と言うが、この修学旅行・Ⅰ編はちょっと原作からズレるかも。結末はあまり変えないようにしたいけど、過程はそれなりに変わるかもしれないのでご了承ください
その後、清水寺をのんびり時間をかけて観光してからバスで金閣寺まで移動する。
カメラはなんとか返してもらいました。
にしても、清水寺ってあの舞台の下の方まで歩けるんだな。知らなかった。あの滝みたいな場所も涼しくてなかなか良い。
バスを降りてからまずは金閣寺へと足を進めようとしたが、その前に時計を確認する。
時刻は11:30を過ぎたころ。この時間ならちょっと早いが……。いやまあ、正午はもうすぐだし、ちょうどいいと言えば、ちょうどいいのか。
「先に飯にするか?」
「そうですね。ここにはどうやら食事できる場所が多いですし、一先ずここで食べましょうか」
「そうするか。レキは何か食べたいものとかあるか?」
「特には。しかし、やはりと言うべきか和食のお店が多いですね」
「確かにな。さすが京都ってところか。洋食とかもチラホラあるみたいだけど……。せっかく京都に来たんだし、和食にするか」
「はい」
「レキは好き嫌いないよな?」
「ありません。大丈夫です」
悪いが、ハイマキにはまたお留守番してもらって。
和食といっても、蕎麦の店や定食、はたまたフレンチと和食が融合した店もある。レパートリーに富んでいるからどれにするか迷うな。
「じゃあ蕎麦でも食べるか」
ラーメンもそうだが、俺麺類好きだな。京都では有名らしいニシン蕎麦とやらを食べよう。
昼ごはんを食べてから30分ほど経ち、とりあえず金閣寺に移動する。
え? 昼ごはんの話? 美味しかったです。あんなデカデカと魚が乗ってる蕎麦は食べたことがなかった。
あとはまあ、何もなかったな。俺もレキも食事中は黙って食べてたし、レキが麺を1本ずつ絶え間なく食べるのは何度も見たし……特に語ることがない。
昼飯食べてからちょっとばかし歩き、やって来ました金閣寺。
「……これは」
おお、本当に金色だ。めちゃくちゃ金色だ。
これはもう一色どころじゃなくて百式だ。ビームコーティングした寺だ。まだだ、まだ終わらんよ。……自分で何言ってるか分かんなくなってきた。いや、伝わる人にはきっと伝わる。金色だったら、百式とアカツキで好み分かれそう。俺はSEEDをまだきちんと見たことないから詳しくないけど。最近ならフェネクスもあるか。
池の水面に鏡のように映っているのもいいな。スゴい綺麗だ。確かいつかに燃えてこれ再建したやつだっけか。いや、にしてもスゴいな。
金閣寺って足利何とかさんの寺だよな。よくこんなの建てようと思ったよ。おい、日本史専攻でこれは馬鹿すぎないか。いや、作者は世界史専攻だったからこの程度の知識しかない。もうちょい勉強しろよ。
確か銀閣寺も最初は銀色立ったけ? 燃えてから普通になったんだっけ? 記憶があやふやだ……。
写真も撮りつつグルリと周ろう。何か新しく高い買い物をすると、しばらくはそれを使いたいがために敢えて予定を組んでしまう。
「レキもレポートあるんだし、しっかり見とけよ」
「はい」
レポートで思い出したが、そういえば……レキの成績ってどんなもんだろ。定期テストだったら、大体は星伽さんが1位で俺が2位。あまりレキの順位は見たことないな。
武偵に関しての成績ならレキに適う箇所は少ないけど。勝てる部分なら、せいぜい……近接くらいか? 中距離ならどうだ? いや、射撃で勝てる気しないわ。そもそものランクが圧倒的に違う。
と、金閣寺を時間をかけて見て回り、移動してから仁和寺を1時間くらいかけてじっくり見学した。……作者が行ったことないから全カットだが。
そして、次の目的地である龍安寺へ。
事前に調べたところ、やはり枯山水の庭園は是非とも見てみたい。
入場料がかかるみたいなので、またもやハイマキと武器を預ける。
清水寺や金閣寺とかでもそうだったが、メジャーな場所は他の武偵高校の奴らも多かった。
