毎度どうもです。
連休中という事で沢山投稿出来る!!・・・っと思っていたらこの体たらく。・・・なんてこったorz
作者の頭が低レベルなんだから仕方ない(コラ!!)
『車の修理が終わったから取りに来て頂戴。』
学校帰りにパルスィから連絡を受けたアリスは制服姿のまま代車のNBロードスターを走らせ大急ぎでディーラーへと向かう。
何せパルスィのディーラーは群馬エリアの走り屋達から絶大な支持を集めているディーラーなのだ。この時間帯から客も増え始めるので、急がなければ他の客の対応に時間を取られて自分の用件が後回しになってしまう。
アリスがこうして急ぐのには理由がある。実はこの後、池谷から至急ガソリンスタンドに来るようにと呼び出されたのだ。それも自分1人が。
自分1人が呼び出されたとなると考えられるのは池谷個人の用件か。それにしては電話口での池谷の声がかなり切羽詰まってた様な印象を受けた。つまり自分を呼び出したのはそれなりに重要な理由があるという事なのだろうか。
考え事をしているうちに車は【GARAGE Water Bridge】に辿り着いた。アリスは考えるのを止め、恐らくパルスィが居るであろうガレージに向かって歩を進める。
ガレージに着くとそこには案の定パルスィがおり、1人で作業をしていた。
アリス「こんにちは、パルスィ。」
パルスィ「いらっしゃいアリス。車、出来てるわよ。」
パルスィはそう言うと自分が作業している車の横を指差した。視線を移すとそこには完璧なまでに元通りになった我が愛車S2000があった。たった2、3日で元に戻したパルスィの腕の良さにアリスは感嘆する。
シートに座ってエンジンを掛ける。・・・とここでアリスは何かに気付いたのか隣のパルスィに疑問をぶつけた。
アリス「ねぇパルスィ、もしかしてセッティング変えた?」
パルスィ「良く気が付いたわね。細かい部分を変えただけなのに。」
どうやらパルスィはアリスの車を板金するついでにエンジンや足回りを弄ったらしい。アリスは本来、自分以外の人間が自分の車を弄る事を良く思ってはいない。だがパルスィに関しては自分が頼まない限り勝手にパーツを付ける様な真似はしないので特に思う所は無い。元より心配すらしていないが。
パルスィ「大まかに説明するとまずエンジンのオーバーホール(以下OH)に圧縮比の変更ね。まぁOHは貴女が定期的に点検してたみたいだからそんなに時間は掛からなかったわ。それとコンピューター系統(以下ECU)のセッティングの見直しに後は左右のアライメントのバランスの狂いを直したわ。・・・取り敢えずはこんな所ね。」
アリス「それをたった3日で仕上げたの!?」
流石は県内屈指の腕前を持つチューナー、水橋パルスィ。その作業1つ1つに無駄が無く、それでいて素早い。アリスは改めてパルスィの手際の良さを再確認させられた。
アリス「それで合計幾ら?」
パルスィ「7万円でいいわ。」
アリス「はぁ!?・・・いくら何でも安過ぎじゃないの?」
予想していた金額よりも遥かに安い値段であった為、何かの間違いなのではと思ったがパルスィ曰く、
パルスィ「車のセッティングは私が勝手にやった事だから、その御代は要らないわよ。」
・・・との事らしい。何と言う器の広さだ。
アリス「全く貴女って人は、・・・その器の広さが妬ましいわね。」
パルスィ「・・・人の真似してんじゃ無いわよ。妬ましい。」
アリスがパルスィの物真似をしてパルスィがそれに対して突っ込みを入れる。6年に及ぶ付き合いは2人の関係を只の店員と客という枠を超えて互いに信頼し合う友人同士という関係にまで発展させた。
本当だったら何時ガレージに引き篭もってるパルスィを峠やらファミレスやらに誘うのだが、先約があるので生憎そういう訳にはいかない。アリスは代金をパルスィに渡すと帰ってきた愛車を走らせながらパルスィの店を去って行った。
パルスィ「・・・アリスも随分変わったものね。全く、その成長の早さが妬ましいわね。」
誰も居なくなったガレージでパルスィは1人言葉を漏らすと、まだ作業の途中だった事を思い出してガレージの奥へと戻って行った。
アリスがガソリンスタンドに到着したのはすっかり日も暮れた時間帯だった。パルスィの所で少々喋り過ぎたのと予想以上に道が混んでいた事もあって到着が遅れてしまった。
スタンドに着くと建二は既に居らず、拓海と樹もバイトを終えて帰宅の準備をしていた。拓海は制服姿のアリスを見ると目を丸くさせた。
