IS・人並みの幸せ   作:1056隊風見鶏少尉

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 番外編のようなものです。

 どうせなら、面白い事態にしたかった。ありえない面子を並ばせたかった。


番外 『三つ巴』

――――とある病院。

 

 「――――あぁ、君の言うとおりあの患者は私が処置したよ。確かにあれではとても救えなかっただろうね」

 

 ひとりの医師が誰かと電話越しに話していた。

 

 「だがこんなことをさせるのはもうやらないでくれよ『アレイスター』……患者を治すのが私の役目だ、その患者を死地に追い込むのは医者として見過ごせない」

 

 

 「――ならば私はその患者を何度でも治そう。かつて君にしたように」

 

 「話はそれだけかい? ならもう切るよ、まだ患者は残っているんだ」

 

 

 

 『学園都市の外側ではISという骨董品が占めているらしいじゃないか。篠ノ之束、取るに足らない存在だが、いかんせん目立ちすぎる。それに彼女はどうやら学園都市を壊したいようだ。ならば私も相応のプランを組むまでだ』

 

 『あなたに協力してもらうのは私としても心強い限りだよ。あの機械のタネは割れている。そして篠ノ之束の捨てたものがあるのなら私はそれを使うまでだ。あなたはその治した人をどうする?』

 

 『そうかい、あなたは今も昔のままだ。それだけを伝えたかっただけだよ』

 

 

 

 ――さぁ、篠ノ之束もこちらに向けて動いている頃だろう。ならば最高の人材でもてなさなければね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 人気のない裏道を歩いていたひとりの女性。改造したメイド服を着込み、頭にはカチューシャの代わりか、機械の耳のようなものを付けたインパクトの塊のような人物――彼女こそ篠ノ之束であった。

 

 「やれやれ。学園都市にむかおうという時に人に絡まれるとは私もついてないねぇ」

 

 歩くのを止めて前と後ろを見る。そうしてガシガシと頭を掻く。

 

 「邪魔だなぁ……殺そ」

 

 

 「――おィおィ、殺すなンて言葉は三流の言う言葉だぜェ、女ァ」

 

 「――全くです。あなたのような女性がみだりに使って良い言葉ではありませんよ」

 

 後ろから、前から声とプレッシャーがのしかかる。

 

 闇から何かをつく音とともに現れた眼だけが紅いひとりの少年。後ろにはこれまた全身が白い青年がいた。

 

 「誰だよ君たち? 邪魔だからさっさとどいてくれないかな? 私はいま用事がそっちの方にあるんだ」

 

 「悪ィが――」

 

 「悪いですが――」

 

 「「学園都市にはいかせられません」られねェなァ」

 

 それを聞いて束の表情から全ての感情が抜け落ちる。

 

 「そ、じゃあどかなくていいよ予定変更だから。私が君たちを殺してから行けばいいんだからね」

 

  束が動く前に首元に手をかけていた前方の少年はその首元にあるスイッチを押した。

 

 今更なにをしようが遅い。殺す。追うことのできない速度でせまり、首を落とす。それだけだった。

 

 「――ぐぁっ!?」

 

 何かに弾かれ、腕をバキバキに砕かれたのは一瞬だった。

 

 何がと思うまでもなく身体を動かす。先ほどまでいたところにいる少年は自身が作ったであろうクレーターの中心にいた。

 

 「おィ、さっきまでの威勢はどォした女ァ」

 

 「……君、何者だい? この束さんをこうまでしたのは君が初めてだよ」

 

 「はっ! 笑わせンなよその口ぶりだと自分が世界で最強だと思ってンのか。だとしたら抱きしめたくなっちまうくらいに憐れだぜ――」

 

 「あのクソ野郎からの『グループ』に直々の命令ってンで仕方がなく俺が来てるっつうのに興醒めだなァ、オィ」

 

 首をコキコキと鳴らし、束に答える。

 

 「学園都市レベル5、第1位『一方通行(アクセラレータ)』だ。覚えておけメルヘン女ァ」

 

 「まァ、今は元だがなァ」と獣のような笑みを浮かべて言う一方通行。

 

 「自己紹介ですか……では、私は垣根帝督。同じく学園都市レベル5、第2位『未元物質(ダークマター)』です。と言っても私も元、ですが」

 

 「学園都市…………第1位、第2位………………」

 

 束はポツリと呟く。

 

 「しっかし、まさかテメェが生きてるたァ驚きだ、しっかりミンチにしてやったのによォ。テメェも同じ口かァ」

 

 「それは私も同じですよ一方通行。私が生きていることは私が一番驚いています。その通りですよ一方通行」

 

 「あァ? あとその気色悪ィ喋り方直せクソメルヘン野郎。鳥肌が立つわ」

 

 「これは治せませんね、私はこれがデフォルトなので」

 

 「――――あっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっ!!!!!!!!!!」

 

 その時、束が狂ったように笑い出した。垣根帝督は何事かと彼女を見て、一方通行は鬱陶しそうに見る。

 

 「好都合じゃないか! いま行こうとしていた学園都市、その中の第1位と第2位が来てくれるなんてサァ! 挨拶に行くのが省けたよ!!」

 

 「……はァ。イカレメルヘン女に昇格だな」

 

 一方通行は杖を手放す。自立型に改造しているので杖はそのまま直立していた。

 取り敢えずどうするか? この手合いは相手にすることこそダルい。

 そんなことを考えていた一方通行だが、彼女の放った一言にそんなことはきえうせる。

 

 「――アレイスターに手土産として殺してあげるよ。それからゆっくりと学園都市を壊そう、君達がいなくなった学園都市なんて直ぐに皆殺しにできるしさぁ!!」

 

 「…………あァ?」

 

 「――今、何と言いましたか?」

 

 一方通行と垣根の纏う雰囲気が変わった。

 

 「――計画変更だァ、テメェはあのクソ野郎から殺すなっていわれてるけどよォオマエは潰すクソメルヘン女」

 

 「そうですね、私もアレイスターからそんなことを言われていましたがどうでもよくなりました――私もこいつを殺すのを手伝うぜ一方通行」

 

 

 

 「三下ァ、こっから先は一方通行だ。どうしても通りてェならミンチになってから運ンでやるよ」

 

 「さぁ、始めようか篠ノ之束。言っておくが君が行う攻撃も小細工も私の未元物質には通用しないと思えよ」

 

 「ははっ、所詮井の中の蛙ってことを教えてあげるよ餓鬼ども」

 

 第1位、一方通行(アクセラレータ)

 第2位、未元物質(ダークマター)

 IS製作者、篠ノ之束

 

 

 今、学園都市の中側と外側が激突する。




あ、言い忘れていましたが
本編とは関係ないので悪しからず。

 次話は9時に投稿します。
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