たまに歩きながら眠ることができます。駅についたら、どうやったそこまで来たか、わからなくなる時があります。
すいません、どうでもいいですね
第24話
「では、私からの話は以上とします。これで始業式は終わりです。解散してください」
校長の言葉で生徒が体育館からゾロゾロと出ていく。もう今日は授業はない。しかし、ここからが本番だ。上級生や同級生が話してたのを耳にした。
どうやらここ、武偵高では2学期の始業式は「水投げ」と呼ばれる日らしい。
水投げとは校長が通っていた学校でその日だけ水をかけあう日のことだ。武偵高ではそれを徒手空拳で行う。はい、意味わからん。
ま、俺は影薄いし、関係ないだろ。
そんなことを思いながら、荷物をまとめて校門に向かうために歩いていた。
歩いている時、
ん?これは・・・人の気配?
俺の後ろ、誰かが近づいているな、結構のスピードで。急いでるのか。道を邪魔したら悪いし横にずれるか。
そう思い、左に少し大きめに移動した。
その直後、俺の首の位置にそこそこ鋭い飛び蹴りをした少女がいた。
・・・おお、俺狙われたよ、奇襲されたよ。少し嬉しいと思う俺ガイル。
その少女は長い黒髪でどこか大人びた印象がある。背が低いし、中等部のやつか?いや、どっかで見たことあるような・・・?
飛び蹴りをはずした後、すぐに方向転換をし、俺に向かって脛を蹴る。それを危なげなく、バックステップしてかわした。いい動きだけど、それじゃ当たらんな。
そのまま色んな箇所を蹴ってくるが、俺には当たらない。リーチが違う。俺に比べて身長は2、30cmは低い。それにそこそこ速いが、蘭豹のほうがもっと速い。
もしやられようものなら蘭豹のオシオキフルコースが待っている。それだけは避けないといけない。下級生に負けたら、それこそ馬鹿にされるしな。馬鹿にされる相手いないけど。
少女の攻撃と俺の回避が続くこと2分。
少女は息が切れてきたし、いい加減飽きたので、
「もう終わっていいか、このままじゃお前は俺に攻撃与えられないよ」
皮肉を交ぜながら伝える。
「うるさい。まだ、やる」
そう呟き、まだ蹴ってくる。けど、最初の時みたいな切れのあるスピードはない。最初の奇襲の動きは良かったんだけどな~。
もう早く帰りたいし、終わらせるか。
少女が、右足で俺の胸辺りを狙って蹴ってくるから、左手で足首を掴む。そのまま右足で、残ってる左足を払ってこけさせた。
少女がしりもちを着いたのを確認して、
「おい、お前、もうこれで終わりでいいか?」
そう言うと、俺を睨みながら、
「・・・・・・わかった。あと、留美」
「は?」
「だから、鶴見留美」
ああ、名前か。
ん?・・・・・・ああ、思い出した。確かこの名前って探偵科のくせにしょっちゅう強襲科に出入りしているやつか。
履修は自由だからいいんだが、この『死ね死ね団』にわざわざ来なくていいのにな。
「わかったよ。鶴見」
「だから、留美」
「あっそ。じゃ、俺帰るわ」
面倒そうだから、無視で。
立ち去ろうとしたが、俺の前に立ち、俺を見上げて、
「名前・・・何?」
質問してくる。どうやら帰らせてくれないようだ。
「比企谷八幡だ」
今度こそ・・・退散を。
「なら、八幡。このあと暇?」
無理ですか、そうですか。
「先輩には敬語を使え。それに俺はこのあと用事があるんだよ」
「用事ってなに?」
「・・・それは・・・その・・・・・・色々だよ」
鶴見はこっちをジーっと見てくる。よしって感じでうなずいて、
「なら大丈夫だよね。話したいことあるから一緒に来て」
え、ちょっと待って。やだ、強引。
所変わって、武偵高の生徒がよくいるお台場、そこのサイゼに俺と鶴見留実はいる。
早く帰るためにさっさと話済ませるか。
「で、話ってなに?」
そう話を切り出してみる。
「今回、攻撃全然当たらなかった。どこがダメだった?」
そんなことならこんなところまで来なくていいじゃん。
でも、話はそれだけじゃなさそうだな。
「まず、最初の奇襲は良かったが、足音をもっと抑えろ。気配もだ。そこで勘づかれたら、奇襲なんて成功しない。手練れなら余計にだ。今日は銃を使えないけど、銃の腕はどうだ?」
鶴見は真面目に話を聞いてる。
「あんまり撃ったことはない。これからは少し練習する。・・・他には?」
「他には、えーっと、・・・そうだな、奇襲を外したあとの攻撃が単調。わかりやすい。蹴り技が得意なことはいいが、それだけだといずれ読まれて負ける」
あ、ドリア来た。食べながら、鶴見に話す。
「それにリーチ差を考えろ、もっと自分の形に持ち込め。途中から苦し紛れになっていた」
この値段でこの味はいいよな。ミラ○風ドリアって。
鶴見はスパゲティーを食べながら、俺に聞いてくる。
「なら、どんな風に訓練すればいい?」
「いや、そもそもの話、お前探偵科だろ?そっちに専念しろよ」
「そうだけど・・・・・・」
そのまま鶴見は語る。
「いざというときの、私の武器を増やしたいって思って・・・・・・」
へー、なんかいい心がけだな。まあ、探偵科でも全く戦わないってわけでもないしな。
「今日の水投げでまだ実力が足りないってわかった。だから、私をアミカにして」
・・・・・・・・・アミカ?確か・・・師匠と弟子みたいな制度だよな。
俺が?
