Fate/SAKURA   作:アマデス

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大晦日記念の番外編!

虚数関連のイベントが来た以上、桜ちゃんを絡ませない訳にはいかんやろと衝動的に指を動かしました。

今年最後の投稿、楽しんでいただけたら嬉しいです。


※一応ネタバレ注意。今回は殆んどネタバレ要素ありませんが(笑)


【突発番外編】桜ちゃんのいく虚数海

「納得いきません」

「いや…そう言われても、ね?」

 

 

 ノウム・カルデア。

 彷徨海の軒先に建てられた新たな拠点、その内部に在る乗船ドックにて、完成したノーチラス号の試運転兼虚数潜航(ゼロセイル)訓練が行われようとしていた。

 

 そう、()()()()

 開始直前という段階で、一匹の女神(怪物)が己のマスターにして今回の訓練で司令代理を務める間桐桜を拘束しながら文句を垂れ始めたのだ。

 

 言わずと知れたライダー・メドゥーサである。

 

「トリスメギストスⅡ、シオンさんにダ・ヴィンチちゃんが議論と演算を重ねて導き出したベスト…いや、ベターメンバーなのよ。文句を挟む余地は無いってば」

「それがおかしいと言っているのです。議論を重ねた上で何故私とサクラを引き離すのが最適(ベター)等と云う結論に至るのか!」

 

 自身をあすなろ抱きにしたまま項垂れるメドゥーサの顎から伝わる熱を頭頂部に感じながら桜は何とか自身の使い魔を宥めようとするも結果は芳しくなく。

 更に声を荒げて猛るメドゥーサは梃子でも動かんとばかりに桜を抱く腕に力を込めた。

 

「もうっ、いい加減諦めなよー。他の皆だって最終的には泣く泣く納得してくれたんだからさー。あ、今の泣く泣く納得って口触り良いテンポじゃない?」

「どうでもいいですよそんなのっ……もう一枠、もう一人くらい融通利かせてくれても…」

「ダーメ。指揮の伝搬速度、リソースとかの事を考えても今の人数が最適解なんだってば。大体もう一人融通利かせたとしても君候補に入らないから」

「くっ、私は悲しい…」

「それ君の持ちネタじゃないでしょ」

 

 やれやれとばかりに苦笑しながら何時もの軽い調子でメドゥーサを嗜めるロリンチ(もと)いダ・ヴィンチちゃん。

 それでも一向にマスターから離れようとしないワンコ系蛇という若干清姫とキャラ被ってる感じの問題児サーヴァントに対し、ならば最終手段だと言って指を鳴らすと同時に進み出てくる二騎───元い二柱。

 

 

「全く、いい加減になさい駄メドゥーサ」

「聞き分けが良いのが貴女の数少ない長所だと云うのにそれすら無くなっては本格的に只の目障りな木偶の坊に成り果ててしまってよ?」

「…!ひ、卑劣な!私に対して姉様達をけしかけるなど!」

 

 瓜二つの美貌を備えた男達の幻想の具現化たる女神、ステンノとエウリュアレ。

 自らの姉であるこの二柱にメドゥーサは逆らう術を持たず。

 するりと両手をそれぞれの姉に握られて、やんわりと桜から引き離された。

 

「ほら、来なさい。無理難題(我儘)でヒトを困らせるのは女神の(さが)なれど、度を過ぎればそれは自身に反ってくる破滅の刃よ」

「全く、何故私達が態々貴女のお尻を拭いてあげなくちゃならないのかしら。こんな図体のデカイ赤ん坊のオシメを換えるなんて重労働御免被るわよ?」

「ぅぅ…さくらぁ」

 

 最後の望みと云わんばかりの(すが)る眼差しに桜は苦笑しながら手を振る事で応えた。

 本来なら二柱の難題(姉の我儘)に妹が振り回されるというのがこの三柱の関係だが、このカルデアでは度々(マスター)関連で暴走する妹を姉二柱が嗜めるという真逆のそれになっているのは最早見慣れた光景である。

 まぁどちらにしろメドゥーサに勝機が無いのは御愛嬌。

 

「はは…まあメドゥーサの気持ちも解らないでもないけどな。出来るなら俺も付いて行きたかったよ」

 

 

 そんな断罪者にドナドナされていく罪人を見送りながらそう溢すのは───衛宮士郎。

 間桐桜の、夫。

 

 

「そんなに心配しなくて大丈夫ですよ。飽く迄試運転なんですから」

「でもなー…こういう時大抵トラブルに巻き込まれるだろお前」

 

 そう言いながら眉根を寄せて腕を組む士郎。

 

「士郎さんに言われたらお終いな気もしますけど」

「いやいや確かに女難云々に関してはもう諦めてるけど、それが絡まなきゃ割かし普通だって」

「あんたそれ仮にも妻の前で言う事じゃないでしょ」

 

