「なんじゃこりゃぁぁぁぁあああ!!?」
「うるさい」テンショーホンレツゥ!
「ごっへぇぁ!?」
ちょっと身体が男になっていただけだろうに。ちなみに鎧も合うように作っておいてやったから格好については問題ない。俺も逆だが同じような事になったが問題はなかった。だから多分こいつも大丈夫だろう。知らんが。
ちなみにゼウスは気付いてから暫く発狂した。俺がゼウスを男に戻すまで、ゼウスはほぼ全ての記憶を失って無垢な少女のようになっていた。あれが無垢とか笑わせる話だが、ヘラはそんなゼウスに対してとても良い笑みを浮かべていたな。
ゼウスは戻したら記憶も戻ったし、最悪モードレッドも戻せば良いと思っていたが、これなら戻さなくても大丈夫そうだな。
「ぐふぅ……な、なんでこうなった……」
「お前が騒ぐからだろう?」
「俺が騒いだところで性別は変わらねえよ!?」
それはそうだろう。騒いだのが原因なのは天将奔烈叩き込まれたことであって性別が変わったことではないからな。指し示す対象がずれているのだからその間に齟齬が生まれるのは仕方の無いことだ。つまり何が言いたいのかと言うと、この件についてモードレッドと話をする気は無いと言うことだ。
まあ、どうしても戻りたいと言うんだったら明日辺りには元に戻っているんじゃないか? 俺からすればもう一度権能を呼び出して行使するだけのこと。大した難易度ではないし、ついでに言うと原因である俺がその気にならないと恐らく戻るのは難しいんじゃないかと思うがね。
「……どーすりゃいいんだよこれ」
「逆に考えるんだ。その顔なら兜無しでアーサー王に会えると考えるんだ」
「……いや、でもよぉ」
「口答えして今日のお代わりがなくなるのと素直に従っておくのとどっちがいい?」
「いやー今までずっと顔を隠してたのがなんとかなって嬉しいぜ!」
ちょろいなこいつ。カレーで釣ってみたがちょろすぎるだろういくらなんでも。ポセイドンでもここまでちょろくないぞ。多分。
さて、それじゃあ早速約束通りにカレーを作ろうか。作り方を教えてやれば勝手に作り始めるだろうから教えてやろう。
まず適当(意味:状況や状態、性質などによく合い、ふさわしいこと)に材料を用意します。材料は大釜に魔力を込めれば出てくるのでそれを使いましょう。
そして適当(意味:条件や目的、要求などにうまく当てはまっていること)に材料を切り、適当(意味:ほどよい加減)に炒めてから適当(意味:良い塩梅)の量の水に放り込んで煮込みます。
後は適当(意味:適している状態)にスパイスを焙煎するなり砕くなりしてから混ぜ合わせ……ってのが基本だな。
「出来たか?」
「………………すまん、俺には無理だった」
「そうか。お前のカレーへの想いはそんなものか。まあ良いんじゃないか? 所詮はその程度の想いだった訳だし」
「すまん、もう一回、もう一回作らせてくれないか……!」
「お前が今作ったのを食い終わったらな」
極当然の要求だと思うがね。自分の失敗作くらい自分で処理しろっての。俺だって料理が上手くなかった頃には失敗作を自分で食っていた。まあ、失敗作と言ってもよほど凝ったものを作ろうとしない限りは普通に食べることのできるものになる。漫画や小説などのような『失敗する理由の無い大失敗』などそう起きるものではない。失敗するには必ず何らかの理屈が存在する。
洗剤を入れるとか、里芋の皮を剥かないで使うとか、明らかに古すぎる材料を使っていたとか、その辺りに生えていたキノコを使ったとか、そういったものだ。
飯マズ嫁は本当に何とかして欲しいと言う声があったりするが、だったら何が悪いのかをしっかりと教えてやればいい。それには知識がある程度必要になるが、死ぬよりはましだろう。
モーさん(♂)の容姿はプロトアーサーの髪を少し長くした感じと考えています。だからなんだって話ですが。