Story Spun Friends   作:Gliscor

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実際の歴史上の国のシステムや政治等と差異が生じていてもタグを見て目を瞑っていただけるとありがたいです。



第十一話 リアン

 

 

 

-----某時代の某国。

 

-----そこは比較的人々が平和暮らしていたが、時には戦争を起こし起こされ、人々はその生きる為の権利を勝ち取るために日々鍛錬を怠らないようにしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーーーー!! てめえまた俺の飯食いやがっただろ! このクソバカ!!」

 

昼飯の時間となり俺がお役目から戻って来ると食事の量がいつもより少なかった。

 

絶対アクテ、あのバカヤロウのせいに違いない。

そう思って声をかけた。

 

「リアン、お前が遅いのがいけないんだよーだ!」

 

「てめぇ…表へ出ろ!!」

 

「あぁ!? よし、かかってこい!」

 

 

 

俺たちが小屋から少し離れた広場へ移動すると野次馬たちが集まってきた。

 

 

 

 

 

---おいおい、またリアンとアクティフが喧嘩するらしいぞ。

 

---今度は何だ?

 

---昼飯を取られたらしい。

 

---またか…この前は小銭、その前は頭に水をかけられた、そしてその前は太刀筋をバカにされた、その前は…。

 

---もういいよ、まったくいつまでたってもガキだな…。

 

 

 

「---いいか、この前のは腹が痛かっただけだ。あれは俺の実力の1/100も出てねぇんだぞ」

 

アクテは木刀を構えながらそう言った。

 

「はっ、そうやってほざいてろ。どうせまた俺の勝ちなんだからよ!」

 

「うるせぇ! 吠え面かかせてやるぜ!!」

 

俺たちは同時にお互い目指して駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「はい、そこまで〜」」

 

 

 

---が、それは2歩で阻まれた。

 

 

 

「なっ…! ハルト! 離せよ!! こいつが俺の飯を奪ったんだぞ!」

 

ハルト…腕の太さが俺の3倍はあるんじゃないかと思われるその腕で俺は持ち上げられた。

 

 

 

「いってぇ…何すんだよ!!」

 

アクテも同様にサージュに脚蹴りを喰らって転げていた。

 

「はいはい2人とも、文句なら彼女に言ってね〜」

 

サージュはそう言うとある白い髪の女性の方を指した。

 

 

 

「…またかよ」

 

大体予想は出来ていたけど…その指の先には"クロワール"がいた。

 

 

「はいはいお2人さん、いい加減バカなことはやめようね。もう私たちも14歳になるんだから」

 

クロワールは自慢の白い髪をたなびかせ言い聞かせるように語る。

 

「お前はほんとうるせえよ…いつもネチネチと…」

 

「そうだ! あのままやれば今回は俺が勝ってた!」

 

俺たちが反論する様子を見てクロワールは はぁ とひとつため息をついた。

 

 

 

「リアン…あんたもいつまでたってもガキじゃないんだから少しは冷静になったら? アクテ、あんたリアンに1回も勝ったことないくせに大口叩きすぎ、それにちょっかい出しすぎ」

 

 

「「ぐっ…」」

 

 

その言葉に反論できない---いつも問題を起こしてはこうやって言いくるめられるまでがお決まりの流れだった。

 

 

「はい、この件はおしまーい。ほら、2人とも早く午後の支度しなさいよ」

 

クロワールは手を叩きながらそう言いってニコニコしながら去っていった。

その笑顔には何も言わさせないような謎の威圧感があった。

 

 

「はぁ…ったく、あいつ…」

 

俺が舌打ちをしてるとサージュとハルトが近付いてきた。

 

「まぁまぁリアン、彼女も君たちを心配してのことだろうしそんなに怒らなくてもいいだろ」

 

「んなわけねーよ! あの女がそんな…」

 

「---だったら、あんなに毎回止めてくれるか? 俺だったら見捨てるぜ」

 

「………」

 

サージュとハルトの言葉には説得感があった…認めたくないけど。

 

 

 

 

 

