俺は竈の女神様   作:真暇 日間

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カレーたゆたう原因になった聖杯戦争-21915日目、そしてカレー溢れる聖杯戦争3652日目

 

 時間は60年ほど遡る。聖杯を得るための戦争は既に三回目となり、しかしただの一度も聖杯が降臨することはなかった。

 それに業を煮やしたアインツベルンは、禁じられた方法に手を出した。英霊しか召喚できない聖杯戦争に、英霊より遥かに強力な神霊を呼び出そうとしたのである。

 そうして呼び出そうとした神霊は、拝火教とも呼ばれるゾロアスターの最強にして最大の悪神、アンリ・マユ。その力をもって他の参加者を蹂躙しようとしたのである。

 

 ───しかし、いくつかの出来事のせいで、アインツベルンはアンリ・マユを呼び出すことはできなかった。そもそも術式として聖杯戦争には神霊をそのまま降ろすようなことはできなかったと言うこと。加えてそういった無茶な召喚を実行した事によって対象が異常なほど広く取られてしまったこと。そして最後に、召喚した日の最後の食事がカレーだったこと。

 それらの縁によって呼び出されたのは、ゾロアスターの悪神ではなく異界の神格の分霊を納めた神造人間だったのだ。

 問題はそのクラスと実力にあった。

 そのクラスは救世主(セイヴァー)。そして全ステータスが評価規格外(EX)と言う恐ろしいもの。令呪の縛りを無効化し、膨大な魔力を搾り取りながら活動するそれは、名を『ベル』と名乗った。

 

 しかしベルは戦うことなく聖杯にくべられることになった。いや、マスターであるアインツベルンのホムンクルスが、あまりの魔力消費量に耐えきれず、中身の小聖杯ごと自壊してしまったことによってベルは聖杯に宿ることになった。

 だが、その程度でベルが消えることなどあり得ない。ただでさえ意識は神格のそれであり、身体は神格が手ずから作り上げたものを何度も繰り返し改修され、神や魔獣の血を浴び、ひたすらに鍛え上げられた物である。たかが聖杯にくべられた程度で───超抜級の魔力()に入ったところで、何かしらの影響が出るわけもない。

 

 結局第三回の聖杯戦争では小聖杯が砕かれて聖杯は降臨せず、第四回に向けて聖杯戦争は動き出す。

 

 ───その中に、取り返しのつかない歪み(カレー)を内包して。

 

 

 

 

 

 これは、記録である。冬木にて行われる聖杯戦争の、歪みの始まりの記録である。

 

 そしてその歪みはより大きくなり、より致命的になり、第四次、そして第五次聖杯戦争へと続いていく。

 

 

 

 

「問いましょう。貴方が私のマスターなのはわかりますので、とりあえずカレーはお好きでしょうか?」

「え、あ、まあ、好きっちゃ好きだけど……」

「よし。それでは少々お待ちを。あちらのランサーをすぐに片付けて参りますゆえ」

 

 セイバー/ガウェイン(カレー)

 マスター/■■士郎

 

 

 

 

「やれやれ、なんと荒い召喚だ。まったく……美味いカレー三杯で許してやろう」

「……なにこいつ」

「『なにこいつ』とはご挨拶だな。私を召喚したのは君だろう? 私の心は傷付いたぞ。慰謝料としてカレーをさらに二杯要求する」

「……え、あんたサーヴァントよね? 物食べる必要あるの?」

「なんと酷い主人だ。奴隷として呼びつけた男を侍らせるのに食事も与えないとは。地獄に落ちろマスター」

 

 アーチャー/無銘(カレー)

 マスター/遠坂凛

 

 

 

 

「自害せよ、ランサー」

「ごへぁっ!?」

「ランサーが死んだ!」モグモグ←アルトリア

「いいぞ!もっとやれ!」モグモグ←子ギル

「てめぇらいいかげんにしやがれ!と言うかなんで令呪を使った一つ目の命令が『『自害せよ、ランサー』の声に合わせて毎回死んだふりをしろ』なんだよ!馬鹿じゃねえのか!」

「くっ……私が令呪を奪われたばっかりに……申し訳ありません、ランサー……!」モグモグ

「食いながら言ってんじゃn」

「自害せよ、ランサー」

「ゴゲバァッ!?」

「ランサーが(ry」モグモグ

「このひとで(ry」モグモグ

 

 ランサー/クー・フーリン

 マスター/ダメット・フラガ・マクミレッツ→言峰綺礼(マーボーカレー)

 旧セイバー/アルトリア・ペンドラゴン(カレー)

 旧アーチャー/ギルガメッシュ(カレー)

 

 

 

 

「今日のカレーはワカメカレー♪ 明日のカレーはチキンカレー♪ 明後日のカレーはトマトカレー♪」

「たまにはカレー以外も作れよ! もうカレーには飽き」

「カレーとは人生……人生に飽きたと言うならば、その素っ首撥ね飛ばしてくれよう……!」←ランスロット

「……カレーはともかく、ワカメは嫌いなのですが……」

「諦めろ。昔の蟲カレーより万倍ましだ」モグモグ

 

 

 

 

 ライダー/メドゥーサ

 マスター/間桐桜(カレー)

 旧バーサーカー/ランスロット(カレー)

 旧マスター/間桐雁夜(カレー)

 

 

 

 

「ねぇ、バーサーカー」

「どうかしましたか? お嬢様」

「……え、あの、貴方、バーサーカー……よね?」

「もちろん私はバーサーカーでございます。どこに出しても恥ずかしくないバーサーカーですよ?」

「…………バーサーカー、なのよね?」

「ええ、バーサーカーです」

「………………ヘラクレス、よね?」

「? 私はアルカイオスですが……まあ、似たような存在ですな。世界は少々違いますが。カレーでもいかがです?」

「 」←ガチャで家賃溶かしたような顔のイリヤ

 

 

 

 

 バーサーカー/アルカイオス(カレー)

 マスター/イリヤスフィール・フォン・アインツベルン

 

 

 

 

「私がいる」

「私がいる」

「私もいる」

「十年前に正規の方法で召喚されたのが貴女のマスター、メディア☆リリィ」

「十年前にキャスターに召喚されたのが私、キャスター、メディア」

「今回の聖杯戦争で召喚されたのが貴女、キャスター、メディア」

「カレー屋の前で倒れていた貴女を拾ったのが私」

「今話を聞いているのも私」

「カレー食べます?」

「「話の腰を折らないで!」」

「あ、アサシン召喚しておきますね☆」

「「ヤメテ!」」

「我、ハサンの中のハサンなり……」モグモグ

「「遅かったぁぁぁってか怖っ!?」」

 

 

 

 

 キャスター/メディア

 旧キャスター/メディア

 旧キャスター/メディア☆リリィ(カレー)

 アサシン/山の翁(カレー)

 

 

 

 

 なんか色々狂いに狂った第五次聖杯戦争にして大惨事聖杯戦争、始まります。

 

 (ナレーション:帰った洩矢神)

 

 

 

 




エイプリル!にはちょっと遅いですが、嘘予告です。

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