七色のドリフト使い(再制作予定)   作:独田圭(ドクタケ)

4 / 23
えー、どうもDoctor Kです。

今回は初めてのバトル描写となります。

余り自信が無いのでいつも以上に無茶苦茶になってるとは思いますが自分なりに頑張りました。

ではどうぞ



第4話 vs池谷 覚悟と決意

 

 

 

アリス「えーっと、何で急にそんな話になるんですか?」

 

池谷「俺が他力本願なのは重々承知している、今は弱いけどいずれは強いチームを作って見せる、そして以前レッドサンズが成し遂げた以上の事を俺達がやる。だから頼む、俺達のチームに入ってくれ。」

 

初めて会った時のような優しい口調では無く、強くはっきりとした口調で池谷はそう言った。

 

何でも秋名スピードスターズは池谷が立ち上げて3年近く経つがまともなバトルは数える程しかした事が無く、まだ一度もバトルに勝った事が無いと言う。強くなる為にこのままではいけないと思った池谷は優秀なドライバーを探してはこうして勧誘活動を行っているのだとか。

 

ちなみに後で聞いた話になるが、実は霊夢も池谷から勧誘された事があり、熱烈なアプローチを受けたのだとか。それで池谷達が現れた時ああいう反応をしていたのかとアリスは納得する。

 

魔理沙「おぉ!!これはいきなり凄い展開になって来たな!!」

 

蓬莱「何と!!アリスさんに熱烈オファー。果たしてアリスさんはチームの救世主になれるのでしょうか!?」

 

アリス「勝手に話を進めないでよ!!」

 

拓海「何かこの2人、樹と被る・・・」

 

2人の後押し(?)を背に受けアリスは暫し考える。

 

確かにチームに入るという事は必然的に他のチームとの交流、もしくはバトルする機会が増えるという事になる。最近自身のやり方に物足りなさを感じてきたアリスにしてみれば、レベルアップを図るにはこの上無い機会という訳である。

 

しかし問題は、もしそうなった場合チームリーダーである池谷は仮に負けた時にその責任を1人で背負う覚悟があるかという事。

 

本当に強くなりたいと思っているならばその覚悟はとっくに出来ている筈、もしそれが只の見切り発車で始めた事ならば、そんな中途半端な覚悟は長くは続かない。

 

アリス「・・・1つ確認したい事が有るんですけど。」

 

池谷「?・・・何かな。」

 

アリス「もしチームがバトルで負けた時、池谷さんは敗戦の責任を1人で背負う事は出来ますか?」

 

池谷「・・・出来る、どんな事があってもその全てを俺が背負う。」

 

池谷ははっきりと宣言した、【全てを背負う】と。

 

その言葉を聞いて池谷の覚悟が生半可な物では無いと知った。

 

だからこそアリスは1つの結論を下す。

 

アリス「ならその覚悟を・・・見せて下さい。」

 

・・・アリスの雰囲気が変わる。

 

それは1つの事を極めた者だけが持つ強いオーラを纏っていた。

 

魔理沙「(アリスの奴があんな顔してる所初めて見たぜ。)」

 

蓬莱「(・・・先輩が本気になりましたね。)」

 

拓海「(凄いオーラだ・・・)」

 

その場にいた全員がアリスのオーラに身を震わせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋名山のスタート地点には2台の車が並んでいた。

 

1台はライムグリーンツートンのS13シルビア。

 

そしてもう1台はグランプリホワイトのS2000。

 

霊夢は車が横一列に並んだ事を確認するとバトルのルール説明を始めた。

 

霊夢「勝負は下りの一本勝負よ、麓の駐車場がゴール地点だから先にそこに到着した方が勝ち、麓には魔理沙と蓬莱が向かってるから着いたら向こうから連絡が来ると思うわ、そしたら始めましょ。」

 

魔理沙「『上海、今麓に着いたぜ。』」

 

上海「そうですか。蓬莱、対向車は来てるかしら?」

 

蓬莱「『来てないわよ、いつでも始めて良いわ。』」

 

上海「分かったわ・・・霊夢さん。」

 

霊夢「コクッ・・・それじゃあそろそろ始めるわよ。」

 

霊夢の言葉を合図に2台の車のエキゾーストが鳴り響く、・・・いよいよバトルが始まる。秋名山にはいつの間にか沢山のギャラリーが集まっていた。

 

