甲子園が熱いです!
まあ、多分相当暑いと思うんですけど………
てなわけで、どうぞ
「さてと」
ベイカーが戻ってから数日後、ルイーズは、いつもの黒スーツに着替えていた。
傷自体は、クイーンやエラリィに比べれば大分軽かったので、早めの退院となった。
「点滴のおかげで、大分回復したし、よかったよかった」
「…………本当に退院しちゃうんですか?」
少しだけ不満そうなクイーンに構わずルイーズは、茶色の長髪を背中で束ねる。
「そりゃあね。これ以上居られないし、何より補助でないし」
「親友置いていくんですかぁ〜」
泣きついてくるクイーンにルイーズは、頬を引きつらせる。
「いいだろう、別に。エラリィもいるし一人じゃあないんだから」
「病室違うから一人です!!ルイーズ退院したら、夜誰が一緒にトイレに行ってくれるんですか!!」
「分かった。売店でクマのヌイグルミ買ってきてあげる」
適当にそう言いながら財布を開けるルイーズ。
「いい歳して、クマのヌイグルミと一緒に寝て、トイレに行くとか恥ずかしいので嫌です」
「いい歳して、夜のトイレについて来いとか言ってる女が何言ってるんだい!!」
ルイーズは、1000ガルド札をクイーンの顔面に叩きつけて病院を出て行った。
◇◇◇◇
「ったく、いくつだいあの子は」
ルイーズは、ぶつくさと言いながら歩く。
退院したらどうしても行きたいところがあったのだ。
ルイーズは、目的の軍の建物にたどり着くと迷わず入り、受付で簡単な手続きを済ませる。
軍の鼻つまみ者になっているルイーズとしては、このような施設に行く事自体嫌いだ。
だが、今回はどうしてもきておきたかった。
手続きを済ませたルイーズの元に案内人が現れる。
「ルイーズ・ヴォルマーノだな?」
「そだよ」
「来い、案内してやる」
「そりゃどうも」
ルイーズは、肩を竦めながら後をついて行く。
施設内の一般の人間がいないところまで来ると、案内の男は忌々しそうに舌打ちをする。
「お前が、逮捕する時余計な事を言わなければもう少しスムーズに進んだがな」
「言わなければ言わないで、後々、私に対して責任問題にするつもりだろう?」
ルイーズの言葉に男はぐっと押し黙る。
「後出しで批判してんじゃあないよ、ど阿呆。人のせいにしてる間があるんなら、自分でどうにかしたまえ」
ルイーズの言葉に男は返す言葉がない。
しばらくして舌打ちをすると、扉を開ける。
「言っておくが、奴はお前が教えた使って黙秘権を使っている。お前の質問に答えてくれると思わないことだ」
ルイーズは、通された部屋の真正面には、アクリル板があり、その向こうとこちら側には椅子がある。
その椅子に座っているのは、先日ルイーズが捕まえた切り裂きジャックだった。
ルイーズもアクリル板を挟んで向かい合って座る。
「やぁ」
「…………お前かよ。まあ、いつかは、来ると思っていたけどな」
「随分喋るじゃあないか。最近無口キャラに変更したって聞いたんだけど」
「お前のおかげでな」
ルイーズの軽口にそう返すと切り裂きジャックは、肩をすくめる。
「さてと、分かってるとは思うけど」
ルイーズの前置きに切り裂きジャックは、眉をひそめる。
「君たちの組織について聞いておくよ、なお、嘘はついてはいけないよ。仮に嘘をついた場合は、偽証罪が足されるからね」
「言うと思うか?」
「君にそんな忠誠心があるとは、思わなかったなぁ」
「危機管理意識が高いといってほしいな」
切り裂きジャックは、胸を反らしながらそう答える。
「組織は、何人だい?」
「ノーコメント」
「トップいるのかい?」
「ノーコメント」
「依頼料は?」
「ノーコメント」
「拠点は?」
「ノーコメント」
ルイーズは、ふむと考え込む。
発言が証拠となる以上下手なことは言えない。
「言ったろう?言えないことは言わない」
切り裂きジャックの言葉にルイーズは、眼を細める。
ここまでは予想通りなのだ。
「質問を変えよう」
ルイーズは、そこで言葉を切る。
「私の、ルイーズ・ヴォルマーノの殺害依頼をしたのは誰だ」
ルイーズの言葉に切り裂きジャックは、目を丸くする。
そして、しばらくするとニヤリと笑う。
「さあな。
ルイーズは、ニヤニヤと笑う切り裂きジャックを睨みつける。
そして、ふぅとため息を吐くと背もたれに背中を預ける。
「
「ああ。
ルイーズは、それを聞くとゆっくりと伸びをして手を振る。
「分かった。それじゃあね」
「なんだ。もう帰るのか?」
「まあね。お腹も減ったしちょうどいいや」
ルイーズが立ち上がろうとする。
「おい」
そんなルイーズに切り裂きジャックが言葉を投げかける。
「せいぜい、こっちに来ることのないよう気をつけろよ」
ルイーズは、あげた腰を下ろして首をかしげる。
「なにそれ、ヒント?」
「違う違う」
切り裂きジャックは、どろりとした目を下げて笑う。
「立ち位置なんてすぐ変わるってことだ。今は、正義の味方でも次は案外歴史に名を残す犯罪者かもしれないぜ」
ルイーズは、眉をひそめて切り裂きジャックを睨みつける。
「君たちより?」
「さあな」
「………それはそれは。ま、せいぜい気をつけるよ」
適当にそう返してルイーズは、部屋を出た。
◇◇◇◇◇
「お腹すいたぁ〜………」
ルイーズは、軍の施設、留置所から出でくると腹をなでながら道を歩く。
「お昼ご飯は何にしようかな………」
そんなことを思いながら歩いていると喫茶店が目に入る。
「ふむ…………よし、ここにしよ」
そう言ってルイーズは、喫茶店に入るとメニューを読む。
「うーむ…………ここ最近、サンドウィッチばっかりだったしなぁ………よし、ここは、ピザにしよう!石窯みたいだし!」
ルイーズは、店員を呼ぶとピザとカフェオレを頼んだ。
注文した品が届くまでルイーズは、耳元の髪を弄りながら、今日のことを思い出していた。
「あいつは、言わないではなく、知らないと言った………それは、つまり……」
ルイーズは、髪から手を離す。
「刀の切り裂きジャックに依頼を伝えた奴が組織内にいるってことか………」
刀の切り裂きジャックは、誰が依頼主か知らないと言った。
そして、刀の切り裂きジャックが依頼主を知らないとなれば、誰かが依頼を受けていることになる。
「こりゃあ、エラリィの推理が当たったねぇ」
あの組織の中に、仲介役がいる。
それが、トップなのかそれともはたまた別の何かなのかはわからないが。
そんなことを考えているルイーズの前にピザが置かれた。
「おお!早い!流石石窯!!」
ルイーズは、感嘆の声を上げながら早速ピザカッターで切り分けていく。
「へぇ、珍しいな。お前が、サンドウィッチ以外を食べるなんて」
ルイーズにとってその馴染み深く、そして、二度と聞きたくないと思っていた声にピザをカットする手が止まる。
ルイーズは、ゆっくりと顔を上げる。
「……………フランク…………!」
「おいおい、シワになるぞ。そんな顔してると」
男、フランクは、ルイーズの前に座る。
「何に仲良しみたいに私と相席してるんだい?」
不機嫌さどころか、敵意も隠そうとしないルイーズに対しフランクは、楽しそうに笑う。
「釣れないこと言うなよ、
ちょいちょい出てきたロクでもない奴登場です。
では、また外伝39で