題名の通り、今回の話は魔理沙がマイカーをお披露目する回です。
そしてあのチームも登場します。お楽しみに!!
アリスと拓海は峠で出会った日を境に2人で走り込みをするようになった。
初めは渋々付き合っていた拓海だったが、次第に峠を攻める事の面白さに気づき始め、近頃はアリスに駆け引きやメカの知識について教えてもらっている。
そして学校でも車の事で分からない事があれば積極的にアリスに質問している。
今日もアリスは拓海にメカの知識を教えていた。
アリス「早速質問するけど、ハチロクとS2000は1つだけ共通点があるの、それは何だと思う?」
拓海「共通点?う~ん・・・・・・駄目だ、全然分かんねぇ・・・」
色々な答えを考えてはみたものの正解を導き出す事が出来ず結局拓海はギブアップを宣言した。
アリス「正解はどちらもターボ、つまり過給機が付いていない事よ。」
拓海「確かに言われてみれば・・・・・・でも、どうすればそんな事が分かるんだ?」
アリス「ターボ車にはブーストメーターって言う物が付いているの。ほら、この写真に写ってるヤツ、これがそうよ。」
言葉だけで説明するのは難しいので自宅からわざわざ写真を持参してきて事細かに教えている。
アリス「で、このメーターが付いていない車の事を総称してNAエンジンって呼んでるの。」
拓海「NAって何だ?」
アリス「Normal・Aspiration【ノーマル・アスピレーション】の略よ。日本語に訳すと自然吸気って意味、この2つの単語の頭文字を取ってNAって言うの。」
その後もアリスによるメカニック講習は続き拓海に対して自分が知っている限りの知識を与えていった。アリスの言葉を拓海は真剣な顔で聞いていた。
数日後
この日は土曜日で学校は半日で終わり皆が足早に帰る中アリスは門の前に立っていた。アリスはある人物に用事があったのだ。
??「ごめん、待った?」
アリス「そんなに待って無いわ、私もついさっき来たばかりだし。」
??「そう、ならいいわ。」
随分とドライな性格の少女が目の前に現れた。特徴的な赤い大きなリボンの髪飾りを着けているこの少女の名は博麗霊夢。アリスと同級生だが実家が神社であり彼女自身もその神社の巫女をしている。
しかし巫女でありながら車の知識はアリスよりも豊富でアリスにメカ知識を教える事も珍しくない。
アリス「例の件、お願い出来るかしら?」
霊夢「良いわよそれくらい、只バトルとかそう言うノリは無しよ。」
アリス「大丈夫よ、上海はそういう娘じゃないから。」
霊夢は車自体は好きで自分の車も持っているのだが、バトルや峠を攻める事をしない。理由はただ単に面倒くさいから。
アリス「バトルをした事無いのにどうして駆け引きとかには詳しいのかしら?」
霊夢「バトルの駆け引きも他のスポーツも基本は一緒よ。相手との力量の差、勝負を掛けるポイントと大まかな部分は他のスポーツと変わらない、ただそれだけよ。」
アリス「じゃあメカは何で詳しいのよ?」
霊夢「自分の車ぐらい自分でメンテナンスする事は当たり前でしょ。」
秋名山に到着すると既に魔理沙が頂上に車を停めて待っていた。
道中、蓬莱のテンションがおかしな事になっていたのは割愛しておこう。
アリス「へぇ、FDを買ったんだ。」
魔理沙「あぁそうだぜ、一目見た瞬間ビビっとくる物があってな、迷わず買っちゃったぜ。」
霊夢「でもロータリーエンジンって燃費の悪さで有名よ。アンタお金大丈夫なの。」
魔理沙「それは言いっこなしだぜ・・・」
早速霊夢にロータリーの欠点を指摘された魔理沙はガックリと項垂れる。どうやら現実逃避をしていたようだ。
アリス「それにしても黄色いFDだなんて、また珍しい色を選んだのね。」
魔理沙「私が珍しい物に目がないのはアリスもよく知ってるだろ。」
アリス「まぁそうね、でも魔理沙に似合ってるわよその車。」
アリスがそう言うと魔理沙は親指をグッと立ててドヤ顔を決める。分かりやすい親友のリアクションにアリスは微笑ましいと思う。
上海「ところで先輩、峠に入った途端急にスピードを上げましたよね、何があったんですか?」
霊夢「そうよ、アンタの事だから何か訳があったんでしょ。」
アリス「あ~・・・その事ね・・・」
アリスは言葉を濁しながら隣にいた人物を指差す。
