教官   作:takoyaki

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外伝16です。
章を分けました!!
そして過去編です。
過去の話やってるのに過去編とか変な話ですけど後、二、三種類あるので我慢してください!!



てなわけで、どうぞ!!


「プリンス!!」

「そう言えば、クイーン教官」

「なんですか?後、クイーンはとってください」

ルイーズが顔を真っ赤にして昼食を食べ終え去った後テーブルには、ベイカーとエラリィとクイーンが残った。

「ずっと疑問だったんですけど、どうしてルイーズ教官と友達やってるんですか?」

「え?」

「全然タイプが違うじゃないですか。

ルイーズ教官は完全な問題児ですけど、ク……教官は、まあ若干優等生じゃないですか」

「『まあ若干』ってなんですか、 どっからどう見たって優等生ですよ」

「…………訂正します。割と問題児ですよね」

「良かったな。解決したぞ」

横で聞いていたエラリィは、どうでも良さそうに返す。

クイーンは、大きくため息を吐く。

「別に、問題児じゃないですよ。したたかなだけです」

(なお、タチが悪い)

ベイカーは、頬を引きつらせる。

したたかな優等生など、下手な問題児よりも数倍扱いづらいだろう。

「まあ、それにしたってわざわざ欠点だらけのルイーズ教官と友達になろうなんて考えないでしょう?

「そりゃそうですよ」

クイーンは、そう言いながら目の前の食事を進める。

「まあ、とはいえ、欠点なんて誰しもが持っているものですからね。ルイーズの場合それが色々致命的なだけなんです」

クイーンは、チラリと時計を確認する。

「私もこの後、暇ですし、二人とも入隊の手続き済んで更に暇でしょうから少しだけ話すですよ」

 

 

 

 

 

クイーンは、そう言って遠い目をする。

 

 

 

「始まりはお互いが十二歳の頃です」

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

「ねぇ、聞いた?ルイーズちゃん、また下級生置いて行ったんだって」

朝、クラスではここのところその話題で持ちきりだった。

この学校では近所の入学したての下級生と上級生が登校するという伝統があるのだ。

まだ進学したばかりで、右も左もわからない新入生を上級生が学校に連れて行ってあげましょうという主旨だ。

ある程度年齢が上がると年上と一緒というのは、なかなか厳しいものだが、まだこの年齢ぐらいならお互い気まずい思いをしづらい。

一人っ子の上級生は、弟や妹が出来たみたいということで張り切るし、元々、兄や姉の上級生は扱いに慣れている。

新入生も優しいお姉さんやお兄さんと一緒に学校に行けるというのは中々心強いのだ。

そう、普通に優しいお姉さんならなんの問題もなかったのだが、生憎ルイーズは、そうではなかった。

待ち合わせ場所にいない、

一緒に出発してもペースを合わせない、

弱音を吐くと突き放すなど。

優しいとは中々言い難い行動を繰り返していた。

皆がやっていることをやらないルイーズは、クラスから白い目で睨まれていた。

「あり得ないよね。下級生に冷たくするとかさ」

「ねぇ〜」

女子達は何人かグループを作りながらそんな話をしていた。

元々クラスに積極的に馴染もうとしなかったため、この出来事はルイーズの立場を危ういものにしていた。

まあ、そんな中、ルイーズは素知らぬ顔で本を読み続けていた。

その様子に女子グループのリーダーは、少し勘に触ったようだ。

つかつかと歩き、バンっとルイーズの机を叩く。

ルイーズは無視してページをめくる。

その様子に女子グループのリーダーは、更にイラついたようだ。

ルイーズから無理やりを本を取り上げる。

「何をするんだい?」

「人と話す時は本を閉じるべきじゃないの?」

「会話をする時はね?君みたいに机を叩いたりとか本を取り上げるのを会話とは言わない。威嚇というんだよ」

ルイーズは、肩をすくめる。

「私達の話を無視するからいけないんでしょ」

「聞こえよがしの悪口にいちいち反応してあげるほど私は物好きじゃあない」

ルイーズは、そう言いながら本を取り返す。

「私と会話をしたいなら、私に話しかけたまえよ」

「どうして会話をしてもらうルイーズちゃんの方がそんなに偉そうなの!!」

「だって私、君と会話したくないもん」

ぴしゃりと言い放ち相手は二の句が続かない。

「話は終わり?だったらそろそろ席に着いたら?先生来るよ」

その言葉の通り先生がやってきたため、女子グループのリーダーは、慌てて席に着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁ…………」

