何とか連続投稿出来ました!!
まあ、先週投稿出来なかった分まとめただけなんですけどね?
てなわけで、どうぞ
「ちょ、ちょっと見回りに」
ベイカーは、そう言うと詰所を抜け出した。
「あんな破壊兵器誰が食べるもんか」
ベイカーは、思わず震える肩を抱きしめる。
野外訓練の時に何も知らずに食べた時の衝撃は、今でも忘れられない。
「何をどうすればあんなもの作れるんだろ……」
ベイカーから思わず零れる独り言。
そんな言葉は、夜の闇の中に消えていく。
ベイカーは、そんな中、今日の出来事を思い出していた。
クイーンは、引き継ぎに行くのを大分渋っていたが結局、一人で行った。
渋っていた原因は、やっぱりベイカーが昔憲兵を打ち負かしたことによるものだ。
正直申し訳ないとは思うが後悔は、微妙にしていない。
若気の至りという言葉がぴったりな所業だ。
正直思い出すだけで背中が若干痒くなるが、一応勝ったのだ。
そこから強くなったと思ったベイカーの鼻っぱしらをルイーズがへし折ったわけだが。
そんなルイーズですら勝てない切り裂きジャック。
クイーンの言ったことは正しい。
決して一人では挑んではならない。
ルイーズの勝てない相手にベイカー自身が勝つ想像がしづらい。
「もし、出くわしても応援を呼ぼう」
そんな事を呟きながら歩いていると微かに叫び声が聞こえてきた。
ベイカーは、足を止め耳をすます。
ドヴォールは、治安がいいとは言いづらい。
商工会との対立のせいか、どうにも小競り合いが絶えないのだ。
「喧嘩なら止めに行かなくちゃ」
ベイカーは、声のする方へと足音を殺して走っていく。
下手に気付かれて場所移動されても困る。
声の方へ向かえば向かうほど入り組んだ路地へと迷い込んでいく。
(これは、地元民でも厳しいな)
ベイカーは、必死に頭の中で地図を広げながら自分がどこにいるか、確かめながら進む。
「……………
声が近づく。
ベイカーは、足を速める。
「……………でこんなところに」
声のボリュームも上がってきた。
「切り裂きジャックがいるんだよ!!」
ベイカーは、思わず足を止め物陰に隠れる。
直ぐ近くに階段がある。
隠れる場所には、困らない。
様子を伺うと壁に追い詰められた男と、血のように赤い手袋をした男がいた。
ベイカーに背を向けているため、顔は分からないが、それでもあの出で立ちは、見覚えがある。
(間違いない………!奴だ!!)
会話に耳を傾けながら、ベイカーは、深呼吸をしてGHSを出し、ルイーズを呼び出す。
後は通話ボタンを押すだけだ。
ベイカー一人でかなう相手ではない。
応援を呼ばねばならない。
「誰か………助けてくれーーー!!」
切り裂きジャックが振り上げた刀に男は、声を震わせ助けを求めた。
◇◇◇◇
男は、目に涙を浮かべながら切り裂きジャックを見ていた。
「何で、こんなところに切り裂きジャックがいるんだよ!!」
「おいおいおいおい。こんな
切り裂きジャックはそう言いながら刀を鞘から抜く。
闇夜に煌めく白刃に男は、声を震わせる。
「やだ………やめてくれ………」
「うーん………そうも言ってられないんだな……これが」
切り裂きジャックは、そう言うと刀を大きく振りかぶる。
「じゃあな」
男は、ごくりと唾を飲み込む。
「誰か………助けてくれーーー!!」
その瞬間、二発銃声が鳴り響いた。
切り裂きジャックは、振り返りながら銃弾を二つ切り落とす。
「…………誰だ?」
切り裂きジャックは、眉をひそめる。
「今の内に逃げて!!」
姿のない声が響く。
男は、突然のことにポカンとしている。
「早く!!」
その言葉でようやく我に帰ると男は、走って逃げ出した。
「逃がすか!!」
切り裂きジャックは、追おうとするがそれを遮るように銃声が響き渡る。
自分の行く手を阻む銃弾に切り裂きジャックは、忌々しそうに路地裏を睨む。
「逃がしちまったじゃねーか」
切り裂きジャックは、肩に刀を担ぐ。
「どうしてくれんだ、え?」
切り裂きジャックは、隠れている人間に話しかける。
間髪入れずに銃声が響く。
切り裂きジャックは、刀でいなす。
「それは、挑発と受け取っていいな?」
切り裂きジャックは、そう言うと先ほど声のした物陰を睨む。
「三秒以内に出てこい。そしたら、即死で済ましてやる」
そう言って更に続ける。
「それ以上経てば吊るし切りにしてやる」
切り裂きジャックの警告にもかかわらず銃声が鳴り響く。
銃弾は、真っ直ぐ切り裂きジャックに向かっていく。
切り裂きジャックは、身体動かして避ける。
