八幡の武偵生活   作:NowHunt

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3/12 私の好きな実況者が亡くなりました。非常に残念です。
そして、人の命はこんなにも呆気ないと思い知りました。 
命は儚い。だからこそ、生きている間に自分のするべき事やしたい事をやりきろうと思いました。


心より、ご冥福をお祈りいたします。マリカー実況大好きでした。




2年 1学期 
八幡、2年生になりました。


ピリリリリリ…………

 

 

「んーー」

 

時計のアラームで目を覚ます。

 

時間は7:15。  

 

「ふぁーー。眠っ」

 

…………起きるか。

 

制服に着替えながら、部屋から出て、台所に行く。

 

 

今日から2年かーー…………。嫌だなー、ダルいなー、面倒だなー。

 

等と、億劫な気持ちになる。

 

これが一般校なら勉強とかが理由に入るだろう。

 

しかし、武偵高は違う。

俺、比企谷八幡が所属している強襲科は、「明日なき学科」という別名がある。つまり、殉職するかもしれない。

 

…………なんで高校で死なないといけないんだよ。

   

 

 

 

昨日炊いたご飯余ってたよなー。適当に目玉焼きでも作るか。

 

と、フライパンを取り出した所で、

 

――ピン、ポーン。

 

慎ましいインターホンのチャイム音が鳴った。

 

それだけで、察したであろう遠山は、部屋から急いで出て、玄関に向かう。

 

しばらくして――――、

 

 

「おはようございます。比企谷さん」

 

入ってきたのは、星伽白雪。

 

遠山の幼馴染みで、大和撫子みたいな美人。

 

そして、色金を祀る星伽神社の巫女。

 

ちなみに、このことを遠山はまだ知らない。

遠山も少なからず、話に関わっているはずなんだがな。シャーロックが言うには。

 

 

「あ、お……おはよう」

 

若干キョドりながら、挨拶を返す。

 

「あ、比企谷さんの分も朝ごはん作ってきたの。良かったら、キンちゃんと一緒にどうぞ」

 

「白雪。キンちゃんは止めてくれ」

 

「あ、ゴメンね、キンちゃん。あっ、えっと、その、えっと……………。比企谷さん、ご飯食べます?」

 

「あ、うん。頂きます」

 

星伽さん……さらっとキンちゃん呼びのこと誤魔化したな。

 

 

 

あ、星伽さんのお弁当美味しかったです。

 

 

 

 

 

 

 

遠山より先に部屋から出て、学校に向かう。

 

遠山は、星伽さんとイチャイチャして見送った後にPCとか見ていたからな。………リア充滅びろ。

 

つーか、基本、俺たち別行動だしな。学校とかでは、そこまで話さないし。 

 

決して仲が悪いとかではなく、ぼっちとネクラが話して何になる……という話だ。

 

 

 

 

俺の登校時は、歩く時もあれば、バスを使う時もある。

気分とその時の時間を見て、決める場合が多い。

 

今日は余裕があるので歩くことにする。大体35分ほど歩くと着く。

 

 

適当に音楽を聞く。

 

そうしている内に、学校に近づいてきた。

 

もう校内ネットでクラスは発表されている。2ーBだった。

レキは2ーC。

理子、遠山、武藤、不知火は2ーA。

俺の知り合いでクラスが一緒だったのは、星伽さん、戸塚、材木座だ。

 

……………こうして考えると、俺って知り合い少なすぎじゃね?まぁ、1人1人が個性的すぎるけど。

 

 

別にいいや。始業式始まるまで寝よう。

 

そう思いながら、俺は教室に足を向ける。

 

 

 

そして、始業式をダラダラ過ごし、教室に戻る。椅子に座った途端――

 

ブゥーブゥー。

 

携帯からバイブ音がした。武偵高の校内ネットからだ。

 

メールの内容は、どうやら生徒がチャリジャックされたので、気を付けるようにとのお達しだった。

 

今どきチャリジャックねぇ…………。えらく小さいな。やるなら、もっとスケールでかくしようぜ。

 

この思考、俺はテロリストか。……違うそうじゃない。

 

 

 

 

 

「八幡、おはよう。今年も同じクラスだね」

 

席が隣の戸塚が、笑顔で俺に語りかけてくる。

 

………あぁ、可愛い。俺の腐った目も浄化……はされないな。

 

