Fate/SAKURA   作:アマデス

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欲望のコントロールが全く以て利かないので、もう開き直ってR-17.9くらいの作品を目指していく事にしました()

今更かもしれませんが、間桐桜という娘を中心として物語を執筆する以上、こういう穢いというか生々しい描写も確りやっていかねばと思い、冒頭は省略しませんでした。
蛇足くさいですがどうかよろしくお願い致します。



それはそれとして。
間桐桜さん誕生日おめでとうございます。


21話 エッチな回 前半

 ズルズル、グチュリ、ツプン、グヌヌ。

 

 芋虫の様な、蚯蚓(みみず)の様な、蛭の様な───でも間違い無く自然界に存在する普通のそれ等とは異なる異様で不気味な蟲達が、数多の拘束具で縛められた美女の肢体を這い回っている。

 蚯蚓(みみず)の如く体の太さ細さを変化させる事で前進する蠕動運動(ぜんどううんどう)、催淫効果を有する粘液を纏ったそれが服の内側に入り込み、肉の伸縮音と粘性の水音の相乗効果で素肌と鼓膜を犯していく。

 最初こそ恐怖と不快感しか感じないが、ものの数分も経てば体液の効果で体が疼き始め、数十近いそれが全身を同時に這い回る濡れた刺激、時折素肌に牙を突き立てられ魔力を吸われる尖った刺激で、どんどん肉体と脳が興奮し麻痺し融けていく。

 

 ────(かつ)て、まだ欠片も性に目覚めていなかった幼い私に容赦無く襲い掛かったそれに、かなり近いモノ。

 それをライダーに味わわせていた。

 

 

「……~~~ぉ、うう、あ゛っ   ぐう、ぅ、やあああっ、 んん、も、や、ふぁぁぁっ」

 

 悲鳴とも喘ぎ声ともつかない、意味の無い言葉をライダーは垂れ流し続けている、その顔は既に真っ赤に火照り切っていた。

 魔術による束縛で体は微動だに出来ていないが、もし五体が自由なら全身を躍動させて身悶えながら自慰行為に走りかねない程に、興奮し切った状態。

 眼帯の下の顔はどうなっているのだろう、邪魔なそれを乱暴に剥ぎ取って隠されたものを、淫靡に蕩け切っているだろう(まなこ)を脳裏に焼き付けて味わいたい─────そんな発情した猿の如き下衆な思考を取っ払って使い魔達に指示を出す。

 もう充分だ、頃合いでしょう。

 

 

「そろそろですね…はい、終わり」

 

 手を一回合わせてパンッと音を鳴らす、それだけで刻淫蟲達がライダーから離れて私の下へ戻って来た。

 魔力パスを通じて指示を出すのが一番手っ取り早くて確実なので別にこういうアクションを入れる必要は無いのですが、まぁ何と無くです、使い魔達の反応がちゃんと正常か試したかったというところ。

 

 ライダーへの尋問と私刑、合わせて約一時間、気付けば結構な時間が経っていた。

 もうそろそろキャスターさんの作業、結界構築とセイバーさんの治療、両方共に終わっている筈だ。

 次はそれぞれ二組に分かれての魔力供給、先輩達は兎も角姉さんの方は私が出向かなければ始まらない、もたもたせずに早く出向かなければ。

 

「ん、はぁ…はあぁぁ…んんう゛っ」

 

 ─────………早く、行かなきゃいけないのですけどぉ…。

 

 どうにも、今のライダーをこのまま放置しておく事に罪悪感を覚えると云うか何と云うか…端的に言って可哀想だった。

 いやこんな風にした張本人は私なんですけど。

 

 既に蟲達は離れたが先程味わった快感が直ぐに消えて無くなる訳ではない。

 数十分にも及ぶ責めと体液の効果ですっかり敏感になってしまった全身の神経、どっぷりねっぷりと浸かり蓄積されたそれは簡単には治まらない、他ならぬ私が経験したものなのだ、良く解っています。

 

 一応、素肌に纏わり付かせ、這い回らせ、甘噛させるだけに留めて、肉を喰い破らせたりナカに入らせたりといった過度な苦痛や屈辱は与えないヤリ方にしたのですが…それでも、これは、ちょっと…やり過ぎた、かな?

 いや、寧ろ逆に(優し)過ぎた?

 いやまあ比較対象が幼い頃の私が体験した()()という時点で何か基準が間違っている感はあるけれど……もっと思いっきり責めて、とことんイク所までイカせてあげてた方がスッキリして良かったの…かも?

