こんな拙い作品がたくさんの人に読んでいただけるなんて…。
改めて、緊張してますw
というか、毎回他の作者様はどうやってあんなかっこいい題名をつけてるんでしょうか?
題名がもう思いつかなくて、そっちの方に困ってます…。
ご指摘、ご感想があればしていただけると幸いです!
八幡side
さわやかな朝にはならなかった。
これは決して、今現在台風が上陸し、激しい風雨が千葉を襲っているからだけではない。
幸いなことに嫌な夢をみたとかでもない。
いや、悪いことではない。
どちらかと言えば…言わなくとも男子高校生にとっていいことではあった。
うん、まあ、いろいろ見えちゃったんだよ………。
完全に目線が勝手に動いちゃったんだよ。
アニメなら、都合よくどこかのリOさんみたいに霧とか尻尾とかで隠れるんですけどね。
悲しいけど、これって現実なのよね。
昨日も結局、どうやって翌日顔合わせしようか、悩みに悩んで寝たのは朝の四時過ぎだ。
起きたのも、七時。
簡単に言うと、絶賛寝不足である。
しかも、めぐり先輩の部屋をでて脳内で数時間考えた。
結果、何の成果も得られませんでした…。
諦めなくても、試合は終了してしまっている。
さすがの安○先生もお手上げといったところ。
だって、見ちゃったんだもの、しかも、おそらく見えちゃいけないところも見えてること、
めぐり先輩気づいてるはずだし…。
「はぁ」
ため息が漏れる。
こうしていても、らちが明かない、とりあえず布団をたたみ、着替えよう。
取り敢えず、他ごとをしていれば、何か良い案が思いつくかもしれない。
・
・・
・・・
・・・・
・・・・・
めぐり先輩から借りた、黒のチノパンに白のシャツ、薄い青色のカーディガンに着替え終え、
布団を畳み、客間を出る。リビングにはだれもおらず、プリキュアも始まるには早い。
日曜朝のこの時間になると、やっているのはニュース番組か、戦隊モノかのどちらかしかない。
しかも、今は台風がちょうど上陸しているところ。
ニュースはどこも台風情報しか流れておらず、同じ内容をひたすらにみさせられると、しぜんとまぶたが重くなる。
「ね、眠い………。」
思わず口に出るほどだった。
リビングのソファーにコテンと横になる。
めぐり先輩が来るまで少し寝よう。
そう思い意識を手放した。
めぐりside
朝の八時。
少々私にしては、遅い起床だ。
かと言って、昨日特に夜更かししたわけでもない。
あくまで、風邪をひいていたし、いろいろと経験したことないことが多かったための疲れか、眠れることには、眠れてはいた。
昨日のことを思い出す。
八幡君が部屋を出て行ったあと、しばらくクッションに顔をうずめてベッドの上をゴロゴロしていた。我ながらどうなのだろうか……………。
うん、しょうがないよね。裸見られたし…。
男の子に見られたの初めてだったしね!