 そうジト目でツッコむのは遠坂凛。

 言わずと知れた桜の実姉。

 

 仮って何ですか完全無欠の正妻にして本妻ですよ私、と姉の言葉に(いき)り立つ桜には取り合わず只々士郎にジト目を向け続け、士郎もそんな妻と義理の姉の様相をガン無視して喋り続ける。

 

「桜はほんと何て云うか、尽く貧乏クジ引かされる(たち)だろ?つーか何なら周りを気遣って自分から引き受けていくまである」

「で、最終的には自力でハズレをアタリに変えて総取りしてくのよね。人類史上最も悪運が強い女でギネス載れるレベルよ」

「嬉しくないんですけど普通に幸運で居たいんですけどって云うか士郎さんさっきから言ってる事全部ブーメランなんですけど!!」

 

 言いたい放題な夫と姉に某冬木の虎を彷彿とさせる雄叫びで対抗する桜。

 十年以上の付き合いを経て色んな意味でお互いに遠慮の無くなった冬木トリオの常態である。

 

 そんな感じに、いい歳してぎゃいぎゃいと中学生男子の如く騒ぎ続ける三人。

 いい加減時間が押している、そろそろ宥めようかと周りの者達が思い、行動に移すより数瞬早く。

 

 

「───ええ、士郎さんの言う通りかと」

 

 

 ドタプンッ、と云う効果音がピッタリの弾力溢れる衝撃が桜の後頭部を襲撃する。

 凄まじい質量のそれに一瞬おぅ、と呻いてしまうが、この頸椎への殺意に溢れる母性愛も最早慣れたものだった。

 

「ら、頼光さん」

「母と呼んでください桜さん」

「…お母さん」

「ええ、はいっ。貴女の母ですよ」

 

 心底嬉しそうな満面の笑みを浮かべて桜の背後にピッタリとくっついた人物───源氏の棟梁、バーサーカー・源頼光。

 相も変わらぬ母性の押し売りに若干たじたじになる桜の両肩にそっと手を置き、頼光は一転、表情を曇らせる。

 

何時(いつ)も何時も、貴女は無茶をし過ぎなのです。それも本来貴女が背負う責任の無い重荷まで…母は…いえ、皆、気が気でないのですよ?」

「…責任は無くても、背負いたいと。他ならぬ私の精神(こころ)がそう叫びますから。三つ子の魂百まで、残念ながらこれはもう変えられない性分です」

 

 寂し気で、悲し気な。

 沈み込んだ面持ちの頼光に桜は一転、カラッと笑いかける。

 それを受けても尚、寧ろ更に悲痛さを増した()を頼光はその端正な美貌に浮かべる。

 

「それでも───それでも、母には聴こえるのです。貴女が涙する音が」

「…」

(たと)え、最終的には利になるのだとしても、その道中で貴女が酷く傷付いてしまう事には変わりありません……。心の声に従うと言うのなら───せめて、もう少しくらい、自身の心が泣き叫ぶ音にも耳を傾けてあげてください」

 

 

 同じ様な懇願(教え)を、もう何度聞いただろうか。

 変わらぬ母の(想い)に温かくなる内心を、桜はそのまま笑顔として出力する。

 

「大丈夫ですよ。どんなに痛くたってへっちゃらです───お母さんが待っててくれるから」

「───」

「子供は泣いて傷付いて成長していくものです。子を信じて待つのも母親の務めの内ですよ」

「───~~~っ、貴女は、またそうやって煙に巻いてっ…」

「いーえ、これはラブコール返しと云う奴です。ふふっ、お母さんの愛情パワーは確り受け取りましたから。どうか、想っていてください」

「…ええ、ええっ。片時も忘れません、四六時中貴女の無事を祈って念を送り続けますともっ」

「いやそれは疲れちゃいません?」

「何かあったら直ぐに母を呼ぶのですよっ。迅速に、雷速で、神速を以て駆け付けますから!」

「はいはいはいはい!ヒートアップするのはそこまで!」

 

 徐々に目の色がヤバイそれへとなり始めた頼光をダ・ヴィンチちゃんが強引にシャットアウトした。

 

「いやさー、私も皆の気持ちは充分解ってるつもりだけど、今回ばかりは大丈夫だって。何せ虚数空間だよ?外敵なんて居る筈が無いし、居たとしても虚数の専門家たる桜君が今回の司令なんだ。更にはその桜君の指揮の下、虚数の世界により対応出来る様ブラッシュアップされたノーチラス号…大抵の脅威は障害足り得ないさ。それこそ深淵で眠ってるティアマトに出会(でくわ)したりしない限りね」

「───あの、やっぱり今日の試運転(テスト)中止にしませんか」

 

 

 先程までの微笑みは何処へやら。

 ダ・ヴィンチちゃんの発言に対し真顔で桜は返した。

 

