どうしてもネタに詰まるとギャグに走ってしまいます。どうしたものか・・・
えっ、面白くない?
それは言いっこなしでしょう・・・
アリスが秋名スピードスターズに加入して数日後、
この日の夜、秋名山ではスピードスターズのメンバーが集まってミーティングをしていた。
メンバーの中には池谷を始め、健二、樹、拓海、そしてアリスの姿があった。
池谷「まず、メンバーの振り分けについてだけど、ドライバーは拓海とアリスに、健二と樹はメカニックを任せる事にした。」
4人共黙って頷く。技術、センス共に飛び抜けている2人をドライバーに抜擢して、アリスには健二を、拓海には樹を専属のメカニックとして働いてもらう事になった。
なお、これは余談だが、池谷はアリスをちゃん付けで呼ぶのを止めた。理由はアリスがちゃん付けで呼ばない様に言ったからである。
池谷「2人共ダウンヒルのドライバーを任せるつもりだけど、アリスに関しては相手の要望があった時のみヒルクライムを担当してもらう。」
現在、バトルは基本的に下りの勝負がメインとなっており、上りの勝負は行われていない。しかし稀にヒルクライムバトルを要望してくる走り屋もおり、その時はアリスがその役目を受け持つ事になっている。
と、ここでアリスが疑問に思っていた事を口にした。
アリス「じゃあ、作戦は誰が考えるんですか?池谷さんがその役目を担う事になるんですか?」
お世辞にも池谷はコースや車に応じて作戦を考えられる様な軍師的な役割は向いていない。その事を懸念してアリスは池谷に聞いてみた。
池谷「あぁ、その事なら・・・霊夢「ごめん、遅れたわ。」来たか。」
アリス「霊夢!?どうして此処に?」
蓬莱「蓬莱もいるよぉ♪」
突如としてこの場に現れた霊夢と蓬莱に全員の視線が集まる。
健二「池谷、この娘達は?」
池谷「俺が呼んだんだ、落ち着いた娘の方が博麗霊夢と言って、明るい感じの娘が蓬莱って言う。拓海達の学校の同級生だよ。蓬莱は1つ年下だったと思うけど。」
霊夢「自己紹介の手間が省けて助かるわ。」
池谷が呼んだ事には納得したが何故今更了承したのか気になった。霊夢が池谷に何度も勧誘されていた事は知っていたし、絶対参加しないだろうと思っていた。それに蓬莱まで呼んだ理由が解らなかった。
アリス「なんで参加する事にしたのよ?」
霊夢「話せば長くなるけど、この間池谷にまた勧誘されたから断ろうとしたけど、今までと違ってドライバーとしてではなく裏方として誘われたから興味が湧いてきたのよ。蓬莱の件については私が参加するにあたって、池谷から記憶力の高い人間を連れて来てって頼まれたから私達の中では一番記憶力が良い蓬莱を呼んだ訳。」
蓬莱「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ~ン♪みんな大好き蓬莱で~す♪」
アリス「・・・・・・。」
何時みたく軽いノリで現れた蓬莱。相変わらずヘラヘラした態度でアホの子に思われがちだが、実は記憶力、引いては頭の回転の速さは此処にいるメンバーの中では群を抜いている。蓬莱の頭の良さが分かるエピソードが何個かある。高校生が習う数学の問題を小学3年生の時点で既に解いていたり、同じ時期には既に麻雀が出来て地元の雀荘で無敗だったり(この物語独自の設定です)、中学3年で英検と漢検の1級を同時に取得したりと見た目に似合わず反則級の頭脳を持っている。それを踏まえると蓬莱がこの場に呼ばれた理由も納得である。
その後の話で池谷は霊夢を外報部長兼戦術参謀として、蓬莱は霊夢の補佐とコース攻略に仕事が振り分けられた。
池谷「それじゃあ今後の活動方針についてだけど、まず群馬県内の峠に乗り込んで地元の走り屋達にバトルを仕掛ける。秋名でのバトルは基本的に受け付けない事にした。県内全ての峠を総なめにした後は関東全域に活動範囲を広げる。最終的な目標はレッドサンズを討つ事。大まかに説明するとこんな感じかな。」
あぁそれと、と池谷は新たに言葉を付け加えた。
池谷「拓海とアリスに話があると霊夢が言っていたから聞いて来なよ。」
言われた2人は頭に?を浮かべながら、霊夢の元に向かった。
霊夢「・・・来たわね。早速質問するけど、バトルに勝つ為には何が一番重要か解るかしら?」
拓海「ドライバーの技術じゃ無いのか?」
アリス「駆け引きか何かかしら?」
霊夢「どっちも外れよ。勝負事で大事なのは集中力、つまり精神面よ。集中力と精神は綿密に関係してくるからこれが無いと何も始まらないわ。集中力を上げる為には座禅とかが一番良いけどお坊さんじゃ無いから、手っ取り早く上げる為には睡眠が効果的ね。バトル前の30分程仮眠を取っただけでも大分違うわ、覚えておく事ね。」
2人が頷いた所で霊夢は話を進める。
霊夢「これは私の持論なんだけど、いくら技術があっても集中力が続かなければ宝の持ち腐れよ。集中力があって初めて実践的な技術が身に付くと思うわ。この話で分かったと思うけど、技術や駆け引きは集中力を上げた事で身に付く、言わば副産物的な物に過ぎないのよ。」