霊夢「スタート5秒前!!・・・4・・・3・・・2・・・1・・・GO!!」

 

2台の車が一斉に走り出した。

 

スタート直後、アリスは池谷の走りを観察する為後ろに付いた。

 

上海「アリス先輩は・・・勝てるのでしょうか、このバトル。」

 

霊夢「心配ないと思うわ、スタートの様子を見ていたけどクラッチの繋ぎ方はアリスの方が上手かったわ。」

 

アリスは池谷の後ろに付きながら思考を巡らせていた。

 

アリス「(まずは最初のコーナーね、その処理の仕方で大体の事は解るわ。)」

 

コーナーが目の前に迫って来て2人共ブレーキングに入る、そして車速を落として第1コーナーに突っ込んで行く。

 

池谷は無難にグリップ走行でコーナーを抜ける、それに対してアリスは見事な4輪ドリフトを決めてクリアした。

 

「凄えぞあのS2000、コーナーの幅をめーいっぱい使ってドリフトして行ったぞ!!」

 

「物凄いテクだ、S2000は高い操縦性を要求されるから乗り手を選ぶ車なんだ、あれを平然と乗りこなすとは・・・」

 

「もしかして、あのS2000のドライバーは俺達が思ってる以上に凄腕の持ち主じゃないか?」

 

アリスはそんなギャラリーの感想など聞こえる筈もなく池谷の走りに素直に感心していた。

 

アリス「(へぇ、藤原くんの話を聞いていたから腕の方は期待していなかったけど、思ってたよりやるわね。)」

 

アリスは更に分析を進める。

 

アリス「(よく言えば手堅いけど悪く言えば面白みが無いわね、それに走りを見ていると車の性能を使いこなせて無い感じがあるわ、この程度なら私が負ける事は無いわ。もっともこのバトルは・・・)」

 

アリスはその表情に笑みを浮かべながら、

 

アリス「(勝敗なんて二の次だけどね!!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バトルは中盤を過ぎて5連続ヘアピンにさしかかっていた。

 

アリスは相変わらず池谷の後ろに付いており一見膠着状態に見える。

 

しかし、池谷の表情には焦りの色が浮かんでいた。

 

池谷「(くっ!これだけ我武者羅に攻めても振り切る事すら出来ないのか!?)」

 

いくら限界ギリギリで攻めてもアリスのS2000を振り切る事が出来ない。池谷は明らかに追い詰められていた。

 

一方のアリスはそんな池谷の欠点を見抜いていた。

 

池谷はコーナーに進入する際、インに付く事を意識し過ぎて早めに減速する傾向がある。シルビアはコーナリングマシンであるがそんな走りをしていればシルビアの利点を殺している様な物だ。

 

5連続ヘアピンの1個目、それまで黙って後ろから見ていたアリスが動いた。

 

コーナーの入り口で減速を始めた池谷に対して、限界ギリギリの突っ込みでイン側に鼻面を捩じ込む。

 

突然起きた出来事に池谷は一瞬対応が遅れたが、直ぐに立ち直りインを占めようとする。

 

しかしその一瞬が命取りとなった。

 

コーナーに進入する時には既に横に並ばれており、インベタのラインを描きながらアリスのS2000はあっという間にS13をオーバーテイクした。

 

余りにも呆気ない展開にその場に居たギャラリー全員が言葉を失う。

 

「あっさり抜きやがった・・・」

 

「マジかよ・・・信じられねぇ。」

 

全員が静まり返る中、たった今起こった事を冷静な顔で傍観している1人の男が居た。

 

??「成る程良い腕だ、コーナーを立ち上がるあの後ろ姿には得も言われぬ余韻がある。」

 

「そうですか?俺には何も分かりませんが・・・」

 

??「(解る奴にしか解らねぇか・・・)自分の車を手足の様に操れる領域に達した走り屋の車からはオーラが漂う、あのS2000からは強いオーラが出ていた。並の走り屋じゃ無いな。」

 

アリスの走りに興味を持った男は何とも形容し難い高揚感に駆られていた。男は表情に笑みを浮かべていた。

 

中里「高橋涼介以来だな、とんでもねぇ奴が世の中には居るな。アイツを仕留めるのはこの俺、妙義ナイトキッズの中里毅だ!!」

 

