自分の常識も何もかも通用しない職場で果たして茜はどう奮闘するのか⁉︎
大砲とスタンプと艦これのクロスがなぜか無いのでこれを機に増えて欲しくて書きました。
兵站ゲーである艦これと、兵站を主役にした大砲とスタンプは親和性は高い筈。
なのにクロスが無いから書いてみました。
これを機に増えるといいな〜。
「本日付で此方に配属になりました“事務処理特化型”軽巡洋艦艦娘大淀こと茜少尉であります」
そう軍人らしく、士官学校で教えられた教本通りの挨拶をする彼女。
少しくすんだ茶色い短い髪に丸眼鏡と少々童顔な顔立ちをした茜ちか少尉はこの年19才になったばかりの士官学校出たての新米士官であった。
戦争の長期化による徴兵年齢の引き下げと、半強制的な適正者の志願によりこの年での任官は既に珍しくなくなって久しい。
「お、早速きたか。人事部にしては手が早いな」
そう言って手を差し出した軍人にしては少々太めな男、階級は大尉だ。
大尉と言うとつまり少尉である自分の二つ上の階級になる。
それに年齢も彼女より一回りは上の筈だ。
「俺は桐枝大尉だ。本来なら最初にウチの隊長に挨拶させる所だが…」
クイッと親指を後ろに向け、茜は少し背伸びして桐枝大尉の背の向こうを覗き見るともう何年も使われて居ないかの様な真っさらなデスクが部屋の中央にあった。
「生憎とここ何年も顔を見せて無いんだ。確か前にあった時は…おい、何時だったけ?」
三年前の新しく就任した時、その前のは辞令の書類だけ置いてどっかに行った。
との答えが返ってきた。
桐枝大尉は肩をすくめ、つまり此処はそう言う所だと教えてくれた。
見れば部屋の中にいる人達はやる気無さげに仕事をしたり、ある者はチェスに興じ、ある者は職務中にも関わらず手下が片手にメイク直しをする有様。
茜は着任早々とんでもない所にきてしまったものだと面食らった。
しかし驚いてばかりではいられない。
今日から此処が彼女の仕事場になるのだ。
艦娘の適性があると分かったあの日に誓った夢を実現する為にも、茜はここで成果を上げなければならないのだから。
「コホン、では先任らしく後輩に一つアドバイスをしよう」
態とらしく咳をした桐枝大尉はしたり顔で言う。
「此処での優先順位だ、先ず一番にドイツ海軍、次にウチの海軍、三番目に犬と猫、でオレ達は四番目だ」
意味は分かるな、と言外に伝えてくる桐枝大尉に今度こそ茜は喚きたくなった。
苦労して折角艦娘になったと言うのに、どうして犬猫よりも下の扱いを受けなければならないのか⁉︎
「改めて、ようこそ我が兵站軍へ。もっとも此処じゃ誰もその名で呼ばないがな」
「『紙の兵隊』それがオレ達だ」
「ま、気楽にやろうぜ」
桐枝大尉は皮肉と自嘲が混じった笑みを浮かべると茜の肩をポンと叩いた。
こうして、茜は兵站軍へと配属されたが果たしてこれからどうなるのか?
急速に暗雲が垂れ込み始めた自分の将来を心配しつつ、茜は早速仕事に取り掛かり始めるのであった。
「あ、そうそう。実は前にいたやり手の爺さんが腹上死しちまってな。いま仕事が出来ないんだ」
「は?」
「いやな、皆んな仕事を死んじまった爺さんに任せてたからどうやったら良いか分かんなくてな」
「はああああ⁉︎」
「ま、なんとかなるだろ」
「何とかなる訳無いじゃ無いですかー⁉︎責任問題ですよー‼︎」