 これでは生殺しもいいところだ…ほんと、ちょっと、あかん、さっき迄の私テンションがおかしかったわ、殺生な事してもうた。

 

 いや、でも、うん、しょうがない。

 

 だってこれはお仕置きだもの、相手が嫌がる事じゃないとお仕置きにならないし、ここで甘い顔してシちゃったら寧ろ御褒美になっちゃうし。

 心を鬼にして放置プレイへ移行する事を決意した私は、姉さんの所へ行く前に魔力供給の()()を始める。

 

 

 私と私の使い魔達は全員魔力ラインで繋がっている為、自由自在に魔力の受け渡しが出来る。

 無論蟲一匹が保有出来る魔力量の限界や物理的な距離等の問題があるので融通が利かない部分もあるにはありますが。

 

 私は先程までライダーにけしかけていた刻淫蟲数十匹の内の一匹だけをそのまま足下に残し、他全員を影の中(虚数空間)に帰した。

 残った一匹は他数十匹からラインを通して受け取った魔力でその身をぷっくりと膨れ上がらせている。

 

 その姿形は正しく男性のモノ。

 うわーぶっといぶっとい。

 

 全く、お爺様はほんととんでもない変態(ひと)です、趣味が悪過ぎる。

 その趣味の悪い使い魔をほぼそのまま受け継いで使役している私も大概なのだけれど。

 私はその一匹を掌の上に乗せる。

 

 

「あむ、ん」

 

 

 ────そしてそのまま口に咥えた。

 

「ふむ、ぐ」

 

 半身を咥え込まれた蟲はピチピチビチビチと激しくその身を振るってより奥に己を捩じ込もうと暴れ回る…ウチの使い魔達は相も変わらず堪え性が無くて困る。

 のた打ち回るその身が私の口内中の粘膜に擦り付けられ、舌に絡み付き、催淫効果の粘液が唾液と混ざって喉を下っていく。

 一分程後、一際大きくその身を震わせた蟲は口に当たる部分から勢い良く体液を噴き出させた。

 

「っ、ぉ………く、けへ、けほ」

 

 既にその身の殆どを口中に押し込めていた蟲はほぼ直接と言っていいくらいダイレクトに体液を喉に流し込んでいく。

 ビュービュービュクビュクと遠慮無しに、最早ゲル状に近いドロッドロのそれが喉を通って私の中に注ぎ込まれていく感覚。

 

 熱い。

 濃い。

 

 ライダー本人のものは勿論、キャスターさん、セイバーさん、先輩───姉さん。

 複数の、親しい人達の魔力が混ざり合ったそれは凄まじく濃密で濃厚で、私に取ってこの上無くまろやかで甘露だった。

 

 30秒以上、通常の性交のそれよりよっぽど長い時間を懸けて体液を吐き出し終えた蟲をべえっ、と掌の上に吐き戻す。

 ヌラヌラテカテカと濡れたそれは頭を(もた)げて此方に向ける、それがまるで胸を張っている様に見えて。

 どうだ凄いだろう、良い仕事しただろう、御主人の役に立てたか、御主人褒めてくれ───そう言っている様に見えるのはきっと私だけなんだろうな。

 苦笑しながら蟲の頭を一撫でして影の上に置き虚数空間に戻した。

 

 ほぅ、と息を吐く。

 顔が熱っぽい、体が火照ってきている。

 腹部からドクドク、ズクズクとした高揚感が全身に浸透し脳を茹で上がらせている様な。

 

 私は今、発情している。

 

 『魔力』は『原初の生命力』とも言われています。

 自然界(外界)に満ちる星の息吹たる大源(マナ)体内(内界)で生成される精気である小源(オド)、それぞれ発生源も絶対量も違いますが生命そのものであるという一点により殆んど性質に差は無いとされています。

 そして生命とは脈々と受け継がれる誕生(創造)、私達人間が子孫を産み増やす為には性行為が必要不可欠、故に魔力は性的興奮で高まるのです。

 私が使い魔達からライン越しで魔力を受け取らず態々一匹残して体液を啜ったのはこれが理由。

 既に何度か述べましたが刻淫蟲の粘液、体液には催淫効果がある、集めた魔力ごとそれを摂取すれば肉体を昂らせてより魔力を高める事が出来る訳です。

 要は姉さんへ万全な魔力供給を行う為のオプションと云ったところだ。

 なんせ今は戦争中、ゆっくり休めれば御の字ですが先のライダーの暴走みたく事態が急変する可能性は幾らでも存在する、少しでも回復が早まるに越した事は無い。

 

 そんな感じで自身を仕上げた私は土蔵から出る為扉を───

 

「サクラ…っ!」

 

 ───開こうとしてライダーに呼び止められた。

 

「サクラっ、ま、って…待ってぇ……!」

「何?ライダー」

 

 興奮し切った様子のライダーに白々しく疑問系で応じてみたが、そんな私の言葉には取り合わず只々彼女は懇願してくる。

 

「お願い、待って……我慢出来ない…体が、疼いて…私、止まらないんです…っ!!」

 

 身動きが一切取れない彼女は自分を慰める手段が何も無い、濡れた艶の息を何度も激しく吐き出しながらライダーは切に求めてくる。

 

 要求内容は実にシンプルで明白だ。

 でも残念、駄目よライダー。

 貴女へ与える罰の内容はもう決めてしまったの。

 先輩や姉さん達の殺害未遂、朝から夜まで隙を見付けては行われた私へのSMプレイもといペッティングもといセクハラ…数多の罪状が挙がっているんです、あれだけの事をしでかしてこの程度で済ませてあげてるんだ、寧ろ感謝して欲しいくらい、慈悲はありませんよ。

 

「もう、駄目っ…いや、私っ、いやっ…!…助けて…!助け……う゛、ううぅぅうんんんっ!!もう、や、ああああっ!!!」

 

 普段の低く落ち着いた声とは真逆の、熱を孕んで跳ねた甘い喘ぎ。

 喋れば喋る程、気を逸らそうとすればする程、余計に昂って仕方無いのでしょう、お腹の底から絞り出した怒声に近い唸り。

 …あれ?これなんか、本当に不味い?

