教官   作:takoyaki

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はい、てなわけで、間違えてしまいました!

外伝29です。
この前、カラオケでエクシリアのop「progress」を歌ったら映像がライブ映像でした。
………あの中の何割が、エクシリアに使われた曲だと知っているんでしょうね


「「いや、結構好き勝手やってますよ」」

「やっとついた………」

エラリィは、駅でぐったりしていた。

退院して荷物を置いた二人はそのまま本部へと向かたのだ。

今、ようやく本部のある町の駅に辿り着いた。

「えらく疲れてるね」

「お前が、普通に電車に乗れれば何も問題なかったんだよ!なんで進行方向が違う電車に乗るんだ!!」

「いやだって、前に乗った時あのホームから乗ったし………」

「時間によって違うんだよ!!僕、何度も言ったよな!?時間によって電車が違うって」

「いや、同じ車種だったよ?」

「そうじゃねーよ!!」

ぐったりとしながらエラリィは、思い出す。

「教官………全部分かってたな……」

ドヴォールに行く時、ルイーズはいちいちベイカーに絡んでいた。

恐らく切符を買いすぎたのもわざとだ。

二枚でいいところを三枚買ったのは、二枚だと流石に気付かれるからだ。

ついでに言うなら払い戻しの最中も拘束するうもりだったのだろう。

「おまけに駅弁の持ち方もだよなぁ………」

袋を二つに分ければいいのに持ち手を分けて二人で歩いていた。

よくよく考えれば妙なところばかりだ。

「?どうしたの?」

「いや、大事にされてるなと思って」

「?」

「もういいや。ほら、本部まで行くぞ」

ため息を吐いてエラリィは、歩みを進める。

「わ、待ってよ」

慌ててその後ろをベイカーが追いかけた。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

「えーっと………」

「迷ったな」

本部に到着し受付で二人は、資料室を案内してもらった。

案内通りに歩いてきたのだが、何だか全然違う場所にいる。

「おかしい。僕は確かに受付で案内された通りに歩いてきたはずだぞ」

手元にある地図をもう一度見る。

地図の通りならこの辺りに資料室があるはずなのだ。

二人で頭を抱えていると遠巻きにこそこそと囁く声が聞こえる。

「アレが……」

「あぁ、例の……」

「マジかよ……」

どうにも好印象ではない。

エラリィは、ため息を吐く。

「なるほど、嫌がらせを受けたって訳か………」

クイーン隊の評判が良くないことは覚悟していたが、まさかこんな形で体験することになるとは思わなかった。

「とりあえず元来た道を戻ろうよ」

ベイカーの言葉に頷くとエラリィは、元来た道を戻ろうと踵を返すと、そこには男が一人立っていた。

「えーっと、もしかして資料室を探してるの?」

「えぇ」

「なら、僕が案内してあげるよ」

にこりと笑いながら言われると頷きざるを得ない。

「ありがとございます………えーっと、」

エラリィは、ネームプレートに目を走らせる。

「ジャンさん」

「ジャンでいいよ。大体の人はそう呼ぶ」

「いや、初対面でそれは………」

隣で聞いていたベイカーが顔をしかめる。

「そっかそっか」

少し残念そうな顔をするジャン。

「まあ、いいか。とりあえず資料室だね?」

そう言って前を歩くジャンの後をエラリィとベイカーは、ついて行く。

ベイカーは、少し不思議そうな顔のまま、尋ねた。

「あの」

「何?」

「どうして俺達に教えてくれるんですか?というより、なんで親切にしてくれるんですか?」

「困っている人がいたら助けるものだろ………てのは、嘘くさいよね」

たはははと笑いながらジャンは、少し真面目な顔になる。

「ちょっと話したくなってね」

そこで言葉を切る。

「ルイーズは、元気?」

ルイーズの名前に二人を丸くする。

そんな二人の顔を見てジャンは、クスリと笑った。

「あいつのことを心配する人がいて驚いた?」

「そりゃあ、まあ………」

ベイカーは、戸惑いながら頷く。

「貴方は一体………?」

「ルイーズは、昔研究所にいたのは知ってるよね?」

「まあ、はい」

「僕、研究所で働いてるんだ」

ジャンの言葉にエラリィは、眉をひそめる。

「もしかして、教官がいた時もいましたか?」

「そ。だから、少し心配になってね。肩身の狭い思いをしてるんじゃないのかなぁって」

ベイカーとエラリィは、ふむと首をひねる。

出てくるのはニヤリと意地の悪い笑みを浮かべるルイーズだ。

「「いや、結構好き勝手やってますよ」」

声を揃えて言う二人にジャンは、頬を引きつらせる。

「そ、そう………まあ、いい奴でもないけど悪い奴でもないから仲良くしてね」

「ジャンさんは、その教………ルイーズさんのことどう思ってるんですか?嫌ってないんですか?」

「うん。嫌ってないよ」

ジャンは、右に曲がる。

ベイカーとエラリィも同じように曲がるを

「ルイーズは、事故の所為で色々言われてるけど、僕には関係ないかな」

「何でですか?」

 

 

 

 

 

 

「だって、あの事故、ルイーズだけの責任じゃないもん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉にベイカーとエラリィは、歩みを止める。