「って、何でだい!?さっきと言ってる事が180度変わったよ!?」

「いやっ、今キタんですあれが!弱冠28年の人生で培われた『何かがヤベーセンサー』が反応したんですよ!今のダ・ヴィンチちゃんの発言はフラグだと!」

「んな訳ないでしょ!ほらっ、そろそろ出発時間だよ、キャプテン事(ふね)に関しちゃ怖いよ~、遅れたりしたら突き上げ待ったなしだ、それこそノーチラスでね」

「ぐ、何ですかこの、知らぬ間に王手を掛けられていた駒みたいな状況!」

 

 前門の地雷(フラグ)、後門の弾頭(キャプテン)

 桜が選択したのは、ある意味当然と云えば当然の後者だった。

 

「…もし本当にティアマト(お母さん)に遭遇しちゃったらその軽口を一生呪いますからねダ・ヴィンチちゃん」

「君程の魔術師の一生呪う宣言はマジで洒落にならないからヤメテ」

 

 恐ろしい捨て台詞を残しながら乗艦した桜の背中を見送りながら、ダ・ヴィンチちゃんは誰に向けるでもなく問いを溢した。

 

「……いやまさか、流石に無いよね?」

 

 

 士郎と凛は目を合わせてくれなかった。

 

 

 

 

 

          ∵∵∵

 

 

 

 

 

「───よし。虚数潜航(ゼロセイル)成功。及びマスター・桜を司令代理、マシュ・キリエライトを副司令代理とした指揮権の一時譲渡も完了。取り敢えず第一段階は終了だよ」

「はーい…ふぅ」

 

 

 虚数世界への突入が成功して暫く。

 当初の予定通りに訓練が進み、ノーチラス号のキャプテン・ネモからのOKサインが出る。

 それを受け、大きく息を吐きながら座っているシートにより深く体を沈める桜に、隣の席から声が掛けられる。

 

 

「お疲れ様です、桜先輩」

 

 マシュ・キリエライト。

 桜の、後輩。

 

 

「うん、マシュもね。大丈夫?気分とか悪くなってない?」

「はいっ、大丈夫です。出発前と変わらず、マシュ・キリエライト体調万全です!」

 

 ちょっとした確認だったが、それに対しふんすっ、と云う効果音が聞こえそうなくらいの張り切りで応えるマシュに桜は微笑みを浮かべる。

 相変わらず後輩が可愛い。

 

「当たり前さ。ノーチラス号を虚数世界に対して最適化したのは君なんだぞ桜。まぁ僕の航行技術有ってこそだけどね」

 

 そんな会話にネモが加わる。

 言い放った言葉の通り、現在の結果に何の疑問も覚えていないのだろう自然体な表情が実に頼もしい。

 

「ああ、航行は問題無い…問題無い、けど、さ…寧ろ懸念すべきはあっちだよ」

 

 だが直ぐにその顔色は苦々しいものへと変わった。

 くいっと親指で後ろを指しながら流し目を送るネモに釣られて桜とマシュも後ろを振り向く。

 

 

「わぁ…!凄いわ、潜水艦って思っていたよりずっと静かに進むのね」

「はー全く。こんなお船に乗れたくらいでそーんなに(はしゃ)ぐなんてアビーさんはほんとにお子様ですねぇ」

「あらまぁ、いけませんよBB、その様な事を申されては。年齢差を鼻に掛けて幼き子供の純心(未熟さ)を嗤う等、魔そのものの行いです」

「…べっつに~?BBちゃんは月の支配者たるグレートデビルですから~?悪者扱いは全然構いませんけど、同じ穴の(むじな)所か最底辺に位置するゴミ虫さんから自分を棚上げした批判を受けるのは不愉快極まりないですねぇ」

「困りましたわ、自身の非をお認めにならず矛先を此方へ向けるとは。これでは何方(どちら)が子供か…いえ、最早人ですらない畜生、誰彼構わず噛み付く盛りのついた牝犬ですわ」

「だ・か・らっ、自分を棚に上げるのは止めてください、って言ってますよねぇ?耳ちゃんと付いてるんですかぁ?───ああ、年を取ると耳も遠くなって困りますよねぇ年増さぁん?」

「───うふふふふふふふふふふ。ソワカされたいですか?」

 

 

 身の毛も弥立つ様な会話を繰り広げるのは三騎元い二騎のサーヴァント───の様なナニカ。

 

 蕃神(ばんしん)の巫女、アビゲイル・ウィリアムズ。

 月の女王、BB。

 魔性菩薩、殺生院キアラ。

 

 これが。

 この冗談の様なトリオが今回の訓練に同行したサーヴァント三騎である。

 

 

「……………一体ダ・ヴィンチは何を以てこれを最適解としたんだ」

「ダ・ヴィンチちゃんのせいと云うよりトリスメギストスⅡ(あのトンデモパソコン)ですけどね主犯は」

 