「おいリアン、覚えとけよ。この決着はいつかつけるからな」

 

「つけるも何もお前俺に勝ったことないじゃん」

 

「うるせー! 次は負けねぇ!」

 

ギャーギャー騒ぎながらアクテは去っていった。

 

さて…俺も行かないとな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リアン…俺はこの国のこの街で産まれ、この街で育てられてきた。

母親は俺が産まれた後3年して他界…父親はもう既に戦死したらしい。

 

そんな身寄りの無い俺を助けてくれたのが---クロワールの家族だった。

クロワールの家族は優しく、俺を本当の家族のように扱ってくれた。

まぁ…クロワールとは幼馴染って関係になる。

俺たちは喧嘩なんかもしながらも毎日を楽しく過ごしていた。

 

 

---そう、あの日までは。

 

 

敵の襲来…他国からの侵略は俺たちの日常を壊した。

何とかこの国の兵士たちが敵を追い返したが---それは深い爪痕を残していった。

家屋は崩壊し、城は崩れ、沢山の人が死んだ。

 

 

クロワールの家族の死-----それは俺たちの心に大きな傷を残した。

それから1ヶ月はクロワールは泣き止まなかった。

俺はあいつを慰めようと必死に頑張ったけど無理だった…。

 

今思えばあの時だ---もう2度とあいつを悲しませない、俺が剣士になり、あいつを守り、この国に平和を持たらせてやる---そう誓ったのは…。

 

 

 

そこから俺たちの新しい生活が始まった。

 

まず何を始めるにしても家が欲しかった。

立派でなくていいから家を作ろうとした。

 

小さな森---そこから木を取ろうにも非力な俺たちじゃ全然木を集められなかった。

 

そんな時-----あいつがいたんだ。

 

ハルト…あいつも敵に両親を殺され1人で何とか生きようとしていた。

俺たちは意気投合し、協力して家を建て始めた。

 

 

 

3日くらいたったある日---俺たちはいつものように森へ向かっていると小さな湖に顔をつけたまま倒れている奴がいた。

 

「お〜い、生きてるか〜」

 

「…返事がねぇぞ」

 

「おーい、君大丈夫?」

 

クロワールがつんつんとつっつくとその体がぴくっと動き出した。

 

「ウヴォア!!!!」

 

「「「おわっ!?」」」

 

 

そいつが---アクテだ。

あいつもどうやら俺たちと事情は一緒らしく、俺たちは仲間になった。

あいつはムードメーカーだった、暗かった俺たちはあいつのお陰で元気を取り戻したたのかもしれないな。

 

 

 

 

「…こんな骨組みじゃ暴風に耐えられない、もっと資材を追加するべきじゃ…」

 

俺たちが材料を取って帰ってくると未完成の家の前でぶつぶつ喋っている奴がいた。

 

それがサージュ、あいつも事情は一緒だ。

あいつは頭が良かった、ガタガタだった俺たちの家を1から考えてくれて立派な完成図を仕上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…出来た!」

 

「「「「やったああああああああ!!」」」」

 

こうして何ヶ月かたつ頃には立派な家が完成していた。

俺たちは力を結集させ、嵐も負けない家を建てたんだ。

 

俺たちを繋いだのはひとつのことを目指す意志。

 

 

 

-----"平和"だ。

 

同じ事情で家族を失った俺たちだけにわかる悲しみ、痛み…それが俺たちを結んだ。

 

 

それから俺たちは共に鍛え、共に語り、共に過ごしてきた。

みんなはかけがえのない-----家族だ。

 

仕事が終わり家に帰るとあいつらがいる。

時に笑い、時に杯を共にし、時には喧嘩もすることもあるけどそれがたまらなく幸せだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんな、明日はいよいよ王国兵士選定試験だな」

 

みんなで晩ご飯を食べている中サージュが発言した。

 

「おう! ついに待ちに待った日が…くぅ〜、俺たちの夢への第一歩がやっと開かれるんだ…!」

 

「あぁ、絶対合格してやろうぜ」

 