 

 

「ふぅー、ふー、ぐ、うう、うううっ……!!」

「え、あっ、ちょ!?」

 

 キャパが限界を超えてしまったらしい、ポロポロと眼帯の下から雫を溢して…いけない!泣かせちゃった!

 

「ご、ごめん!!ごめんねライダー!!あ、や、やり過ぎたよね!ああもうごめん、ほんと、酷い事してごめんなさい」

 

 駄目だ。

 こういうのは駄目だ!!

 私は只ライダーに反省して貰いたいのであって無駄に痛め付けたり苦しんだりして欲しい訳じゃないのに!しまった完全に加減を間違えた!

 うわああ、やっぱりライダーの言う通りだったんだ、幼少期の私が耐えられたんだから英霊のライダーにはこれくらい軽いと、基準値を甘く見積もり過ぎていた。

 何やってるのよ私、自分の精神の在り方が常人とはまるで違うって、ぶっとびクレイジーサイコガールだって何年も前に自覚出来てた筈でしょうが!!

 

 ああ~ごめん、ごめんねライダー、本当にごめんなさい!お願いそれ以上泣かないで~!

 

「な、泣かないでライダー。ほ、ほら、よ~しよ~し」

「っ!!!んひ、ゃ」

「あ、わ、ちょ、ごめんんんっ!!」

 

 子供をあやす様に軽く頭を胸に抱き寄せて撫でてみたが普通に逆効果だった、身体中が敏感になっているのに不用意に触ったらいけないなんて誰でも分かるのに、もう!私ってばほんとに鈍臭いんだから馬鹿!

 ビクリと肌を跳ね震わせて悲鳴を上げたライダーは、徐に顔を此方に向ける。

 

 

「ご、ぇんぁさ、ぃ……ザ、グラ゛………もう、もう反省しましたから…あんなごどじま゛ぜんから……お願い、お願い…助けて…」

 

 嗚咽交じりで途切れ途切れに、所々濁音の付いたお手本の様な泣き言。

 本来幼い子供が引き起こす心の暴発…それを、ライダーの様な長身でスタイル抜群な絶世の美女が行っている…。

 

 私の、目の前で、無防備に。

 

 

 その有り様の、何と背徳的で倒錯的な事か。

 

 

 

 ─────ああもうっ、馬鹿っ、ほんっと馬鹿っ!!!

 何を欲情しているのよ大切な人が目の前で苦しんでる様を見てっ!!

 

 刻淫蟲の体液を飲んだのは失敗だったかもしれない、頭と五体の茹だりが治まらず冷静な判断を下す事が不可能に近い、これじゃ不味いよ。

 再び心を通わせ合い、共に戦っていこうと誓った、大切なパートナー、しかも同性である人を…っ…()()()()対象として見ている自分に、心底反吐が出る。

 

 ああ、卑しいなぁ。

 

 ライダーは私の本質を善性だと言ってくれたが、それは間違いだ。

 こういう女なんだ自分は。

 心は狭く小さい癖に見た目だけ醜く肥え太った卑怯で下劣で愚図で馬鹿で……他人に寄生する事しか能が無い蟲。

 

 いいでしょう、だったらそんな卑しい身でもやれる事をしようじゃないか。

 苦しむパートナーに、今私がしてあげられる事を。

 

 

「ライダー」

 

 

 名前を囁きながら片手を肩に、もう一方を顎に添えて前に乗り出す。

 またもライダーの肌がビクリと波打った、こういう反応は生娘みたいというか純粋で可愛いのになぁもう。

 顔を近付けながら考える、そういえば私処女はとっくの昔に無くしてるけど、ファーストキスはまだだったな。

 もし叶うなら、心の初めてはあの人に……そう思っていなかった訳ではないけど…この際、構わない。

 うん、相手がライダーなら悔いなんて無い、寧ろ光栄に思うくらいだ。

 さあ、何時までも待たせていては気の毒だ、私なんかでライダーが満足してくれるかは自信無いけれど、精一杯の(真心)を込めて───。

 

 

 

 

 

               ニヤ

 

 

 

 

 

(       ───── っ)

 

 

 ───う、ん?

 

 なんだか、今、おかし、ぃ、ん?

 あれ?うん、うん?

 待てよ…おい、あれ、これ、それ、どれ?

 うん?ちょ、ちょっと、これ、うん?

 この一連の流れ、おかしくなかった…?…いや流れ方自体は不自然じゃないけど…流された場所が、なんか…。

 例えるなら自然に出来た川じゃなくて舗装された用水路的な───。

 

 

 

(───────っ!!!)

 

 ティコンッ!!(バーローのあのSE)

 

 

 

「………ライダー」

「あ゛…さくら」

「もう、いいわよ、そんな必死に媚びなくても」

「ぁ、は…さくら、さくらぁぁ…!」

「───感度3000倍にするわよ」

「申し訳ありませんでした」

 

 

 キリッと一転、一瞬前までの幼気(いたいけ)さをまるで初めから無かったかの様に消し去ってライダーは即座に謝罪してきた。

 

 やった、やってくれやがったわねこんの(あま)!!

