Fate/Survivor Order     作: エポナ

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炎上冬木の定礎復元後に目覚めています
カルデアは人員不足
魔術師は貴重な存在である



第0.2節:亀裂

――――――――――・・・・・・

レイシフト実験中の管制室大爆発、マスター候補生48人と職員への甚大な被害

 

レフ・ライノールの裏切り、オルガマリー所長の消失、グランドオーダー

 

聞いているだけで頭が痛くなってくる

そしてなにより、俺の精神に深々と突き刺さったのは・・・・・・

 

幸運だけで候補生権を勝ち取った一般人が、誰よりもはやくマスターとなったことだった

 

 

「―――――ージくん? セージくん、聞こえているよね? 返事して欲しいんだけどなー?」

 

ロマニ・アーキマン。通称ロマン

 

自己紹介を済ませた医者が、馴れ馴れしく俺の顔を覗いてきた

 

止めろ、そういう気分じゃない。俺は今、無性に苛立っているんだ

 

「ああ、大丈夫ですよ、ドクター。 しっかりと聞こえていますから」

 

わざとらしい笑みを作りながら平然とそう、答えた

 

「そう、それならよかった。         

それで、君のことなんだけど―――――「ロマニ、凍結保管(コールドスリープ)状態のマスターが目覚めたとは本当かい?」

 

ロマンが何かを切りだそうとした瞬間、医務室の扉が開き、黒髪の美女が現れた

 

その容姿は絶世、絹のように白い肌、黒曜石のように怪しく妖美に輝く髪

 

一度見れば忘れることはないだろう、彼女に会ったことは無い

しかし、俺は彼女を見たことがある

 

「モナ・・・・・・リザ・・・・・・?」

そう口から名前が零れた

 

「おお! 理想の美たる彼女のことを知っているか! いや、それも当然と言うべきだね。

この世においてモナ・リザのことを知らない人間等居るはずがない。

居た場合、その人間は即刻悔い改め、生まれ変わるべきだな。

その人生にもはや意味はないからね」

 

なんだこの女は、それが俺の第一印象となった

 

だが、変人奇人の類の動作とは裏腹に目を離せない異様さが感じられる

 

高位の存在、人間ではないナニカの気配。

まさか・・・・・・

 

 

「如何やら気付いたようだね、流石は魔術師として活動してきただけはある。

さあロマニ、私の紹介を頼むよ」

 

「ええ!? どうしてボクに振るのさ! 今の流れならキミから自己紹介するのが礼儀じゃないの!?」

 

「いや、誰かから紹介される方がキマッているだろう? キミよりも格上だという証明にもなるしね」

 

「出来れば僕はキミのことは紹介したくはないよ・・・・・・。

はぁ・・・・・・セージくん、彼女・・・・・・違うね、彼はカルデアの技術部トップのレオナルド氏だ。

さっきの言動と雰囲気を見れば解っているだろうけど、普通の人間じゃない。察している通りの存在だよ」

 

どうでもいいような絡み合いの後、何処か疲れているような口調のロマンがそう説明した

成程、やはり俺の感じた通り・・・・・・俺の目の前に居るのは

 

「サーヴァント・・・か、それも真名は万能の芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチ。

だが、待ってくれないか。俺の知っているダ・ヴィンチは男なんだが?」

 

「美しさに元の性別等、児戯に等しい。

究極の美を求めた結果、この姿が最も相応しいのは解りきっていることだよ、少年」

 

自慢げに笑いながら高らかに告げる姿は確かに美しいと言える

だが、何故だろう、温厚な俺でも鬱陶しいと思ってしまう。

 

「まあ、なんにせよ、これから長らく共にサポートをしていく関係だ、よろしく頼むよ」

 

「サポート? 何を言っているんだ?

確かにまだ病み上がりではある。だが、俺はマスターとして呼ばれたんだ。

運よく生き残った一般人がマスターをやっているようだが、俺には認められない。

今直ぐにでも俺はマスターとして動かせて貰うぞ、ドクター」

 

当たり前のことだ

如何して裏方で行動しなければならないのだろうか

マスター候補生として集められ、マスターとして人理を護るために戦う

それが俺の・・・此処に来た魔術師の役目なのだから

 

「あー・・・ロマニ? もしかしてまだ伝えていないのかい?」

 

「いや、言おうと思っていたんだけどね、キミが入って来ちゃうからさ・・・」

 

なんだ? 彼らは何を言っている

如何してそのような気まずい顔をしている

まさか、マスターに定員があるというのか、それならば尚の事、その一般人のマスターを外すべきだ

俺が進言しようと思ったと同時に、俺の耳に入って来たのは―――――――――

 

 

「そうか、なら私が言おう。

セージ・C・アコニートゥム。君のマスター適正は喪失している」

 

信じがたい言葉だった。




失うことはFateの醍醐味だと思う
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