 たっぷり間を取って自身の中で何かを整理しながら(おか)で待つ者への非難を吐き出すネモに桜は淡々と返した。

 

 

「おっ、御止(およ)しになって御二人共!確かに、これは、訓練で、ちゃんと真剣に取り組まないといけない事で…なのに私、初めての事だからって浮かれてしまっていたわ。ごめんなさい、もう燥いだりしないから…だから、御二人共仲良く、喧嘩しないで…」

 

 

 その一方で、人類悪二人に挟まれていたアビゲイルは何とか喧嘩を仲裁しようと健気に呼び掛けをしていた。

 これには流石の二人も口が止まる。

 

「…べ、別にそんな風に思って欲しかった訳じゃ…って云うかそもそも注意のつもり無かったですし?あんまり辛気臭い雰囲気醸し出されても訓練に支障来すって云うか…あの、あれ、め、迷惑なんですけど~?」

「ほんとどっちが子供なんですかこれ」

 

 しどろもどろになりながらフォローしようとしてその実全然出来てないコミュ障AIを心底呆れた声色と眼差しで揶揄しながらキアラはアビゲイルの頭を撫でる。

 

「大丈夫ですよアビゲイルさん。BBも本気で貴女を悪く言った訳ではありませんから。確かに、此度の訓練は今後のカルデアの方針を左右する重要なミッションですが…此処は外敵や危険物の一切無い虚数世界。周りの物珍しさに心を沸かせる余裕くらいは有っても善い筈ですわ」

「はいっ、キアラさんの言う通りかと!」

 

 腰を落として目線を合わせながら優しく諭すキアラの言葉に駆け寄って来たマシュが賛同する。

 それに続いて歩み寄って来た桜をアビゲイルは上目遣いに見詰める。

 

「…いいの?」

「勿論」

 

 ニコリと、生来の愛らしさに大人の色気を加えた魅力増し増しの笑顔で桜は応えた。

 それを受けて安堵したアビゲイルもニコッと無邪気に笑む。

 先程の一触即発気味な空気から一転、朗らかになった場にあてられてマシュもニコニコ、キアラもニコニコ。

 唯一不満気な表情をしているのはBBだった。

 

「…何ですかこのそこはかとない疎外感」

「君ほんともう少し素直になりなよ」

 

 呆れ気味に、それでいて鋭くネモがツッコンだ。

 要するにそういう事だった。

 

 

「でも不思議だわ。どうして虚数の世界には外敵さんが居ないの?」

「…何故なのでしょう?私もその辺りはよく知りません」

 

 取り敢えず話が落着した所で、再びアビゲイルが口を開いた。

 呈された疑問にマシュも同調したのを見て、桜がふむ、と片手を自身の顎に当てる。

 

「それじゃー次の段階(フェイズ)移行(シフト)する前に少しその辺りを講義(レクチャー)しましょうか」

 

 先輩/マスターの授業。

 そんな魅力溢れる提案にマシュとアビゲイルの目の色が変わる。

 そんな期待の眼差しを受けてしまっては否が応にも張り切ってしまうというもの、桜はこほんと咳払いをして気持ち胸を張りながら話し始めた。

 

 

「えー、っと…先ずですね、そもそも『虚数』ってどういうものか二人は知ってますか?」

「はい。実数ではない複素数…単位を『i=√−1』とした場合、『z=a+bi*1』と表される数。若しくはもっと単純に『2乗した時、0未満の実数になる数』で、英語でimaginary number(イマジナリーナンバー)と訳されている数字です。魔術世界に於ける虚数属性は『有り得るが物質界に無いもの』と定義されています」

「わあ!凄い凄い!流石ねマシュ、そういう勤勉な所は本当に素晴らしいです」

「え、えへへ…」

 

 ペラペラっと自らの質問に完璧な答えを寄越したマシュを桜は惜しみ無く称賛する。

 先輩に褒められて照れるマシュ、そしてそんなマシュの博識ぶりをアビゲイルは内心尊敬しながらも何処か悔し気に見上げた。

 

「そうなんです。今マシュが述べてくれた虚数属性の定義が重要でして。虚数世界は私達が普段住んでる物質界…つまり実数世界には無いものが有る、全く法則の異なる世界なんです」

「…真逆の世界、って事…?」

「はい、そういう風にも表せますね」

 

 まだよく解らないと小首を傾げるアビゲイルに桜は微笑を浮かべたまま解説を進める。

 

「虚数世界は、ギリシャ神話のカオス等の様に、世界各地の神話でしばしば語られる原初の混沌…それに近い世界なんです。ありとあらゆる要素、因子を内包しているにも拘らず、それ等が一切定義付けされていない…つまり観測が不可能故に収束出来ない、()()()()()()概念の世界なんです」