 

「なんって演技してくれるのよこの色ボケ!!」

「おや、酷い言い種ですね。ふふふ、乗りかけた貴女も同罪でしょうに」

「そんな訳ないでしょ!」

 

 つまりはそういう事だ。

 このままでは放置されると勘付いたのだろう、弱々しく助けを乞う演技で私をその気にさせたんだ。

 せめてこの荒ぶる欲求を解消しようと、あわよくば拘束を解いて貰って逆襲しようと(※性的に)してたわねちょっと!

 いや顔の赤みも発汗も凄いからマジで欲情はしてるんだろうけど割とまだ余裕あるでしょこれ!

 

 くっそぉー!確かに私は甘かった!ベクトルは全く以て逆方向だけど!

 確かに私はまだライダーの事を十全に理解したとは言い難い、言い難いけど!朝から晩まで今日一日懸けてある一点については重々承知した筈でしょうが!

 メドゥーサはバイでエッチで意地悪だって!

 

「く、くぉんの…っ!こんな、人の良心に突け込む様な誘い方して!恥ずかしくないの!?全然反省してないじゃない!」

 

 何か綺麗なブーメランが飛んでいく幻覚が見えた。

 

「今更何を言っているのですかサクラ。私は反英雄ですよ、性根の悪さには定評があります。世界に在り方を定められた英霊に対して反省を促す等ナンセンスというものですしおすし」

 

 わ…悪怯(わるび)れもしない…だと!?

 クールに唇を歪めて逆に此方を窘めてきたライダーに私は戦慄する。

 

「それにしてもサクラ、朝も言いましたが貴女は本当に感受性が強いですね。吸収(間桐)虚数(貴女)の性質が合わさった結果なのか、それとも元々周囲の機微に対して敏感なのかは知る由も無いですが」

「……ライダー、貴女まさか」

「しかしそれと同時に強靱に過ぎる精神力…まあ今回はこの拘束に依る所が大きいのでしょうね。本当に厄介な束縛、宝具の効果すらここまで抑え込むとは。淫夢に堕とすどころか精神誘導も儘なりませんでしたよ」

「何そんなしょーもない事に英雄の象徴使ってるの!?」

 

 まさか眼帯(宝具)まで使って私の精神に干渉していたとは!確かに途中で妙に思考が飛躍した気がしたけど…これのせいかよ!

 

「え、エッチに関してどれだけ本気なんですか!全く…!んもう!ライダーのすけべ!変態!エロ魔神!英霊からサキュバスに転職したらどうなんですか!」

「失礼ですね、こんな風になってしまっているのは貴女の執拗な()()のせいなんですよ」

「う…」

 

 はぁ…と頬を紅潮させながら熱く濡れた吐息を漏らすライダーの言葉に、私は思わず口籠(くちごも)ってしまう。

 ぬぐぐ、分かっていても淫液で昂った本能が()()かれる、本当にメドゥーサは色っぽい。

 意識して何とか生唾を飲み込むのは我慢する、そうですよ元はと言えば事の発端はライダーでしょうが!

 

「そ、そもそも原因の原因は貴女じゃない!自業自得です!」

「それを言われると弱いですが…一応、辛いのは本当なのですよ?人は相手に何かを伝える時大なり小なり言葉や仕種を()()でしょう?それと同じです。確かに若干演技はしましたが……っ、体が疼いて仕方無いのは、事実です…」

 

 肉欲を抑えながら言葉を紡ぐライダー。

 ああ、さっきのブーメランの正体はこれだったんですね、綺麗に頭にぶっ刺さりました。

 

「…反省しない人に施す慈悲はありません」

「…御尤(ごもっと)も、御尤もなのですが…やはり私は貴女も悪いと思うのですよサクラ」

「な、何で」

「だってほら…目の前であんな凶悪なモノを咥え込んで、微かな嘔吐(えず)きと共に目尻を潤ませ、徐々に頬を紅潮させながら出されたものを飲み下す…私等よりサクラの方がよっぽどエッチでしたよ」

「ぇ、ん、な」

 

 先程の刻淫蟲を使った作業を客観的に実況されて怯んでしまう。

 や…ばい、恥ずかしい…!ライダーの意識が朦朧としてる隙にと思ってやったのにバッチリ見られてた!

 

「私にとっては、この上無い高級食材と一流シェフによって料理された好物を丸一日断食した状態でおあずけされたのと同義なのですよ。そんな事をされたら幾ら相手にそういう意図や悪意が無かろうと文句の一つや二つ言いたくなるものでしょう?」

「そ…そう言われると、確かに申し訳無くなってくるけど…やっぱり大元はライダーなんだから!謝りもしないし慰めてもあげない!」

 

 ぷんっ、と腕を組んでそっぽを向く。

 ライダーめ、あの手この手の話術でこっちの心に入り込もうとして!

