八幡の武偵生活   作:NowHunt

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テストいや!もういや!

おかしな点があればご指摘ください。ぶっちゃけ深夜のテンションで書いてますからね。

そういえば前にフォロワーさんにDMで訂正のやりとりをしたのですが、なんだか、新鮮でした。


第36話

「次が本題だ。ーーなんで峰理子はここにいる?何か目的でもあるのか?」

 

 

 

ここはイ・ウー。超人どもが互いに育成しあう場所。例え軍事国家でも手が出せないほどの大きな力を持っている。

 

俺は峰理子に勧誘(誘拐)され、ここイ・ウーで短期留学することになった。

 

下手に動けば、俺の周りの人たちにも危害が及ぶ。ので、ここは大人しく言うことを聞く。ちゃんと帰してくれると言うしな。…………全面的に信用しているわけではないが。

 

 

 

 

俺は今、ジャンヌと会話をしている。俺は部屋のベッド、ジャンヌはそこらにある椅子に座っている。

 

主な内容はここの目的や注意点などだ。聞いてて理解が追い付かないが、もう理解するのを諦める。こういうものだと、割り切ることにする。

 

 

 

 

そして、俺の最初のセリフに戻る。 

 

「どうしてそんなことを聞く?」

 

ジャンヌは意外そうに話す。口調は穏やかだ。

 

「そうだな。クラスとあいつと大分違うからな。あと、どこか切羽詰まってる感じがするから……かな。まあ、ただの興味だ」

 

峰理子は仮面を被っいることを除けば、ごくごく一般の女子高生だ。………一般かどうかは微妙だが。

その峰理子がどうしてこんなところにいるのかがわからない。

 

ジャンヌは、名前の通りジャンヌ・ダルクの子孫らしい。そこを考慮すれば、無理矢理だが理由をつけることができる。

 

「なるほど。なら私からも聞こう。あいつの本名を知っているか?」

 

「………峰理子、じゃないのか?」 

 

いきなりの質問で戸惑ったが、そう答える。

 

「それでは不正解だ。正しくはーー峰理子リュパン4世だ」

 

ーーリュパン。それは、その名前は世紀の大怪盗。誰でも聞いたことはあるはず。そのくらい有名だ

 

峰理子が、その子孫……か。驚いたが、もう驚くのも慣れた。話を続けてもらうぞ。

 

「それはわかった。けど、理由にはなってないだろ」

 

「うむ。それもそうだ。なら、繁殖用牝犬(ブルード・ビッチ)は知っているか?」

 

「いや知らん」

 

「簡単に説明すると犬の悪質ブリーダーが、人気の犬種を増やしたい。だから、檻に押し込め虐待するというやつだ」

 

それはニュースとかで聞いたことはある。しかし、なんでそれが今出てくる?

 

ーーまさか、

 

「察しはついた顔だな。理子は幼い頃から監禁されて育った」

 

「……っ。だけど、リュパンって言ったら名家?とかではないのか?」

 

そんな話は聞いたことあるのだが、ジャンヌは首を振る。

 

「リュパンの家は理子の両親の死後、没落したのだ。それで親戚と名乗る者に騙されフランスからルーマニアに移り監禁された。長い……間な」

 

「………」

 

「理子が未だに小柄なのは、その頃ロクな食べ物を口にしてなかったからで………」

 

「あいつがファッションに対してああまでなるのは恐らくボロ布しか着させてもらえなかったからか?」  

ふと、武偵高での峰理子の姿を思い出す。ロリータ服を好んで着ていたのはそういうことか。

 

「ほう…。頭の回転が早いな」

 

「ボッチは思考速度には自信があるんでね」

 

フフっとジャンヌは笑い、そぐその顔は引き締まる。

 

「そういうことにしておこう。で、理子を監禁してきた相手はここ、イ・ウーで今はナンバー3。もしかしたら、もうナンバー2かもしれない」

 

「名前は?」

 

「ーーブラド。無限罪のブラドだ」

 