き、気まずい……。
彼に自分の気持ちを伝えている分、うん、気まずい…。
「陽さんだったらこういう経験も豊富なんだろうなぁ~」
思わず、つぶやいてしまう。
でも、陽さんが高校在学中に特定の誰かとそういう関係になったことを聞いたことはなかった。
となると、案外慣れていないのかとも考えられる。
まあ、うだうだ考えていてもしょうがない。
気楽にいけばいいさ。
熱を測ってみると、平熱に下がってはいる。
「昨日入れなかったし、シャワーぐらい浴びとこう。」
私は、着替えを持って、お風呂場に向かった。
・
・・
・・・
・・・・
・・・・・
シャワーを浴び終え、私服に着替える。
白のタートルネックのセーターにジーパンというラフな格好である。
あんまり薄着にしたくなかったのは、昨日のことがあったからだ。
リビングの扉を開け、中にはいる。
テレビがついているようだ。
ニュースキャスターが、台風の情報を伝えているようだ。
おそらく明日には通過すると考えられ、学校がある。
不安は絶えない………。
陽さんに協力は頼んだとは言え、まだどうなったかは聞いていない。
でも、自転車の事や、下駄箱でのことは、すぐに犯人のめぼしはつくと言っていた。
おそらく、それなりのことになるのだろう。
このことで、周りで便乗していた人たちもこのようなことはしなくなるはずだ。
彼らにとっては、日々のぶつける相手がいないストレスの矛先にちょうどよく表れた『ぶつけても良い相手』だっただけだから。
ただ、相模さんのこともある。
彼女は、周りの目から見たら被害者である。
その彼女が、彼のことを悪く言う限り、せっかく周りが落ち着いてきても、同じことが起きる可能性がある。
それを、どうにかうまくまとめるのが私の役割なのだが………。
改めて、自分に出来るか不安に思ってしまう。
そんなことを考えていると、ソファーの方からモゾモゾと物音が聞こえてくる。
近寄ってみると、彼が丸まった状態で寝ていた。
何となくソファーの端っこにチョコンと座り、彼に膝枕をする。
彼の寝顔を見ながら、ゆっくりと頭をなでる。
柔らかい髪質でなでると気持ちがいい。
ピョコンと跳ねているアホ毛を、つんつんとつつく。
思わず、昨日のことを思い出す。
布一枚越しに、彼の体の熱を感じてしまったことを。
近くで、見て、触れて、ますます傍にいたい、もっと彼について知りたい、
そして、私のことをもっと見てほしい。
そんな、感情が自分の中からあふれてくる。
彼のことを考えると、胸が温かくなる。
人を好きになるって、こんなに幸せなことなんだ。
彼の寝顔を見ていると、さっきまで悩んでいたことも何とかなりそうと思えるのだからすごい。
「私、がんばるからね。」
眠っている彼に、私は小さく約束した。
八幡side
目が覚めたら、目の前に微笑んでいるめぐり先輩がいた。
どういうことなの?
落ち着いて、見渡すと今膝枕されているということが分かった。
どうしよう、何を言えばいいのだろうか…。
結局なにも思いつかず、寝てしまった。
取り敢えず、挨拶だ。
「おはようございます、めぐりさん」
「おはよう~、寝坊助さん♪」
やけに、楽しそうに頭をなでながら話しかけてくる。
寝坊助???そんなに寝てたのか??
時刻は10時になろうとしている。
何やかんやで、三時間ソファーで寝ていたわけだ。
さすがに、起きないと。
体を起こし、謝ることのした。
「昨日は、その、すいませんでした…。」
すると、先輩はにこやかに
「気にしないでいいよ、わざとじゃないのは知ってるしね。」
「めぐりさんは、優しいんですね。」
「誰にでもってわけじゃないんだけどなぁ~」
いたずらっ子のような人懐っこい笑みを浮かべている。
その言葉の意味が分からないほど、自分は鈍感ではない。
そもそも、めぐり先輩には告白されているのだから。
顔が、赤くなるのを隠しながら、話題を変える。
「朝ごはんどうします?」
「私は食べてないよ~」
「なら、俺が作りますよ。居候させてもらってるし…。」
「そんな事言ったら、私だって君にいろいろ助けてもらってるし……そうだ、一緒に作らない?」
「いいですね、そうしましょう。」
たぶんそう答えた俺は自然に笑えていたと思う。
・
・・
・・・
・・・・
めぐり先輩は、淡い水色のエプロンを、俺は黒色のエプロンを着ながら、調理をすることにした。
ちなみに朝のメニューは、フレンチトーストとオムレツ、サラダとコーヒーである。
めぐり先輩がてきぱきと、オムレツを作る最中、俺はサラダを作っていた。
こう見えて、専業主夫志望なので、ちゃんと飯も作れる。
というか、朝は小町、夜は俺が食事作るの担当してるしね。
レタスをいくらかちぎって、その上にキャベツの千切りときゅうりを切ったものをのせる。
これで、サラダは完成だ。
あの赤い奴はどうしたって??聞かないでくれ…。
俺が、意外と料理慣れしていることに驚いたのか、めぐり先輩が褒めてくれた。
「八幡君、結構料理してるの?」
「まあ、両親共働きですしね。朝は妹の小町が、夜は俺がっという感じですかね。
まあ、もともと専業主夫になりたかったわけですし。」
すると、それを聞いた先輩は何かつぶやいていたが、聞き取れなかった。
二人ともなれている分早く終わり、すぐに食卓に着き、ごはんにありつけた。
「「いただきます。」」
二人とも、意図していないのに同じタイミングで言ってしまう。
お互いに顔を合わせて、微笑んでしまう。
そんな何気ないことが、ずっと続けばいいなと思う八幡であった。
めぐりside
八幡君が目を覚ましたようだ。
もう少し、頭をなでていたいという気持ちもあって少し名残惜しい…。
「おはようございます、めぐりさん」
私はからかいたくなりつい
「おはよう~、寝坊助さん♪」
と言ってしまった。
時刻は10時になろうとしている。
待って…私二時間近く彼の事眺めてたの!?