王国兵士選定試験…14歳を迎えた男性は皆この試験を受けることができる。

それは俺たちが目指す"平和"への第一歩でありずっと目指してきた場所だった。

 

 

 

「まあ…リアンは絶対合格出来るだろうけどな」

 

みんながいっせいに俺を見つめた。

 

「そうだな…リアンはまだ戦いには出たことないにしろあの剣捌きは正直この国トップの人を上回ってる…」

 

「何言ってんだ、お前らだって受かるって」

 

「へっ…俺はお前を落とすつもりでやってやるぜ」

 

アクテが意気揚々と俺に指をさしてきた。

 

「バーカ、出来るもんならやってみろ」

 

 

それから俺たちは明日への楽しみが抑えきれず騒ぎ、そして語り合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ〜、騒いだ騒い………クロワール?」

 

みんなで騒ぎ、みんなが寝付いた後外に出てみるとそこにはクロワールがいた。

 

「あ、リアン…」

 

「どうしたんだよ、外は冷えるだろうしさっさと中に入れよ」

 

「ごめんね…なんだか寝れなくて」

 

「そっか…」

 

 

俺たちはしばらく無言で過ごした。

先に口を開いたのはクロワールだった。

 

「明日…王国兵士選定試験だね」

 

「そうだな…ちょうど3年、か」

 

あの日から明日で3年がたとうとしていた。

今思えば短いようで人生の全てが詰まった---そんな3年間だった。

 

「うん…あの日からずっとリアンは平和に向けて鍛えて、仲間のことほんとに大切に思って…私のことを守ってくれた、カッコいいよ」

 

「なっ…」

 

俺は急なクロワールの言葉にびっくりした。

 

「き、気持ち悪りぃぞ! 急に何言ってんだよ!」

 

「えへへ、たまには驚かせてやらないと」

 

そう言うとクロワールは今度は別の表情をした。

 

「ねえ…リアンは将来どうなりたい?」

 

唐突な問いだった。

 

「そんなの決まってんだろ…この国のトップを目指す! それで俺が平和を築くんだよ」

 

「だよね…リアンはずっと変わらない…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-----そういうとクロワールは立ち上がり

 

 

 

 

------俺にキスをした

 

 

 

 

 

 

「なっ…!?」

 

 

 

「大好きだよリアン、おやすみ」

 

 

 

 

 

 

俺はそのままその場でぼーっとしていた。

 

ただ、その唇の感触だけが残っていた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今朝はクロワールと顔を合わせなかった。

というよりあいつが朝早くから用事があるらしく合わせられなかっただけだけど…。

 

「よーしお前ら! 準備はできたか!!」

 

アクテがいつものように大声でそういうとみんなは後から続いた。

 

「ん? どうしたんだよリアン、ぼーっとして」

 

「え、あ…わりぃ…」

 

俺は昨日の夜のことにまだ気を取られていた。

クロワールが----あいつのことを考えると鼓動が速まった。

 

「なんだなんだ? トイレなら済ませとけよ?」

 

「ちげぇよ! さっさと行くぞ!」

 

ダメだ、今は集中しないといけない。

 

 

俺たちは会場である城内へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え〜ではこれより、王国兵士選定試験を開始する。まず内容についてだが…」

 

会場では上級兵士が高らかにその試験の内容を語っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

---その時だった。

 

 

 

 

破壊音、爆発音がした。

 

 

 

 

「なんだ!?」

 

「見ろよ、あそこ!!」

 

 

サージュは指を指した。

 

 

-----そこには、3年前と同じように沢山の兵士が押し寄せてきていた。

 

 

 

「う、嘘…だろ…」

 

 

悪夢---いや、悪夢のような現実がそこに起こってしまった。

 

俺の頭にはあの光景がフラッシュバックする。

 

 

 

 

 

 

 

「し、試験は中止だ!! 兵士は応戦しろ!急げ!!」

 

さっきまで試験の内容を話していた兵士も慌てて対応をしていた。

 

 

 

 

 

「リアン、どうする!?」

 

「あ、あ…えっと…」

 

わからなかった。 どうすればいいか。

俺の頭は恐怖に支配されていた。

 