「何もかもが混ざってしまっている、と?」

「うん、そういう事。無限でありながら、然れど虚空…正しく混沌(カオス)ってね」

 

 ピッ、と桜が指を一本立てる。

 

「これはホーキング博士という、有名な物理学者が提唱した説なんですが…───元々、この宇宙(世界)の事象、存在、あらゆる概念は全て虚数に属していた…宇宙は虚数から始まったと言われているんです」

「虚数から?」

「ええ。でもそんな虚数の宇宙に、天文学的確率で『実数』が生まれ…そこを起点として今の実数世界が誕生したんです。所謂トンネル効果と云う奴ですね」

「あっ、それ!それは私も聞いた事があるわ!」

 

 挙手をして必死に知ってますアピールをするアビゲイルの頭を桜が優しく撫でる。

 今度はマシュが悔し気にする番だった。

 

「さっき言った様に、虚数の概念しかなかった宇宙には何も無かった…ですが実数が生まれた事で概念に定義付けが為され、『形』が出来た…つまり物質が生まれたんです」

「わあ…!そうやって(おそら)に沢山の星が生まれたのね!」

「はい。ですが、形有るものは何時か必ず壊れ、崩れる…物質の誕生によって多様性に富みましたが、同時に『限り』も定められた…多様でありながら、然れど有限、それが実数の世界(宇宙)なんです」

「…成る程、虚数(無限)実数(有限)…本当に真逆なんですね」

「面白いものですね。虚空(カオス)より生まれし(ガイア)…存外神話に於ける世界の創造とは的を得ているのかもしれません」

 

 マシュだけでなく傍らで黙していたキアラも興味深そうに反応してくれた事で桜は嬉しくなる。

 魔術に限らず、知識を披露すると云うのは無条件で得意になれるものだ。

 

 

「あの、なら桜さん。実数世界と虚数世界では、どうして時間の流れ方が違うの?」

 

 時空を司る蕃神の巫女にとって、ある意味一番気になっていた部分なのであろう。

 アビゲイルの新たな質問に桜は再びふむ、と片手を自身の顎に当てる。

 

「なら、逆にアビーちゃんに質問するけど───時間ってなあに?」

「え?」

 

 

 きょとん、と。

 突拍子も無い内容の質問返しにアビゲイルは目を点にする、が、そこは生来真面目な気質の彼女、直ぐ様返答しようと思考に没する。

 

 だが。

 

「えー……え?えっと…あれ?」

 

 意味の無い呻きや疑問符を溢して百面相するばかりで、一向に具体的な説明が出来ないでいた。

 隣のマシュも両手で頭を抱えたり足踏みしたりと必要以上に身振り手振りを行って何とか大脳から言葉を絞り出そうと苦心している。

 キアラは特に何もせずニコニコ微笑むばかり。

 桜には判った、あれは分かんないからてきとーに笑って誤魔化そうとしている情けない大人の笑い方だと。

 

 

「…………時間は、時間…なのではなくて?」

 

 やっとの事で導き出された言葉は、何とも漠然として───然れど要領を得た指摘だった。

 そんなアビゲイルの言葉に桜は実に満足気に頷くが、アビゲイル本人にはそれが馬鹿にした態度に見えた。

 

「むーーーっ!!何よ桜さん!自分は全部解ってるからってそんな風に!さっきのBBさんと一緒だわ!意地悪!悪い人!」

「ええーそうですよ。私は意地悪でわるーい魔術師です」

 

 敢えて否定せず受け流す桜の飄々とした態度が余計に気に食わず、アビゲイルは直接攻撃に出る。

 

 

 にゅるりと。

 

「え゛」

 

 何も無い宙に、まるで水面に出来るそれの様な波紋が広がり、空間そのものから頭足類(タコとかイカ)の如き吸盤付きの触腕が飛び出て桜の四肢を拘束した。

 

「悪い人にはお仕置きだわ!」

「あ゛っ!だ、ちょ、まっ!」

 

 四肢を四方向に限界まで引っ張られ、まるで標本の様にピーンと宙に固定されてしまった桜にアビゲイルが襲い掛かった。

 具体的には無防備な脇腹への(くすぐ)りである。

 

「ぃ やっ、は! ひょ、ははんぐあぎゃ!あ゛ーだめだめだめ!!!アビーちゃんそれだめぇぇへっは!!!」

「ふんっ、許さないわ」

「ぃや゛ーー!!い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

 

 追加で現れた触腕に足の裏も(攻め)られ始め、濁点増し増しの悲鳴を桜は上げる。

 そしてそんなどさくさに紛れてBBとキアラが擽りに参加して来た。

 BBは真正面から堂々と桜のおっぱいを揉みに行き、キアラは脚の付け根や腰周り等の下半身を、擽ると云うよりまるで愛撫するかの如く()(さす)る。

 淫靡にして悪辣に過ぎる攻めが加わり、擽ったさが快感に変換され始めた事で桜の声色も変わる。

 

「は  あ、や!やだっだめ!」

「うふふ、駄目と言いつつも体は悦んでる様ですわよ」

「桜さんっておっぱい大きい割には感度良いですよね~。こんな高級食材毎晩料理してたらそりゃ士郎さんも女慣れするってもんです」

二人共カルデア戻ったら覚えといてくださいよ!!

