適当に書いたもので短時間クオリティなので、
見たくない人は見ないで下さい。
「何を、言ってるんだ、当麻。それより―――」
当夜は、目をそらしつつ、そういった。
その不自然な間の取り方に、上条は突っ込む。
「シラを切ってんじゃねぇ! どうして魔法使いの真似事なんかしたんだって言ってんだ!」
上条は、怒鳴った。記憶を失っているとしても、上条にとって当夜は、父であった。
そう、どうしようもなく、父であったのだ。
そして、父だからこそ、その行いが許せなかった。
「あんな方法で願いを叶えようとは……馬鹿なことだとは、私自身も思っていたのだがな」
静かに当夜は語り出した。
「なあ、当麻。お前は幼稚園を卒業するとすぐに、学園都市に送られてしまったから覚えていないのかもしれないが……お前がこちらにいた頃。周りの人達から何と呼ばれていたかを、覚えているかい?」
「……、?」
上条はわからなかった。
なぜそんな話をするかということが。
上条はわからなかった。
7月28日以前の記憶をうしなっていたから。
上条はわからなかった。
父が魔術を使ったその理由が。
その答えはすぐに当夜から話された。
「『疫病神』、さ」
そう言った。
言い切った。
それに繋げて言った。
「分かるかい、当麻。お前は確かに生まれ持ち『不幸』な人間だった。だから、そんな呼び方をされたんだろう。しかし、それは子供たちの遊びの延長のような、怖い話を聞くときのような好奇心では終わらなかった。大の大人までもが、そんな名でお前を呼んだんだっ! お前はただ『不幸』だからというだけで、そんな名で呼ばれていた! さらに、その範囲にもとどまらなかった! お前が『不幸』をもたらすという考えに縛られた大人がある日、当麻を襲ったんだ!」
当夜の、半ば叫びだった。
「あの事件で決心を固めた。オカルトなんか信じる人のいない、科学の街に当麻を送ろうと。その街でなら、当麻も襲われることなく暮らせるはずだと。だが、常識など通じず、科学の最先端手法も効果はなし。だから、私はオカルトに手を染める事にした。当麻を『不幸』から救い出したかった」
そう語った。
「私は、お前の不幸を完全に取り除きたかった。『不幸』とは無縁の、人並みの『幸運』がある生活を送って欲しかった」
そう、当夜が上条にとってどうしようもなく父親であったように、
上条当麻は当夜にとってどうしようもなく息子であった、それだけの話だった。
上条が当夜を許せなかったように、
当夜は不幸を許せなかったのだ。
「だから私は、オカルトに頼る事にしたんだ」
こうして、父の話は終わった。
だけど……。
上条は当夜の気持ちも分かったけれど、
「……馬鹿野郎」
「あぁそうだ。確かに俺は『不幸』だったよ、この夏休みだけで何度も死に掛けたし、おまけに右腕まで一度は切断されたよ!」
㷔剣に襲われ、錬金術師と対峙し、学園都市最強まで相手にした。
それはとても大変で、大変で……
でも、
「それで俺が、一度でも『後悔』してるなんて言ったかよ!」
ーーだからこそ、どうしても、当夜が許せなかった。
「……当麻?」
何を、言っているのか、当夜にはわからなかった。
「確かに俺は『不幸』だよ。だけど、そのおかげで、この『不幸』のおかげで出会うことができた人だっている。どれだけ俺が『不幸』だとしても、その人たちと出会うことができたことは間違いなく『幸運』なんだ!!」
これが、上条の答えだった。
これだけは、間違いなんかではなかった。
決して、いろんな人に会えたことは、決して間違いなんかでは。
なかったのだ。
そんな、そんな、そんな、そんな上条の告白に、当夜は、決定的な、一言を放った。
「……お前、幸せだったのか、最初から……はは、馬鹿だな私は……あんな意味も無い『お土産』ばかり集めて」
『意味のないお土産』……。