「…………あの人だけの責任じゃない?」

その反応を見たジャンは、大きくため息を吐く。

「なるほど。まだ、あいつ話してないんだね」

ベイカーは、エラリィより前に出て詰め寄る。

「教えてください。ルイーズ教官に何が起こったんですか?」

真剣な表情で問うベイカーにジャンは、首を横に振る。

「ルイーズが教えていないことを僕が教えるわけにはいかないよ」

ベイカーは、ぎゅっと拳を握り締める。

「……………分かりました」

目を伏せるベイカーにジャンは、慌てて手を振る。

「でもでも、他に何か力になれることがあればいくらでも力になるからいつでも言ってね」

人の良さそうな笑顔でそう答えると扉の前の看板を指差す。

「さ、ここが資料室だよ。君達に渡された地図は、大分前のものだね」

「なるほど」

エラリィは、それを聞くとビリビリに髪を引き裂き近くにあるゴミ箱に捨てた。

「ありがとうございました。助かりました」

ベイカーがお礼を言うとジャンは、ひらひらと手を振る。

「いいよいいよ。また、何かあればいくらでも言ってね。力になるから」

「はい」

「あ、そうだ。多分、ルイーズにとって、僕達の事は思い出したくないだろうから、言わないであげてね」

ジャンの言葉が本当ならルイーズは、全てをなすりつけられた結果になる。

そんな人間達をあのルイーズが許すわけがない。

「分かりました」

頷くベイカーを見てにっこりと笑うとジャンは、その場を後にした。

ジャンの影が見えなくなるまで見送ると、エラリィとベイカーは、資料室に入った。

「うお……」

部屋の中には、本棚が所狭しとならんでいた。

本棚にはきっちりと閉じられたファイルがならんでいる。

真ん中には机が置いてある。

「この中から、切り裂きジャックの事件だけ探すの?」

早くもあきらめかけているベイカーにエラリィが机の横にある機械を指さす。

「あれを使ってキーワード検索して本棚を探すんだ」

「なるほど」

ベイカーは、そう言って機械に近付き『切り裂きジャック』とワードを打ち込む。

画面上には、その資料とそれがある本棚がずらりと並んだ。

「しぼってもかなりあるね………」

「やるしかないって奴だ」

エラリィは、印刷のボタンを押し、リストを全て印刷する。

エラリィは、出てきた紙を半分ベイカーに渡した。

「了解」

ベイカーは、紙を受け取りそう言った。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

「うーん……………」

ベイカーは、唸り声をあげて机に突っ伏した。

「おい、休むな」

「いや、だってさ…………」

ベイカーの隣には積み上がったファイル。

そして、大分ページ数の少なくなったノート。

「共通点、全然ないんだけど………」

天気、日付、気温、場所に共通点もなく、被害者の性別、身長、年齢、出身地にも共通点はない。

何かを知ってしまったのではないかと思いふるいにかけてみたがそれらしきものもない。

「まあな。遺留品にも切り裂きジャックに繋がるものはない」