 

 

 

 そんなこんなで数分程(もてあそ)ばれた桜。

 乱れた呼吸と衣服を整え、再び講義を始める。

 因みにマシュは桜が弄ばれている最中、助けなければと思いつつも四人の絡みにどうしても顔が紅くなってしまい、結局目を逸らしながら縮こまっている事しか出来なかった。

 

「ぁぁ…何か火照りがヤバイです、汗も……って云うかどこまで話進んでましたっけ?」

「時間は時間、とアビーさんがお答えになった所ですよ」

「ああそうか、そうでした」

 

 キアラのフォローを受けて桜が口を開く。

 

 

「時間は時間…その通り。改めて時間と云うものを説明しようとしても、具体的な言葉って出てこないんですよね…───『時間』とは、確かに宇宙を成立させている重要な概念(要素)です。が、同時にそれに()()()自己を確立させているのは私達人間の様な、ある程度の中途半端な知性を持った生命体だけなんですよ。BBちゃんやアビーちゃんと契約している外なる神の様な高次元の存在は時間に依存する必要が無いんです───結局の所、私達人間が認識している時間と云うのは、事象の変化を観測する為に定義された感覚的な概念(物差し)でしかありません」

 

 ちら、と少し離れた所に佇むBBに流し目を送った後、桜は(おもむろ)に掌を上にして差し出す。

 ぽうっ、と。

 その掌から50cm程の小さな影の柱が飛び出し、それを伝う様に淡い桜色の光が上へ昇っていく。

 

「物質が空間を()れ程の速度で何れ程の距離を移動したかと云う、運動の過程と結果、その積み重ねが私達が普段時間と呼んでいる『実数の時間』です───そして『虚数の時間』にはですね、そういう実数時間の様な()()()()()()()んですよ」

「積み重ねが、無い?」

「ええ、より厳密に云うなら実数時間と虚数時間は軸の方向が違うんです」

 

 マシュの呟きに答えるのと同時に、桜は掌の上の影柱に直角に交差する様、横向きの影柱を作って付け足した。

 

「実数時間がこの縦向きの軸だとすると、虚数時間はこの横向きの軸なんです」

「…?…どういう事?」

「えーっと…縦軸が実数(私達の)時間なんですよね?下が過去だとすると、上が未来で……ええ、と、横向き?」

「あはは、解んないですよね」

 

 十字に交差した影軸を穴が開く程見詰めながら首を捻るマシュとアビゲイルの様子に桜は微笑ましくなりながらも説明を続ける。

 

「そう───()()()()んですよ、虚数の時間って云うのは」

「ええ!?」

「私達人間は飽く迄感覚的にしか時間を捉えられない…なら実数の存在である私達が全く法則の異なる虚数の時間を感覚的に捉えようなんて土台無理な話なんです。ですから虚数時間に関しては『通常とは全く違う流れ方をする滅茶苦茶で意味不明な時間』くらいに思っておけばいいです」

「随分とアバウトなんですね…」

「まぁ実際そうですから仕方ありません。人間と云う知性体の限界です…まぁ先程も言いましたが、BBちゃんや外なる神の様な高次元(記録宇宙)の視点を有する者、シオンさんの様な高度な分割思考、或いは超高感度な感覚器官を有するが故に周囲の状況を計算し俯瞰出来る者、そして私の様に単純に虚数に属する者なら捉える事も出来るんですけどね」

「成る程…!流石は先輩です!」

「ふっ、天才ですから」

 

 マシュの称賛に半分(わざ)と、半分素でドヤってみせる桜。

 そんな態度が鼻に付かないのもやはり桜がこれ迄積み上げてきた人徳によるものなのだろう、まぁ美人と云う点も大きいが。

 

「それで、何故それぞれの時間がそういう風になっているのかと云いますと…先程説明した通り『時間』とは『空間内の物質運動の積み重ね』な訳ですが…二人は絶対零度って知ってますか?」

「はい。熱力学に於ける最低の温度で、-273.15℃と定義されています。温度とは物質の熱振動、即ち原子の振動なので、その振動のエネルギーが最低になった下限温度状態が絶対零度と云われています。古典力学ではエネルギーが最低の状態=原子の振動が完全に止まった状態とされていますが、量子力学では不確定性原理の為、エネルギーが最低の状態でも原子は零点振動をしているとされています」

「…マシュさんって本当に凄いわ」

 