「あぁ、そう」
切り裂きジャックは、僅かに見えている銃口を捉えるとその物陰に一直線に走っていく。
物陰まで辿り着いた切り裂きジャックは、斬りかかろうとする。
「なに!?」
だが、そこにあったのは、雨樋に結び付けられた拳銃だけだった。
予想外の事に戸惑う切り裂きジャックにベイカーが、階段から飛び降りて十手を振り下ろす。
切り裂きジャックは、間一髪、刀でそれを防ぐ。
鉄同士がぶつかり合う甲高い音が響き渡る。
「これを防ぐんだ………」
ベイカーは、舌打ちをしながら下がる。
「お前は…………あの時の………」
「わあ、覚えてたんだ………忘れてて欲しかったな」
ベイカーは、そう言うと一気に距離を詰めた。
刀の間合いより内側に入ればベイカーのものだ。
切り裂きジャックは、そんなことさせまいと刀を横に薙ぐ。
しかし、狭い路地だ。
がりがりと刀が壁に引っかかった。
その隙を逃さずベイカーが十手で突く。
切り裂きジャックは、刀を薙ぐを諦めると柄で受ける。
ベイカーは、舌打ちをして一歩引く。
切り裂きジャックは、それを追うように刀を振り下ろす。
「うっ!!」
迫る白刃を何とかかわそうとするが、頬を僅かに切ってしまった。
頬から流れる血を感じながらベイカーは、十手を構える。
切り裂きジャックは、ニヤリと笑いながら後ろの縛られた銃を見る。
「拳銃で注意を惹きつけてからの死角からの攻撃……よく出来てる。俺じゃなかったら確実に仕留められていたな」
「褒め言葉どうも」
ベイカーは、そう軽口を叩きながら冷や汗が流れるのを感じていた。
(やばい………実際対峙してわかる)
ベイカーは、ごくりと唾を飲み込む。
(こんなの俺が………)
「『勝てるわけない』とでも思っているか?」
切り裂きジャックは、ニヤリと笑う。
その濁った瞳がぐにゃりと歪む。
「正解。あの不意打ちが決まらなかった時点でお前に勝ちはない」
「だよね。分かってた」
ベイカーは、そう言うと先ほど拳銃の代わりにしまったGHSをマイクモードにする。
「切り裂きジャックが現れました!!現在交戦中!!至急応援お願いします!!」
切り裂きジャックの刀がGHSに向かって伸びる。
「やるな。十手に視線を集めてその隙に操作か。本当手癖が悪いにもほどがあるな」
「そりゃどうも!!」
ベイカーは、十手で刀を叩き落とす。
そして、そのまま十手で殴りつける。
切り裂きジャックは、一歩下がってかわす。
ベイカーは、更に踏み込んで十手を振るう。
下がったばかりで態勢が崩れている切り裂きジャックにベイカーは、更に追撃を仕掛ける。
切り裂きジャックは、楽しそうにニヤリと笑う。
「甘い!!」
そう言うとベイカーを柄でカチ上げた。
「………!?」
ベイカーは、大きく吹っ飛ばされ地面に投げ出される。
慌てて立ち上がろうとするベイカーに切り裂きジャックが追撃を仕掛ける。
ベイカーは、転がりながらかわし、無理やり立ち上がる。
「………………くっ」
しかし、直ぐに膝を付いてしまった。
「さっきの一撃が膝にきているようだな」
切り裂きジャックは、刀を振り下ろす。
ベイカーは、十手を両手で支え、頭上から振り下ろされる刀を防いだ。
暗闇に火花が散り、辺りに一瞬光をもたらす。
ギチギチと二人の武器がぶつかり合う。
「しっかし、また会うとはなあ………」
「こっちは、忘れられてるのを期待したんだけど」
「忘れるわけないだろ。ルイーズ・ヴォルマーノと一緒にいたんだから」
切り裂きジャックの言葉にベイカーは、目を丸くする。
「ん?どうした?」
ベイカーは、無理矢理立ち上がると切り裂きジャックを押し返す。
ぐらりと身体が傾き思わず膝をつきそうになるのを何とか堪え、切り裂きジャックを睨みつける。
「どうして知っている!!」
「あ?」
「俺達はあの時………」
倒れたふりをしたルイーズを起こすとき実はもう一つ耳打ちをされていた。
ベイカーは、痛む顎を堪えて更に続ける。
─────『それと、もう一個。ここからは、絶対にお互いの名前を呼ばないこと。相手にばれていいことなんてないからね』──────
「お互いの名前を呼んでいない!!どうしてお前が知っているんだ!!」
「ん?そんなの決まってるだろ?」
ベイカーの言葉に切り裂きジャックは、何てことなさそうに答える。
「あの時のターゲットは、ルイーズ・ヴォルマーノだったんだからだ。おびき出す人間の顔と名前を知っているのは当然だろ?」
話が動き出したところで、ではまた、外伝26で( ´ ▽ ` )ノ