東方重空光 〜 closs the Time axis   作:R-9/0

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 敵意



鳥と兜の相対速度

 目が覚めた私の目を光が刺し、反射で目を背ける

 うおっまぶしっ……木に青空? いつの間に外に……ヤバい、全く覚えてねぇ。

 

 立ち上がり、周りを見渡す

 周りには木が生い茂っていて、少なくとも今見えている木々は例外なく根本に何かしらの(キノコ)が生えている

 パッと見て人の手は加わっていない。森というより林って感じ。

 

 茸からは白い煙のような物が放出されていて、見ていて快いかと聞かれればノーと答えるね。

 あの煙、胞子なの? 煙の量が多過ぎるからか発煙筒みたいな感じになってるんだけど。

 発煙筒と違って空気に溶けるように消えてなかったら視界0だったなハハッ!(甲高い声)

 

 妙に冷静なのはこれが夢だからか? いや、楽観的過ぎるかな。これは現実だ。

 だが、頭が冷えているなら安全だと確信出来――

 

 

 目が覚めた私の目を光が刺し、反射で目を背ける

 うおっまぶしっ……木?

 

 おかしいな。地面が横にある。木が素早く上に動いて行って……揺れてる。

 背中の辺りに骨と、言うとすれば鱗のような感触を感じる

 すぐに誰かの左肩で 仰 向 け に 担がれている事に気付いた

 この姿勢が痛くないって可能性はロシアの金髪幼女も涙目の0だろうね。

 

 「痛い痛い痛い痛いいゥイ゛ェアアアア」

 「ちょっちょ暴れるなって!」

 主に背骨が歪むような感覚を覚えながら痛みを訴えると、私を背負っている“誰か”は器用に私を仰向けからうつ伏せに持ち変える

 “誰か”は走っており、何かから逃げるような挙動だ

 走る速度が常人離れしていて、その分揺れも強い

 あぁ、気を抜いたら舌を噛み切りそう。

 

 身長は目測で170cmぐらいか

 “誰か”の背中には青い翼のような物がついており、そこから鱗の感触を感じる

 サイズは折り畳まれているのか小さく、羽の持ち主であろう“誰か”の背中より小さい

 形だけならどことなくお前を殺す(I'll Kill You)が生存フラグになる人の愛機を思い出すよ。

 かなり小さい上に羽は鱗。飛ぶ事を目的にしているとは思えないなぁ。

 怖いなぁ……怖ぇよ。

 

 顔を上げると正面に、私を、というよりこの“誰か”を追ってきているだろう人が見える

 片側だけおさげにした金髪に、黒い三角帽。濃い青の服に水色のエプロン

 説明不要。……いや、要るか。穂先にミニ八卦炉を積み、速度を上げた箒に跨がった█████だ

 多分、いや確実に怒っているらしい。顔が少し歪んでいる

 誰に? 私は心当たりが何も無いぞ。

 もしかしなくても君が原因だろうね。

 

 「とりあえずどうして追われてるのか説明して下さいよぉ!」

 揺れが強く、大声を出さなければマトモに話せなさそうだ。

 あぁ喉が痛い喉が痛い。叫ぶのは嫌だな。

 とりあえず、ご冥福をお祈りします。

 

 「知らないよ! 近くにある赤い館、紅魔館って言うんだろ! そこのバケモノに食い殺されかけたんだ! それで、逃げ出したんだけど何を勘違いされたのか追われてんだよ!」

 ごめん、もしかしたら違うかもしれない。

 青黒は何を勘違いしたんだ?

 えっ? 白黒? ここにいるのは青黒です。いいね?

 

 ……ちょっと待てよ。

 紅魔館には定期的に人肉が運ばれてるハズだ。それともまだ生きている状態で運んでいるのか? 悪趣味な。

 時止めから逃げ切れるとは思えない。

 逃げ切るどころか無力化、それ以上の事も出来る程の実力者かもしれない。警戒しておこう。

 

 とりあえずこの担がれてる状態をなんとかしよう。

 もしここで降ろしてもらっても青黒に敵じゃないって思われるかどうかも分からないし。

 なら、逃げ切らせて色々と聞くか? だけどそれじゃ今度会った時に……

 

 ……決めた。両方を無力化して話し合いをさせよう。

 

 「私の指示に従ってくれませんか!」

 「指示によるね!」

 金髪の青黒がスカートの中からオプションを4つ取り出す

 そこから取り出すのかよ。

 

 「後ろに飛んで下さい!」

 「それは『一緒に死のう』って事か? お断りだ!」

 「違います!」

 オプションが狙いを付けたのか発光する

 

 「いいから飛んで!」

 「あーもうやりゃあいいんだろやれば!」

 急激に速度が殺され、減速度で後ろに飛びそうになった

 後ろに飛びそう、ってなんかシュール。シュールな場所だけどな。

 もうすぐで止まるか、といった辺りで“誰か”は思いっきり後ろへ飛ぶ

 

 それとほぼ同時にオプションからレーザーが発射され、1本が私の左肩に当たる

 頭が青黒の脇腹に当たり、お互いの機動が横に逸れる

 

 そして地面に衝突し、視界が暗転した

 ――失敗じゃねーか!




 _人人 人人_
 > 魔法の林 <
  ̄Y^Y^Y^Y ̄

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