「だよねぇ…………」

「うーん……………後は」

ベイカーは、そう言いながら周囲の聞き込みから得た評判をまとめたものを読み出す。

「殺されてる連中、色々と恨まれてるような連中が多いね」

「…………被害者に子どもがいたはずだが?」

「その子のクラスで自殺者が出ている。理由は、イジメ。ここまで言えばわかるでしょ?」

「なるほど、殺された奴が主犯格か」

「そういうこと」

ベイカーは、そこまで言って再びため息を吐く。

「てっきり、正義の味方気取りかと思ったんだけど…………」

そう言ってエラリィが調べていた資料を読む。

「普通に性格のいい人も殺されてるんだよね…………」

エラリィも大きく頷く。

「そうなんだよなぁ………金もあって、性格もいい、そんな連中も殺されている」

「勿論、金があって性格の悪い奴も殺されてるんだけどね」

ベイカーは、ふむと考え込む。

「となると、金持ちが殺される理由?」

「貧乏人も死んでるぞ」

「だよね…………」

ベイカーは、再びため息を吐いて頭を横に振る。

「あぁもう一旦休憩!!」

そう言いながら財布を確認しながら立ち上がった。

「なんか、飲み物買ってくるよ。エラリィもなんか飲む?」

「コーヒー、ブラックでいいぞ」

エラリィは、そう言って小銭を渡す。

「わかった。砂糖小さじ1だね?」

「………お前は何を言っているんだ?」

ベイカーの返答にエラリィは、頬を引きつらせる。

「いや、教官が言うブラックって、それだから」

「あんなコーヒー風味の砂糖飲んでる人と一緒にするな!!ブラックと言ったら、砂糖もミルクもなしだ!!」

「わかったわかった」

ベイカーは、適当に返事をすると資料室を出て自販機を目指して歩き出した。

ところどころある地図を見ながらベイカーは、何とかコップに注ぐタイプの自販機にたどり着いた。

スイッチを入れ、コーヒーが注がれているのを黙って見ながら今日読んだ資料を思い出す。

(多分、方向性はあっている………)

切り裂きジャックには、殺さなければならない理由がある。

それは、確かだ。

(でも、方向性はあっているけど、ゴールが見えないって感じだなぁ)

「いや、なんか当たり前の可能性を見落としてるんじゃ…………」

ベイカーは、そう呟きながら自分の分を入れる。

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?ベイカーじゃん?」

 

 

 

 

 

 

 

その声に後ろを振り向くとそこには、スコットがいた。

「なに?」

ベイカーは、不機嫌そうな様子を隠そうともせずにそう言った。

スコットは、ニヤニヤと笑いながらベイカーの側による。

「お前、クイーン隊に入ったんだって?」

「まあね。それしか選択肢なかったし」

ベイカーは、注がれる自分のコーヒーを見ながらぽつりと、しかし響く声で告げる。

 

 

 

 

 

「何処かの誰かさんのせいで」

 

 

 

 

 

 

 