イ・ウーでの1番が全員の能力を使える超人だとすれば、それに次ぐ戦闘能力か。

 

「なるほど………」

 

いや、全くなるほどじゃない。あいつが、あの峰理子が、リュパンの子孫で、監禁されてきた。

 

 

 

 

なら、今のこの状況は?あいつは解放されたのか?それともまだ捕まっているのか?でも、あいつは武偵高にいる。

 

「なら、なんで理子は今、ここにいるのか、という顔だな。八幡」

 

その言葉に俺の意識はハッとなる。

 

「理子は1度ブラドから逃げ出している」 

 

怪盗の一族の力、か。

 

「しかし、ブラドは理子に異様なまでに執着心を抱いている。逃げ出した理子を追ってイ・ウーに現れた。理子はブラドと決闘し、敗北した。そしてブラドは理子の成長が著しかったことに免じてーーーーある約束をした」 

 

「それは?」

 

「理子が初代リュパンを超える存在まで成長し、それを証明できたなら、もう手出しはしない」

 

 

初代リュパンを超える………。

 

ーーそれをどうやって証明するつもりなのだ?

初代リュパンが盗めなかった物を盗む?それとも、倒せなかった誰かを倒す?

 

俺が考えつくのはそのくらいだ。

 

 

「八幡の問いの答えはーー理子自身の自由のためだ」

 

自由か。口にするのは簡単だが、峰理子がそれを手にするのは容易ではないな。

 

そして、それが峰理子のもう1つの仮面…ね。

 

 

 

「あ、そもそもブラドってどんな奴?」

 

あの峰理子を支配できるほどの強さを持つとは、気になる。

 

「………八幡はイ・ウーにいるわけだし、大丈夫か。そうだな。……どう表現すればいいのかわからないのだが、鬼……かな」

 

ーー鬼?

 

それってモモタロス?響鬼?阿修羅丸?真昼?白虎丸?鬼籍王?

 

後半、ほとんどセラフじゃねーか………。なんだよ、「俺、参上」でもするのか?

 

 

「言われてもピンとこないのだが」

 

「ふむ。なら、これでどうだ。姿形はキングコングに似ている」

 

「…………」

 

うそーん。怖いよ、そんなの実在するのかよ。あと怖い。蘭豹だって真っ青だ。

 

俺は頭を抑えて、ジャンヌに言う。

 

「とりあえず、もう話切ってもいいか?正直もうついていけない」

 

「……むっ。連れてきたばっかでいきなりすまない。少し休んでてくれ」

 

ジャンヌはそう言い残すと部屋から出ていった。

 

 

誰もいなくなった部屋で、俺は小さく呟く。

 

「そんな奴が簡単に口約束を守るのか?」

 

ーーと。

 

 

 

 

ベッドで寝転んでも落ち着かない。色々ありすぎたしな。

 

と、いうことで、イ・ウーを見て回るか。俺だって武偵だ。自分で少しは調べるか。

 

ドアを開けて廊下に出る。しばらく歩く。そして、広大なホールに足を踏み入れる。

 

そこで、1つ思った。

 

「ここ、本当に潜水艦?」

 

そこには高い高い天井から、キレイな天然石の床を巨大なシャンデリアが照らしている。

 

そしてまた、その床には………。

 

ティラノやステゴにトリケラといった恐竜の化石…というより骨格標本がある。

壁には、名前はわからない奴が多いが、恐らく希少価値の高い動物の剥製が並んでいる。

 

ここでちょっと何かくすねたら、良い資金になりそうだな。隙を見て盗んでみるか。

 

 

あまりのスゴさに放心状態になっていると、俺の横から、

 

「ハチハチ。夜ご飯だよ」

 

峰理子の声がする。

 

予想通りそこには金髪ツインテールの峰理子がいる。……でも、本物か?ジャンヌも変装できると言っていたし、色んな奴が使えると思ったほうがいい。

 

「くふふっ。私は本物だよ。あまりここでは変装する人なんていないよ」

 