しかし、入場して歩いているが、今のところ龍安寺はあまりいないな。ちらほらは確認できるけど。ここも有名だとは思うがな。まあ、俺たちが来る前に訪れている奴らもいるだほう。
と、枯山水のとこまで来た。
「ここは……風が気持ちいいですね」
「だな」
枯山水の見える庭園に座れる場所がある。そこに2人で座っているとポツリとレキが呟いた。
確かに暑くもなく寒くもなく、涼し気な風が吹いている。縁側に座っているだけで実に落ち着いた気分にもなれる。とても心地良い場所だ。……枯山水も綺麗だな。小石の模様も石の散らばり具合も見ていて飽きない。
「八幡さん」
「どうした?」
「チームについてですが、名前どうしましょう?」
「あー……全く思い付かないな」
「私もです」
チームは一応は強襲でいくと決めたが、あとはまあ、それっきりだ。
「また何かそれっぽく調べとくよ」
「お願いします」
短い会話が終わるとまたボーッとした時間を過ごす。
「八幡さん」
「……どうした?」
「これからの予定は?」
「もう今日の予定は終わったし、もう宿に行こうかなって。道案内頼めるか?」
「はい。バスかタクシーどちらにしますか?」
「値段で行ったらバスの方が安いよな」
「はい。てすが、調べてみたところ、ここからだとかなり時間がかかるそうです。京都駅を経由するルートが多数検出されました」
「それは……面倒そうだな。タクシー使う? 高いだろうけど、金なら普通に稼いでるし」
日々の装備のメンテナンス代や家賃に電気代やらでそれなりにかかるけど、それ以上は稼いでいる。雪ノ下家のパーティーの警護やそれこそカジノでの仕事などで充分。それに加えて……こう言うのはヒモみたいだが、レキは俺以上に稼いでいるだろう。何かあったらレキに頼ったら…………んんっ、いや、やっぱりヒモみたいで嫌だ。
「そうですね」
「まあ、もうちょいボーッとしとこうぜ」
混み始めたらどくが、それまではもう少しここにいてもバチは当たらないだろう。
「分かりました」
そして、10分くらい枯山水の前でただただボーッとしてから移動する。まだ見てない場所をゆっくり歩いて全部見終わると、もう3時になっていた。
そろそろ宿に行くか。荷物とハイマキを回収して国道でタクシーを待つ。適当なタイミングでタクシーを掴まえて、レキが指定した場所まで運転してもらう。
タクシーの運転手のおっちゃんと色々と会話しつつ景色を眺めること1時間くらいか? 目的地に着いた。
比叡山の森の方にある鄙びたいい雰囲気の民宿がある。おっちゃんに料金払ってから降りる。
周り何もないな。あ、ちょっと待て。どうやらここまで走っている小型バスはあるんだ。あー、でも、京都駅へと行くやつか。だったらタクシーでよかったな。
「…………」
で、ポツンと建っている民宿『はちのこ』はレトロな外観をしている。俺はこういうの好きだな。もちろんセーラが泊まるようなホテルももちろん好みだが、和風な感じも嫌いじゃない。
そういや、遠山がどうなったのか気になり道中メールしたが、星伽神社の京都にある分社で泊まるらしい。何かそれ、スゴいよな。
遠山と星伽さんから訊いたことあるが、青森にある本社がバカでかいらしいが、分社も軽く要塞らしい。一度覗いてみたいな。好奇心が唆られる。
それは置いておいて、レキとハイマキと一緒にはちのこの玄関へと入る。
予約したのはレキだし、ここは任せよう。
「あらあら、いらっしゃい。よくここまで来ましたねぇ」
ガラガラと玄関を開けると、中から若い女将さんが出てきた。意外と若いな。年齢は分からんし、訊くつもりもないけどね。
というより、ものすごいラスボスみたいなこと言ったな、この女将さん。いやまあ、かなり山奥なことを示唆しているのは分かるんだけど。
「先日2名で予約をしたレキと言います」
「はぁい。レキ様ですね。一部屋予約承ってま〜す。うふふ」
…………うん?
この女将さん何て言った? 一部屋?