 またもや披露されたマシュのスーパーペラペラ解説の凄まじさに圧倒され、アビゲイルは最早悔しさすら感じなかった。

 

「ありがとうマシュ。まぁ要するに、SF映画や漫画なんかでよくあるけど、絶対零度で一定空間の全ての物質(分子)の運動が完全に止まってしまったら、さっき言った運動の積み重ねが起きない…つまりその一定空間の時間は止まる事になっちゃう訳です───何が言いたいかと云えば、時間と空間はほぼイコールで繋げちゃってもいいくらい密接な関係にある訳です」

 

 再び桜が掌を差し出し、今度は円錐(コーン)(かたど)った薄い光の像が現れる。

 

「先述の通り、実数が生まれた事で起点が出来、そこから実数の宇宙が誕生しました。そして今尚、宇宙は膨張し続けています───空間が膨張し続けていると云う事は、時間が過去から未来に積み重なり続けていると云う事、そして宇宙には果てが在ると云う事です───ですが、虚数世界には()()()()()んです」

「───果てが、無い…」

 

 マシュの呟きに反応する様に光の像がくるんと円を描く様に広がり、影の球体になる。

 

「ええ、虚数世界は実数世界の様にある起点から生まれたのではなく、最初から其処に在ったものですから。此処から始まりましたよーみたいな端っこが無いんです。球体の表面を想像して貰えれば解りやすいかと」

「確かに!地球には果てが無いわ、何れだけ歩いてもぐるぐる回るだけ」

「そうそう、そういう事です。そして果てが無いと云う事は、空間が膨張していない…物質(形有るもの)が何も無いから空間内での運動も起こらない。つまりそれ等から逆説的に考えて、虚数世界には時間の積み重ねが無いと云う事なんです」

 

 桜がそこまで言って言葉を区切ると、今度は影の球体が一回り大きくなり、その中に無数の光の球体が現れた。

 

「そして、それぞれの世界の位置関係を表すとこうなりますね。飽く迄イメージですが、虚数世界がこの大きな玉だとすると、その中に漂っているこの光の玉一つ一つが実数世界なんです」

「…では、この玉一つ一つが並行世界の関係にあると云う事ですか?」

「おお、鋭いですねマシュ。そうそう、そう云う事です───そして、これ等全てを引っ(くる)めたものを一つの宇宙とするなら、外なる神はこの玉の外、つまり領域外と呼ばれる全く別の宇宙からやって来ている訳です」

「…成る程、並行世界線を移動するどころか宇宙そのものの壁を越える事が出来る程に高次元の存在…そんな化け物(モノ)にやって来られては、現れるだけで地球の法則を上書きされてしまうのも納得ですね」

 

 そう言って興味深そうに見遣ってくるキアラの視線に照れたのか、将又(はたまた)怯えたのか、アビゲイルは顔を伏せてそそ、と桜に擦り寄った。

 そんなアビゲイルを気遣ったのか否か、桜は話の方向を修正する。

 

「ま、結局の所ざっくり纏めるなら、虚数世界とは『物が無く、果ても無く、時間の流れすら滅茶苦茶な不確かな世界』くらいに思っておけばいいですよ。アビーちゃんの最初の質問に対する答えは、そもそも虚数世界には生命体が存在しないから外敵なんて居る筈が無いと云う事です。同様に物質も存在しない為、障害物も無い…ほらね?今回の訓練はよっぽどが無い限り絶対安全です」

 

 そう言って桜は腕を組みながらうんうん頷く。

 まるで自分にも言い聞かせている様だ、とキアラが内心苦笑する中、桜は尚言葉を重ねる。

 

「唯一の危険は意味消失ですが、艦内に居る限りその心配はありませんし、万が一そうなりそうでも虚数事象への干渉を得手とする私とBBちゃん、加えてキアラさんの五停心観による精神安定が有ればその万が一にも対応出来ます。それ等の想定をも超える最悪の事態に陥ったとしても、アビーちゃんの力なら全員纏めて虚数世界から脱出する事が可能ですし…あー成る程、こう考えると納得の人選だった訳ですねこれ」

 

 そうして喋っている内に一人で納得した桜は再びアビゲイルの頭を優しく撫でた。

 

「うん、そーいう事ですから…少しくらいなら気を抜いたってだーいじょうぶ。折角だもの、何事も楽しくいきましょ」

「…!ええ!」

「良かったですね、アビーさん!」

 

 桜の言葉ににぱっ、と花が咲き誇るかの様な笑顔を返すアビゲイルと、それを我が事の様に喜ぶマシュ。

 カルデアで特に気に掛けている二人の喜色に溢れた表情は桜の内で僅かに(しこり)となっていたダ・ヴィンチちゃんの台詞を忘れさせるのに十分な効果を持っていた。

 

 

 

 だが。

 

 

「桜さん。どうやらそうは問屋が卸さないみたいですよ」

「へ?」

 