自分のしていたことに気付き、驚く。
そんな中、彼が謝ってきた。
「昨日は、その、すいませんでした…。」
やっぱり、優しいな八幡君は…。
なんだかんだ言って、気にしてくれている。
「気にしないでいいよ、わざとじゃないのは知ってるしね。」
「めぐりさんは、優しいんですね。」
少しいじわるな感じで
「誰にでもってわけじゃないんだけどなぁ~」と言った。
彼には、これぐらい積極的にいかないとダメだというのは、ここ最近分かったことだ。
彼も言いたいことに気付いたようで、顔をうっすら赤くしている。
話をそらそうとしているのか
「朝ごはんどうします?」
「私は食べてないよ~」
「なら、俺が作りますよ。居候させてもらってるし…。」
彼ならそういうと思った。でも、こちらも助けてもらってるし…。
とっさに良い考えが思いついた。
「そんな事言ったら、私だって君にいろいろ助けてもらってるし……そうだ、一緒に作らない?」
「いいですね、そうしましょう。」
彼が提案を受けてくれたことに、胸の中で小さくガッツポーズをしていたのは内緒だ。
彼に黒色のエプロンを渡す。
けれど、後ろにあるひもがうまく結べないようなので、手伝ってあげることにした。
「あ、ありがとうございます。」
照れ隠しなのか、頭をガシガシとかく。
相変わらずの可愛い反応だ。
私たちは、手分けして遅い朝食を作ることにした。
オムレツとフレンチトーストが私、サラダとコーヒーは彼の担当になった。
彼が料理できるか分からなかったのでこのようにした。
意外なことに、彼は料理に慣れているようだ。
キャベツの千切りなども慣れていないと案外同じ細さで切るのは難しいはずなのに…。
トントンと手際よく包丁の音が響いていく。
「八幡君、結構料理してるの?」
「まあ、両親共働きですしね。朝は妹の小町が、夜は俺がっという感じですかね。
まあ、もともと専業主夫になりたかったわけですし。」
専業主夫か…。
私が、働かないといけないなそれだと…。となると、やっぱりそれなりの所に就職しないと、
そう心の中で考えていた。
本人は、その考えが口から漏れ出ていたことなんて気づいてはいないし、相手も気づいていないのだからよいだろう。
手際よく調理を終え、食卓に座る。
「「いただきます。」」
思わず声がそろってしまい、お互い顔を見合わせ笑ってしまう。
好きな人と何気ない話をしながら、朝食をとる。
たったそれだけなのに、本当に幸せだと感じる。
願わくば、彼も同じ気持ちを持ってくれていたらいいなぁと、めぐりは思うのであった。
いかがでしたでしょうか?
二つの視点を同時進行させているので、状況がなかなか進まないですね…。
ゆったりと、状況は動いていきますが、これからも見てくださるとありがたいです。
最後まで見てくださりありがとうございました(^o^)丿