ハロウィンが終わりましたね。
日本じゃ馴染みのない祭りとして某アニメでネタになっていたぐらいなのに、今ではすっかり浸透しました。
この調子だと次はイースターだな…………
てなわけで、どうぞ
「ただいま」
「お帰りなさい、今日は夕飯食べて行きますか?」
台所にはエプロン姿のリーフが立っていた。
「因みに今日は鍋じゃ」
そう答えるモーリスは、食卓で大根おろしを擦っている。
その食卓には大きな鍋が置かれていた。
「わあ!やったあ!!食べてく食べてく!」
ルイーズは、嬉しそうにそう言うとテーブルに着く。
「私も何か手伝おうか?」
「では、食器を並べて下さい」
リーフは、そう言ってカウンターに食器を置く。
ルイーズは、首を傾げる。
「そんなのでいいのかい?」
「えぇ。あなたを台所に立たせるわけにいかないので」
何の感情も込めずに淡々とそういうリーフからは今までの苦労と疲れが滲み出ていた。
「教官、台所で何作ったんですか」
ベイカーが隣で呆れている。
「別にぃ。普通のものだよ」
「今の言葉で大体わかりました」
「どいつこいつも…………」
ルイーズは、こめかみをひくつかせながら食器を並べていく。
そんな並べた食器を見てベイカーは、首を傾げる。
「あれ?多くないですか?」
「何言ってるんだい?君達の分だよ」
並べ終えたルイーズは、一番最初に席に着いた。
「へ?」
「そりゃあそうだろう?ね?ばあちゃんじいちゃん」
「えぇ」
「当然」
クイーンとエラリィも目を丸くしている。
「いいんですか?」
「えぇ。構いませんよ。そのために鍋にしたんですから」
リーフは、そう言って切った野菜を出汁の入った鍋に放り込む。
そして、食卓のコンロの上に置く。
「さて、しばらく煮込めば完成です」
リーフは、そう言ってエプロンを椅子にかけて深く座る。
クイーン達もそれに習うように席に着いた。
ルイーズは、全員席に着くのを見届けて口を開く。
「それじゃあ、鍋が出来るまで話してもいいかい?」
「……………一応聞いておくか、何をじゃ?」
ルイーズは、いつの間にやらいじっていた耳元の髪の毛から手を離した。
「あのお姉さんの正体さ」
ルイーズがその言葉を口にした瞬間、二人ともピタリと動きを止める。
「…………分かったのか?」
「彼らのおかげで気づいた」
ルイーズは、自分の後ろにいるベイカー達を指差す。
「いいだろう、聞いてやる」
「そりゃあ、どうも」
ルイーズは、そう言って椅子に深く腰掛ける。
「確認だけれども、あの時乗り込んできた男は、私の父親、それはいいね?」
モーリスは、ちらりとリーフに視線を送る。
リーフは、こくりと頷く。
「そうじゃ」
「ふうん…………そっか」
ルイーズは、再び耳元の髪の毛をいじる。
「教官、やっぱり俺たちの推理間違ってますか?」
「『やっぱり』?」
ルイーズは、髪の毛から手を離して首を傾げる。
「だって、ずっと考え込んでるじゃないですか」
「……………………」
ベイカーの指摘にルイーズは、少しだけ驚いた後、指を一つ立てる。
「全部じゃあない。雨の日に私をじいちゃん達のところに連れてきたのはあのお姉さん、これはあってる」
ルイーズは、そう言った後眼を細める。
「でも、次が違う。お姉さんの正体が違う」
そこで言葉を切ってルイーズは、何と言おうか考える。
「よし…………!」
短くそう言うと続ける。
「あのお姉さんの正体に辿り着く上で避けて通れない事がある。あの男、私の父親がお姉さんの家に乗り込んできたことだ」
ルイーズは、ベイカーの方を見る。
「君は言ったね、『娘に刃を向けてニヤニヤ笑ってじゃない!!』とじいちゃんが言っていたから、あの人が私の父親だって」
「えぇ」
「でもね、このやり取りは少しだけおかしい」
「??」
「あの時、私の父親は、私には刃を向けていない」
ルイーズの言葉にベイカーは、腕を組んで首を傾げる。
「いや、教官自分で言ってたじゃないですか。自分に向かって刃物を振り下ろしたって」
「その通り。でも、お姉さんが庇ってくれた」
「…………………あ!」
ベイカーは、しばらく首をひねった後、思い至った。
「そうか!モーリスさんがきた時、刃物はアイフリードさんの手に刺さっていたし、抜けていない!」
「そゆこと」
ルイーズは、ウィンクをする。
「じいちゃんが見ていたのは、刃向けられていたのは、あのお姉さんだ」
そう続けた後、ルイーズはさらに話を進める。
「さて、君の推理を参考にしよう。じいちゃんは、『娘に刃を向けてニヤニヤ笑ってじゃない!!』と言っている。このセリフから君は、『娘』に該当する人間を『私』だと言った。
けれども、私はこの時、刃物を向けられていない。
なので、この時、じいちゃんが言った『娘』は、私ではない。
となると、刃物を向けられ、『娘』に該当する人は一人しかいない」
「アイフリードさん………!!」
クイーンが口を手で押さえる。
「そして、私と同じ父親がいて、私より年上、そして、女、それが該当する血縁は、一つしかない」
「まさか…………!!」
ベイカーとエラリィは、息を飲む。
「そのまさかだ。あのお姉さんは、私の実の母親なんかじゃあない」
ルイーズは、そこで大きく深呼吸をする。
「あのお姉さんは、私の実の姉だ」
隙を生じぬ二段構え!!
のつもりでしたが、どうでしょう?
ではまた外伝52で( ´ ▽ ` )ノ