クイーンの話を聞いていたベイカーは、頬を引きつらせる。

「まあ、前哨戦はこんなところです。関わりたくなかったので、私は遠目から眺めてただけですけど」

「子供の頃からそんな感じだったんですか?」

「特に読書の邪魔をすると普段の5割り増しの悪態を返してくるんですよ」

クイーンは、大きくため息を吐く。

「ルイーズは、自分から話しかける事はしないけど話しかけられればそつなく話す。

遊びには誘わないけど、誘われればそつなく遊ぶ。昼ご飯を誰かと一緒に食べようとはしないけど、誘われればそつなく談笑しながら食べる。なんていうんでしょう…………」

「ビジネスライクな感じですね」

「そう!それです!!」

言葉に迷っているクイーンにベイカーが的確に言い当てる。

「よくも悪くも一定の距離感を保っていたんです。何か当たりの強い事さえしなければ何の害もない人だったんです」

ベイカーは、そこまで聞いて首をかしげる。

「あれ?この前の話と矛盾しませんか?エラリィの話だとかなりの問題児だったって」

クイーンは、げんなりとした顔をする。

「今の話を聞く限りだと、当たりの強い事さえしなければ無害って話だろ?つまり、誰かが余計な事をしたってことだ」

それを見たエラリィは、不思議そうなベイカーに対してそう解説した。

クイーンは、大きく頷いた。

「話を続けるですよ」

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

「ねえ、話の続きだけど」

「何?今、私本を読むのに忙しいんだけど」

授業が終わり、少し長い休み時間になった時、再び朝の女子がルイーズに話しかけた。

「みんな下級生と一緒に来てるんだから、来なきゃいけないんだよ」

ルイーズは、ピクリと眉をひそめる。

いつもの眠そうな瞳に不機嫌そうな色を滲ませて目の前のクラスメイトを睨む。

「だから?」

不機嫌そうに続けるルイーズに女子は、指をさす。

「悪いことをしてるんだから、その下級生に謝って来なよ」

ルイーズは、それを聞くとつまらなそな顔をする。

「いやだよ」

「は?」

「だって悪いことはしていないもの」

ルイーズは、ケロリとした顔でそう返した。

瞬間、クラスは水を打ったように静まり返った。

「何わけわかんないこと言ってるの!!」

それを打ち破るように女子は、ルイーズに怒鳴りつけた。

ルイーズは、うるさそうに耳をふさぐ。

「うるさいなぁ………わけわかんないのは君に理解力がないからだろう?私に当たるんじゃあないよ」

言うだけ言うとルイーズは、席を立ち上がり、教室の外へと歩いて行く。

 

 

 

 

「危ない!!」

 

 

 

 

 

だが、そうはいかなかった。

度重なるルイーズの態度と最後の案にバカにした物言い、おそらく限界だったのだろう。

ルイーズは、その女子に突き飛ばされ机に突っ込んでしまった。

「いったぁ…………」

倒れた拍子にぶつけた額をおさえながら立ち上がるルイーズ。

「血が!!」

慌てて金髪の女子が駆け寄る。

「へ?」

ルイーズは、驚いたように額から手を離すと掌が真っ赤に染まっていた。

「あ〜……これは良くないねぇ……」

「呑気なことを言ってる場合ですか!!まずは保健室に………」

「いや、それよりも先にやることがある」

ルイーズは、立ち上がるとつかつかとその女の子に向かって歩いていく。

左の拳を握りしめ大きく振りかぶる。

女の子は、思わず自身の右側を庇う。

次の瞬間、パンという音が鳴り響いた。

拳ではなく、ルイーズの平手打ちがその女の子の左頬に炸裂していた。

握りしめた左の拳は完全にフェントだったのだ。

予想していたのとはまた違う痛みに女の子目に涙が溜まっていく。

「これであいこだ。間違ってもやりかえすんじゃあないよ」

女の子は、ルイーズの言葉を聞きながら自分の頬がまだ、泣いてもいないのに濡れていることに気が付いた。

不思議に思い手で触って確認するとぬらりとした感覚と共に自分の指に血が付いていた。

慌てて鏡を確認するとべったりと血が手の形をして張り付いていた。

 