「おはよう、戸塚。今年もよろしくな」

 

「うん!どんどん治療してあげるね」

 

「武偵としては、出来るだけ避けたいもんだけどな」

 

「アハハ。それもそうだね。でも、怪我したら、いつでもおいで」

 

「その時は頼むわ」

 

「うん。任せて」

 

はい、天使。 

 

 

 

しばらく話していると、

 

「はっちまーん!」

 

突如響く叫び声。

 

戸塚との談笑を妨げる輩はどこのどいつだ。殺すぞ。……まあ、察してるけど。

 

声がした方向に顔を向けると、

 

「無視するでないぞ」

 

やけに胸を張った材木座がいた。

 

「それで、戸塚。戸塚も救護科だから戦闘の必要はあまりないわけだが、少しは銃を撃つ練習をした方がいいと思うが」

 

「えっ!?……えーっと、それもそうだけど、やっぱり慣れないかな」

 

戸塚は、一瞬材木座を見て、戸惑った様子だったが、話を続けてくれる。

 

「その気持ちは分かる。俺も最初はそうだったからな」

 

「それに僕、救護科なのに人を傷付けるのは抵抗あるよ」

 

「ちょ!八幡?戸塚殿?」

 

「別に人を撃つ必要はないぞ。例えば、地面を撃って足止めとか、色々やり用はある」

 

「……なるほど」

 

「あのー、聞こえてますか?八幡さん」

 

「だから、護身のために少しは練習したらどうだ?」

 

「うん。そうしてみるよ」

 

「はっちまーーーん!!」

 

「…………人の耳元で叫ぶな、材木座」

 

耳がキーンってするぞ。

 

「だって、我を無視するし」

 

その体型でいじけても可愛くないぞ。

 

「で、何?」

 

「いや、今回は同じクラスではないか。だから、挨拶にと」

 

「……よろしくな。あ、今年も、メンテとか依頼するからな」

 

「任せろ!戸塚殿もよろしく頼むぞ」

 

「こちらこそ」

 

俺と戸塚と材木座でたまに遊ぶから、仲は良好である。

 

 

 

 

「はいはーい。さっさと始めて、さっさと終わらせるぞー」

 

出席簿を手に持ち、教室に入ってきたのは、尋問科の教師――綴だ。読み方は「つづり」だ。

 

 

綴が、今回俺たちの担任だ。 

 

この綴って奴、常に煙草を吸っていて、ラリってるような特徴しかない。

だが、尋問のスペシャリスト。こいつの尋問受けて口を割らなかった者はいない…………。ここの教師の人選どうなってるのやら。

 

 

綴が、めんどくさそうに話を進めている時――――、

 

バァン!バァン!

 

銃声が2発鳴り響いた。隣のクラスから。

 

「この音……ガバメントか。それも同時だから、2丁。てことは神崎かー。早々に何やってるんだよ」

 

綴が気だるそうに呟く。

 

………スゲェ。この一瞬で、誰か当てた。それも武装もピッタリと。

 

確か、不知火が言ってたけど、綴は全生徒の武装や記録等が頭に入っているらしい……と。どうやら、その話本当みたいだ。

 

 

銃声が聞こえた後、校舎全体に響くような声で、

 

「風穴!!」

 

と、神崎が叫んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

昼休み、というか今日は午前で終わり。帰る人もいれば、訓練をする人もいる。俺は前者だ。

 

だって昨日働いたから、単に疲れた。

 

「あ、比企谷君」

 

廊下を歩いていた所で、イケメン不知火に見つかった。

 

何で俺なんかに関わるんですかねぇ…………。

 

「よう」

 

「今帰り?」

 

「おう」

 

「良かったら、一緒に帰らない?」

 

「えっ。あ、うん」

 

「じゃあ、行こうか」

 

俺の受け答え簡素すぎない?