 そもそも何で私はこんな律儀にライダーに付き合ってうだうだだらだら会話を長引かせているんだろう。

 もうっ、姉さん達が待ってるんだ、もう行こう、どうせライダーは動けない、このまま放置してさっさと土蔵から出れば───

 

 

 

「   サクラ   」

 

 

 

 ───力の籠った言霊。

 反射的にライダーを見てしまう、言の葉に伸し掛かられ、足が止められる。

 それ程迄に、濃縮された、『愛』────。

 

 

「あれだけお互いに本音を曝け出して語り合ったのです……良い機会ですし、これも告白してしまいましょう」

「ライ、ダー?」

「サクラ」

 

 

 悪戯心(いたずらごころ)と喜色を滲ませて口を動かすライダー。

 

 え…え…まさか、うそ───

 

 

「私は貴女が好きです」

「   」

 

 

 

 

 ──────────────言われて、しまった…。

 

 嘘、という驚愕と。

 何故、という猜疑心と。

 やだ、という羞恥心と。

 

 ─────嬉しさと。

 

 

「って私は同性愛者じゃありませんからーーーーーーっ!!!!」

 

 一瞬心を(よぎ)った感情(好意)を掻き消す様に大声で叫ぶ。

 い、いや、ちがっ、いやでもまるっきり違うっていうんじゃなくて、あの、そりゃライダーの事は大切ですし、す、好きですし、気持ちは嬉しいっていうか、満更でも、ない………って、思っちゃってるけど。

 わ、私には心に決めた先輩(ひと)が。

 

 

「念押しとして、もう一度……サクラ、私は貴女が好きです」

「ぁ、ぅ」

「愛しています。異性ではなく同性ですが…性愛の対象として、貴女に恋をしています」

「……ライダー」

 

 先程迄の淫靡さや性悪さを全部引っ込めて、ライダーは真摯にその心を送ってくれた。

 

「………う、嘘じゃないのね?」

「勿論」

 

 好意の告白に対する二言目がこれ。

 ああもう、私本当に鈍臭いな、もっと他に何かあるでしょ。

 そんな風に内心余裕が無くなりつつある私を置いてライダーは再び言葉を紡ぎ始める。

 

「嘘等ではありません。だからこそ、私はああしたのですよ。貴女には幸せになって欲しかった…魔術等と云った要らぬ不幸の芽を全て潰して。ですが聖杯戦争中、精々が二週間程しか現世に居られない私では貴女の生涯(全て)を護り切る事等到底出来ませんから。だから、せめてもの()()()()になればと…貴女が真っ当な道に辿り着く迄の時間稼ぎになれればと思いました」

「……」

 

 返しが、出来ない。

 お礼の言葉や、告白への返事も出てこない。

 こんなに、愛して貰えているのに。

 

「…好きになってくれた、理由は?」

「ふむ、そうですね。結構一目惚れに近かったと思います」

 

 

 ひ、一目惚れ、って……な、何でそんな、私なんか。

 

「召喚されて一目見た時…まあ目隠しをしているので視覚以外の五感で()()のですが、その時点でポイントは高かったですね。麗しい眉目、艶やかな唇、()き流れる葵の黒髪…そして何より、何よりっ、その素晴らしく官能的で抜群なスタイルっ」

「そんな力強く言わないでよ!」

 

 要するに見た目か、まあ第一印象は大事だからそこを否定する気は無いけど、何だかなぁ。

 ────ただ私の髪の色を()に例えてくれたのは嬉しい。

 

「まあそんな感じで()()()()()な少女だと思いまして…続く会話を終えてもう決めてましたね、この娘は絶対()()と」

「何のカミングアウトをしてるの…」

 

 声が自然と震える。

 改めて戦慄する。

 え、じゃあ何?私召喚直後からもう既にロックオンされてたって事?この反英雄に?両刀の色情魔に?

 あ、朝のじゃれ合いとか、滅茶苦茶危険な橋渡ってたんじゃない私!

 

「だってそうでしょう…?外見が好みにドストライクなだけでなく、使い魔(サーヴァント)に過ぎない私に対し丁寧で誠実な心優しい在り方、魔術の腕も上々で確りと的確なサポートを送ってくれる理想のマスター像…貴女の召喚に応じて心底当たりだと思いました」

「…買い被り過ぎ、だよ。私、まだまだ未熟者だし…」

「その未熟さがまた良いのです。謙虚で初々しい言動、清楚な面持ち……こんなの絶対処女だと思うじゃないですか。この無垢な花を手ずから手折(たお)り、思うまま蜜を啜り、より好みで美しい姿に()ける……ええ、想像しただけでご飯十杯はいけましたとも」

「ア、ハイ」

 

 

 ライダーの評価が嬉しい反面、本格的に恐怖を感じた、どんだけですかこの蛇。

 そもそも私処女じゃないし…何だか申し訳無い気が───いや申し訳無いってなんですか私、性犯罪者に対して罪悪感抱く必要皆無でしょ。

 

 

「あ、処女でないと知っても気持ちは微塵も揺れなかったのでそこはご安心を」

「いや只々反応に困るんだけど」

「ふふ…だからこそと云うべきか、それにしてもと云うべきか、先程は本当に惜しかった。あと一歩で貴女を味わえたというのに…ねぇ?」

 

 

 より低い声で唸る様に、蛇蝎の如く邪淫の気を乗せてそう言ったライダー。

 くちゅりと音を立てて自らの唇を一舐めするその様が此方の怖気と情欲を誘う。

 