「レキ」
「二部屋だと余分にお金を使うことになりますが、一部屋たと互いにお金も節約できますし、一部屋で充分かと」
……めっちゃ早口。まだ何も言ってねぇよ。
俺は知っている。ここまできたらレキは強情な性格しているから変更はできないだろうなと。なるば甘んじて受け入れよう。そもそも、何回かレキの部屋で寝泊まりしたことあるし、今さらと言えば今さらなんだが。
……そうだ、特に意識をすることはない。気にするとこない。経験あるだろ。大丈夫だ、落ち着け。
「ではこちらにどうぞ」
部屋に案内される。The和風といった部屋だ。いや、にしてもこの部屋広すぎないか? 5人くらいなら余裕で寝れる広さがある。これ2人でか? 正確にはハイマキいるが。
「この部屋でいいんですか? 2人にしてはやけに広いんですけど」
「いいのいいの。ちょっとしたサービスですよぉ」
そう言うなら、女将さんさんの厚意はありがたく受け取ろう。それに損はしないし、むしろ得だ。こんなに広い部屋で泊まる機会はなかなかない。
と、女将さんは思い出したように「あ、そうだ」と口にして。
「レキさんと比企谷さんは、夕食いつ頃にされますか?」
「そうですね……じゃあ、6時くらいで。レキもそれでいいか?」
「はい。問題ありません」
今は4時過ぎ。夕食はそのくらいが丁度いいだろう。俺と遠山のときは6時だったり8時だったりとけっこうバラバラだったりする。
「了解しました。温泉は23時までいつでもご利用可能です。備え付けのシャンプーやリンスなどもありますので」
「分かりました。ありがとうございます」
「今日はお客様以外の利用客はごさいませんので……お好きにどうぞ」
「……はぁ」
この女将さん、おせっかいなノリが好きなのか、手を頬に当ててウフフ……といった感じにとても楽しそうだ。
「では、失礼しますね。何かあればフロントまでどうぞ」
女将さんが退室してから荷物を降ろし、ジャージ(防弾製)に着替える。
「…………」
「…………」
レキとは何回か一緒に寝泊まりしたことはある。……したことはあるが、あの部屋は必要最低限な物しか置いていなく、どことなく無機質なように感じてしまうことがある。ただ、レキの部屋とこの部屋は雰囲気が圧倒的に違う。
だからか、変に意識をしてしまう。ムダに緊張する。レキは……いつもの無表情だからどんな感情なのか読み取れない。
「レキは着替えなくていいのか?」
「室内で着る服で、今回は制服しか持ってきていません」
制服はちょっと違う気がする。
「いや、けっこう前に私服買ったじゃん。それも着ようぜ」
「しかし、あれは外出用では? 室内で着るものではないと判断しました」
「それもそうだな。制服は部屋着じゃないと思うけども」
こうなったら、レキの部屋着も買っておくんだった。レキってばいつも制服で寝ているもんな。何着所持しているんだろ。というより、スカート履きながら寝ていると皺になりそう。俺は何の心配をしているんだ……。
別にどうせ教師は監視とかするわけないから、私服着ようが問題ないと思うぞ。しかし、普通の服を着ると、防弾性能やらが頭の片隅でチラチラと気になり始めることもある。武偵の性だろうか。それともこういうの俺だけかな。
「レキは風呂いつ入る?」
「食後にしようかと」
「そうか。今から何かする?」
「特に何も。強いて挙げるなら武器の手入れでも」
「だなぁ。俺もそのくらいしかすることないなぁ」
とはいうが、工具は東京に置いているので簡単な分解やクリーニング程度しかできない。普通に忘れてしまった。数日くらいならこれで充分だからまだマシか。
「……」
黙々と互いの武器の手入れをする俺とレキ。……これは果たして旅行先の正しい男女の姿なのか甚だ疑問である。もっとこう……何かないのか。っていうか、意識しているの俺だけみたいですね。とても恥ずかしくなってくる。ちょっくら罪悪感で居たたまれなくなるのでふて寝したい。
あ、もう終わった。簡単な整備しかしてないからそりゃすぐ終わるわな。
うん……暇だ。夕食もうちょい早く頼めばよかったか。
「八幡さん」
「ん?」
「……その、暇ですね」
「ドラグノフの整備終わった?」
「はい。それで、暇ですので、何かお話でも……」
「おう。しようしよう」
「では、そうですね。明日の予定はどう考えてますか?」
レキから何か雑談をしてくるとは珍しいこともあるもんだ。
「明日は神戸を見て廻りたいな。ここから京都駅まで移動してJRで三宮まで1本で行けるし」
「神戸ですか。どこか行きたい場所でも?」
「ああ。好きなゲームやアニメの聖地だからな。色々と見てみたい」
「八幡さんの部屋にあるパソコンのゲームですか、それは? 確か金髪の女性が大きくパッケージにいましたね。八幡さんの見ているアニメにも同様の女性がいたと記憶しています」
「……俺、部屋にレキを入れたことあったっけ?」
いつもリビングで話してたような。遠山がいるときもセーラが来たときも、特に部屋に入れたことはなかったはず。
「八幡さんの部屋くらいならいつでも入れますよ?」
何を当然なみたいな顔しないでください。首を傾げないで。ちょっと怖いです。普通に怖いです。めちゃくちゃ怖いです。
……そりゃレキなんて気配を好きなように消せる奴ならできるんだろうけど。そのスキル俺対しに使わないで。是非とももっと別の場面で有効活用してほしい。
「そ、そうか……」
普通に話していたはずなのに、レキの返答に思わず言葉を詰まらせる。
あ、神戸が聖地のゲームやアニメは知っている人なら何となく察せると思う。最終章早く公開されてほしいよね。公開時期がせっかくの桜が咲く季節だったのに。桜を見に行けるはずだったんだけどなぁ。まあ、しょうがないって言えばしょうがないけど。このご時世的に。
というより、今さらだけどなんで神戸が聖地なんだろう? 原作者とかの出身地だったりするのかな。未だに分からない。
そうのんびり話していると時刻は6時になっていた。女将さんが運んできてくれた食事は和風料理が中心で、中でも海鮮系の料理がとても美味しかったです。天ぷらも美味しかった。旅館の料理って普段食べるよりも特別感があってより美味しく感じる。
で、驚いたのがレキの食事の順番だ。バランスや口直しなど考えずに左から右へ、皿を1つずつ食べたら次への繰り返しだった。白米を食べ、天ぷら、海鮮やらと続き最後に漬物を食べるという。……もうちょい色々あるでしょと突っ込みたくなった。味噌汁は一気に飲み干すし、熱くないの?
