俺は竈の女神様   作:真暇 日間

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やっと入ったダンまち編
竈の女神、本格参戦


 

 カレー屋として凄まじく有名になった俺のファミリアだが、残念なことにオラリオにおいては中堅ファミリアに位置付けられている。ギルドに登録しないまま冒険者活動をさせることが黙認されている時点で本当にそれは中堅という扱いでいいのかと物言いがついてもおかしくない気がするが、知らん。興味がない。

 だが、他の奴ならともかくゼウスより下だと思われるのは腹が立つ。未だに股間の使用権はヘラに握られてるくせにな。

 天空のうち、雷霆の権能を保有しているのは紛れもなくあいつだが、雷鳴の権能は既にヘファイストスに移行している。雷霆に必要不可欠とも言える雨雲に関してもまた別の神格が司っているし、ゼウスだけなら結構どうとでもなったりする。

 天空の権能といっても、今から見れば遥か古代の人間たちによる天空とは、主に大気圏内の天気と天に輝く無数の星の二つに集約される。そしてギリシャには基本的に雪が降らないため、ギリシャ圏には雪の神格が存在しなかったところを俺がかっさらっていったのである意味俺も天空の神の一柱ではある。

 そして太陽を司るため、星の権能も一応ある。天空そのものの神格であるウラノスと、ありとあらゆる物が混じりあった混沌そのものとも言えるカオス、そして世界そのものであるガイアを除けば二つの天空のどちらも司る神格は他にいなかったりする。

 

 そう言うわけで、色々あったが俺も割と本格的に動いてみる事にした。

 具体的には、今まではカレー主体で行動していたところをダンジョン攻略にも多少振り分けるようにした。こうすることでダンジョン内にカレーショップを作ることができるのだ。

 それから俺の権能である国家守護の炎を規模を小さくしたマジックアイテムで再現。専用の燃料と火種が必要になるが、一時的に魔物避けの結界のようなものを作れるようにした。

 ちなみにだが、非常に良い値段がする。ダンジョン内で一時的にモンスターを一切気にしないで休むことができる場を作るアイテムなんだから相当な値段がついていても文句はないだろう。むしろ売っていると言う事実だけで平伏されてもおかしくない。実際売り出して少ししたらされた。

 ちなみに、このマジックアイテムは名称を『守護の灯火』と言い、文字通りに守護の力を宿している。守護の力を宿している以上、その光の届く範囲内での暴力は禁じられる。具体的に表すならば、結界の中での剣や魔法、弓矢を含むあらゆる攻撃は意味をなさず、毒物なども無効化される。またこの場合の守護には暴力だけでなく性的な意味を含む暴行からも守る効果があるため、同じ冒険者から襲われることもない。残念ながら光の届かない場所に運ばれてしまえば効果を失うため見張りは必須だが、まあその辺りは諦めてもらうしかない。神の悪意も恐ろしいが、人間の悪意もなかなかに悍ましい。

 だがまあ、少なくとも俺のところで使うならダンジョン内でのカレーショップを二十四時間営業にすることでカバーできるし、材料を俺以外に用意できる奴がいないだけで作り方自体は非常に簡単だからな。その作り方も俺以外にはできないからあくまでも俺にとっては簡単って話だが、俺の独占販売ってことで。

 ちなみにだが、ダンジョン内でのカレーの値段は深くなっていくにつれて加速度的に高くなっていく。材料などは勝手に生み出せるが、戦闘などによって死ぬ可能性を考えればかなり高くなってもまあ仕方ないわな。

 だが、ダンジョン内で金を持っている奴はそう多くはないだろう。少なくとも、大半は自分のファミリアに保管してあるはずだ。何か理由がなければ。

 そこで便利な魔石払いだ。モンスターから採れる魔石を代金にすることができるという、ある意味では画期的なシステム。それを導入することで客は増えるだろうし、俺も命の代金として十分にぼったくれる。迷宮の奥地でのカレーはさぞかし美味いことだろうよ。

 


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