教官   作:takoyaki

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外伝22です。


それでは行ってみましょう!!



では、どうぞ


「そうだけどそうじゃないんです!!」

「さて着きました!!ドヴォールです!!」

「治安の悪い街ランキングでぶっちぎりの一位を走ってるあのドヴォールだね」

「教官、マジで夜道に気を付けてくださいね」

ルイーズ達はドヴォールにいた。

早速とんでもないことを口走るルイーズをベイカーが慌てて止める。

「とりあえず、ここは警察署もあるみたいですし、挨拶しとかないとですね」

クイーンの言葉にルイーズは、頷く。

対照的にベイカーは、首を傾げる。

「?警察がいるなら、俺たち憲兵は何しに来たんですか?」

というより、と言葉を続ける。

「憲兵って何するんですか?」

その言葉にクイーンは、ため息を吐いた後、ルイーズを睨みつける。

「ルイーズ、何を教えていたんですか?」

「教えたよ。この子が寝ていただけだよ」

今度はベイカーをジロリと睨む。

ベイカーは思わずたじろぐ。

「わかったです。特別ですよ」

クイーンは、そういうと口を開く。

「街の事件、主に警察の手に負えない凶悪犯罪の対処、それと重要人物の護衛」

それともう一つ、と言って指を一本立てる。

「軍内部の犯罪の調査」

声を潜めていうクイーンにベイカーは、びくりとする。

クイーンは、肩をすくめる。

「まあ、今回は警察の手に負えない凶悪犯罪の対処ですから特に身構える必要もないですよ」

クイーンの説明にベイカーは、頷く。

「なるほど。初めてききましたけど、分かりました」

「だから何度も言うけど、私ちゃんと説明したからね?」

ルイーズは、じとっとした湿度の高い目で睨みつけた。

気まずそうに目をそらしながらベイカーは、両手を叩く。

「と、とりあえず!これからどうするんですか?まずは、警察署に挨拶ですか?」

クイーンは、首を横に振る。

「まずは、私たちに当てられた詰所に行くのですよ。荷物を置きたいですしね」

「だね」

ルイーズは、そう言うと荷物を背負う。

「んじゃあ、しゅっぱーつ!!」

ルイーズの元気な声と共に一行は歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

「ここか………」

目の前の建物と渡された地図を見る。

どうやら間違いなさそうだ。

「各個人の部屋もあるんですよ。なので、ここにいる間はここに住んで欲しいんです」

クイーンは、そう言うと入り口の鍵を開けて入る。

「寮生活と大して変わらないねぇ」

そんなことをボヤきながらルイーズは、クイーンの後に続く。

「食事が付いていなので自分達でどうにかするしかないですよ」

ベイカーがそう返しながら詰所に入る。

「ふーむ、それは面倒だな」

エラリィは、少し考え込みながら入る。

玄関を開けると形ばかりの窓口と事務室が現れた。

その奥の扉を開けると廊下を挟んで談話室が広がっていた。

談話室はカウンターを挟んで炊事場と繋がっている。

「なんだか、随分埃っぽいね」

ルイーズは、そう言うと大きなくしゃみをする。

それと同時に鼻から鼻水が現れる。

「うっわ!!汚い!!」

「部屋が?私が?」

「両方です!!あぁ、もう!ほらティッシュです!!」

隣にいたベイカーは、ポケットティッシュから一枚取り出し、ルイーズに渡す。

ルイーズは、迷わずポケットティッシュの方を受け取り二、三枚取り出して重ねて鼻をかんだ。

「…………そういうところ、正直どうかと思うんですよね」

「何事も諦めが肝心です」

ベイカーは、一枚だけ手元に残ったティッシュをひらひらと振りながら目の前のルイーズを半眼で睨む。

ルイーズは、そんな二人に構わず廊下の先にある階段を上っていく。

「いち、にい……」

二階に上ったルイーズは、扉を数える。

扉は、廊下を挟んで全部で六つ。

