Story Spun Friends   作:Gliscor

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第三話 夢を見たんだ

 

「ッ…お前は…」

 

------違う、違う、違う

 

「お前は…外道だ…人じゃない…」

 

------違う、俺じゃない

 

燃える街並み。四方を囲む阿鼻叫喚。

 

 

灼きつくすような感情だけが自分を支配していた。

俺を睨み、その弓を持つ人物は静かに消えていった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Story Spun Friends

 

第三話 夢を見たんだ

 

 

 

 

 

 

 

ピピピピ ピピピピ ピピピピ

 

 

「んっ…」

 

突然日常が非日常に変わるような事実を突き付けられ、寝起きが悪い翌日。

寝起きは昔から良い方じゃないが、今日のは確実に気分が落ち着かなかった。

心の中に靄がかかっているのが晴れない。

 

「ふぁ〜、ねっむ…」

 

自室のドアを開けるとイリヤも隣の部屋から出てきた。

 

「あ、おはよ紡…何か眠いね…」

 

「お前もか…何か落ち着かなくて…」

 

「あはは…私も…でもその様子じゃ全然ダメ、やっぱり私がお姉ちゃんだね!」

 

「はぁ…そうですかい」

 

俺の誕生日が5月5日でイリヤの誕生日が7月20日、つまりまぁ血は繋がってないといえ家族上でなら俺が兄ということになるけど…まぁ全然それに興味はないけど。

 

 

「おはよう、2人とも。朝ご飯出来てるぞ」

 

階段を降りるとエプロン姿の士郎が料理を作っていた。

 

「おはようお兄ちゃん」

「おはよう」

 

 

こんな朝の一風景も何だかありがたかった。

 

 

 

 

 

「「いってきまーす!」」

 

いつも通りのイリヤとの登校、だけど今日は何だか…

 

「ねえねえ紡」

 

「ん? なに?」

 

「私は変身したら"魔法少女"って事になるけど紡は変身したら何て言うのかな?」

 

「はぁ? そんなのどうでもいいだろ」

 

ただでさえ体がダルいのにダルい質問に更に体が重くなる

 

「どうでもよくありませんよーーーーー!!!」

 

「「うわっ!?」」

 

俺が返答するとルビーがイリヤのカバンの中からにゅっと飛び出てきた

 

「お前いたのかよ!てか人前で出んなよ!」

 

「んも〜紡さんったらファンタジックな心が足りませんよ コ・コ・ロ!」

 

「心…?」

 

「そうです!そもそも魔法少女というのは元々妄想空想の力で動くもの!紡さんにはその心が足りないのです!」

 

「はぁ…」

 

 

まぁ一理あるような気もするけど…でもなーんかこいつの言ってることには信用できない…

 

「そーれーにー、そんなんじゃ"イリヤさんをしっかりと守れませんよ?"」

 

「…!」

 

「え? 私!?」

 

 

そうか…俺がこの魔法の世界に興味をしっかりと持たない限り強くなれない=イリヤをちゃんと守ってやれないのか…!

 

「わかった!俺ちゃんと向き合う!」

 

「よくいいましたー!それこそカレイドステッキのマスターです!」

 

「ねえ、なんで? なんで?」

 

(ぐふふふ…やはり昨日の様子を見てこの人はイリヤさんのことを気にかけてる様子ですね〜これは扱いやすくてなによりです♪)

 

 

 

 

 

「---と、いうわけで紡さんはやっぱり"魔法少年"ということです」

 

「まぁ無難だけどそれでいいんじゃないか」

 

あれからルビーと登校を使って数分、俺について話していた。

 

「魔法少年かぁ、何か魔法少女より響きがこう"ぐっ"とこないね」

 

「うっせ…ふぁ…」

 

「あれ、まだ眠いの?」

 

「まぁ…な」

 

少し心残りなのは体のダルさはまだ消えなかったことだった。

 

 

 

そんなこんなで話している内に学校に着いき、俺達はいつものように自分の席へと座る。

 

「オーッス紡ー! イリヤー! 今日も一緒に登校かー?」

 

いつもの…ように…。

 

「あぁそうだよ、バカたれども」

 

「バカッ…たれッ…!?」

 

俺の味気ない反応に3バカは驚いていた。

 

「おいおいイリヤ、紡の奴どうしたんだ?いつもならこうもっと言い返してくるんだが…」

 

「う〜ん…何だか体の調子悪いみたいで…」

 

「はぁ? なんかあったのか?」

 

「ううん…わかんない…」

 

うーむと首をひねる雀花と那奈亀。変わらずテンションの高い龍子。

 

「ねえ、ちょっと心配だし今日はそっとしておいたほうがいいんじゃないかな…?」

 

そして相変わらず優しい美々。

 

「う〜ん…何か調子狂うけどしゃーねえか…今日はそっとしてやっか…」

 

 

 

 

(今日の紡…やっぱちょっとおかしいね…)

 

(おやおや、いつもはあんな感じじゃないんですか?)

 

イリヤの髪から ひょい とルビーが覗く。

 

(ちょっ!? ルビー!?)

 

(大丈夫です、バレないようにしますから。それより紡さんですけど…)

 

(あ、うん…今日は何か授業も上の空で…ほら今も寝てるでしょ)

 

(ほんとですね…あ、先生に気付かれましたよ〜)

 

藤村先生が ベコッ と紡の頭を教科書で叩く。

 

(あ、叩かれた)

 

「いってぇ〜タイガー…」

 

「授業中に寝んな!てかその名前で呼ぶな!!」

 

どうしたんだろう…イリヤの中の一抹の不安は消えなかった。

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

「くぁ…やっと終わった…」

 

最後の授業が終わり、俺は腕を伸ばす。

やっぱり今日は何かがおかしい…さっきの居眠り中の"夢"だって…。

 

「紡〜! かえろ〜」

 

昨日のように真っ先に下校の準備を済ませたイリヤが俺の席へ近づく。

 

「わかった…ってかはやっ、別に今日は急がなくていいだろ」

 

「あはは…せっかくだから魔法の練習しようと思って…」

 

「練習…?」

 

「うん、楽しまなきゃ損でしょ? やっぱり何事も前向きにいかなきゃね!…って!」

 

なんだそりゃ…と思いながらも俺もいそいそと準備を済ませる。

 

「それじゃあ帰るか」

 

「うん!」

 

 

 

 

帰路を共にしながらイリヤはわくわくうきうきといった様子の足取りで歩いていた…が、急に足取りを止める。

 

「ねえ、紡…」

 

「ん? なに?」

 

「今日…さ、明らかに調子おかしかったよね…どうしたの?」

 

あぁ…ま、そりゃバレるよな…

 

「そうだな…体が重いだけじゃない、変な"夢"を見たんだ」

 

「"夢"…?」

 

「あぁ…」

 

 

 

------白い髪の女の子。

 

------剣を交える4人の男達。

 

そして共に笑い、共に鍛え、共に生きる。

 

 

「---そんな変な夢を見たんだ…」

 

「…」

 

「はは、わりぃなイリヤ。意味不明だろ、急にこんな事言って…ごめんな…」

 

「う、ううん…いいよ…別に…」

 

 

俺の話にイリヤが戸惑っている、そんな俺達2人の前に人が現れた。

 

 

 

-----凛さんだった。

 





冒頭の文章は主人公の夢とは関係ないのでご理解を。
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