そう霊夢は締めくくった。頭脳派の彼女らしい考え方と言える。
今の言葉を要約すると、バトル前に仮眠を取ってリフレッシュした状態でバトルに臨む事、技術を磨く前に自身の精神面を鍛えて土台作りをしておく様にという事だ。
その後もミーティングは続き、今後の計画を更に立てていった。
長々と続いたミーティングが終わり、気が付けば時計は夜の12時をまわっていた。
アリスは秋名を何本か走って帰ろうと思い横にいた拓海に声を掛けた。
アリス「私は秋名を走ってから帰ろうと思うけど、拓海くんも付き合う?」
拓海「そうしたい気持ちはあるけど、配達の時間に遅れて親父にグーで殴られたく無いから今日は帰るよ。」
そう言って拓海は帰っていった。その他の面々も帰っていき残っていたのはアリスと蓬莱だけだった。
アリス「蓬莱、帰ったんじゃ無かったの?」
蓬莱「せっかくアリスさんが秋名を攻めるというのに横に乗らない訳無いじゃ無いですかぁ。」
さも当然の様にそう言い切った蓬莱に対して苦笑を浮かべつつ車に乗り込もうとした時、誰かが声を掛けて来た。
??「やぁ、君達って地元の人?」
そこにいたのは小物臭が漂う太った男と見た目がオタクっぽい眼鏡をかけた男だった。恐らくアリス達に声を掛けたのはデブの方だろう。
アリス「・・・私達に何か用ですか?」
デブ「僕達東京から来たんだけど、なんか思ったよりも少ないね、走り屋の人。」
メガネ「そうそう、もっと賑やかな所だと思ったんだけど。」
アリス「(そりゃあ、流石にこの時間帯は皆いないわよ。)」
蓬莱「(な~んか感じの悪そうな人・・・)」
アリスは心の中で突っ込み、蓬莱は嫌悪感を示す。そんな2人をよそにデブとメガネは勝手に話を進める。
デブ「だからソレっぽい車を見掛けたらつい嬉しくなって、どれどれちょっと見せてよ。」
アリス「はぁ・・・」
そうしてデブ達2人はアリスの車を見た。
デブ「うわぁ~、カッコつけてS2000なんかに乗ってるよこの娘。」
メガネ「まっ、カッコつけてみたい気持ちは解らなくは無いんだけどね。」
デブ「でも、S2000の乗り方をこの年若い小娘が解っているかは微妙だよね・・・プププッ」
メガネ「そんな事言っちゃ悪いよ、本人も気にしてるみたいだし・・・クククッ」
蓬莱「何なのコイツら・・・」イラッ
アリス「ちょっと蓬莱、落ち着いて。」
怒りを露にする蓬莱。アリスはそんな蓬莱を宥める。
無論、アリスも不愉快な気持ちはあったが、蓬莱の方が明らかにイラついていたのでなんとか蓬莱を落ち着かせようとした。
しかし凡そデリカシーという物を知らないこのデブが放った次の一言がアリスの怒りを爆発させる事になる。
デブ「それにしても、この娘を見てると昔会った女の走り屋を思い出すね。僕のスーパーテクニックを見せてやろうと思っていたのに逃げられちゃって、【秋名の2大巨頭】の1人があのザマじゃあね、あの時は本当参っちゃったよ。」
アリス「・・・・・・。」
そう、実はこの2人はアリシアに絡んだ事があるのだ。と言ってもアリシアは自分より弱い奴とはバトルはしない為全く相手にしなかったのが真相なのだが。
しかしアリスにとって、今そんな事はどうでも良かった。
この2人は言ってはいけない事を口にした。
彼女が唯一尊敬し、大好きな母親をこのデブはバカにしたのだ、それも娘であるアリスに向かってだ。いくら彼女が優しい性格でもここまで言われたら怒らない筈が無い。
現にアリスは怒りのオーラに溢れていた。
アリス「・・・蓬莱、」
蓬莱「・・・コクッ」
蓬莱は無言で頷く、それを確認するとアリスは車に乗り込みエンジンを始動させた。人に接する時のマナーがなってない奴は走りで黙らせる。それが彼女の哲学だ。
デブ「おや、僕とバトルするつもりかい?サーキット仕込みのテクニックに付いて来れるよう精々頑張ってね。」
相変わらずの減らず口を叩くデブ。しかしアリスの胸中はこのバトルが終わったら2人を土下座させる事しか考えていなかった。
一方の蓬莱はガチモードに入り、早速相手を分析していた。
蓬莱「(先輩のオーラに気付かず減らず口を叩くとは、これは走り屋としては3流以下ね。)」
結果的にバトルはアリスの圧勝に終わった。
バトルの後、デブとメガネは心身共にボロボロの状態で正座させられ、その後1時間近く論破されたと言う。
このバトルで我々が覚えた教訓、
出る杭はメッタ打ちにされる。
その後デブとメガネが秋名山に来る事は無かった・・・
【完】
はい、第7話でした。
バトル描写はカットしましたが、どうしても見たいという方はその一部をどうぞ。
~5連ヘアピン~
デブ「行くぞォ、必殺のォ、超絶!!ウルトラスーパーレイトブレーk・・・アリス「言わせないわよ!!」うわあぁァァァ!!」
これが10回続きました(笑)
うちのアリスは怒らせたら精神的にフルボッコにします。
皆さん、くれぐれもお気をつけ下さい。