その言葉が、上条に衝撃を与えた。
「ああ。全く、馬鹿な父親だろ。あんな何の効果も無いオカルトグッズで息子の不幸を取り除けると、確かに心から信じてた訳じゃなかったが、それでも買い集めていたのだから」
今まで上条はあのお土産は当夜が術式のために集めたものだと思っていた。
だが、勘違いしていた。
いま、意味のないお土産、と当夜は言った。
それは、意図して集めたものでないということを意味する。
「おい、これって――」
そして降ってきた殺気。
唐突もなく、それは膨れ上がった。
◼︎◼︎
殺気の方向を、
そちらの方向を、上条当麻は隠れていた衛宮士郎は向く。
そこにいたのは。
ミーシャ=クロイツェフ。
天使の、少女だった。
「ッ……ま、待てミーシャ! 何かがおかしい。父さんは犯人じゃっ!?」
上条はそういったがミーシャは、聞こうともしない。
その時、衛宮士郎は何だか以前のことを思い出した。
感じられるのは、流れだった。
英雄の持つ濃密な魔力のような、莫大な。
おそらくこれがーー天使の力。テレズマ、と呼ばれるもの。
「忘れたのですか。なぜこの術式が
「ちょ、まて、なんだってんだ?」
「ロシア正教に問い合わせたところ、確認できたのはサーシャ=クロイツェフ。ミーシャ=クロイツェフという魔術師はいないそうです。そもそも名前とは、彼らにとっては神によってつくられた目的そのもの。簡単に交換できるはずがありません」
つまるところ、ミーシャの精神は、天使だったのだ。
それに上条が気付いた時、夕焼け空が暗くなり、月が青く光った。
天体制御。
……本当に、すごいものだった。たぶん、彼女の鞘に匹敵するほどの。
「自身の属性強化のためですか……!」
神裂は、呟いた。
ミーシャの背中から水翼が生える。
「水の象徴にして青を司り、月の守護者にして後方を加護する者。その名は……」
神の力……ガブリエル。
それがミーシャの精神に宿った天使の名前だった。
大天使はその手に持ったバールを頭上へと持ち上げた。するとその直後、頭上で青く輝く月を中心に、魔方陣を形成していく。
三十分程度であの術式が発動する、らしい。
それに対して神裂火織は。
己の身と心と魂に刻みつけた、もう1つの名、魔法名を唱えた。
「―――『
そして、神崎が突撃しようとした時、
ーー青い閃光が天使に突き刺さった。
「……っ。何を?」
神裂にはよく分からなかった。
「何って援護だよ。これくらいいだろ?」
「貴方は……っ! 相手は天使です。大人しく聖人の私に任せてください!」
「いや、そんなこと言ったって……」
「引っ込んでろ、このど素人がッ!!!」
神裂はこう言った。
それに衛宮士郎はこう答えた。
「引っ込んでなんかいられないさ。だって、ここで天使に立ち向かうという行為に間違いなんてあるはずもないんだからな」
「……ですが、」
「俺はやるぞ」
「私くらいしかコレには対処できないのです。だから大人しく……」
そのように神裂はいう。
天使とは上位の存在。
故に、人間の上位の存在である、聖人くらいしか届かないのだ。
だが、衛宮士郎は頑として聞き入れなかった。
「いや、そんなことないと思うぞ、俺の効いてるみたいだし?」
「そんな馬鹿な……」
驚く神裂。本来、天使に人間の魔術師程度の力ではホコリすらつけられない。
しかし、実際に羽根の何本かは消えていたし、動きも鈍くなっていた。
ーー『宝具』。
これが、英雄の持っていた武器の宝の一端であった。
ここに、天使との戦闘は開始された。
天使が一筋の光を撃ってきたのだ。
イヤー、マシュの見ました?
星4ですよ、星4。
あのステでコスト0とか神じゃないですか……。
聖杯11個、使い道に悩みますなぁ。
次回こそ、本当の戦いです。お楽しみに。
感想とか、お願いします。挿絵はやめたほうがいいとか…。
(感想欄ネタバレ多し、気をつけて。)