IS・人並みの幸せ   作:1056隊風見鶏少尉

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原作から思っていたけど、アイツはもうちょっと隠す努力をしろよ……そりゃバレるだろうよ、つかアレで誰も疑問に思わないIS学園がおかしいんだ。


十五話『銀髪の隣人と疑惑の同居人』

 

 

 

 

 

 

 『誰ですか?』

 

 金髪の男子制服(・・・・)を着た人と銀髪の軍隊て着用するようなズボンを着ている二人の人物がいた。

 

 「まだ自己紹介もしてないもんね。じゃ、改めて――」

 

 「――シャルル・デュノア。フランスから来たから日本の文化にはまだ馴染めてないけどこれからよろしくお願いするね」

 

 「――私はラウラ・ボーデヴィッヒだ。おいお前、番号名は?」

 

 デュノアさんは中性的な顔立ちで金髪を後ろで束ね、男性制服がとても似合っていた。例えるなら貴公子か。

 それに顔に似合わずハスキーボイス(・・・・・・・)なのもまたデュノアさんの個性を際立たせていた。

 

 ボーデヴィッヒさんは小柄な見た目に反してナイフのような印象を見て取れた。

 ただすごく落ち着いているというか、何か目がギラギラとしているため、ちょっと怖い。

 

 『シャルル・デュノアさん、ですか……これからよろしくお願いしますね。

 そちらはラウラ・ボーデヴィッヒ、さんですか、番号名というのは何か、分かりませんが僕は、愛染朝陽と言います。これからよろしくお願いしますね』

 

 デュノアさんは右手で握手をし、ボーデヴィッヒさんにも握手を応じる。ちょっと不安だったが親指と人指し指には気付かなかったらしい、よかった。

 

 「よろしくね」

 

 「っ……あぁ」

 

 「本当はもっとお話ししたかったんだけどね、お邪魔みたいだからまた今度にするよ」

 

 デュノアさんはそう言って去っていった。対してボーデヴィッヒさんはまだ残っていた。

 

 『あの、ボーデヴィッヒさん……まだ何か?』

 

 「ああ。お前個人に話がある」

 

 ボーデヴィッヒさんは僕にそういうと背後にいる三人の姉妹を見る。だが、サミュエルさんがそれに待ったをかけた。

 

 「待ちなさいボーデヴィッヒさん。愛染君は退院したばかりなのよ、休ませてあげなさい。それにはいそうですかって近づけさせられるわけないでしょ」

 

 「何、数分で終わる、手間はかからん、傷もつけん、ただ話したいだけだ。何ならこれを持っていろ」

 

 サミュエルさんに言って渡したのは、足につける――後から分かったが、ボーデヴィッヒさんのISだった――だった。

 

 「…………妙なことはしないように。あと私たちは貴女が出てくるまでここにいるわ」

 

 「あぁ。それで良い」

 

 ISを他人に手渡すなどよほどのことがない限りしない、ましてや専用機ならもってのほかだ。それを手渡されたサミュエルさんは目を見開き、渋々と言った感じで了承した。ボーデヴィッヒさんはどうでも良いとばかりに僕の車椅子を押して僕の部屋に入る。

 

 「あれ〜あいぜんくんとらうりんだー」

 

 すでに部屋の中には布仏さんがいたがボーデヴィッヒさんは一瞥すると出て行くように促した。

 

 「すまないが出て行ってくれ。二人きりで話がしたい」

 

 ぶっきらぼうな物言いに「はーい」と間延びした声で答え、出て行った。

 それを確認してからボーデヴィッヒさんは椅子やベッドに腰掛けると思っていたが、あろうことか部屋中をくまなく見始めた。

 ベッド下に潜り込み、布団を引っぺがし、家電や家具を動かしたり、隅から隅までくまなく。まるで何かを探しているかのように。

 だが、流石にそんなことをただ見ているだけの僕ではなかった。

 

 『ち、ちょっと、何を――むぐ』

 

 僕が注意をしようとした時、ボーデヴィッヒさんが素早く動き、口を塞いできた。まさかの行動に驚きはしたが、ボーデヴィッヒさんが自分の唇に人差し指を当てて「静かにしろ」というポーズを取る。