 

 

 

校門を出て、バスを待っている。

 

「そう言えば、今朝遠山君がチャリジャックに合ったって知っているかい?」

 

「それマジ?」

 

あのメール遠山だったのか。…………不幸だな。

 

「うん。どうやらサドルの下に爆弾仕掛けられたんだ」

 

そんなこともあるのか。

 

「で、遠山はどうやって助かったの?」

 

「それがね、神崎さんが助けたんだってさ。それもどうやら、爆弾を仕掛けた犯人を神崎さんが追っていてね」

 

「へー。ちなみにそれ誰なんだ?」

 

そこでバスが来た。ちょうど席2つ空いていたので、隣同士で座る。

 

話を続ける。

 

「――武偵殺し――知っている?」

 

「……ああ」

 

確かイ・ウーの面子の誰かだよな。ジャンヌが言っていた。

 

「この前捕まったのは模倣犯で、また復活したんだってねー」

 

「それは知ってる」

 

「そうなんだ。あ、そうそう。それでね、その時に神崎さんが遠山君と何かあったんじゃないかって教室で問われて、銃を乱射したんだよ」

 

……………あれ、その時の銃声か。

 

「お騒がせな奴だな」

 

「アハハ。全くだよ」

 

 

 

――――ん?

 

神崎が武偵殺しを追っている。武偵殺しはイ・ウーの面子だ。

つまり、あいつはイ・ウーという組織を追っているのか?それとも武偵殺し個人?

 

さすがに考えすぎか?

 

でも、イ・ウーの親玉は神崎のひい祖父さん。

 

それに――緋弾のアリア。

 

神崎には、確実にあいつが関わっている。

 

………………やはり、仕組まれているのか?全て。あいつに。あの探偵に。

 

 

 

「比企谷君。僕はここで降りるね」

 

互いに無言でいた。急に声を掛けられ、意識がハッとなる。

 

「俺も降りるわ」

 

不知火は駅前で降りた。俺も本屋に寄ろうと思い、降りることにした。

 

「じゃあね。比企谷君」 

 

「またな。不知火」

 

 

 

 

さて、本屋に行こうとする時、突然――バン!と、背中に衝撃が走った。

 

ぶっちゃけ後ろに誰かいるのは分かっていたけど、俺には関係ないと思っていた。

 

振り向くと、そこには、

 

「ひっさりぶりー!ハチハチー!」

 

制服姿の理子がいた。

 

「……久しぶり」

 

「テンション低くない?大丈夫?」

 

「いつもこんな感じだろ」

 

と言いつつ、テンション低いのは、地味に背中が痛いからであったりする。

 

「あ、それもそうか」 

 

それで納得するなよ。……少しは、否定してほしかった。

 

「何か用事か?」

 

「ううん。通りかかっただけだよ」 

 

「……そうかい」

 

そこで、今さら気付く。

 

「つーか、あそこから帰ってきてたんだな」

 

「まぁね。新学期からは顔出さないと怪しまれるし、積みアニメ消化しないといけないしねー」

 

「へー」

 

「うっわ。興味なさそうな声だねー」

 

「あ、それより俺にも見せてくれ。あそこにいたせいで冬アニメ見逃したんだが」

 

「どうしよっかな~~?」

 

「無理にとは言わないから。見終わったら貸してくれ」

 

「ありゃ、その反応は意外。今すぐ寄越せー、とは言わないんだね」

 

目を丸くする理子。

 

「そりゃもちろん。元々はお前の物なんだからな。俺にそれを言う権利はない」

 

「いやいや。私が連れていったのが原因だから言う権利はあると思うけどなー」

 

「…………知るか」

 

「相変わらず捻くれてるね。捻デレってやつかな?」

 

その造語、小町も作ってたな。頭が似た者同士ということか。

 

 

 

 

 

理子とダラダラ話し、本屋に寄るなど、部屋に帰る頃には、夕方に差し掛かっていた。

 

「ただいまー」

 

遠山がいると思い、部屋に入る。

 

――あれ?女子の靴がある。誰だろう?星伽さんかな?

 

少し長い廊下を歩き、リビングのドアを開ける。

 

と、そこに、ピンクの髪が見えた。

 

 

 

そして、

 

「――キンジ。あんた、あたしのドレイになりなさい!」

 

そんなアニメ声が聞こえた。

 

 

 

 

 

俺は直ぐ様部屋から出て、近くのコンビニに避難した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最近、ハーメルンで俺ガイルのアンチ、クロス、HACHIMANについての意見を含んでいる作品を読んで、正直かなり自信を無くしました。

確かにオリ主で良くね?とも思います。
八幡っぽさを出しているかと言われれば微妙……と言うより、出てないかもしれません。

この作品は色々と気を付けているつもりなんですが、やっぱり続ける自信を無くします。
でも、失踪はしません。書いてて楽しいですから。



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