まぁ、この身長を真似するのは難しいだろう。さすがに身長が伸び縮みなんてしないよな。もしするなら、俺も身長ほしいな。

 

「あ、少しいいか」

 

「なに?」

 

「俺の家族に正月帰るって言ったんだが、どうすればいい?」

 

ここだけはキチンとしないと。下手に動かれたら危なすぎる。

 

「それなら大丈夫だよ。ちゃんと電波が傍受されないようにハチハチの声で伝えたよ。しばらく用事で帰れないってね」

 

平然と言うが、家族を簡単に騙すなよ。

 

「もちろん、武偵高にもね」

 

「あっそ」

 

気がかりなのは、やっぱりレキと遠山だな。あいつら大丈夫か?

 

「じゃ、食堂に移動しよっか」  

 

「お、おお」

 

手を引っ張られ、峰理子についていく。場所覚えないと。

 

 

 

 

「ハチハチはさ~~」

 

食堂に向かっている途中にて。

 

「なんだ?」

 

「……聞いたの?」

 

それだけ言ってくる。もちろん省略されている部分はわかる。

 

「なんのことだ?」

 

だけど、敢えてとぼける。

 

「わかってるくせに。……私のことだよ」 

 

「ジャンヌから大方聞いた」 

 

峰理子の顔は少し歪む。やはりいい気はしないな。そりゃそうだ。あんな過去を持っているのだから。あまり他人に知られたくないはずだ。

 

「どう、思った?」

 

うつむいたまま、小さい声だ。

 

「別にどうとでも。なんだ?助けてほしいのか?俺が助けたところでたかがしれてるぞ」

 

「あはは~。そうだね。さすがにこれ以上ハチハチを巻き込めないよ」

 

いや、巻き込む以前に俺をイ・ウーに招いたのお前だろ。

 

………あ、そうだ。

 

「そういや、聞くの忘れていたが、なんで俺をここに招いた、ではなく拐った?」

 

「そんなの簡単だよ~~。もちろんハチハチのその気配の操り方を私に教えてほしいから、だよ」   

   

ぶりっ子風にあざとい声を出す。

 

ああ、それか。イ・ウーに見初められるとは中々良いらしいな。でもーー、

 

「でも、前にも言ったが、これは俺だからできるものであって、人に教えるのは…厳しいと思うぞ」

 

素直に思ったことを言う。

視線誘導を使わないと、俺だってまだ完璧に操れているわけではない。その点ではまだまだ未熟だ。   

 

あの時みたいに全開で殺気を放出するのならまだしも。

 

 

そう考えていると、ーー突然、

 

 

 

「それじゃ意味ねぇんだよ!!」

 

 

 

峰理子は叫ぶ。廊下中に響き渡るくらい大きな声で。

 

「あっ、……ごめん。ハチハチ」

 

ハッとなり、峰理子は俺に視線を合わせずに、下を向きながら謝る。

 

「大丈夫だ」

 

 

と、俺が言ったところで食堂に着く。

 

よくわからないレリーフが彫ってある扉を開けて、中に入る。

 

食堂は、目算縦15m、横3mほどの大きさだ。そこにもう料理が置いてある。

 

座っているのはジャンヌ、その向かいに日本人形みたいな黒髪の女性。

 

 

 

 

そして、一番奥に座っているのは、上半身だけでもわかる痩せた体。左手には古いパイプを持っている。なぜか歳は20ほどに見える。

 

この姿、あの写真に似ている。………いや、似ているなんてレベルじゃない。ホログラフィーでもない。この雰囲気、圧倒的な存在感からしてわかる。

 

 

ーーーー本物。

 

まさか、これが。この人が。

 

 

「やあ、比企谷八幡君。私のイ・ウーへようこそ。そうだね。まず自己紹介を始める前に、私が誰なのか推理してごらん」

 

 

伝説の探偵。武偵の始まり。

 

 

「シャーロック・ホームズ」

 

 

 

 

 

 

 

 




シャーロックって声は池田秀一さんが似合いそうw 


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