明らかに間違っているのに読んでみるまで気付かないのは何故なんでしょう?
衝撃的な出会いがあった数日後、
学校の授業も半分が終わり昼休みの時間になった。
昼休みになるとほとんどの生徒が食堂に向かう為アリスのいるクラスには彼女を含め数人しか残らない。
アリスが弁当を広げていると正面に誰かが座ってきた。
??「アリス、一緒に飯食おうぜ。」
アリス「あら、今日は学食じゃないのかしら魔理沙。」
魔理沙「給料日前だから金が無いんだぜ・・・」
アリス「そ、そう・・・」
「~だぜ」という口調が特徴的な少女、霧雨魔理沙はアリスの数少ない友人の1人で【普通の女子高生】を自称しているが、遅刻の常習犯で授業中居眠りしている姿をよく見かける。挙げ句の果てには授業をサボって学校の屋上でくつろいでいたりと果たしてそんな生徒が普通の女子高生と言えるのだろうか。
魔理沙「余計な情報を言わなくて良いんだぜ!!」
アリス「誰に向かって言ってるのよ・・・」
一方のアリスは魔理沙とは対照的で1年生の時から無遅刻・無欠席を続けており頭も良くて成績も優秀。その為魔理沙に勉強を教える事もしばしば。
まさに高校生の鑑である。
食事が終わると2人はガールズトークに華を咲かせる。
といっても内容は普通のガールズトークとは違って専ら車の話なのだが・・・
魔理沙「それにしてもS2000なんかよく買えたな、あれはホンダの技術のしゅう・・・何とかみたいな車なんだぜ。」
アリス「集大成よ。まぁ1年の時からほとんど毎日バイトをやっていたから、それくらい普通に貯まるわよ。」
魔理沙「そのS2000は幾らしたんだぜ?」
アリス「中古で200万ちょっとかな。」
魔理沙「そんな額普通の高校生じゃ払えないんだぜ・・・」
余談だが2人ともアルバイトをしており魔理沙は新聞配達をアリスはハンバーガーショップでアルバイトをしている。
「そういえば」とアリスが何かを思い付いたかの様に口を開いた。
アリス「霊夢から聞いたんだけど、魔理沙も車買ったらしいじゃない。」
魔理沙「そうなんだぜ!!やっと買えたんだぜ、これから楽しみで仕方ないんだぜ。」
アリス「もしかして、それで今日はお弁当なの?」
魔理沙「その通りだぜ!!」(ドヤ顔)
そこは胸を張る所じゃ無いでしょうとアリスは思うがそれを口に出さない辺りが彼女なりの優しさなのだろう。
魔理沙「・・・ってことで今度の土曜日、秋名でお披露目会をやるんだぜ。アリスも来るか?霊夢も一緒だぜ。」
アリス「そうねぇ・・・特に用事も無いし、わかったわ。行きましょう。」
アリスがそう言うと魔理沙は万歳しながら喜んだ。少し大袈裟なのではとアリスは思った。
やがて授業が終わり下校の時間となった。
歩いてバイト先に向かうアリスにまたしても誰かが声を掛けて来た。
??「先輩、こんにちは。」
??「アリスさん、こんちはー。」
アリス「あら、上海と蓬莱じゃない。どうしたの2人とも?」
アリスに声を掛けて来たのは2人の女子生徒、アリスに対して礼儀正しい話し方をするのが上海で、若干フランクな接し方をするのが蓬莱だ。
2人ともアリスの1学年後輩なのだが子供の頃から家が近所という事もあってよく一緒に遊んでいた。今では家族同然の付き合いとなっている。
蓬莱「いきなりなんですが、また山に連れてってくださいよぉ。」
アリス「本当いきなりね、でもどうせなら土曜日にしない。私の親友が車買ったんだけどそのお披露目会をするの、もし良かったら2人とも来ない?」
上海「良いんですか先輩。私達が行ったら迷惑にならないですか?」
アリス「先輩の命令には素直に従っておくものよ♪」
蓬莱「ラッキー、交渉成立♪」
上海「ですが先輩の車って確か2人乗りですよね。」
確かにS2000は2シーターであり3人乗る事は出来ない。しかしアリスには既に解決策があるようで上海の質問にすぐに答える。
アリス「それについては霊夢にでも頼んで上海を乗せて貰うようにするわ、それに上海は私の運転は苦手でしょう。」
そこまで言われると流石に上海も断る事が出来ない。上海の真面目さはアリスもよく解っているので特に気にしていない。蓬莱に関しては余程アリスの車に乗る事が楽しみなのか先程からテンションが上がりまくっている。
どこまでも正反対な2人にアリスは苦笑する。
アリス「じゃあバイトあるから先に行くね。」
