイブセブン良し、スタンバトン良し、コンバットナイフ良し、SS190弾良し。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天気は快晴。雲は見当たらない。3時30分俺は少し早めに狙撃科の屋上に着いた。

 

理由としては、その方がなにかと対処しやすいからだ。アウェーで襲われるのとホームでじっくり構えるのではかなり差がでる。

 

しかし、

 

 

 

 

「ーー私は1発の銃弾」

 

レキの声がする。

 

「銃弾は人の心を持たない。故に、何も考えないーーー」

 

・・・いつもの口癖か?

 

「ーーーただ、目的に向かって飛ぶだけ」

 

もうレキがいた。レキは壁にもたれかかっていながら、空を見て、そう呟いた。

 

 

ドラグノフを分解してトランクに容れていた。戦闘の心配はなさそうだな。

 

 

 

 

今回は特に気配は消さずに堂々と歩いた。それでも大概の人は気付かないが、そこはSランク、すぐに気付いた。カルテットと同じようにいかない、まあ、状況が全然違うからな。

 

「早いな、いつからいたんだ?」

 

レキに話す。

 

「今日は1日ここにいました」

 

「そうか、なら悪かったな。待たせてしまって」

 

「大丈夫です。頼んだのは私ですから」

 

そう言って、俺はレキの横に座る。

 

「それで、話って?」

 

聞くが、レキは黙っている。レキを見てみると、いつもの無表情だけど、どこか迷ってる感じがする。

 

「ま、気が向いたら話せよ。待っとくから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらく経ち、ようやくレキが

 

「八幡さんは感情を何だと思いますか?」

 

感情?

 

笑うとか嬉しい、悲しいとかの感情か。

 

「感情か、自分の気持ちを表現するとか、そんな感じかな」

 

人は7割表情でコミュニケーションを取ると言われている。そのための感情とかかな。

 

「私はわからない。風は感情を好みませんから」

 

・・・

 

「でも、最近になって私は『楽しい』や『嬉しい』と思い始めました。八幡さんと別れた後、次はいつ会えるかと思っていました。そうしてくれたのは八幡さんです」 

 

・・・・・・

 

「しかし、そのせいで、少しずつ、風の声が聞こえなくなってきました。今はもうほとんど聞こえません」

 

・・・・・・・・・

 

「だから、風ってなんだ、そんなに大切なのか?」

 

そう言うとレキはまた黙る。

 

 

 

 

しばらくして、

 

「風は私の全てです。風はずっと私といました」

 

そう・・・答えた。

 

どうもその風とやらにレキは依存している感じがするな。

 

 

 

 

依存は危険なんだ。

いざというときに自分では判断がつかず、何も出来なくなる。

依存していると、自分というものを失う。

人間は自立して、成長する。それが無かったら、停滞だ。停滞は何も生まないし、始まらない。

非常に危険な代物なんだ、依存ってものは。

 

 

 

自然と口が開く。

 

「レキ、さっきのセリフを聞いた。お前がよく言ってるセリフだ。1発の銃弾・・・・・・・・・だと・・・。ふざけるな」  

 

俺にしては珍しく声に怒気が含まれている。

 

「レキ、お前は1人の人間だ。銃弾なんかじゃない。意思ある人間だ。自分をそんな風に言うのは許さない。確かに今は感情をわからないかもしれない。

・・・でもな、それはレキがまだ赤ん坊だからだ。そして、ほんの少しお前は感情を理解し始めた。成長したんだ。だったら、そこから始めればいい」

 

俺は低い声で、レキを見て語る。こんなの俺、ぼっちの俺らしくない、そんなのわかってる。

 

でも、でも・・・・・・、

 

・・・なんとなくだけど、ほっとけないだろ。・・・・・・その理由は俺には上手く話せない。

 

「わからなかったら、色んな奴に聞けばいい。武偵高(ここ)は物好きが多い。きっと答える奴だっている。・・・それが別に俺でもかまわない」

 

また俺らしくないこと言ってる。

 

てゆーか、言ってて恥ずかしいな、このセリフ。俺のキャラどこいった?

これは黒歴史確定だな。

 

 

そう言うと、また沈黙が訪れる。なんか気まずい。反応はなし?してくれよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は」

 

レキが話し出す。

 

「私にはわかりません。だから、これから迷惑をかけると思います」

 

「俺は常に誰かに迷惑かけてるぞ」

 

「私は、いつも風の言うことを聞いて行動していました」

 

「俺も色んな人に流されて流されまくってここにいる」

 

「風の声が聞こえなくなって、とても不安です」

 

「それでいいじゃねーか。不安も感情の1つだぞ」

 

そうレキと言葉のキャッチボール?を交わす。

 

 

また訪れる沈黙。しかし、今はこれが心地いい。

 

 

 

 

 

 

もう夕暮れだ。それまで俺らは並んでボーッと座っていた。

 

「俺は帰るぞ」

 

そう言って、俺は立つ。

 

「今日はありがとうございました。八幡さん、これからもお願いします」

 

レキを見ると、

 

確かにほんの少し、レキは笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に戻った後、1時間ベッドで悶えたのは言うまでもないだろう。

 

 

 

 

 

 

 




急展開でなんかすいません。
早い気がしますが、すいません(2回目)

感想、評価待ってます!


って、色んな人言ってますが、増えるんですかね…?

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