「なんで俺だ?そもそもの話、なんで今日俺を狙った?」
疑問の部分を聞いてみる。
「それは、1学期。八幡が蘭豹先生と戦ってるのを見て、すごいなって思った」
・・・投げ飛ばされた時か。
「お、おう。でも、あの時は蘭豹はぶっちゃけ余裕をかなり残してる状態でやってたよ。力半分ってところか?」
あの人が全力だったら、さすがにあそこまでもたない。最初は遊び、最後のほうはイライラしていた感じだったな。
「それでもすごい。いつも独りなのに強い。だから、アミカにして」
ナチュラルにけなされた。
「武偵は独りじゃ中々やっていけないぞ。まあ、最近気付いたんだけど」
最後のほうは声を小さくしながら呟いた。
「つーか、もう残り半年だぞ。今さらいいのか?」
そうなのだ。アミカは進級するごとにリセットされる。最大1年間だ。
「かまわない。いい?」
少し考えていると、
「やっほー、ハチハチ。こんなとこで何してるの?」
「理子お姉さま。急に走ってどうしたのですか?」
・・・なんか来た。
振り向くと、そこには峰理子と誰かがいた。ん?誰かに似ているな。ああ、島莓だ。あいつに似てる。
つーか、どっちも似たような格好だな。改造制服でフリフリを付けたロリータ?ってやつだな。見てて目が痛い。
「なんか用?」
「いやー、知り合い見かけたら声かけるのは普通じゃん。で、その子誰なの?」
「・・・そんな普通、友達いない俺は知らん。あと、こいつは、いきなりアミカ申請してきたやつだよ」
「だから、留美だって・・・」
鶴見が呟くが、今は無視。
「そう言うなって、ハチハチ~。で、受けるの?」
「それを決めようとしたときにお前が来たんだろ」
不機嫌オーラを出しとく
「あ、そうなの。ふーん。私はもう行くね。じゃあね~。行こっか、麒麟。レキュに言おっかな、くふふ」
最後のほうは聞こえなかったが、別に大丈夫・・・だよな。
「はいですの~」
急に来て急に去る。なんなのあいつら?暇なの?
「なんか・・・スゴイ人たちだね」
完全に空気だった鶴見がため息をつきながら言う。
「だな」
俺もため息をつく。さすがはリア充、まるで台風みたいだ。
「八幡、話戻すけど、アミカにしてくれる?」
そうだったな、その話が中断されたんだったな。主に峰のせいで。
アミカにするかどうか。
正直な話面倒だ。
それに鶴見ってパッと見可愛い。・・・ろ、ロリコンってわけじゃない。レキは慣れたが、他の女子となると。
でも、話を聞くと鶴見のそれなりの意志を感じる。それを無下にするのは・・・・・・。
「いいよ」
鶴見は顔が喜ぶが・・・・・・・・・。
「ただし、強襲科じゃなく、きちんと探偵科をメインにしろよ。1番安全なんだし。週1か2だけにしろよ」
「暇なときは稽古つけてやるから」
鶴見はうなずき、俺を見て言う。
「ありがとう、八幡」
て、照れくさい、こういうのは。レキの時もそうだが。
「あと、留美って呼んで」
え、えーー。女子を名前呼びは小町以外したことない。レキは別。だって名字本人も知らないし。
「わかった。ルミルミ」
お、このアダ名いいな。
「ルミルミ言うなー」
却下された。いいじゃん、このアダ名。
俺に妹、アミカができました。
小町じゃないよ、もちろん。小町を裏切ってないよ。
無理矢理感がスゴイです。
了承してください。そして、かなり駄文ですいません。
アミカは1年間だけど、この作品では年度毎に交代ってことにします。
あと、LiSAさんのAxxxiSかっこいいです