男、中里毅は新たなライバルの出現に心を躍らせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ゴール地点では魔理沙と蓬莱が待機していた。

 

魔理沙「なぁ蓬莱、お前ならアリスの横に乗った事があるから分かると思うけど、アリスの得意技ってなんだ?」

 

蓬莱「先輩は基本的にドリフトと呼べる物は全て得意ですよ。サイドブレーキを使った初歩的なドリフトから慣性ドリフトまで、私がリクエストすれば手放しドリフトだって出来ますよ。」

 

魔理沙「・・・そんな事までするのか?普段の優等生ぶりなアイツからはとてもじゃないけど想像出来ないぜ。」

 

蓬莱「まぁそうですね。」

 

魔理沙「ていうかお前、さっきから思ってたけど何か口調が変わってねぇか?」

 

蓬莱「バトルをしている時はふざけないでおこうと決めているんです。」

 

魔理沙「あっそう・・・」

 

そう言う蓬莱の表情はバトル前のお調子者な感じとは違い、凛とした顔つきをしていた。

 

「来た、来たぞ!!」

 

ギャラリーの誰かがそう叫んだのと同時に最終コーナーから1台の車が姿を現した。

 

その車とは・・・

 

魔理沙「S2000・・・アリスの車だ!!」

 

蓬莱「分かりきっていた事ですが、勝ちましたね。」

 

アリスのS2000はそのままゴールへと到着した。

 

勝者、アリス

 

車から降りて来たアリスの元に2人が駆け寄る。

 

魔理沙「凄えなアリス!!本当に勝っちまったぜ!!やっぱり出来る女は違うぜ。」

 

蓬莱「流石アリスさんは私の憧れですね、これぞまさに完全勝利、七色のドリフト使いの片鱗を見せ付けましたね、ではアリスさん今の気持ちをどうぞ♪」

 

アリス「急にそんな事言われても困るんだけど・・・」

 

魔理沙「(いくらなんでもテンション変わり過ぎだろ・・・)」

 

バトルが終わった途端いつものお調子者に戻った蓬莱に魔理沙は唖然とする。

 

そしてこの蓬莱の言葉を聞いたギャラリーがアリスの事を【七色のドリフト使い】と呼ぶようになるのはまた別の話。

 

3人が話をしていると少し遅れてゴール地点に到着した池谷がアリスの元に近寄って来た。

 

池谷「負けたよ・・・やはり強くなる為には人を頼ってばかりじゃ駄目だな、俺の覚悟が足りなかったな。」

 

アリスは池谷の言葉に首を振る。

 

アリス「そんな事ありません、このバトルは勝ち負けなんか関係ありません。」

 

池谷「じゃあどうして・・・」

 

アリス「あなたの覚悟を知りたかっただけですよ。」

 

アリスは更に言葉を続ける。

 

アリス「言葉で伝えるのはとても簡単な事です、ですがそれが本物かどうかは言った本人にしか分かりません、私はあなたの覚悟が本物か確かめたかったんです。その上で・・・」

 

一旦言葉を区切り、そして・・・

 

アリス「あなたの気持ちが本物だと解りました、私を・・・スピードスターズに入れて下さい。」

 

しばしの沈黙の後池谷は笑い出した。

 

アリス「何か可笑しな事言いましたか?」

 

池谷「いやごめん、君みたいに自分の走りと真っ直ぐに向き合っている人間を初めて見たからついね。」

 

そう言うと池谷はアリスに右手を差し出した。

 

池谷「改めて、俺が秋名スピードスターズのリーダー池谷浩一郎だ。これから宜しく頼むよ。」

 

アリス「はい、宜しくお願いします。」

 

2人は固い握手を交わした。

 

こうしてアリス・マーガトロイドは晴れて秋名スピードスターズの一員となった。

 

【完】

 

 

 




はい、第4話をお送りしました。

途中、板金王こと中里さんを登場させました。なんかフラグを建てていましたが・・・

そしてバトルはアリスの圧勝でした。まぁ当然ですね。

なんか途中拓海達が空気になってましたね。いやはや申し訳ないです。

さて、アリスはこれで池谷の仲間になりました。これからアリスと拓海の関係をどう発展させて行こうか考えている今日この頃であります。

えっ、茂木なつき?

よく分からんなぁ(すっとぼけ)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。