拓海「あれ?こんな時間にどうしたんだ?」
アリス「池谷さんに呼び出されたんだけど、池谷さんは何処?」
拓海「池谷先輩は事務所の中だよ。」
アリス「そう。有り難う。」
アリスは拓海に微笑みながら礼を言うと言われた通り事務所へと走って行った。拓海は暫しアリスの笑顔に目を奪われていたが、隣に居た樹に小突かれて現実に戻る。
樹「何ボケッとしてんだよ。さてはお前アリスの事を考えてたんだろ。」
拓海「・・・ほっとけよ。」
お世辞を抜きにしてもアリスは可愛い系美少女の部類に入る。そんな娘から笑顔を向けられたら拓海でなくとも健全な男子なら誰だって魅入ってしまうに違いないだろう。・・・閑話休題。
拓海「(・・・何だろう。俺、最近何時アリスの事を意識してる。)」
あの日秋名山の麓で出逢って以来一緒に過ごす時間が増えた為か、ここ数日アリスの事ばかり考える様になった。ここまで話せばもうお分かりだろう。拓海はアリスに対して恋心を抱いているのだ。
だが拓海は自身の色恋沙汰には大変疎く、拓海自身が異姓にモテた事が無かった(少なくとも本人はそう思っている)ので自分が抱いている気持ちが何なのか気付いていない。・・・閑話以下略。
拓海の心中の事はまた別の機会に話すとして、樹はアリスが何故ガソリンスタンドを訪れたのか、その真意を拓海に尋ねた。
樹「アリスは池谷先輩に呼ばれたって言ってたよなぁ。拓海には何か解るか?」
拓海「・・・多分昨日の事だと思うよ。ほら、あの青いランエボに乗って来た女の事。」
拓海の見解を聞いて樹は成る程と納得する。確かにそれならアリスが呼ばれたのも合点がいく。それにしても何故制服姿のままなのか、新たな疑問が浮かんだが何も急いで答えを出す必要は無いと思い2人は思考を放棄した。
アリス「・・・そんな事があったのですか。」
池谷「直接スタンドに来てアリス宛に挑戦状を叩き付けて行ったよ。ほら、この娘だ。」
池谷は事の顛末をアリスに話しながら樹が持っていた雑誌のページを指差す。そのページにあったのは勿論早苗の写真でそれを見たアリスはパルスィが話していた事を思い出していた。
板金出しに行った時、パルスィはアリスに【奇跡のエボ使い】こと東風谷早苗の事についての情報を聞いた。いずれ彼女とバトルする事になるだろうと思ってはいたが、思いの外早い段階でその時が来た事に若干驚く。
アリス「実際に彼女の走りを見たんですけど、流してる程度でもとても速かったですよ。まぁ、妙義山の麓で目が合った時にもそう思っていましたが。」
池谷「俺も一目見て直感で思ったよ。ハッタリじゃないってね。・・・で、受けるのか?」
最終的な判断はアリスが下す。受けるにしろ受けないにしろインパクトブルーとのバトルは行う予定でいるがまだ時間はある。池谷は今すぐ決めなくともゆっくり考えれば良いと思っていた。
だがアリスの答えは既に決まっていた。
アリス「・・・受けます。私も【奇跡のエボ使い】とバトルしてみたいです。」
池谷「・・・分かった。俺はアリスの意思を尊重するよ。だが相手は相当の腕を持つ走り屋だ。心して挑まなければ逆にやられるぞ。」
アリス「分かってます。【七色のドリフト使い】の名に賭けて絶対に勝ちます。」
滅多に言う事の無い自身の二つ名を口にしてアリスは池谷にこのバトルに掛ける思いを伝えた。アリスの強い意思を受け取った池谷はそれ以上何も言わなかった。
そんな事があった日から数日が経ち、いよいよ交流戦の前日の金曜日になった。アリス達スピードスターズ一行は高速道路を使い交流戦の舞台である碓氷峠を目指して車を走らせていた。因みに前回同様蓬莱は一足先に現地入りしている為、この場には居ない。
魔理沙「なぁ、何時になったら着くんだ?もう腹が減って死にそうだぜぇ。」
アリスの車の助手席には何故かスピードスターズのメンバーでは無い魔理沙が座っており、シートを倒した状態で退屈そうに愚痴っていた。尚、魔理沙が来た理由は「面白そうだったから」らしい。
アリス「・・・あのねぇ、魔理沙はさっきからそればっかりじゃない。もう少し我慢しなさい。」
魔理沙「アリスって本当にオカンみたいだな。」ケラケラ
アリス「・・・降ろすわよ。」
魔理沙「ちょっ!?冗談だって。」
行き過ぎた冗談を言った魔理沙を降ろす為に助手席のドアを開けようとする。こんな所で降ろされたら帰るのは愚か命すら危うい。慌てて魔理沙は謝罪を入れる。そんな魔理沙を見てアリスは深い溜め息を付いた。