蓬莱「・・・流石アリスさん、街中での全開走行は断られましたが峠に入ってからは私のリクエストに応えてくれました。その走りは圧巻の一言、アリスさんはやっぱり天才です。私の要望で手放しドリフトもしてくれましたし、なんだかんだ言ってアリスさんは優しいですね。あぁ私はなんて幸せ者なんでしょう、惚れてまうヤろぉー!!ブツブツ・・・」
霊夢「・・・事情は解ったわ。」
上海「さらっと何個か問題発言してましたね・・・」
霊夢「アンタもナニ手放しドリフトなんかやってるのよ。」
アリス「イヤ・・・蓬莱に鬼気迫る表情で頼まれたからつい・・・」
霊夢「そう言う問題じゃ無いでしょ・・・」
その後蓬莱の暴走は1時間近く続いた。
1時間後、ようやく蓬莱の暴走が収まり話題は再び魔理沙のFDの事になっていた。
霊夢「アンタまだメカの事とか詳しく無いでしょ、私とアリスが教える前に車の異変を感じたら私達の所に持って来なさい、メンテナンスぐらいはしてあげるわ。」
魔理沙「サンキュー霊夢、やっぱ持つべき物は車と親友だな。」
2人のやり取りを黙って見ていたアリスだったが複数の車のエンジン音が此方に近付いてくるのに気が付いた。
アリス「何台か下から上がってくるわ。」
魔理沙「チームの奴らでも来るのか?」
霊夢「秋名を地元にしているチームって言ったら、アイツ等ね。」
どうやら霊夢は誰が上がって来るのかおおよその見当が付いているようだ。
やがて、連中が頂上に姿を現した。
ふと霊夢の方を見ると予想が当たっていたのか、溜め息をつきながら頭を抱えていた。何故そんな反応をするのか疑問だが・・・
先頭の車、明るい緑とシルバーのツートンのシルビアが車を停めた。その中からなんか冴えない感じの男性と、坊っちゃん刈りの見覚えのある青年と、そして何故かやつれた様子の拓海が降りて来た。
アリス「藤原くん!?それに武内くんまで!?」
拓海「あぁ・・・アリスか・・・」
樹「あれ?アリスじゃん、それに魔理沙と霊夢もどうしたんだこんな所で?」
??「樹、この娘達と知り合いなのか?」
樹「知り合いも何も霊夢達とは同じ学校のクラスメイトですよ。」
アリス「って言うか藤原くんどうしたの?そんなにやつれて。」
拓海「えーっと・・・ここじゃあれだから、ちょっと来てくれ。」
満身創痍な様子の拓海を見ていられなくなったアリスは拓海に声を掛けた。拓海はアリスを霊夢達から離れた距離まで移動すると2人にしか聞こえない声で事の真相を語り始めた。
アリス「つまり、池谷って人のドラテクが余りにも下手でそれで車酔いをしたって事?」
拓海「そう言う事・・・何で樹が平気なのか分かんねぇよ。」
聞けば池谷は拓海のバイト先であるガソリンスタンドの先輩社員であり、拓海達の面倒をよく見ているのだとか。さらに【秋名スピードスターズ】のチームリーダーであり、毎週土曜日になるとこうして秋名山に集まるらしい。
アリス「(そんな下手な人がリーダーなんかやってて大丈夫なのかしらこのチーム・・・)」
拓海の話を聞いて身も蓋もない事を思うアリスだった。
池谷「2人共、少しいいかな。」
池谷に呼ばれた2人は霊夢達の下に戻って来た。
アリス「貴方が池谷さんですね、私はアリス・マーガトロイドと言います。池谷さんの事は先程藤原くんから話を聞きました、バイト先の先輩なんですよね。」
池谷「話が早くて助かるよ、君がアリスちゃんか。俺も君の事は拓海から聞いてるよ、高校生なのに物凄いテクを持ってるんだってね。」
樹は今まで知らなかったのか、とても驚いた様子でアリスを見ている。
池谷「それで・・・いきなり押し掛けてきた連中がこんな事言うのはおかしいと思うけど、君に頼みがあるんだ。」
アリス「?・・・なんでしょうか。」
アリスは池谷の言葉を待った。
そして池谷の次の一言がこの場にいた全ての人々を驚愕させた。
池谷「俺達のチーム、秋名スピードスターズに入ってくれないか?」
アリス「・・・・・・へっ?」
【完】
えー、第3話でした。
はい、ついに我らが池谷先輩が登場しました。
今回の話は随分と滅茶苦茶な感じになっちゃいました。
魔理沙の車に関してはイニDのゆっくり実況を観たことのがある人は多分気が付いたと思います。
この小説での霊夢は頭脳チートです。
そして蓬莱の思考が暴走していましたね、今後も蓬莱の暴走シーンを書く予定です。
後アリスさん、しれっと手放しドリフトするのはやめて下さい・・・
ではご機嫌ようサヨナラ!!
手放しドリフトをリクエストする蓬莱って一体・・・