やっぱり失敗のない告白をしたい戸部の甘い考えは間違っていた 作:春の雪舞い散る
関係者に聞き取り調査したらなにこの意思統一性のなさ
?そう言って鼻で笑いたいレベルであった
小町の企画による比企谷家主催のクリスマスパーティー
参加者
うちの親父…ケーちゃん参加と聞いて徹夜で今日の分まで仕上げての参加
うちの母ちゃん…「お義姉ちゃん候補の皆さんが集まります」
と、小町に言われて休みを確保
カマクラ…済まん、猫アレルギーの川崎のため身を引いてくれ
ゲスト、川崎家、三浦家、一色家、鶴見母子、雪ノ下陽乃、戸塚彩加、材木座義輝、城廻めぐり、折本かおり、仲町千佳…
膨れ上がっていく人数を見て勿論すぐに無理なのは判明したので雪ノ下さんが雪ノ下建設の空いている会議室を提供してくれたのでそこで開催になったんだが…
なんでこうなった?
ケーちゃんが左脚に、右脚にルミルミが座って互いに領有権を主張
あぁ、こうやって領土問題が発生するんだな…
そんな感じで現実逃避する俺は間違ってない…はず?
姉の聖戦?を察した川崎家の次男坊は俺の側には近寄らずに小町に甘えたため小町は戦線離脱
その光景に川崎の両親もビックリ
ケーちゃんが俺の脚の上に座ってるのを見て血の涙を流し悔しがる親父を見てざまぁと思いそんな姿を見た母ちゃんに説教されてる親父を生ゴミを見るような目で見る小町
親父、死んだな…
俺の両隣は雪ノ下さん、川崎、三浦に一色が主張しあい海老名さんはどっちでも良いから戸塚君にしてザザムシ君(材木座)は視界から消えてほしいと主張、材木座乙
カラオケにビンゴゲームってなんかスケールがでかくなって…あ…
さっきから老体にムチ打って走り回ってる都築さん乙…つかよく見りゃ雪ノ下さん家のパパさんとママさんまでいるじゃねぇかよっ!
しかもよく見りゃ大人達は名刺交換してるしなんか変に盛り上がってんな
大人社会はよーわからん
が、まぁルミルミ、蒼空、けーちゃんの最年少組が楽しく笑って過ごせるクリスマスって最高じゃね?
俺としちゃこの三人は俺の子じゃねーけど俺が親父になったらあれがしたい、これもしたいって思ってた事の真似事をさせてもらってるんだから感謝の言葉しか浮かばねぇよな?
こいつらの笑顔守りたいって言うのは間違ってないよな?
少なくとも俺は世界を救える大物でもそんな虚言を吐く嘘つきにもなりたくないがせめてこの手の届く範囲の幸せを守るくらいには足掻きたい
そう思ってたら苦渋の表情の母ちゃんと視線があっちまったがお互いに視線をそらしちまった
寒いな…そう思っていたら雪が降ってきていた
しかも結構な勢いで…
よくも悪くもホワイトクリスマスになりそうな予感をさせる雪にパーティーもお開きになりそれぞれの家路を急いだ
そして降りしきる雪を見ながら思った
消せない傷、痛み、過ちが消せないならアンタ(雪)が真っ白に埋め尽くしてなかったことにしてくれ…
俺を縛る過去の傷もろとも上書きして無かった事にしてくれっ!と…
そう思ってたらまた苦渋の表情で俺を見ていたかぁちゃんと視線があっちまったがお互いに視線をそらしちまった
だから俺は溜め息を吐きながら考えた本気で考えた
『俺はいつから家族とすら本気で向き合わなくなったのだろうか?』
と…勿論小町は色々と俺をわかってくれるが俺の心の奥の奥、闇に隠れた本心には気付かない
いや、気づいていてそれ(本心)が嫌いだから黙殺してる風にも感じる
そう感じる根拠は小町は俺に自分が好きな兄を演じろと一方的に押し付けていることだ
無論大抵は俺が悪い…それくらいは自覚あるがそれでもお前だけは他人が理解してくれなくてもお前だけはわかってほしい
そんな時にすら自分の理想を押し付けてくる
そんな家族にナニが言えよう?ナニを期待しろと?
まぁ良い、少なくとも今は満ち足りている
過去を愚痴愚痴言ったってその時の苦痛はその時のモノ
今の俺がその補償に大金貰ったってあの時の俺にはなん慰めにもならないんだからな