 ほん…っと、何度でも思う。

 ライダーはエッチ過ぎる。

 メドゥーサという名前は『支配する女』を意味するらしいですが、これは成る程と納得するしかない。

 仮に私が男だったら欲望のままに令呪で従わせてその身を差し出させていたんじゃないかと思うくらいには強烈で…────そして既に、自分が男じゃないという事実を僅かながら残念に思い始めちゃう程にはやられていた。

 

「っ…ライダー、また宝具使ってない?」

「さあ?どうでしょう?」

 

 愉快気にニヤニヤ笑いながら惚けてみせるライダー…これは多分、使ってない。

 となると、ライダーの自前の魅力と飲んだ淫液のせいか、あーちくしょ、(つくづく)タイミングをミスったと後悔する。

 先程から疼きが加速度的に増してきている、ライダーの姿を視界に収めているだけで、ライダーの声を鼓膜で受け止めるだけで、どんどん興奮してきている本能()が居る。

 

「おや、息が荒いですよサクラ」

「…ぁ、あのねぇ」

「ふむ、頬も随分と紅くなっていますね。そんな格好で居るから、風邪でも引いたのでは?」

「解ってて言ってるでしょちょっと…!」

「はて、何の事やら。しかしこれはいけませんね、マスターが目の前で体調を崩しているのに、こんな格好では看病も満足に行えません」

「っ……!!」

「拘束、解いていただけませんか」

 

 

 理性が、融ける…!!

 

 くそぅ、いけしゃあしゃあと…!ライダーめ、こうなる事を見越して態と話を長引かせたわね!

 身動き一つ取れない相手に、口先一つでここまで翻弄されるなんて、悔し過ぎる…!

 

「サーヴァントはあらゆる面に於いて最高位の使い魔、それを身を以て証明しましょう。あの様な蟲等より、よっぽど貴女(マスター)を満足させてさしあげられると思うのですが…」

 

 両腕で体を掻き抱く。

 ヤバ。

 ライダー、それ以上駄目───

 

 

「如何です?───────(いか)されてみませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

   ────── 限   っ 界 !!!!!

 

 

 ぶわりと私の足下の影が広がる。

 

「   へ?」

 

 そこからわさーっと這い出て来るのは刻淫蟲、およそ1000匹。

 

「ぅ えっ!?」

 

 先程の約20倍の数のそれ等がライダーに殺到し纏わり付いていった。

 

「おわあぎゃちょ  んにぎょわっはああああああああああああああっ!!!!」

 

 何等かの制止の言葉を発しようとして失敗したのだろう、呂律が先走って転んで縺れたライダーに一切配慮せず私は背を向けて土蔵の出口を目指す。

 

「ちょ、お────さ、さくらああああああっ!!何でこんな突然のご乱心!?」

「うるさいっ!!もう、何か色々、無理っ!限界なの!!いきなり告白されて体が疼いて満更でもなくて!!」

 

 喋りながら扉に手を掛けて開ける。

 もう無理無理っ、爆発しそう、心身共に切なさが溢れそうでとっくにキャパオーバーだ。

 

「ライダーが悪いんだからね!恨むなら省みなかった自分自身の色狂いな性根を恨みなさいっ!」

「あのっあれっ、サクラ!私ポジションにはそこまで拘りありませんからっ!本命はシロウで私は愛人という感じで───ハーレムっていいですよね!」

「そのハーレム何時の間にかライダーが中心になってそうで恐いから却下!!」

「あーーーっ!すみませんすみませんって!ちょおおっ!?まさかこれこのまま放置───」

 

 

 ライダーの声はそこで途絶えた。

 閉じた扉に(もた)れ掛かってズルズルと座り込む。

 刺す様な冬の冷たい空気も焼け石に水だ。

 

 熱い、切ない、切ないよ、ライダーのせいだ、ライダーの馬鹿。

 両手で自らを弄り慰める。

 今このままの状態で姉さんや先輩に会ったら問答無用で襲い掛かってしまう可能性大だ、何とか最低限の理性を取り戻せるまで鎮める作業に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          ∵∵∵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────少し時間を遡って、衛宮邸の一室。

 

 

 今、俺の目の前でキャスターによるセイバーの治療が行われていた。

 両目を閉じて正座しているセイバーに、()色の燐光(魔力)を纏った掌を当てているキャスター。

 その行いは静かだった。

 いや、まあ、怪我人の前で不必要に騒ぎ立てるなんてのは医療妨害もいいとこだから、正しいと云えば正しい光景な訳だが……単にそれだけじゃなくて、どこか神秘的で幻想的な雰囲気を二人は放っていた。

 

 先ずセイバーは治療が始まってから殆んど言葉を発していない。

 屋敷(ここ)に来た当初は、桜曰く外面を覆っただけでまだ普通に動くのも辛い状態…だった筈なのに、傷の痛みに対する弱音の類いを一切吐かなかった。

 全身ボロボロの生傷だらけで見てるだけでもキツかったらしいが、流石は名高き騎士王、その気高さや…あ~何と云うか…綺麗な見た目も相まって、在り方そのものが神秘的だった。