上海「はい、お疲れさまでした。」
蓬莱「あ~楽しみだなぁ、早く土曜日にならないかなぁ~。」
もはや自分の世界に入ってしまった蓬莱はアリスの言葉を無視する始末。しかし蓬莱の性格上、こうなる事はいつもの事なのでやはり気にする事は無い。
別れの挨拶を済ませたアリスは足早にバイト先へと向かって行った。
その日の深夜、いつものように車を走らせ秋名山に向かうアリス。
ギャラリーがいない状態で走りたいと思っていたが秋名に到着すると案の定ギャラリーがおり、思わず溜め息を漏らす。
ちなみに今回は下りから攻めている。先日のハチロクのインパクトに衝撃を受けてとてもじゃないけどあの後下りを攻める気になれなかった。
車を走らせている間はハチロクの事を忘れようとしたが無意識の内に意識してしまいどうにも集中出来ない。実際走りにも影響が出ていて、先程からベストラインを外したりブレーキポイントが遅れている。
アリスのストレスは溜まる一方である。
アリス「(はぁ・・・こんな状態じゃ駄目ね、一旦下の駐車場で休憩しましょ。)」
下まで降りて来たアリスは駐車場に車を停めてシートを倒して休息を入れる。
横になっていても考える事はあのハチロクの事、自分よりも技術を持っている事は明らかだった。
一体どんな人が乗っているのか、どこでそんな技術を身に付けたのか、そして何故ハチロクなのか興味が尽きなかった。
しばらく休憩していると気が付けば時計は朝の4時を過ぎていた。もうこんな時間かと思っていると上の方から車のエンジン音が聞こえてきた。
アリス「(誰かしらこんな時間に・・・待って!?このエンジン音は・・・・・・4AGサウンド!?)」
思わず飛び起きた。もしかしてあのハチロクが峠を攻めるいるのか、そのエンジン音は確実に此方に近付いてくる。
やがてその車が姿を現した。
アリス「・・・!!」
見間違える筈が無い、その車は先日この秋名山ですれ違ったあのハチロクだった。
するとハチロクはアリスが停めている駐車場に入って来て自動販売機の前に車を停めた。
アリスは車から降りてハチロクの元へと駆け寄った。
アリス「あの・・・!!」
しかしアリスの口からは次の言葉を発さなかった。否、発する事が出来なかった。
その顔に見覚えがあった。その特徴は少し背が高く、茶髪がかって前髪の伸びた、少し眠そうで童顔の青年。それと全く同じ特徴を持つ人物が彼女のクラスに1人いた。
アリス「藤原くん!?」
拓海「ア・・・アリス!?」
青年、藤原拓海はまさかこんな時間に自分のクラスメイトと会う事になるとは思っていなかったらしく驚愕の表情をアリスに向けている。
アリス「藤原くんもこの時間に秋名を攻めているの?」
拓海「えっ・・・あぁ、そう言う訳じゃ無くてこれは家の手伝いで豆腐の配達をしてて今はその帰り、かったるいし早く帰りたいから豆腐乗っけて無い下りは思いっ切りすっ飛ばして帰るんだ。」
言われてから改めてハチロクを見てみると運転席のドアの所に【藤原とうふ店】と書かれてある。
アリス「へぇ、藤原くん豆腐屋さんやってるんだ、今度行ってみても良いかしら。」
拓海「あぁ、良いよ。ところで後ろの車はアリスの車なのか?」
アリス「そうよ、ホンダのS2000ていう車よ。」
拓海「S2000か・・・」
拓海はアリスの車を見ながら言葉を繋ぐ。
拓海「前にその車とすれ違った時、物凄い衝撃を受けたよ。とてつもなく速そうな感じだったし俺が人の車に興味を持ったのは初めてだったんだ。でもそれがアリスの車だったなんて・・・」
アリス「それは此方のセリフよ、まさか藤原くんがあれ程のテクニックを持っていたなんて思っても見なかったんだもん。」
「まっ、お互い様って所ね。」と言葉を締めると拓海は親父にどやされると言ってアリスと別れて帰って行った。
その後アリスも自宅に帰る為に車を走らせた。その表情は何か吹っ切れたかの様な晴れ晴れとした表情だった。
【完】
えー、はい、第2話でした。
アリスと拓海が運命の?出会いを果たしました。
この小説独自の設定なんですが、まずアリスと拓海は同じクラスです。そして上海と蓬莱は人形では無くれっきとした人という事にしました。
これは小説を書き始める時点で決めていました。
次回はあのチームが登場する予定です。
ではご機嫌ようサヨナラ!!
※ちなみに上海と蓬莱はしえら式上海蓬莱人形をイメージしました。