アリス「・・・でも魔理沙の言う通りお腹が空いて来たわね。碓氷に着いたら蓬莱には悪いけど先に腹ごしらえをしましょう。」
碓氷に到着した後の行動を皆に知らせるべく、アリスは魔理沙にチームのメンバーにメールする様に指示する。運転しながらの携帯の操作は法に触れる為隣の魔理沙を使う。峠を攻めるという既に法に触れる様な事をやっているが細かい事は気にする事なかれ。
暫くしてメンバー全員の了承の返事を確認したアリスは目的のインターで高速を降りると隣の魔理沙が生きる屍にならないうちに、急ぎぎみに目的地へと向かう。何だかんだ言って友達想いなアリスである。
車を走らせる事約数十分、漸く目的の場所が見えてきた。オレンジ色の看板に竈の絵と黒い文字で【峠の釜めし】と書かれてある場所に車を停める。先程まで空腹のあまり沈みきっていた魔理沙のテンションも幾分か回復する。
店に入ろうとした所でアリスの携帯の着信が鳴る。電話を掛けてきたのは蓬莱であった。アリスは電話に出る。
蓬莱『到着予定時刻を大分過ぎてますけど、どうしたんですか?』
アリス「実は、カクカクシカジカ・・・」
蓬莱『・・・何ですとぉ!?待って下さい!!今すぐそっちに向かいます!!』
何やら慌てた様子で電話を切った蓬莱。恐らく此方に来るつもりだろうが残念ながら蓬莱を待てる程胃袋に余裕がある訳では無い。(特に魔理沙が)
先に店に入っても良いだろうと思い、アリス達は蓬莱を待たずに店内へと入って行った。
蓬莱「酷いですよアリスさん。蓬莱に電話を寄越さないなんて。・・・それに蓬莱が来るまで待ってても良かったじゃないですか。」
アリス「それについては謝るわ。でも仕方が無かったのよ。皆だってお腹が空いていたのだから。」
蓬莱「ぶうぶう。」
蓬莱の言い分も解るが、あの時魔理沙が死にそうな顔をしていたのでどうしても待つという選択肢を取れなかった。それはともかく今時「ぶうぶう」と言う人がいたのかとアリスは内心思う。
アリス「まぁ、蓬莱も釜飯を楽しみにしてたんでしょう。何せ碓氷の名物なんだから。」
蓬莱「いえ、朝と昼に釜飯食べましたから、別に楽しみって訳ではありません。」
蓬莱の言葉にその場にいた全員がずっこける。じゃあ何故あんなに蓬莱は怒っていたのか。
霊夢「何よ。さっきまでの私達の罪悪感を返しなさいよ。」
蓬莱「だって釜飯は碓氷の名物ですよ。1日3食キッチリ食べなければ私の沽券に関わります!!」
アリス「意味が分からないわ・・・」
何故か自分のポリシーを力説し出した蓬莱に全員が呆れる。名物でも全く違う食べ物を1日に3食食べると言うのならまだ解るが、蓬莱の場合は同じ食べ物を1日3食食べるという意味になる。相変わらずよく分からないポリシーだが蓬莱だから仕方ないかとアリスは結論付ける。
やがて釜飯が運ばれて来るとそれまで騒いでいた蓬莱も大人しくなり目を輝かせている。魔理沙に至ってはもう我慢出来ないようだ。
一口口に運ぶと昆布から取った出汁と椎茸の風味が口の中に広がる。具材も豊富な為様々な食感が楽しめる。濃すぎない味付けは家庭的な味を彷彿とさせる。成る程、これは美味しい。何処か懐かしささえ感じるその味にアリス達は舌鼓を打っていた。
途中、蓬莱が某グルメリポーターが言いそうなセリフを連発していたが、特に触れる必要も無いので割愛しておく。
釜飯を食べながらアリスは碓氷峠に到着した後の事を考えていた。此処で時間を潰してるので走り込みをする時間はあまり残されていない。ならせめて上りと下りを最低でも1本ずつは走っておきたい。
それに明日はいよいよインパクトブルーとの交流戦が控えている。一体早苗がどんな走りをするのか、前に1度彼女の走りを見た事はあるがあれは本気ではなかった。彼女の本気の走りとはどんな物なのか。今から楽しみで仕方が無い。
アリス「(ふふっ、何だかテンションが上がって来ちゃった♪)」
恐らく今夜は眠れないだろうと思いつつ残りの釜飯を平らげるアリスであった。
因みに食事代は「言い出しっぺが自分だから。」という理由でアリスが全額支払ったんだとか。
【完】
制服姿のアリス・・・想像しただけでも抱け・・・ゲフンゲフン、可愛いなぁ~。
さて、次回から交流戦に入ります。アリスと早苗のバトルをどう描こうか考え中です。決着シーンは浮かんでるんですが、そこに至るまでの描写が全く浮かんで来ない・・・どうしましょ(汗)
因みに峠の釜飯は元々駅弁として販売されていたそうな。初耳やそれ。