剣を含んだベイカーの言葉に対しスコットは、ニヤニヤ笑いをやめない。

「ああ、お前ルイーズ………そっか、もう、教官も付けなくていいんだっけ?まあとにかく、ルイーズのところに希望を出してたんだもんな」

「まあね」

短くそう告げるとベイカーは、自分のコップを取り出す。

「まあ、でも、仕方ないだろ。功を焦って切り裂きジャックを取り逃がした罪は重いって、もんだ」

朗々と響く声で言うスコットにベイカーは、初めてスコットを真正面から見た。

スコットは、それに構わず更に続ける。

「俺が囮になって居場所を教えたって言うのにその苦労をルイーズは、全て潰したからな」

見ているだけで殴りたくなるような笑顔を浮かべるスコット。

「言いたいことはそれだけ?」

ベイカーは、思い切り拳を振りかぶった。

後はその拳をその男の鼻っ柱に叩き込めばいい。

実に簡単な作業だ。

「ストップ」

その拳を掴んで止めたのは、ジャンだった。

「ジャンさん………」

「たまたま休憩に来てよかったよ」

先程別れたばかりのジャンがいたことにベイカーは、驚いていた。

「ダメだよ、挑発に乗っちゃ。彼は殴られるためにこんな喋り方をしてるんだから」

「…………………」

ベイカーは、大きく深呼吸をして拳を解く。

ここで殴って仕舞えば謹慎処分、そして、隊長にも責任が及ぶ。

「そうでしたね」

頭に上った血を下ろすとベイカーは、スコットを見る。

来るはずの拳が来ないためスコットは、少しこの状況に戸惑っていた。

「ねぇ。切り裂きジャックを追い詰めたスコットさん。何か切り裂きジャックについて情報を知らない?」

「だから、お前らが逃がしたせいで……」

「なんだ。それ以降調べてないんだ」

ベイカーは、そう言うとつまらなそうに自分のコーヒーにミルクを入れて飲む。

「使えない。口だけじゃん」

「なんだと!!」

「はいはいストップストップ」

ジャンが今度はスコットを止める。

自分の作戦がうまく行かず逆に煽られたスコットは、不機嫌そうにゴミ箱を蹴飛ばして去って行った。

その男を見送った後、ベイカーはぺこりとジャンに頭を下げる。

「すいません。助かりました」

「いいよいいよ」

ジャンは、笑いながらそう答える。

「それにしても、ルイーズのこと馬鹿にされてそんなに怒るなんてね………」

今度はジャンがニヤニヤ笑いを浮かべる。

「不当な理由で馬鹿にされれば嫌になりますよ」

ベイカーは、そう言って自分のコーヒーを飲む。

「あの時、あれ以上の正解はなかった。それをあれこれ言うのは気に食わない」

怒りを滲ませるベイカーにジャンは、満足そうに微笑む。

「そっか………幸せそうだね、ルイーズ」

「………まあ、楽しそうですよ」

プイッと顔をそらしながらそう言うベイカーにジャンは更に笑みを深くする。

「………………なんですか?」

「何でも。それより、コーヒー冷めちゃうんじゃない?二つも買ってるってことは誰かに頼まれたんでしょ?」

その言葉でベイカーは、置いてあるもう一個のコーヒーの存在を思い出す。

「あ、ヤバ!!」

慌ててコーヒーを持って駆け出す。

微妙に冷めている気がするが、この際気にしていられない。

「すいません!!ありがとうございました!!」

振り返りながらジャンにそう言うとベイカーは、資料室へと戻っていった。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

「ヤバイヤバイ」

そう言いながら資料室の扉を開ける。

「ごめんお待たせ!!実はね、ちょっと面倒事があって…………」

資料室に入ってすぐに謝るベイカー。

しかし、資料室で待っているはずのエラリィの姿が何処にもなかった。

「…………エラリィ?」

呼びかけにも答える様子はない。

ベイカーは、コーヒーを置いて探す。

先程までエラリィが座っていた机の上には、開きっぱなしのファイルがあった。

何の気なしにベイカーは、読み進める。

 

 

 

 

『被害者 フレデリック・リー

年齢:58歳

死因:刺殺。

人物:親族と折り合いが悪く、ほとんど付き合いはなかった。

遺族の話によると尋ねるだけで、罵詈雑言を浴びせられるのはいつものことだったとのこと。

特許をとっており、莫大な財産を持っている………』

 

 

 

 

 

「待って………リーって確か……」

ベイカーは、そう呟きながら読み進める。

『備考:なお、遺産については、遺書に従い14歳の孫である、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クイーン(ヽヽヽヽ)・リーが相続する』







まあ、過去編は飛ばします。



では、また( ´ ▽ ` )ノ
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