 

 

 

 

「ーーーーー!!」

声にならない叫び声を背中で聞きながら、ルイーズと金髪の女の子は、保健室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

「男の子がそんな怪我をしてくるのは、よくあるんだけどね………」

保健室の女性の先生は、そんなことを言いながらルイーズの額に包帯を巻く。

「とりあえず、親御さん呼んだからしばらく安静にしていなさい」

巻き終わると女医は、電話をかける。

内容を聞くとどうやら電話の相手はルイーズ達の担任のようだ。

ルイーズは、その間額の包帯を触りながら隣の金髪の女子に目を向ける。

「ええーっと、君は確か」

「……………」

「プリンス!!」

「王子様じゃないですか!!」

「冗談だって、クイーンでしょ?知ってるよ」

「あってるんですけど、その名前、恥ずかしいのであまり呼ばないでください」

「……………君、面倒くさいって言われるだろう?」

「貴女に言われたくないです」

ルイーズの言葉にクイーンは、即答する。

ぴしゃりと言い放つクイーンにルイーズは、肩をすくめる。

そんなルイーズにクイーンは、ため息を吐くと兼ねてからの疑問を口にする。

「貴女は、どうして下級生にそんな事をしたんですか?」

クイーンの質問にルイーズは、目を丸くする。

「どうしたんですか?」

「いや、いけないんだよとは言われたけど、どうしてってのは言われなかったなあと思って」

ルイーズは、ふむと考え込む。

「あの………」

「それじゃあ、当ててみたまえ」

「へ?」

「何故、私が、待ち合わせ場所にいないのか?

何故、私が、ペースを合わせないのか?

何故、私が弱音を吐いた下級生を置いていくのか?」

「それ、私が解いて得はあるんですか?」

「そうだなぁ……友達になってあげようか?」

「大損じゃないですか」

「うわぁ………本人の前でそんなこと言うんだ………」

ルイーズは、そう言うとしばらく椅子でくるくる回りながら遊んでいた。

その様子は年相応の子供のようだった。

そんな先程とのアンバランス差にクイーンは、なんだか不思議な気持ちになる。

「ところで、クイズとかなぞなぞってやったことあるかい?」

「へ?」

突然脈絡もない質問に物思いにふけっていたクイーンの口から間抜けな声が出た。

「あれってさ、出題者と回答者の勝負だと思うんだよねぇ。答えられなかった、回答者の負け、答えられたら回答者の勝ち。回答者が複数いたら誰が出題者に勝つかの勝負」

「…………何が言いたいんですか?」

ルイーズは、ニヤリと笑う。

「今、私が出題者で君が回答者だ」

つまり、これは勝負だということだ。

言い換えればルイーズが喧嘩を売っている。

「…………なんで、こんなことを?」

「試したくなってね。君ってどんな人なんだろうって」

何て事なさそうに言うルイーズ。

クイーンは、目の前にいる自分と同い年の小さな女の子が何故だかとても恐ろしく思えた。

しかし、それは認めたくない。

認めてしまうのは、プライドが許さない。

クイーンは、大きくため息を吐いて胸の前に手を乗せる。

「いいでしょう。貴女と友達になるのはゴメンですが、その勝負受けて立ってやるです」

「そうでなくちゃ」

ルイーズはニヤニヤと楽しそうに笑って立ち上がる。

扉の外には、老夫婦がいた。

どうやらルイーズのお迎えのようだ。

「それじゃあ、またね。クイーン」

 

 

 

 

それだけ告げるとルイーズは、保健室から出て行った。







先日、さよならの朝に約束の花をかざろうを見てきました。
感想ですか?
卑怯だと思うんですよ……泣かないわけないじゃないですか!!畜生!!もう一回見に行ってやるぞ!!絶対だ!!
ブルーレイも買ってやるからな!!


さて、では、また外伝17で( ´ ▽ ` )ノ
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