 何が何だかわからなかったがコクコクと頷き、肯定を示す。

 僕がしばらく静かに見守っているとしだいに手に何かを持ち始めた。

 

 「――終わったぞ」

 

 1分ほど経った頃だろうか、何かを両手で掴んでいるボーデヴィッヒさんが戻ってきた。

 そして次にはその細腕のどこにそんな力がというほどの握力で手に持っていたものを壊してゴミ箱へと捨てていた。

 

 「あぁ、いきなりすまないな。軍にいた時の行動が身体に染み付いていてな、やらずにはいられんのだが……ここにきて初めて当たったな」

 

 『あの……それは?』

 

 「聞かん方がお前のためだと思うぞ」

 

 ボーデヴィッヒさんはそう言っているが自分が住んでいる部屋に何かあったのだ、聞かないわけにはいかない。

 

『教えてください』

 

 「……分かった。なら本題の後に話そう。時間もあまりない」

 

 ずいっとボーデヴィッヒさんが近づいて来た。

 

 「お前、確か愛染朝陽と言ったな? その左眼は何だ?」

 

 ずいぶんと抽象的に聞いてくるボーデヴィッヒさん。何だ、と言われてもな……とても回答に困るな?

 

 『そう言われても……これは国外研修の事故で、負ったものですから』

 

 「――少し見せろ」

 

 ボーデヴィッヒさんは有無を言わさず僕の眼帯を剥がす。義眼が光のもとに出され、同時に痛みと久し振りの光を見た眩しさとあの何とも言えない感覚が同時に来た。

 

 『うあっ! 痛っ!』

 

 顔を伏せ、目を閉じるがそんなものでは防げないことはわかっていた。

 義眼のおかげでまぶたの隙間からわずかに見える光が増幅され、眩しい、痛い。

 

 「そうか、やはり――すまなかったな愛染朝陽」

 

 僕は痛みやらでそれどころではなかったが

ボーデヴィッヒさんは僕に謝ると眼帯を元に戻してくれた。

 

 「眼の色が少し違うが、その症状は私とよく似ているな。使うと5分と経たず頭が痛み出す。

 ――いや、私だけ見せないのはフェアではないな、これが私だ」

 

 痛みがだんだんと引いていき、一息を吐く。するとボーデヴィッヒさんは自分の左眼につけていた眼帯を外す。

 

 僕はギョッとして思わず見てしまった。

 そこには金色に輝く目があった。その瞳は光を中で乱反射させているかのようにキラキラと光っていた。

 

 「私もだ。私もお前と同じだ、同じものを持っている、『出来損ない』だ」

 

 出来損ない? ボーデヴィッヒさんは一体何を言っているんだ。

 

 「その親指と人指し指は義手だな? 触って分かったぞ。もしかして他にもどこか失っているのか?」

 

 ボーデヴィッヒさんは喋りながら僕の体を触診してくる。すると左腕を重点的に触り確信したように頷く。

 

 「左腕の前腕を丸ごとか……番号名が無く、しかし私と同じように左眼に『それ』をもち、腕がなくなるほどに過酷な環境を生き残ってきたのかお前は」

 

 『あの……義手と目のことは、みんなにはない――』

 

 「みなまでいわずもと分かる、言わんさ。私も言えんからな、あんなことを」

 

 やはり義手はバレてしまった。というか先ほどからボーデヴィッヒさんとの会話が噛み合っていないような気がする。

 

 

 「それと、先ほどお前が知りたがっていたことだが――あれは盗聴器と小型カメラだ」

 

 『……え?』

 

 衝撃なことを言ったかと思えば、ボーデヴィッヒさんは顔を僕の耳まで近付けてから小声で話し始める。

 

 「これからここの同居人に気をつけろ。私が見つけ壊してしまったことでお前にしわ寄せがいくかもしれん。なるべく自然を装え。

 何かを聞かれた際には私が見つけ、破壊したことを話せ、先に自分の身を案じろ。良いな?」

 

 一挙に言うと顔を話し、普通の声量で喋る。

 「……また、近いうちに話をしよう愛染朝陽」

 

 「またな」といってボーデヴィッヒさんは部屋を出て行った。

 入れ替わるように布仏さんとウォルト三姉妹が入ってきて、何を話したか聞かれたが、僕にも何が何だか分からなかった。




ちょっとどうしてこうなった……
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