 BBの言葉に桜がそちらを向くと───先程まで真っ暗だった艦外の景色が一変していた。

 

 虹。

 

 まるでオーロラの様な虹色の光が虚数空間内の彼方此方(あちらこちら)に渦巻いていた。

 

 

「わあっ…!綺麗!」

「これはっ…凄い光景です!桜先輩、これはどういった現象なんですか!?」

 

 無邪気に窓の外の神秘的な光景に目を輝かせているアビゲイルとマシュの二人とは対照的に、桜は眉根を寄せた困惑の表情を浮かべていた。

 

 

「……何でしょうね?これ」

「へ?」

 

 頼りになる筈の先輩の口から飛び出た、余りにも頼り無い台詞にマシュも間の抜けた言葉を口から漏らしていた。

 そんな桜の異変を敏感に察知したネモが声を掛ける。

 

「どうした、何か起こったのかい」

「…先程説明した通り、虚数世界は実数の存在である我々には観測出来ない領域です。通常、何も無い真っ暗闇に見える筈なんですが…」

「…こんな風に(オーロラ)が溢れているのはおかしいと?」

「時々なら、要素と要素が偶然混じり合う事で、まるで稲光(スパーク)の様な反応を見る事はあるんですが……これ、は、明らかに異常です」

「ふむ、異常、ね…僕としては本艦に何等かの悪影響が無ければそれで───」

 

 

 ビーーッ!ビーーッ!ビーーッ!

 

 ネモの言葉を遮る様に警報が鳴り響く。

 

「───良いと思ってたのになぁ!もぉ!」

「な、何に対する警報ですかこれ!?」

「判らないよ!プロフェッサー!?」

 

 マシュの半ば悲鳴に近い問いにネモも怒鳴りながら艦の頭脳に呼び掛ける。

 

『えー、ソナーに感有り。前方に障害物の様です』

「障害物だって!?」

『はいー、恐らく岩礁かとー。実数センサーには何の反応もありませんが、桜さんとの共同開発で取り付けた虚数センサーが捉えましたー』

「何だってそんな…あぁーっ兎に角一時緊急停止だ!エンジン!」

『言われなくともとっくにやってらぁ!ったく何処のどいつだ、虚数空間に岩礁なんて置きやがった馬鹿は!?』

「…BBちゃん?」

「違いますから!BBちゃんはちゃんとTPO弁えて悪戯しますから!」

 

 航行の緊急停止により艦が僅かに揺れる中、第一容疑者に鋭い眼差しと声色を桜は向ける。

 

「本当ですね?」

「本当ですって!何で信じてくれないんですかオリジナルさん!」

(ひとえ)に日頃の行いのせいだと思いますが?」

「だから貴女にだけは言われたくないっつーんですよ!」

 

 関与を否定するBBをからかう様に指摘するキアラ。

 またもや始まった犬猿二匹の喧嘩を他所に桜は窓の外を睨む。

 

「…キャプテンさん。これは恐らく、()()()()()が起こっています」

「!それってつまり」

「ええ、()()()()()()()()()()事で、虚数空間内に物質が生まれているのでしょう。この異常な量の虹もその影響によって生まれているものかと」

「…独りでにそんな現象が起こりうるのかい?」

「さっきも言いましたが、普通は有り得ません。何者かの仕業と考えるのが妥当かと」

「やっぱりそうなるか…くそ、兎に角先ずは(ふね)の安全確保だ!各員、気を抜かないよう───」

 

 

 

 ネモがその言葉を言い切るより早く。

 複数の衝撃がノーチラス号を襲った。

*1
a, bは実数、b≠0




ごめんなさい、続きます(笑)。

いや、一話では全然収まらなかったって云うか収める気なかったって云うか、前回の大奥みたいに一部ピックアップした短編じゃなくガッツリ書きたい衝動が、ね…。

もうちょっとお付き合い願います(笑)。



三騎の選抜理由。

BB…無論、虚数の専門家な為。桜と同系統の能力故、いざという時のバックアップもこなせる。

キアラ…千里眼持ち故に虚数空間でも俯瞰視点で活動出来る為。また五停心観によるメンタルケアで意味消失しそうになった人員の治療を担う。

アビーちゃん…最終手段幼女。マジでどうしようもなくなった際、ノーチラス号ごと空間転移で実数世界に脱出する役目を担う。

って云うかこの三人が居れば大概の事は何とかなるよね(笑)。



Q・虚数世界を纏めると?
A・物質が何も無くて、空間の果ても無くて、時間の積み重ねすら無い、滅茶苦茶で曖昧で不確かな謎世界

虚数に関するあれこれはイベントで説明された設定に、ネットで調べた物理の知識をあさーくてきとーに混ぜ合わせた作者による作者の為だけの捏造設定です。真に受けないでね!
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