「とりあえずお前らも応戦するぞ! もう…あんなことには…」

 

みんなは頷いた。それだけだ。

 

意志は同じ。平和の為に鍛えてきたんだから。

 

「生きて会おうな!」

 

「あぁ! 俺が簡単にくたばるかよ!」

 

「じゃあまたな!」

 

 

 

俺たちは平和の為に走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街へ降りるとそこは地獄絵図だった。

 

叫ぶ人々、燃える街、血、血、血。

 

「うっ…」

 

 

 

その中で俺は"あること"を思い出した。

 

「クロワール…!」

 

どこに行った!? 今日に限って出かけていたからあいつの場所がわからない。

クソッ…どうすりゃ…。

 

そう言えば…あいつが昔…。

 

 

 

「もし何かあったらここを集合場所にしようね」

 

 

 

俺は"その場所"へと走り出した。

早く、早く、早く………!

 

俺はあいつに---まだ言えてない言葉があるのに…!

 

 

 

向かう途中で敵の兵士が俺に襲いかかってきた。

そいつらは鎧を見に纏い、俺を数人で囲む。

 

「邪魔だ!! 殺すぞ!!!」

 

俺は容赦なく真剣でそいつらを斬りつける。

 

1人、また1人、また-----。

 

 

 

 

 

 

その場所に着く頃にはもう何人斬ったかわからなかった。

 

体は返り血で染まっていた。

 

 

 

「クロワール!! 無事か!?」

 

「リアン…? リアン…!!」

 

クロワールは会うや否や俺に抱きついてきた。

その瞳には涙を浮かべていた。

 

「よかった…バカヤロウ、心配したんだぞ…」

 

「私も…リアンが無事で良かった…!」

 

「でも安心してられない…ここもすぐ敵に見つかる! あいつらと合流するから俺についてこい!」

 

「うん、わかった」

 

「いいか? 絶対に俺から離れるな」

 

 

 

 

 

 

俺たちは街の中を走った。

途中で敵の兵士に何度も遭遇する。

 

「ああああああああ!!!!!」

 

また1人また1人と斬りつける、クロワールだけは絶対に守らなければいけない、この街とあいつらも…!

 

 

 

 

 

 

 

---その時、敵の軍勢が一気に数を増した。

 

「クソッ…まだこんなにいんのかよ…!」

 

 

 

何千---いや何万人にもなっていたその数。

もう俺じゃ対応しきれない。

 

でも俺は守らなければいけない。

愛する人を…この後ろにある街と人を…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何時間、いや何十時間たったんだろうかわからなかった。

 

俺は何百人…何千人もの敵の兵士を殺した。

 

「こ…こいつ…バケモノだ…」

 

敵のその声ももう頭の中には入ってこないくらい疲弊していた。

 

「どうした!! 来るなら来いよ!!!!」

 

 

 

 

---殺す、斬る。

 

---守る、絶対。

 

 

---コロス、コロス、コロス…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ…れ…」

 

体の感覚が無かった。

 

ただ…血が俺の体から流れてるのが見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

---リアン!

 

薄れていく意識の中、クロワールの声が聞こえた。

 

い…ま…助け…る…から…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ごめん…

 

俺は…何も救えなかった

 

愛する人も、友も、街も

 

結局---あの日の誓いはなんだったんだろうか

 

俺は無力で---ただの理想家で---バカで---口だけで---

 

 

 

 

ごめん…

 

 

 

 

今度はきっと-----お前のこと守ってやるから

 

 

 

 

 

だから…もう一度…もう一度だけ俺に託してくれ…

 

 

 

 

 

 

底の見えない暗闇の中、一筋の光が見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 “―――告げる!

 

 

  汝の身は我の下に、我が命運は汝の剣に! 聖杯のよるべに従い、この意、この理に従うのなら―――”

 

 

 「―――我に従え! ならばこの命運、汝が剣に預けよう……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「サーヴァント、リアン。召喚により参上した」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Story Spun Friends

 

第十一話 リアン

 

 

 

 

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