 まるで眠っているかの如く静かに佇む少女騎士に対し、魔術師(キャスター)も静けさを以て治療に臨んでいる。

 ただその静けさはセイバーの様な月下の泉の如き静謐さではなく、微笑みながら子を見守る母の様な慈愛の温もりを内包したもので。

 キャスターもセイバー同様基本的に黙って治療を行っていたが、傷に触れる手付きや柔らかな眼差し、そして時折、痛くないか、大丈夫かと声を掛ける時の思い遣りが込められた声色。

 灯りの無い室内で、暖色系の明るい魔力()に照らされる微笑みを携えたその横顔が…これまた、その美人さも相まって幻想的で。

 

 要するに、美女二人による治療行為は物凄く絵になる光景だった。

 

 ────布団の中で横になってそれを見ている遠坂の表情は何処と無く面白くなさそうだったが。

 

 

「────……はい。これで、全部終わりです」

「…その様ですね。治療、ありがとうございますキャスター」

 

 最も重傷だった腹部から始まり、出血の激しかった額、頭部、次いで戦闘行為の要である四肢、後は各所の軽傷の処置…と進んでいったキャスターの治療は終わりを迎えた。

 セイバーは体の調子を確かめる様に手を開いたり握ったりしてからお礼を述べる。

 

「本当にもう大丈夫ですか?至らなかった部分があれば遠慮無く言ってくださいね」

「いえ、まさか。充分過ぎる程でしたよ。キャスター、貴女は治癒の術に優れているのですね」

「?そう…ですか?キャスタークラスならこれくらいの治療は普通だと思いますけど…」

「そんな事はない、貴女のこれは恐らく古今東西あらゆる魔術師達と比較しても上位に入る領域でしょう。熟練のその技、生前の貴女の弛まぬ練磨が窺える」

 

 謙遜、と云うより、本当に自分のそれが魔術師の英霊達の中では平均レベルだと思っているのだろうキャスターに、セイバーは惜しみ無い賛辞を送る。

 それを受けて少し照れた様な笑みを浮かべるキャスターにセイバーは、それに、と付け加えた。

 

「単なる技術だけではありません。貴女のその、心の底から相手を思い遣る気持ちが、触れた掌から伝わってきました」

 

 そう言ってセイバーはごく自然な動作でキャスターの手を取る、流石はモノホンの騎士、同性でも女性の扱いはお手の物という事か。

 

「これが聖杯から得た知識にあった、(たなごころ)というものなのでしょうね。貴女の手に宿った真心…ええ、心地好かった」

「…ぷ、ふふ、セイバーさんって詩人なんですね」

「?いえ、生前学んだのは剣術に騎士道、兵法、(まつりごと)…そういったものばかりですので、特に詩は嗜んでいませんが」

「成る程、天然でそれですか…これが持って生まれた人に好かれる才能(  カリスマ  )というものなのでしょうね」

「むぅ…自分ではよく分かりませんが…人に好かれるという点では貴女も…ええ、中々()()()()ものがあると思いますよ」

「す、凄まじい?って何ですかそれっ。別に私そんな、ひ、人をすけこましみたいに言わないで───」

「ん゛ん゛ん゛っ!!ちょっと二人とも、何時までお喋りしてるつもり?」

 

 謙遜合戦と云うか褒め合い合戦と云うか、端から見てイチャついているかの様な二人の会話は遠坂の態とらしい咳払いで無理矢理中断させられた。

 な、何だ?どうしたんだ遠坂。

 

「どうしたのですか凛」

「どうしたじゃないでしょセイバーっ、マスターの私を放って置いて、何敵と仲良くなってるの」

「敵って…今更何言ってるんだ遠坂。俺達もう仲間みたいなものだろう」

「ぐ……だ、だとしても、まだ正式に同盟を結んだ訳じゃないんだから。そう簡単に心を許す訳にはいかないってのよ」

 

 俺の言葉に苦虫を噛み潰した様な顔で返す遠坂。

 一体どうしたと云うのか、一応は筋が通ってるっぽい言い分だが、らしくない。

 擦った揉んだを経て漸く一つに纏まりかけている和を無闇に乱す様な真似を、何だかんだ空気の読める遠坂がするのは酷く不自然に見えて。

 俺が内心首を傾げていると、何かを察したらしいキャスターが微笑みながら口を開いた。

 

「凛さん、御心配なさらずとも私はセイバーさんを盗ったりしませんよ」

「に、みゃっ!?と、盗るとか盗らないとか、誰もそんな、何でそういう話になるのよ!」

 

 キャスターのやんわりとした言葉に遠坂は顔を赤くして過剰に反応した。

 …つまりは、嫉妬、か?大事な相棒が(たぶら)かされるかもしれないって?

