教官   作:takoyaki

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外伝37です!!



遅くなりまして申し訳ありません!!



てなわけでどうぞー!


「喜ぶので言いたくないですね」

「あー、なんか疲れた………」

ベイカーは、近くのカフェで一休みしていた。

何か頼もうとメニューを広げる。

そして、沈黙する。

(どうしようかな…………サンドウィッチを食べることを考えると、コーヒーを頼むと予算オーバーなんだよなぁ………)

「あれ?ベイカー君?」

突然声をかけられ、顔を上げるとそこには、ジャンがいた。

驚いたベイカーは、目を丸くする。

「ジャンさん?どうしてここに?」

「ちょっと、トリグラフに資料を取りにね。君こそ、どうしてこんなところに?ここ、僕のお気に入りなんだけど」

「いや、教官達が入院したもので………」

「入院…………?あぁ、切り裂きジャックね、見たよ新聞!お手柄だよね」

「まあ、仕事なので、お手柄と言えるかは微妙なんですけど………」

ルイーズが捕まえた切り裂きジャックは、新聞の一面を飾った。

「そんなこと言わないで、ルイーズ褒めてあげなよ。喜ぶよ」

ベイカーは、首をひねる。

 

 

 

 

 

『そうだろう?当然だろう?もっと、褒めたまえ!!』

 

 

 

 

 

 

頭の中で高笑いするやかましいルイーズを追い出すとベイカーは、メニューを閉じた。

「喜ぶので言いたくないですね」

「そんなこと言う人も言われる人も初めて見たんだけど」

若干引いているジャンに構わずベイカーは、目の前の椅子を指差す。

「それより、前の席どうですか?」

「え?いいの?一人の時間を楽しんでるのかと思ったから遠慮したんだけど」

「店員からの視線攻撃が激しくなりだしたので、ぜひ座ってください」

一人で来てカウンターに座らず二人用のテーブルに座るベイカーにちらちらと視線を送り続ける店員。

ジャンは、苦笑いを浮かべるとベイカーのまえに座る。

ベイカーは、ジャンにメニューを渡す。

「いいの?」

「まだ、決められそうにないので………おすすめとかあるんですか?」

「サンドウィッチは、だいたい美味しいよ。コーヒーは、普通だよ。お冷の方が美味しいけど」

「それは、きっと普通ではないと思います」

「単純にコーヒーを美味しいと思えないんだよね。何せ、徹夜の味だし」

コーヒー嫌いという研究者を前にしてベイカーは、眠そうタレ目の女を思い出す。

「そう言えば教官もコーヒー嫌いですね」

「あの子は、苦いもの全般が嫌いだよ」

子供の嫌いなものそのまんまなルイーズにベイカーは、頬を引きつらせる。

「………さて、僕は、このミックスサンドにしようかな。ベイカーは?」

「じゃあ、俺は、それとタマゴサンドで」

ベイカーもようやく決めたようだ。

ジャンは、店員を呼ぶとまとめて注文する。

店員は、頷くとそのままカウンターへと消えていった。

ジャンは、目の前のお冷を飲む。

「ところで、ルイーズはどう?」

「どうと言われると入院中としか答えようがないんですけど…………」

「そうじゃなくてさ、隊での話だよ。この前の話を聞く限り、そんなに肩身の狭い思いをしてるわけじゃないみたいだけど……?」

ベイカーは、お冷を飲む。

「別にいつも通りですよ」

そう言ってベイカーは、ジャンを見る。

「教官、そんなに研究所では居心地悪かったんですか?」

「まあね」

ジャンは、そう言うと伸びをする。

「彼女、飛び級で卒業してきて、うちの研究所に入ってきたんだ」

少しだけ懐かしそうにそして、寂しそうに続ける。

「来た時から彼女は、群を抜いていた。頭も、技術も。ついでに言えば格闘術も」

ベイカーは、黙って聞いている。

「何においても抜きん出ていた新人、職員の中には自分の娘と同い年なんて人もいた。そんな中で誰よりも成果を上げていく」

そこでジャンはため息をつく。

「せめて、もう少ししおらしかったら違ったんだろうけど、性格があんなでしょ?みんなに嫌われていたし、多分いじめられていた」

「いい年して何やってるんですか」

ベイカーの言葉にジャンは、肩をすくめる。

「人をいじめるのに年齢なんて関係ないよ。ま、僕は部署が違ったからよく分からないんだけどね?」

ベイカーは、話を聞きながら首をかしげる。

「でも、人をいじめるのには何らかの理由がいるはずです。自分より優れている人間をいじめるってのは、自分が劣っていると認めるようなものでしょう?」

ジャンは、ベイカーの疑問に頷く。

「話によると、彼女は、誰の研究も手伝わなかったらしい」

ベイカーは、眉をひそめる。

「研究は個人プレイでは出来ない。協力し会わなければならない。でも、彼女は一切他人の研究を手伝わなかった」

ジャンの前にミックスサンドが運ばれてくる。

「自分が手伝ってもらっていれば、手伝うのが筋だが、彼女は優秀すぎた」

「そうか、だから」

「あぁ。彼女は優秀すぎたから誰の助けも借りる必要がなかった。だから、誰かを助ける理由もなかった」

自分より才能があり、誰にも協力しないルイーズ。

何かの理由になるには十分だ。

ベイカーは、今の話を黙って聞きながら考える。

そんなベイカーの前にミックスサンドとタマゴサンドが運ばれた。

考えながらベイカーは、ミックスサンドを口にする。

「そっか、協力者がいなかったから、事故の責任は教官だけになったんですね……あれ?でも、前は教官だけのせいじゃないって………」

「………一つ、気になる噂があるんだよ」

「?」

「協力者はいなかったけど、彼女には相談相手がいたらしい」

ベイカーは、ミックスサンドを食べ終える。

「相談相手?」

「そう。相談相手」

ベイカーは、腕を組んで考え込む。

ルイーズの相談相手というと、クイーンぐらいしか思い当たらない。

「隊長?」

「違う違う。同じ研究所の男だよ」

ジャンの言葉にベイカーは眉をひそめる。

「彼女は、研究内容を相談していたらしい。だから、彼は少なくとも彼女の研究内容を把握していたはずなんだ」

話を聞きながらベイカーの脳裏に一つの考えが浮かぶ。

(この人は、前にルイーズだけのせいではないと言っていた。と言うことは、この相談相手も原因の一つということだ)

「相談相手が何か余計なことをやったか、言ったんじゃないですか?ルイーズ教官は、それを参考にした。だから事故が起きたんじゃないですか?そして、事実上の責任者は、ルイーズだから全ての責任を担うことになったんじゃないですか?」

静かに、だが、ベイカーの言葉の端々に激情が見え隠れしている。

「ま、噂だけどね?」

ジャンは、そう言ってミックスサンドを食べ終えると自分の分のお金を置く。

「それじゃあ、そろそろ僕は行くよ。またね」

ベイカーは、食べかけのタマゴサンドを皿に置き、ジャンの後ろ姿に疑問を投げかける。

「因みに誰なんですか、教官の相談相手ってのは?」

ジャンは、立ち止まり振り返る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼女の元恋人。ま、これも噂だけどね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャンは、そう言って喫茶店を出て行った。

 

 

 

 

 

 






ヒロアカの映画見てきました。
熱いうえに面白かったです。
ただ、空席一つ挟んだ隣に一人でいたすげー態度でポップコーンを貪り食ってた女性の存在感が未だに忘れられません。



では、また外伝38で( ´ ▽ ` )ノ

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