俺が安息の日々を求めるのは間違ってないっ!よな? 作:春の雪舞い散る
二人並んで座る車内で顔真っ赤にして激おこな小町をどう宥めれば良いのかわからない俺は
「小町…そのドレスよく似合ってるな…」
そう声を掛けると
「うん、高そうだから遠慮したんだけど陽乃さんが
『もう雪乃ちゃんも着れないサイズだからやっとで番が戻ってきたその子は着てくる人がいて嬉しいんだから気にしなくても良いの』って…」
戸惑いながら答える小町に
「小町、その感謝の気持ちは今の俺達に返せる形で返せば良い
会場に使わせてもらう会議室を管理してる総務には
『比企谷君が焼いたマカロンを差し入れてあげてよっ♪』
って陽乃さんに言われてるし陽乃さんの誕生日には…な?
それにな、本当に良い服ってのは母から娘、姉から妹へと受け継がれるもんなんだ
だから小町は陽乃さんにそのドレスを受け継いでほしいって思ってくれたんだと思うぞ?
なら、今お前のなすべきは遠慮じゃなくその陽乃さんのその思いに応える事
今すぐの事じゃない、上を目指しドレスに負けない女の子になることだ」
そう言って頭を撫でると
「うん、頑張る…」
そう声をつまらせ答えて小町は答えてくれた
小町が会場入りしどよめく声を聞いて俺は思った
(今日のこの小町の姿を生で見られない親父ざまぁっ!)と…
マジ良い気味だと思いなから
「 大志、本気ならいつまでもこのポジを俺にとられてるんじゃねぇゾッ! 」
そう発破を掛けてやったら会場のみんなから笑われてやがった…しっかりしろ、大志
いわゆるところのお誕生日席に案内すると驚き一杯に見開いてケーキと俺の顔を見比べている
俺達は誰一人として本職のケーキ職人じゃないし料理モノの登場人物達みたいなすごい技を持ってるわけでもない
だから俺達は俺達にできることをした
チョコクリームで小町のにがお絵描き背景は色とりどりのクリームで少女漫画の主人公よろしく花々を背負っている
出来映えを知らせてないケーキ班以外の面々も驚いて目を見張って写メっているがこのケーキが更なる騒動の元になるのまた別のはなし
だがなぜ俺にカメラを向ける? 新たな苛めか? 写メと一緒に似合ってねーとかとか呟くのか? 止めて、ハチマンのライフはとっくにゼロよ?
ろうそくを立て火を点けてバースデーソングを唱和してバースデーパーティーが始まったんだが…
小町とのツーショットに始まりいろんな女の子とのツーショットや記念写真を頼まれ俺は仕事がなにもできない事態になってしまった…済まん皆…
一応皆には謝っておいたがなぜか苦笑いされた
因みに俺が小町に用意したプレゼントはバースデーケーキとは別にプリン好きの小町のために作った特製のカスタードケーキ…
が、少々作りすぎたらしく
「お兄ちゃん、さすがにこれは作りすぎだよ…だから激オコの小町は執事のお兄ちゃんに命じます
ただ今から執事のお兄ちゃんは希望するお嬢様にアーンのサービスをして差し上げること
ただしお兄ちゃんに食べさせるのはなしね順番取りが凄惨な事になるからまずは…
都築さんから見たら陽乃さんのお母さんは当主になった今でもお嬢様…なんでしょ?」
そう聞かれた都築さんが
「はい、小町様のおっしゃる通り口にこそ出しませんが先代からお仕えする私には今でもお嬢様でございますとも」
そう答えると声をつまらせる雪ノ下ママを見てうんうんと頷くと
「じゃあ一番最初は陽乃さんのお母さんでけーちゃんに男の子だけど蒼空くんに戸塚さんで後の皆はじゃんけん頑張ってくださいねっ♪」
そう小町が言ったとたん会場内にスゴい殺気が…
ナニこれ?俺生きて帰れるの?めちゃくちゃ怖いんですけど…
怯えつつ雪ノ下ママ、けーちゃんに蒼空、互いに顔を真っ赤期して戸塚にアーンしたとんに誰とは言わんが真っ赤な噴水?を吹き上げ沙希と優美子が大騒ぎした
結局俺はパーティーが終わるまで休む間もなくずっとそれをやらされていた
まぁ小町が終始ご機嫌だったからそれはそれで由としよう…と、言うかそう思って諦めるしかないな…
参加者も喜んでくれてたみたいだし
こうしてまたひとつ新たな伝説を打ち立てた俺はプロデーサーとしての地位を確立…なわけねえな
今夜くらいははよ寝よ
文字数、話数共に予想外に増えてしまいましたが次話はホワイトデーの予定なのでそれほど歩なしは膨らまないと思います
ては、次話までの暫しのお別れです、皆様ごきげんよう