IS・人並みの幸せ   作:1056隊風見鶏少尉

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少し短いです。

たとタグを変えました。


十六話『怖いものは怖い』

 

 

 

 「――遅いぞ、何している!」

 

 『は、はい!』

 

 一週間が経ち、僕もいつも通りに過ごしていた時に学年別タッグマッチトーナメントが開催されると織斑君や周りのみんなが浮き足立っているのを見ていたら織斑先生からIS操縦の指導を受けることになりました。

 

 「もっと素早くだ!」

 

 織斑先生の指導はスパルタそのもので正直ついていけません。

 僕の専用機向けと訓練機向けの特訓をわざわざ考案してくれたらしいですが、全然分かりません、ものにできないです。

 

 「的に当たっていないぞ、反動制御、弾道距離をしっかりしろ!」

 

 今日も大分怒られました。いやぁ、なかなか辛い、疲れた。

 

 『ふぅ…………』

 

 「アリーナの使用時間だ、今日やったことをしっかりと復習しておくように」

 

 『はい……』

 

 少し休んでから使っていた訓練機を収納しに整備室に足を運んだ。

 整備室には牧部先輩はいなかったがやっぱり隅の方に人がいた。確かかんざし? さんだったか。

 何か言ったほうが良いのかも知れないが声をかけても反応がなかったので、いちおう断りを入れてからISを格納する。

 無事に整備室に格納を終わらせ部屋に戻ることにした。

 

 すると僕が住む部屋の前――1065号の前に山田先生が立っていた。

 

 『どうしましたか、山田先生』

 

 僕に気付くと山田先生は僕が近づいてくるまで待ってから話し始める。

 

 「実はですね、部屋替え……ということなんですよ。

 二人転入してきたので色々と調整をした結果愛染君はお部屋を移動してもらうことになりました」

 

 申し訳なさそうに言う山田先生。僕は構わないが、しかし部屋替えかぁ……次は誰が相部屋だろうか。

 

 『大丈夫ですよ。それより、僕の部屋はどこになったんですか?』

 

 「はい、愛染君のお部屋は1092号室になりました、持ち物も後ほどすべて運んできますのでお部屋で待っていてください、では行きましょうか」

 

 そう言って車椅子を押してくれる山田先生。ありがとうございます。

 することもないので山田先生と話をしながら移動した。といっても授業などでわからない範囲を聞いていただけなのだが。

 目的の部屋に着くと前と同じように鍵を渡された。

 

 「愛染君、何かあったときは呼んでください、すぐに駆けつけますので」

 

 部屋に入る前にそんな不穏なことを言い残して山田先生は去っていった……相部屋って怖いな。

 

 いつまでも扉の前にいるのもアレなので意を決して中に入る。部屋の造りは変わらず、片方のベッドが隅に寄せられ、もう片方のベッドは――ISの機材だろうか――物置と化していた。

 

 『うわー、なんかすごい部屋だなー』

 

 住人は帰ってきていないようで僕一人だ。

しかしISの機材が置いてあるということは整備の人なんだろうか。

 

 相部屋が果たして誰なのか考えたり、体を動かしたりしているとだれかが部屋に入ってきた。

 

 「…………誰? 私の部屋に何の用?」

 

 水色の髪をセミロングまで伸ばしていて、眼鏡越しに覗く目には隈が見てとれる。

 

 『どうも?これからこの部屋で、暮らすことになった愛染朝陽です。よろしくお願いします』

 

 「……あなたがもう一人の男性IS操縦者?」

 

 『はい、そうですね』

 

 「……失礼だと思うけど、身体どこか悪いの?」

 

 『元から身体が不自由だったことと、最近足に怪我をしまして』

 

 僕の回答に目の前の人物は「そう……」と淡白な返答をしてから睨んできた。

 

 「……何であれ、私の機体を奪った一人であることに変わりないわ――許さないから」

 

 キッ、と僕を睨みつけ、部屋を飛び出していく……名前聞いてないなぁ。

 

 しかし、僕は恨まれるようなことをした覚えはないんだけどな……。

 私の機体って言っていたし、ISなのは間違いないんだろうけど……今度先生に聞いてみよう。

 しかし、あの人が相部屋になるのか……別に危険そうな人じゃないのに山田先生は何であんなことを言ったんだろうか。

 

 ――コンコン。

 

 と、そんな時、扉がノックされた、返事をしてから扉を開けようと手を伸ばした瞬間、身体が金縛りにあった時のようにか硬直する。

 

 「一度しか言わない。更識簪に妙なことをしたら……殺すわよ」

 

 平坦な声色で、冷たい声色で言い残していくと全身に回った硬直が解ける。僕は息を大きく吸い込み、落ち着こうと心がける。

 

 『何だったんだろう……』

 

 身体は小刻みに震えさせながら意味のわからない忠告にしばらく怯えるしかなかった。

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