 

「ごめんなさい、少々無遠慮に距離を詰め過ぎましたね。ですが私には今後共に戦っていく人と仲を深めたい、それ以上の思惑はありませんから」

「む、だ、だからそれが問題だって───」

「凛」

 

 何処までも敵意の無いキャスターの言葉に翻弄される遠坂、そんな彼女に相棒が呼び掛ける。

 

「召喚された際と今日の夜、二度誓った筈だ。私は貴女の剣です。我が運命は貴女と共にあり、この命を全て貴女に捧げると。私は決して、貴女以外のものにはなりません」

「っ!ち、か……セイバー」

 

 そう言うとセイバーはキャスターの手を取っているのとは逆の手で遠坂の手を取った。

 またも遠坂の顔が赤くなる。

 それを見たキャスターはニコニコと上機嫌に笑いながら立ち上がるとちょこちょこっ、と移動して遠坂の反対の手を取った。

 

 横になっている遠坂のせいで少々歪な形だが、微笑ましい()の出来上がりである。

 

「んなぁ!?」

「これでどうですか?みんな仲良く輪になって~というやつです」

「…ああもうっ、いいわよそれでっ……ったくとんだ聖杯戦争になったわね」

 

 と言いつつ満更でもなさそうだった。

 

 うん、こういうの、良いなと思う。

 

 聖杯(賞品)を手に出来るのは勝ち残った一組だけ、何処まで行っても潜在的には敵同士…それは解っているけれど、今こうして絆を育むのは決して間違っていないと思う。

 憎み合って恨み合ってやる殺し合いより、正々堂々お互いを認め合った上での戦い。

 結果が同じでも過程が違えば、その後に続く者達に違う意味を持たせる事が出来る筈だから。

 

 

「さて、それじゃ後は桜さんが来るのを待つだけですね」

「…でも、何か遅くない?キャスター、貴女結構な時間掛けて丹念に治療してたわよね。まだ来ないのかしら」

 

 此方での作業は全て終了…だが次に進む為の必要メンバーがまだ来ない、ふと遠坂が呈した疑問に俺も内心同意する。

 

「桜さん、あれで結構マイペースと云うか、何事もじっくり腰を据えてやるタイプに見えますからね。ライダーさんへの尋問、本腰を入れてやってるんじゃないでしょうか」

「ああ~かもね。一応様子見に行った方がいいんじゃないかしら」

「中は絶対に覗くなって言われちゃってるんですよ」

「…無いとは思うけど、敵のサーヴァントが侵入したなんて事は」

「先ず有り得ないかと。既にこの屋敷一帯は私の結界で覆われていますから。縦えアサシンのサーヴァントでも気取られず侵入するなんて事は不可能です」

「そっか…なら心配は要らない、わよね?」

「はい。ライダーさんも絶対に身動き取れない状態にしてありますし、桜さんが危険に晒される可能性は限り無く低いと思います」

 

 ふむ、キャスターがそう言うならきっと大丈夫なのだろう、その手腕は既に何度も見せて貰っている、信頼出来る言葉(ソース)だ。

 となると本格的に大人しく待つだけか───

 

 

「それじゃあ、只々待つだけというのもあれですし、一足先に魔力供給始めちゃいましょうかマスター」

 

 

 ───忘れていた訳じゃないけど、事前に打ち合わせされていた事だけど、それでも急じゃありませんかねキャスターさんんん!!!

 

「うお、ちょな、キャスターお前そんな急にって云うか、勝手に始めていいのか!?」

「大丈夫だと思いますよ。想定では治療より先に尋問の方が早く終わる見込みでしたので、全員揃ってから次の作業へという感じでしたが…此方が先に終わっちゃったなら、もうおっ始めてもいいでしょう」

「おっ始めるってお前な…」

 

 そんな微妙に下世話な言葉遣いを…と俺が内心でも外面でも困っていると、キャスターも少し眉尻を下げて困った表情を見せた。

 

「さっきのライダーさんとバーサーカーとの連戦の時点で既に結構危なかったのですが、結界の構築とセイバーさんの治療で、もう本格的に魔力スッカラカンなんですよ……相変わらずマスターからは全然魔力送られてきませんし」

「ぅ……すまん」

 

 そんなジト目で言われてはもう何も言い返せない。

 

「と云うかもう既に一回ヤってるんですから、そんなに動揺しないでくださいってば。相手が嫌がってる訳でもなし」

「そ、それでもなぁ、倫理観とか罪悪感とか色々遠慮する枷というか壁というか、そういうものがありまして」

「つべこべ言わない。ほらイきますよ」

 

 そうして俺はキャスターに手を取られドナドナされていくのだった。

 子牛の気持ちが分かった気がする夜だった。

 

 

 

「…衛宮君は尻に敷かれるタイプね」

「同感です」




そんな感じの前半です。


はい。

はい()。

うん、文句や批判は感想、評価で頼むよ。僕はもうとっくに全裸待機さ。

ただ通報だけは勘弁して欲しいorz

これよりダイレクトな単語で表現しちゃってる作品結構あるから、これくらいはセーフだから(震え声)。マジでお願いしますorz



性的興奮で魔力が高まる云々は独自設定です。原作にそういう記述無かった…よね?

桜ちゃんに告白しちゃったライダーさん。
原作では桜ちゃんの立場や気持ち諸々考慮して言わなかったんだろうけど、もうこの作品の二人はその辺遠慮する様な間柄じゃないと思ったんで。
今後の進展に作者も注目です(笑)。

葵色、調べてみたら、嗚呼…ってなった…ええ色や。



キャスター「輪になって踊りましょう」



後編は近日中に。

お気に入り五百件間近!今回で多分大幅に減るやろうけどめげずに頑張る()



改めて。
間桐桜さん誕生日おめでとうございます。
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