「一人、一部屋で余ったところがエラリィと私の実験室ってところかい?」

「そういうことです」

後から登ってきたクイーンは、ルイーズの質問にそう返した。

「んじゃあ、私ここ」

ルイーズは、そう言うが早いか一番近い部屋に入った。

これから誰がどの部屋を選ぶかという話し合いもせずに即決するルイーズ。

「…………………隊長」

「もう一度言うんですけど、何事も諦めが肝心です」

三人は、大きなため息を吐くと各々部屋に入っていく。

「とりあえず荷物置いたら警察の方に挨拶に行くので外に集合ですよ」

クイーンは、声をかけてから部屋に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

「さて、それじゃあまずは警察署です………ですけど………」

クイーンは、ジロリとルイーズを見る。

「どうしてスーツなんですか!?」

ルイーズは、喪服のように真っ黒なスーツに身を包んでいた。

「動きやすいから」

隣で聞いていたベイカーは、首を傾げる。

「スーツってそうでしたっけ?」

「私のは特注だからね。憲兵の制服より動きやすいんだ」

ルイーズの解説にベイカーは、なるほどと頷く。

そう言ってルイーズは、目の前の友人兼隊長を見る。

「それに人に会うなら礼服がマナーだろう?」

「そうだけどそうじゃないです!!」

憲兵として挨拶に行くのだ。

ならば、憲兵の服でいくべきなのだ。

ルイーズの言っていることは間違いでは無いが、場に合わない。

「着替えるの面倒臭いなぁ………ネクタイ締めるの結構大変だったんだよ」

ボヤくルイーズにクイーンは、やってくる頭痛を堪えるように頭を押さえる。

「…………じゃあ、もうそれでいいです」

「隊長、諦めないでください。貴女が諦めたら誰が教官を押さえるんですか?」

「そのセリフそっくりそのまま返すですよ」

クイーンは、そう言って視線を向けるとそこにはサンオイルスターレッドのTシャツの上に白衣を羽織ったエラリィがいた。

「…………一応聞くけど、軍服は?」

「技術職にはそんなもの配布されない」

「まあ、それは分かったけどなんで、Tシャツ?」

「着たいから」

「……………」

「なんだ、不満か?技術職として白衣も着ているのに?」

「いいんじゃない。似合ってるよ」

これ以上頭痛を酷くしたくないベイカーは、話を切り上げた。

「というか、私からも言いたいんだけど、」

ルイーズは、ベイカーを指差す。

「君、それ訓練生の時のやつだろう?憲兵の奴は?」

「まだ来てないんですけど………そろそろ来るんじゃ………」

「お届け物です」

そんなことを言っていると郵便が届いた。

ベイカーは、荷物をその場で開け、中に入っているものを確認する。

中にあったのは、憲兵用の制服だった。

「良かった!!とりあえずベイカーだけでもまともな服ですね」

感激の涙を流しているクイーンにルイーズは、不満そうに口を尖らせる。

「スーツだってちゃんとした服だけどなぁ………」

拗ねたように言うルイーズにベイカーは、頬を引きつらせながら手を挙げる。

「じゃあ、着替えてきますね」

そう言って踵を返した瞬間目の前を男が通り過ぎた。

ベイカーの手にあった憲兵の制服を抱えて。

突然起こった事にベイカーは、しばらく思考停止をする。

「えーっと…………」

クイーンは、ポンと手を叩く。

 

 

 

 

 

「総員確保!!」

 

 

 

 

 

クイーンの一声で一行は駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 




新衣装にお着替えです。


全員軍服でもいいんですが、まあ、何となく変えたくなりました。文章なのにね………(遠い目)
ベイカーは、装飾がほぼない軍部、クイーンは、そこそこある軍服を想像してもらえればいい感じです。



では、また外伝23で( ´ ▽ ` )ノ

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