ちょっと唖然としつつも特に問題なく夕食も食べ終わり、皿を下げてもらってから5分くらいが経つ。俺は風呂の準備のために着替えをまとめる。
「じゃ、俺先に風呂行ってくるわ」
「私も行きます」
「そう? なら一緒に行くか」
「はい」
レキもタオルやら持ったのを確かめてから移動を開始する。
「…………」
で、浴場に来たはいいが……その、男湯と女湯の区別ないんですけど。……マジで?
つまりこの旅館の風呂は混浴と? 確かにこの旅館は特別大きな旅館でもない。民宿だからそんなに規模は必要ないのかもしれない。あまり客が混まないかもしれないから、そこまでして2つに区切る必要もないのだろう。複数の男女の客がいれば、時間別で使用すればいいのかもしれない。経営には詳しくないので、分からないけど。
「だからって……」
最初に言ってほしかったな……。今日は普通に暑かったから風呂には入りたい。さっぱりと汗を流したい。
「よし、5分で入るからそこで待っといて」
さっさと入ってさっさとレキに順番変わろう。それが一番手っ取り早い。レキには悪いが、少しばかし待機してもらおう。
ほう、ここは入浴中に洗濯してくれるサービスもあるのか。明日の朝に渡してくれると。よしよし、カゴに着替え入れておこう。
タオルを持って扉を開ける。
お、いかにも温泉という感じの場所だ。岩やスノコとか植えられている竹とかとても温泉っぽい。いや、温泉なんだけど。
と、独りでくたらない問答をしつつかけ湯をしてから、ゆっくりと温泉に浸かる。
「ああ……気持ちいい」
めちゃくちゃ熱いわけでもなく、俺好みの温度の温泉だ。ちょっとのぼせたら半身浴に切り替えて外の空気で体冷やせばいいし、このくらいならずっと入っておけそうだ。日も落ちかけていて、夜風が涼しい。
飯も美味かったし、温泉もいい。また京都に行く機会があればここで泊まろう。というより、明日からどこに泊まろう。神戸で宿探すか? それともまたではなく明日も泊まるか? 神戸で観光してからとんぼ返りで京都に戻る? どうしようか迷うな。……行きあたりばったりすぎじゃないか。
まあ、何だかんだで1日歩いていたから、けっこう疲れが溜まっている。慣れない土地だったこともあるし、ここはゆっくりと休むか……じゃないわ。レキに早くあがるから待っておいてと言ってあるじゃないか。さっと体を洗うか。
と、立ち上がったろうとした瞬間――――
ガラガラ……。と扉の開く音が聞こえた。音の方向へと目を向ける。
女将さんか? ……違うな。俺が入る前に確か厨房にいたはず。特別な用事がない限りわざわざ来ないだろう。あったとしても、事前に済ませているはずだ。
つまり残る人物はただ1人。
ヒタヒタと湿っているスノコを踏む足音が聞こえる。湯気で隠れていた人物が少しずつ見えるようになる。水色の髪に、猫みたいな薄い黄色の瞳。全然焼けてない白くて綺麗な肌……。
間違いない。ラスボスの……降臨です。
たまにこの作品をちょっと読み返してみると、昔の文章とても下手だなと(今が上手とは言っていない)
そういや、この作品に関して書き方をちょくちょく変えているけど、どれが読みやすかったりするのか。今は「」同士はくっつけて、地の文は何となくでくっつけたり、行間空けたりしているけど。前まではけっこう行間空けてたいて、果たしてどちらが読みやすいのか
あ、ちょっと質問あるので活動報告見てください(4/22のやつ)
感想で答えると規約違反とかになるのでお気をつけて
感想もどしどしくださいな